総合テクノロジー企業のシーメンスが提供しているNXのCADソフトに興味をお持ちではないでしょうか。しかし製品の種類が多いことから、使いたい機能の価格がわからないとお悩みの人も多いでしょう。
そこでこの記事では、NXのCADの種類を紹介したのちに、それぞれの価格情報をわかりやすくまとめました。また、NXのCADと他3DCADソフトとの価格の違いも解説しているので、CADソフト導入の参考にしてください。
NXのCADとは?
NXのCADは、ドイツに本社を持つ総合テクノロジー企業のシーメンスが提供している製品設計向けのCADソフトです。
以下に示す一連の業務をトータルサポートできるハイエンド3DCADとして、世界中のエンジニアに利用されています。
- 設計
- 製造
- 解析
- データ管理
CAD、CAM、CAEを含めた機能が搭載されていることから、製造業務の効率化のみならず製品開発プロセスの生産性を向上できるのが魅力です。
なおNXのCADは、以下に示す2種類が提供されています。
製品名 | 対応範囲 |
NX | 社内ネットワーク利用 |
NX X | クラウド利用(SaaS) |
またNX XについてはStandard・Advance・Premiumという3種類の価格プランが用意されています。
Standard | Advance | Premium | |
基本的な設計・編集 | 対応 | 対応 | 対応 |
データ共有 | 対応 | 対応 | 対応 |
PMI | 非対応 | 対応 | 対応 |
製品検証・レンダリング | 非対応 | 対応 | 対応 |
AI予測 | 非対応 | 非対応 | 対応 |
高度な表面分析 | 非対応 | 非対応 | 対応 |
これからCADソフトの導入を検討している方は、NXのどのCADソフトが必要なのかを検討しましょう。
NXのCADの価格情報

NXのCADを導入したいと検討している方向けに、各製品の価格情報を整理しました。
なお、NXのCADのうち社内ネットワーク利用に対応した「NX」は要問い合わせとなっています。そのため以下に、クラウドベースで利用に対応した「NX X」のライセンス価格をまとめました。
プラン | 年額(税込) | 月額換算(税込) |
NX X Design Standardの価格 | 1,079,901円/年 | 89,992円/月 |
NX X Design Advancedの価格 | 1,402,948円/年 | 116,912円/月 |
NX X Design Premiumの価格 | 1,790,605円/年 | 149,217円/月 |
また、NX Xには有料の追加アドオンとして「NX X Value Based Licensing」というCAD・CAM・CAEの拡張機能が用意されています。
以下に示すような100種類以上のアドオンモジュールが用意されているため、設計の効率化が可能です。
- 専用の設計ツール
- 標準部品アプリケーション
- 設計統合シミュレーション
- プログラミングおよびカスタマイズツールキット
- ダイレクトトランスレーター
年額1,611,879円(税込)であり、月額にすると134,323円で必要なアドオンを追加できるようになるため、更なる設計スピードの向上のために契約してみてはいかがでしょうか。
NX Xは評価版として30日間の無料トライアルあり

NXのCADのうちクラウドベースの「NX X」は30日間の無料トライアル(評価版)が提供されています。
学生のみではありますが、前述したプランのなかでも価格が高い「NX X Design Premium」を利用できるほか、有料価格で提供されている追加プランの「NX X Value Based Licensing」もまとめて利用できるのが特徴です。
価格もかからず30日完全機能を利用できるので、以下にNXのCADを無料トライアルとして導入手順をまとめました。
まずは、上記ボタンからトライアルページにアクセスしてください。画面右側にログインの画面が表示されているので、Googleアカウントやシーメンスアカウントでログインしましょう。
次に、国名や会社情報、電話番号などを入力したら、同意項目にチェックを入れて「提出する(Submit)」をクリックしてください。ページが切り替わると地域設定が表示されるため、アジア太平洋を選択しましょう。
NX Xのトライアルをダウンロードするページが表示されるので、赤枠の「Lanch NX X trial」をクリックしてください。
最後にダウンロードボタンが表示されるので、クリックしましょう。
これでインストーラーの準備が完了します。
画面に表示されたダウンロードボタンをクリックすれば、NXのCADを導入できます。
価格をかけずにNXのCADの操作性や機能性を確認したい学生の方は、ぜひ無料トライアルを利用してみてください。
詳しく価格を問わず無料でNXのCADを使う方法を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
NXのCADの価格シミュレーション
NXのCADを導入するにあたり、将来的にいくら価格がかかるのか気になっている人も多いでしょう。参考として、NX Xを導入する場合における3年・5年・10年という条件で価格シミュレーションをまとめました。
プラン | 年額 (税込) |
3年の価格 (税込) |
5年の価格 (税込) |
10年の価格 (税込) |
NX X Design Standard | 1,079,901円/年 | 3,239,703円 | 5,399,505円 | 10,799,010円 |
NX X Design Advanced | 1,402,948円/年 | 4,208,844円 | 7,014,740円 | 14,029,480円 |
NX X Design Premium | 1,790,605円/年 | 5,371,815円 | 8,953,025円 | 17,906,050円 |
もっとも機能が少ないStandardのプランでも、10年間で価格が1,000万円を超える見込みです。
現在の業務状況と価格を比較し、費用対効果を生み出せるのかを確認したうえでソフトの導入を検討してみてください。
NXのCADと他3DCADとの価格の違い
NXのCADとは別に、他の3DCADとの価格を比較したいと考えている人も多いでしょう。
参考として、NXのCADと同じく製品設計で利用できるハイエンド3DCADソフトの価格の比較表をまとめました。
3DCADの種類 | 年額(税込) |
NX X | 1,079,901~1,790,605円/年 |
Creo | 要見積り |
SOLIDWORKS | 581,038~1,383,800円/年 |
豊富な機能が搭載されたハイエンド3DCADのうち、NX Xの価格は、製品プランのなかでも中間的な位置にあります。
ハイエンド3DCADのなかでも比較的ランニングコストを抑えやすいほか、費用対効果を生み出しやすい製品であるため、体験版を使用した後は、シーメンスに具体的な導入効果を相談してみるのが良いでしょう。
また上表のなかでもNXのCADとSolid Edgeの価格の違いを知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
NXのCADの動作環境・対応拡張子
NXのCADはソフトウェアの容量が大きいハイエンド3DCADであるため、高負荷の処理にも対応できるパソコンを準備しておくことが大切です。
以下に、NXのCADとして推奨される動作環境をまとめました。
OS | Windows10以上 |
グラフィックボード | オンボードメモリ512MB以上 |
物理メモリ | 16GB以上 |
ディスク容量 | 20.0GB以上 |
ディスプレイ | 解像度1024×768pixel以上 色深度32ビットカラー |
なかでも処理スピードに影響する物理メモリは、なるべく16GB以上を準備しておくことをおすすめします。価格は高くなりますが、ゲーミングパソコンなどハイスペックなハードを用意しておくとよいでしょう。
また以下に、NXのCADで利用できる拡張子の種類をまとめました。
- prt(NXのCADのメイン拡張子)
- IGES
- STEP
- DXF・DWG
- STL
- JT
標準の拡張子はもちろん、Autodeskなどと連携できる拡張子にも対応しています。
特に変換ソフトなどを介さず、スムーズにデータ共有ができると覚えておきましょう。
NXのCADの導入がおすすめな人
NXのCADの価格などを把握したうえで、本当にシーメンスの製品が必要なのかお悩みの人も多いでしょう。
ここでは、NXのCADを導入すべき人の特徴を3つ整理しました。
価格以上の価値をもつソフトウェアですので、ぜひ参考にしてみてください。
NXのCADに価格以上の価値を見出している人
まず、NXのCADの機能や価格を見て、自社の抱えている製品設計の課題を解決できると判断できた場合には、ぜひ導入を検討してみてください。
NXのCADを活用すれば、設計効率の向上はもちろん、シミュレーションの自動化など、製品設計にかかる時間を大幅に削減できるのが魅力です。
人件費を抑える効果を生み出せるので、価格以上の価値を見出した方は、問い合わせからスタートしてみるのが良いでしょう。
CADにあわせてPDM(製品情報管理)に対応したい人
CADのみならず、PDM(製品情報管理)など、業務に関する全体的な効率化を検討している人にも、NXのCADが役立ちます。
NXのCADの価格プランによってはPDMへの対応も可能です。
また価格は増えますが、追加のアドオンを導入することにより、業務の一連の流れをNXのCADで対応できるようになります。
CAD・CAE・CAM対応のソフトウェアをお求めの人
製品設計において、CADによる3Dモデリングのみならず、その後に必要となるシミュレーションや解析にも対応したいなら、CAD・CAE・CAMに対応しているNXのCADが最適です。
基本機能としてシミュレーションや解析に対応しているほか、追加アドオンのなかにも特定の条件で利用できる解析機能が用意されているので、CAE・CAMの機能を網羅した3DCADをお求めなら、ぜひ導入を検討してみてください。
NXのCADの価格についてまとめ
NXのCADは、製品設計に利用できるハイエンド3DCADとして、多機能性が魅力の製品です。
確かに高額な製品ではありますが、それ以上の価値があることも事実です。
本記事で紹介した価格情報をもとに、ぜひ自社に必要なプランを検討してみてください。
