土木業界の人手不足は加速化し、少子高齢化の波や土木業界特有の人材流動性の高さから、今後もますます深刻化する懸念があります。このような状況下で、慢性的な人材不足を解消するために、土木専門の人材紹介サービスを利用する企業が増加してきました。
しかし、どの人材紹介サービスが良いのか、どのように利用すれば良いのか、と迷う人事担当者の方もいるでしょう。
本記事では、土木業の人材紹介サービス9選ご紹介します。
人材紹介サービスの選び方や利用方法も詳しく解説するので、人材不足に悩んでいる土木関連企業の方は必見です。
土木業の人材紹介サービスとは?
土木業の人材紹介サービスは、土木業界で働きたい求職者と、人材を必要とする企業をつなぐサービスです。
業界の知識と経験を活かし、企業には適した人材の採用をサポートし、求職者にはキャリアアップにつながる仕事を紹介します。
そもそも土木業とは?
土木業は、道路や橋、トンネルなど、私たちの生活に欠かせないインフラを設計・建設・維持する仕事です。
土木業は、これらの生活基盤を構築するやりがいのある仕事ですが、一方で、過酷な労働環境や拘束時間の長さ、低賃金などを理由に、人材不足が大きな課題となっています。しかし、近年は働き方改革やデジタル化の波を受け、土木関連の職場環境も変化しはじめました。
その一環として注目されているのが、建設や物流の現場で活躍する機械や設備のDX化です。
例えば、フォークリフトのDX化は、労働効率を大幅に向上させ、土木業の課題解決に大きく貢献しています。
以下の記事では、フォークリフトDX化のメリットや課題解決の具体策について詳しく解説しているのでこの機会にぜひご一読ください。
土木業の人材紹介サービスが注目されはじめた背景
土木業界における人材紹介サービスの需要が高まっている背景には、慢性的な人材不足が大きく影響しています。
この人材不足は、高齢化による退職者の増加や大規模インフラ整備の需要増、働き方改革の進展など、さまざまな要因が複合的に作用していると考えられます。特に、若年層の土木業界離れは深刻です。
若年技能労働者の定着率が低い

2024年に発表された厚生労働省の調査結果から、土木業界における人材不足は、若年層の定着率の低さが要因の一つであることが明らかになっています。
特に、識別工事業における若年技能労働者の定着率が低く、約30%の企業が「定着していない」「あまり定着していない」と回答し、従業員30人以上の企業では、半数以上の企業が若年技能労働者の定着に課題を抱えていることが浮き彫りになりました。
定着率の低さの原因
定着率の低さの原因は、主に作業の身体的負担の大きさ(51.5%)で、続いて若年層の職業意識の低さ(36.5%)、同年代の先輩の不在(29.8%)でした。また、職別工事業では、危険を伴う作業や不安定な賃金体系など、他業種より課題点が多岐に渡っています。
参照:厚生労働省「建設業における雇用管理現状把握 実態調査報告書」
このような状況下で、日立建機・前田建設工業・イクシスによる重機の自律運転システムの開発は、土木現場の人手不足解消への画期的なソリューションとして期待されています。詳しくは以下の記事をご参照ください。
土木業の人材紹介サービス9選
それでは、土木業の人材紹介サービスを10選おすすめ順にご紹介しましょう。まずは、各人材紹介サービスの特徴や料金など気になる項目をまとめた一覧表からご確認ください。
サービス名 | 主な特徴 | 料金形態 | 紹介料 |
ジョブテック for CAD |
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成果報酬型 | 28% |
グローバルスタッフ |
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成果報酬型 | 理論年収35% |
JAGフィールド株式会社 |
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成果報酬型 | 要問合せ |
ビーバーズ |
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要問合せ | 要問合せ |
大末テクノサービス |
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成果報酬型 | 要問合せ |
レガリス |
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要問合せ | 要問合せ |
イーフラッグ |
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要問合せ | 要問合せ |
エヌズ・スタッフサービス |
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要問合せ | 要問合せ |
ニア・エンジニアリング |
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成果報酬型 | 要問合せ |
①ジョブテック for CAD
ジョブテック for CADは、CAD業界と土木業を中心とした人材紹介サービスです。企業の採用ニーズに合わせて、CADスキルや土木業の実務経験を持つ優秀な求職者を厳選し、面接から採用決定まで一貫してサポートします。
また、提携する教育サービスを活用し、求職者にDXやAIといった最新技術を学ぶ機会を提供。これにより、土木業界やCAD関連業務スキルを備えた人材を育成し、即戦力として紹介しています。登録は無料で成果報酬型を採用しているため、コストを抑えながら利用可能です。
②グローバルスタッフ

グローバルスタッフは、土木業・建築業を主体に人材紹介サービスを展開しています。同社は、現在の土木・建設業界が抱える現場の状況や課題を理解した、空調設備業界のトップ企業である新菱冷熱工業のグループ会社です。
人材紹介は、建設業界特有の幅広い職種に対応した人材データベースを活用し、各企業のニーズに適した人材を素早くマッチングしています。なお、こちらは人材紹介期限が2年と定められているので、プロジェクトの施策に合わせて適した時期に利用しましょう。
③JAGフィールド株式会社

JAGフィールド株式会社は、土木・建設、不動産、ITエンジニアリングまで対応する人材紹介サービスです。登録者は、建築士や造園施工管理士、電気工事士、ボイラー技士などの資格保有者も多数在籍しています。
こちらは、人材紹介と紹介予定派遣の二つのサービスを展開し、紹介予定派遣では最長6ヶ月間の試用期間を経た後に採用を決定できます。採用決定までは費用が発生しないので、効率的かつ的確なマッチングを希望する企業にも最適です。
④ビーバーズ

ビーバーズは、土木・建設業界の深刻な人材不足に対して、土木・人材紹介からコンサルティング、DX支援、M&Aまで、建設企業の包括的なソリューションを提供しているサービス会社です。
こちらは、建設業界に特化したコンサルタントが、正社員紹介から派遣、フリーランス、高度技術保有の外国籍の方まで、企業の課題に応じて人材をマッチング。紹介する人材のスキルレベルに合わせた料金体系で対応し、サービスの質と満足度の両立を実現しています。
⑤大末テクノサービス

大末テクノサービスは、建築・土木・設備分野の技術者から事務職、ITエンジニアまで、幅広い職種に対応する人材紹介サービスです。各業界の特性を熟知したコンサルタントが、企業の課題を丁寧にカウンセリングし、最適な人材マッチングを実現します。
対応する勤務形態も、派遣、紹介予定派遣、アウトソーシングなど多彩。完全成功報酬制と充実した返金制度により、企業の採用コスト削減に貢献します。
⑥レガリス

レガリスは、土木・建設業界とモノづくり分野に特化した総合人材紹介サービスです。人材紹介サービスと紹介予定派遣があり、紹介予定派遣の場合、最長6ヶ月間程度の派遣期間を設け長期的雇用を実現します。
こちらは、大規模インフラ整備や都市再生、建築設備のメンテナンス、施工管理など、建設分野の幅広い職種に対応し、各地のビッグプロジェクトでも実績も豊富。人材紹介から派遣、教育支援まで、企業の人材課題を包括的にサポートします。
⑦イーフラッグ

イーフラッグは、土木・人材紹介を軸に、設備・OFMに対応する人材紹介サービスです。各分野に特化した豊富な実務経験と専門資格を持つ技術者を派遣し、再開発プロジェクトや超高層ビル、インフラ整備など、多様な建設プロジェクトをサポートしています。
こちらは、管工事施工管理技士やJR工事管理者、建築積算士など、土木現場で即戦力となる人材が多数在籍。業務経験者を求め、短納期で高品質なプロジェクト遂行を目指す企業に最適なサービスです。
⑧エヌズ・スタッフサービス

エヌズ・スタッフサービスは、建築・土木業界向けの人材紹介サービスです。業界経験20年以上のベテラン施工管理技士をはじめとするハイスキル人材を多数抱え、工程管理、品質管理、安全管理など、幅広い業務に対応しています。
こちらは、全ての施工管理技士を自社の正社員として雇用しているため、急な案件でも柔軟に対応可能です。充実したアフターフォロー体制により、1%未満という低離職率を実現しています。
⑨ニア・エンジニアリング

ニア・エンジニアリングは、土木・建設技術者に特化した人材サービスを提供する企業です。技術士、RCCM、施工管理技士など、高度な資格を持つ技術者と、建設コンサルタントやゼネコン、メーカーとをマッチングしています。
こちらのサービスは、国内外のネットワークを活かしたグローバルなビジネスサポートも展開。専任エージェントが、登録から就業後までマンツーマンの親身なサポートを提供しています。
土木業の人材紹介サービスの選び方
土木業の人材紹介サービスは数多く存在し、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。以下では、土木業の人材紹介サービスを選ぶ際に、どのような点に注目すれば良いのか解説します。
①専門性の高さ
土木業の人材紹介サービスを選ぶ際は、土木に特化した専門性が重要です。土木・建設業界の特性を深く理解しているサービスであれば、企業のニーズに合った人材を的確に紹介できます。
例えば、土木技術者や施工管理者といった専門職の紹介が得意なサービスでは、求職者のスキルや資格を事前に評価してくれるでしょう。また、特定の技術分野に特化した人材を抱えるサービスは、プロジェクトの特殊な要件にも対応可能です。
短期間で信頼できる人材を確保するためにも、自社のニーズに応じた専門性を持つサービスかどうか確認しましょう。
②サポート体制の充実度
人材紹介サービスの選定では、サポート体制の充実度も見逃せません。採用活動は、候補者の選定から面接、内定後のフォローまで多岐にわたるため、サポートの充実度により満足度やマッチング率が大きく異なります。
例えば、採用後のフォローがあるサービスは、雇用開始時のトラブルや離職を未然に防ぐことができます。また、ジョブテックのように、教育プログラムを提供して人材のスキル向上を支援するサービスは、即戦力として活躍できる人材をスムーズに獲得できます。
採用活動全体の負担を軽減するためにも、サポート体制が整ったサービスを選ぶことを心がけましょう。
③紹介に関する費用
土木業の人材紹介サービス選びでは、費用面も重要な選択基準です。人材紹介サービスの料金形態には、完全成功報酬型がメインですが、必ずしもすべてのサービスが完全成功報酬型を採用しているわけではありません。
明確な料金形態を明示していないなど、実際に問い合わせてみなければ料金形態や紹介料が不明であるサービスも多いです。まずは、人材紹介サービスで、「実際にいくらかかるのか」を尋ね、具体的かつ確実な料金設定を確認しておいてください。
土木業の人材紹介サービスの利用方法
人材紹介サービスの利用方法は、各サービスで若干異なる点がありますが、ここでは、本記事で紹介した「ジョブテック for CAD」を例に、人材紹介サービスの利用方法をステップごとに紹介しましょう。
STEP1. 求人登録(無料)をする
まず、「ジョブテック for CAD」にアクセスし、求人登録フォーム(無料)に必要事項を入力してください。この際、求める職種、経験年数、必要な資格、給与条件など、求める人材像をできるだけ具体的に記載しましょう。
STEP2. 採用相談
求人情報を登録後、人材紹介会社の担当エージェントから連絡が入ります。担当エージェントは、登録された求人情報をもとに、貴社の求人に合った人材を提案してくれます。
この段階で、より詳しく貴社の採用状況や、求める人材像について相談することも可能です。
例えば、以下のような相談をしてみてください。
- 企業のビジョンや社風
- 求める人物像
- 採用スケジュール
- 採用に関するご要望
これらを具体的な情報を伝えることで、より最適な人材を紹介してもらえます。
STEP3. 面接&採用決定
担当エージェントが、貴社の求人に適した人材を見つけると、求職者との面接を設定します。面接には、担当エージェントも同席し、円滑な面接進行をサポートします。
面接後、双方の合意のもと採用が決まれば、入社手続きへと進みます。
この際、入社手続きに関して不明点があれば、担当エージェントに相談してみましょう。
ただいま紹介した「ジョブテック for 建築業・土木業」の詳しい資料は以下のページからダウンロードできます。
土木業の人材紹介についてまとめ
土木業の人材紹介サービスは、近年増加傾向にあり、サービスはそれぞれ異なり、信頼度やサービスの質も違います。利用する前にはしっかりリサーチして納得のいくサービスを選ぶことが重要です。
まず、本記事を参考にぜひ複数の土木業関連の人材紹介サービスに相談し、紹介料などの価格面、サービスの範囲などしっかり問い合わせた上で納得できるサービスを選びましょう。
ジョブテックでは、経験豊富なエージェントが親身で信頼性の高い人材紹介を行っています。
CAD関連人材紹介会社はこちら→ジョブテック for CAD
土木関連の人材紹介サービスに迷った企業の担当者の方は、ぜひ上記のサービスをご検討ください。
