「Jw_cadを始めたけど、建築図面ってどうやって描くの?」建築業界で広く使われている無料CADソフト「Jw_cad」。その手軽さから初心者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ建築図面を描こうと思っても、専門的な知識や操作方法に戸惑ってしまうこともあるでしょう。本記事では、Jw_cad初心者の方に向けて、建築図面の基礎知識を解説します。
Jw_cadとは
Jw_cadは、建築業界で広く使われている無料のCADソフトです。そのシンプルで使いやすいインターフェースから、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されています。建築図面の作成に必要な機能が豊富に搭載されており、住宅やビルなどの設計に活用されています。
Jw_cadのダウンロード手順
Jw_cadのダウンロードは公式サイトから簡単に行えます。公式サイトにアクセスし、最新版のインストーラーをダウンロードして実行するだけで、すぐに利用を開始できます。
Jw_cadのダウンロード手順についてはこちらの記事でも解説しています。
Jw_cadの基本設定操作
Jw_cadは、建築図面作成に広く使われる無料CADソフトです。基本操作をマスターすることで、効率的に図面を作成できます。線の描画、寸法記入、文字入力など、建築設計に必要な機能が豊富に揃っています。Jw_cadの基本操作について解説していきます。
Jw_cadの基本画面
基本画面は、作図領域、コマンドメニュー、ツールバーなどで構成されています。これらの要素を理解することで、効率的に図面を作成できます。
- Jw_cadを起動する
- 基本画面
名称 | 説明 |
メニューバー | ファイル操作、編集、表示設定など、Jw_cadの機能にアクセス |
コントロールバー | 現在の作図状態やコマンド設定を表示・変更 |
ツールバー | よく使うコマンドのボタン |
作図ウィンドウ | 図面を表示し、作図作業を行う |
レイヤーバー | レイヤーの表示・非表示、編集などの操作 |
Jw_cad最初にする基本設定
Jw_cadで建築図面を作成する前に、基本設定を行いましょう。作図単位や縮尺、レイヤー設定、用紙枠など、建築設計に必要な設定を事前に行うことで、効率的に作業を進めることができます。
用紙サイズに関しては、家庭用プリンターに合わし「A4サイズ」に設定します。
基本設定一般(1)設定方法
Jw_cadの基本設定方法を解説します。建築図面作成前に、作図環境を最適化し効率的な作図を実現します。
基本設定一般(1)の設定説明は以下の通りです。
基本設定 | 説明 |
読み取り点に仮点表示 | 作図時の正確性を向上させるためです。交点や端点など、正確な位置を把握しやすくなり、作図の精度を高めることができます。 |
線色要素・線種パターン・点半径 | 線色要素は、ファイル読み込み時に線の色情報を維持。
線種パターンは、ファイル読み込み時に線種パターンを維持。 点半径は、ファイル読み込み時に点半径を維持し図面の見栄えを維持。 |
描画・印刷状態 | 描画設定は、作図中に様々な描画状態(線の太さ、色、点形状など)を変更内容を次回ファイルを開いた際に再現。
印刷状態設定は、印刷時に様々な印刷状態(用紙サイズ、印刷範囲、縮尺など)を変更でき、次回ファイルを開いた際に再現。 |
文字基点ズレ | 文字の基点を微調整し、より正確な文字配置を可能にするためです。 |
用紙枠を表示 | 用紙枠を表示することで、図面が実際に印刷される範囲を視覚的に確認可能。 |
新規ファイルのときレイヤー名・状態を初期化 | 新規ファイル作成時に、常に同じレイヤー構成と状態で作業を開始できる。 |
プロフィール・環境ファイルを再読み | Jw_cadの設定情報が新規ファイル作成時に毎回読み込みます。(常に最新の設定で作業を開始可能) |
- 基本設定を選択する
- 基本設定
基本設定一般(2)設定方法
Jw_cadの基本設定方法を解説します。建築図面作成前に、作図環境を最適化し効率的な作図を実現します。
基本設定一般(2)の設定説明は以下の通りです。
基本設定 | 説明 |
矢印キーで画面移動、PageUp・PageDown、最小、HOMEで全体表示 | キーボードの矢印キーやPageUp、PageDown、Homeキーを使用して画面移動や拡大縮小、全体表示を可能。マウスとキーボードを組み合わせし効率的に操作可能。 |
マウスホイール | マウスホイールの操作で画面の拡大や縮小が可能。 |
- 基本設定を選択する
- 基本設定
用紙サイズの設定方法
Jw_cadで建築図面を作成する際、用紙サイズの設定は必須です。用紙サイズボタンによる設定方法を説明します。
- 用紙サイズA4を指定する
縮尺の設定方法
Jw_cadで建築図面を作成する際、縮尺の設定は重要です。建築図面では、用途に応じた縮尺を選びましょう。
- 縮尺設定
Jw_cad建築図面ファイルの操作手順
Jw_cadでの建築図面ファイル操作は、設計作業の効率を左右します。「ファイル」メニューから「開く」で既存ファイルを開き、「上書き保存」で変更を反映。
複数の図面を扱う際は、「ウィンドウ」メニューで表示を切り替え。図面整理には、「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」で複製や名前変更が役立ちます。これらの基本操作をマスターし、Jw_cadで建築図面をスムーズに扱いましょう。
図面ファイルの新規作成手順
Jw_cadで建築図面を作成する際、まず行うべきは図面ファイルの新規作成です。Jw_cadを起動し、「ファイル」メニューから「新規作成」を選択するだけで、新しい図面ファイルが開きます。
建築設計では、平面図、立面図、断面図など、用途に応じた図面を作成します。Jw_cadでは、これらの図面を1つのファイルで管理できるため、効率的な作業が可能です。図面新規ファイル作成は、Jw_cadを使った建築設計の第一歩です。
- Jw_cadを起動する
- 図面ファイルを新規作成する
これで図面ファイルが新規作成されました。
図面ファイルの保存手順
Jw_cadで作成した建築図面は、こまめな保存が重要です。「ファイル」メニューから「保存」または「名前を付けて保存」を選択し、任意の場所にファイルを保存しましょう。建築設計では、変更履歴を残すために、バージョンごとにファイルを保存するのがおすすめです。
Jw_cadのファイル形式(.jwwまたは.jwc)で保存すれば、編集可能な状態で保存できます。定期的な保存で、大切な建築データを守りましょう。
- 名前を付けて保存を選択する
- 名前を付けて保存する
- ファイル名が反映される
Jw_cad建築図面の基礎知識
Jw_cadで建築図面を作成する上で、図面の種類と用紙サイズ、縮尺、寸法線は非常に重要な要素です。図面の種類を使い分け、縮尺を正しく設定することで、実際の建物の大きさを図面上に正確に表現できます。
また、寸法線を適切に記入することで、建物の各部の寸法を明確に示すことができます。これらの基礎知識を習得することで、より正確で分かりやすい建築図面を作成することが可能です。
建築図面に使う用紙のサイズ
建築図面は、建物の設計や施工に必要な情報を伝える重要な役割を果たします。Jw_cadを使えば、平面図、立面図、断面図など、さまざまな種類の図面を効率的に作成できます。
図面のサイズも、A0、A1、A2、A3など、用途に合わせて自由に選択可能です。建築設計において、正確で分かりやすい図面作成は不可欠です。
建築図面に使う用紙サイズは以下の通りです。
仕様名 | 用紙サイズ(寸法 ヨコ㎜ × タテ㎜) |
A0 | 841×1,189 |
A1 | 594×841 |
A2 | 420×594 |
A3 | 297×420 |
A4 | 210×297 |
建築図面に使う尺度
建築図面では、実際の建物を図面上に表現するために縮尺を使用します。Jw_cadでは、様々な縮尺を設定でき、用途に合わせて適切な縮尺を選択することが重要です。
縮尺を理解し、適切に使いこなすことで、正確で分かりやすい建築図面を作成できます。建築図面における縮尺の知識は、Jw_cadを使いこなす上で欠かせません。
建築図面で使う尺度は以下の通りです。
尺度 | 図面 |
1:1、1:2 | 原寸詳細図、納まり図 |
1:5、1:10、1:20、1:30 | 矩計(かなばかり)図、部分詳細図 |
1:50、1:100、1:200 | 平面図、断面図、立面図などの意匠図、構造図、設備図 |
1:500、1:1000以上 | 大規模な土地の敷地図、配置図 |
建築図面に使う寸法
建築図面において、寸法は建物の各部の大きさを正確に示すために不可欠です。Jw_cadでは、寸法線コマンドを使用することで、簡単に寸法を記入できます。
寸法の種類や記入方法を理解し、適切に使いこなすことで、正確で分かりやすい建築図面を作成できます。建築図面における寸法の知識は、Jw_cadを使いこなす上で欠かせません。
Jw_cad建築図面を描く準備
Jw_cadで建築図面を描くには、事前の準備が重要です。まず、線属性や設計図に関する知識を身につけ、必要な図面の種類を把握しましょう。次に、Jw_cadの基本操作を習得し、作図に必要な設定を行います。建築図面を描く準備について説明していきます。
建築図面の種類
建築図面は、建物の設計や施工に必要な情報を伝える重要な役割を果たします。Jw_cadを使えば、配置図、平面図、立面図、断面図、矩計図(かなばかりず)など、さまざまな種類の図面を効率的に作成できます。
これらの図面は、建物の形状や寸法、構造などを正確に表現するために不可欠です。建築設計において、正確で分かりやすい図面作成は不可欠です。
建築図面の種類は以下の通りです。
図面名称 | コンテンツ |
配置図 | 建築物が経つ敷地の形状および道路や建築物の位置関係を表した図面 |
平面図 | 建築物の各階の床上から1m~1.5mくらいのところで水平に切断し、真上から下を見た様子を表した図面 |
立面図 | 建築物の外面を指定した方向(東西南北)から眺めた様子を表した図面 |
断面図 | 建築物を指定したところで鉛直に切断し、矢印方向に見た様子を表した図面 |
屋根伏図 | 建築物を真上から見た屋根の形状を平面的に表した図面 |
矩計図(かなばかり図) | 建築物を指定したところで鉛直に切断し、切断方向を詳細に表した図面 |
線属性の種類
Jw_cadで建築図面を作成する際、線の属性を使い分けることは非常に重要です。細線、太線、極太線、超極太線など、線の太さを適切に使い分けることで、図面の視認性が向上し、情報の伝達がスムーズになります。
建築図面では、線の太さによって表現する要素が異なるため、Jw_cadの線属性を理解し、使いこなすことが求められます。
線種と線色は以下の通りです。
線色 | 太さの位置付け | 線種 | 建築図面での用途 |
線色1 | 細線 | 実線 | 姿線、寸法線、寸法補助線、その他 |
線色1 | 細線 | 点線1 | 想像線 |
線色1 | 細線 | 点線2 | 隠れ線 |
線色1 | 細線 | 一点鎖線1 | 通リ芯(壁・柱中心線)、基準線 |
線色1 | 細線 | 一点鎖線2 | 切断線 |
線色2 | 太線または極太線 | 実線 | 断面線、輪郭線、見える部分の外形線 |
線色5 | 超極太線 | 実線 | 図面枠の線 |
線色5 | 超極太線 | 一点鎖線1 | 隣地境界線、道路境界線 |
補助線色 | 極細線 | 補助線種 | 印刷されない補助線。作図の目安などにするため一時的なに使用する線。 |
建築図面の図枠
Jw_cadで建築図面を作成する際、図枠は必須要素です。図枠は、図面の範囲や縮尺、タイトルなどの情報を記載する枠であり、建築図面の品質を左右します。Jw_cadでは、矩形コマンドや線コマンドを使い、簡単に図枠を作成できます。
Jw_cadでの図枠の描き方についてはこちらの記事でも解説しています。
Jw_cadが学べるおすすめのセミナー
Jw_cadを学びたいけどWeb上にはたくさんの情報があり、どれが自分に合っているのか判断するのは難しいですよね。
「Jw_cad基礎セミナー」では、プロの講師が厳選した内容を体系的に学ぶことができます。Jw_cadを触ったことがない初心者でも受講できる優しいセミナーとなっています。
Jw_cad基礎セミナーではどんなことが学べるのかというと、以下のようになっております。
- Jw_CADの基本操作と初期設定
- オブジェクトの作成(線/円/矩形/連線/2線/中心線など)
- オブジェクトの選択(基本/範囲選択/属性選択など)
- 作図補助機能の使い方(目盛とスナップ、クロックメニューなど)
- オブジェクトの編集(面取り/複線/消去/移動/包絡/パラメトリック変形など)
- レイヤと属性(レイヤの設定/オブジェクトの属性)
- 図面への注釈:文字(文字/編集/文字種設定)
- 図面への注釈:寸法(寸法/寸法設定/直列寸法/並列寸法)
- レイアウトの作り方(用紙枠の表示/レイヤグループの尺度)
- 図面比較機能
- データ管理・活用(他図面の活用・コピー)
上記の内容を実践形式で学ぶため受講後はすぐに実務で活用することができます。未来のキャリアに必要なスキルを、是非身につけましょう。
Jw_cad建築まとめ
この記事で、Jw_cadでの建築図面の基礎知識を解説してきました。Jw_cadで図面を作成する際、建築図面に関する知識とJw_cadの操作の幅を広げることが大事です。
しかし、「図面の種類が分からない」「寸法線の種類が分からない」といった悩みを持っている方に、図面の種類と寸法線の特徴を理解し、図面を明確に伝えるスキルを上げてください。
記事を見るだけでなく、Jw_cadをインストールし、実際に使ってみることをお勧めします。Jw_cadのインストール方法の記事も紹介していますので参考にしてください。
