facebook

【2025】人材不足を解消する10の方法!現状・原因と企業への影響まで解説

「求人を出しても応募が来ない」「人が足りず、現場が回らない」と悩みを抱える採用担当者は少なくありません。少子高齢化が進む今、日本企業の多くが深刻な人材不足に直面しています。また、若年層を中心に働き方の価値観も大きく変化しており、従来のやり方では人材を確保しづらいのが実情です。

しかし、人材不足が改善できないから諦めるのではなく、様々な解決方法を実施し、改善策を見出す必要があります。本記事では、人材不足の現状と原因を整理したうえで、具体的に企業が取り組める10の解消策をわかりやすく解説します。

人材不足の現状と原因

まずは人材不足問題がどこまで進んでいるのか、現状と予測、原因について以下2つを解説します。

  • 日本の労働人口は1,300万人の減少
  • 若年層を中心とした働き方の多様化

日本の労働人口は2040年に1,300万人の減少

日本は人材不足の問題がどの業界・業種でも深刻になっていますが、厚生労働省の公表したデータによると、15〜64歳の労働人口は、2000年のピーク時には約6,270万人でしたが、その後は減少が続いています。

労働人口推移

引用:厚生労働省

将来的にはさらに減少すると見込まれており、2040年には約4,970万人まで落ち込むと予測。つまり、ピーク時と比べて約1,300万人もの労働力が失われる見通しです。このように働き手そのものが減っていることが、人材不足の根本的な原因となっています。

若年層を中心とした働き方の多様化

第二に若年層を中心とした働き方の多様化があります。現代の若い世代は仕事に対する価値観が大きく変化しており、単に給与や安定だけでなく「働きやすさ」や「成長機会」を重視する傾向が強まっています。20代の若者は職場に快適さを求めるだけでなく、自身がスキルアップできるかを重視し、転職や独立にも前向きです。

終身雇用が当たり前だった時代とは異なり、「この会社で定年まで勤め上げる」という発想が薄れ、より良い環境や自己実現を求めて転職することを躊躇しない人が増えています。こうした若者の価値観の変化に企業側が対応できないと、人材確保が一層難しくなるでしょう。

【2025】人手不足に効果的な12の解決策とは?原因と成功事例も紹介

人材不足が企業に及ぼす影響

人手不足が企業に及ぼす影響

人材不足が続くと、企業の経営や職場環境に様々な悪影響が生じます。主に以下の3点です。

  1. 労働環境の悪化によって離職者数が増加
  2. 事業の縮小や倒産のリスク
  3. 採用コスト・教育コストの増大

①労働環境の悪化によって離職者数が増加

慢性的な人材不足下では、一人ひとりの業務負担が増えて労働環境が悪化しがちです。長時間労働や過重労働が常態化すると従業員のストレスも増し、モチベーションが低下。その結果、「これ以上負担の大きい職場に留まりたくない」「将来性が見えない会社から抜け出したい」という考えで転職や退職を検討する社員が増えるのは自然な流れです。

実際、労働環境の悪化や士気低下が続くと従業員の早期離職につながることが指摘されています。このように負のスパイラルによって、ますます人材不足が深刻化する恐れがあります。

②事業の縮小や倒産のリスク

必要な人材を確保できず事業が回らなくなると、企業は営業時間の短縮や営業日の削減、事業規模の縮小を余儀なくされ、売上減少につながります。それでも人材不足が解消されない場合、最終的には事業継続自体が困難となり倒産に追い込まれるケースも増えています。

倒産数

引用:帝国データバンク

事実、従業員の大量退職や採用難、人件費の高騰など「人材不足」を原因とする倒産は2024年に342件発生し、2013年以降で過去最多を更新。このように、人材不足は企業存続に直結する深刻なリスクとなっています。

③採用コスト・教育コストの増大

人手が足りない状況下では、人材獲得競争が激化するため人材を採用するためのコストが上昇します。求人広告費の増加や人材紹介会社への支払いなど、採用一人あたりにかかる費用は年々高騰しており、条件面でも他社より高待遇を提示しなければ有望な人材を確保できない傾向があります。

さらに人材の流動化が進み定着率が低下すると、新人採用と育成を繰り返す必要が生じ、新人教育にかかる時間・費用負担も重くなります。実際、「社員の定着率が低下すると採用コストや教育コストが増加し、経営に悪影響を及ぼす」ことが指摘されています。高いコストをかけて採用しても早期離職されては投資が無駄になってしまうため、慢性的な人材不足は企業の人件費・採用費を押し上げ、収益を圧迫する要因となるのです。

人材不足問題を解消する10の方法

人手不足問題を解消する方法|採用強化

人材不足問題を解決する方法は大きく分けて「採用強化」「業務改善・自動化」の2種類に分類されます。

採用強化で人材不足問題を解消する

まずは採用を強化して人材不足を解決する方法です。採用強化の方法は以下の5つがあります。

  1. 採用チャネルを増やす
  2. 地方・海外人材の採用
  3. シニア・主婦層・障がい者の雇用促進
  4. 福利厚生・待遇の見直し
  5. 企業ブランディングの強化

①採用チャネルを増やす

求人募集のチャネルを増やし、多面的に人材にアプローチします。従来のハローワークや求人広告だけでなく、求人サイト、転職エージェント、リファラル採用、自社ホームページやSNSでの情報発信など、複数の採用手法を組み合わせることが重要です。

求職者側も仕事探しの方法が多様化しているため、一つのチャネルに頼らずオムニチャネルで募集をかけることで、より多くの応募者が期待できる可能性も。また、自社にマッチした媒体を選定することも大切で、例えば若年層にはSNSやウェブ求人、専門スキル人材には業界特化のサイト、といったようにターゲットに合わせたチャネル選びを行いましょう。

②地方・海外人材の採用

自社の所在地や限定した募集範囲にとらわれず、地方・海外へ広げる戦略です。地方在住者をリモートワークやUIターン採用で受け入れたり、海外から人材を呼び込むことも選択肢に。特に日本国内の労働人口減を補うため、政府も2019年に特定技能制度を導入し、介護や建設など人材不足が深刻な分野で外国人労働者の受け入れを促進しています。

2024年には制度の拡充に乗り出し、5年間で最大82万人の外国人材受け入れ枠を設ける方針が示されるなど、国を挙げて海外人材の活用が進行。海外人材は即戦力として期待できるケースも多く、語学力やグローバルな視点の導入といった副次効果も望めます。一方、地方人材については後述するテレワーク環境の整備などによって遠方からでも働ける仕組みを用意すれば、地元では働き口が少ない優秀な人材をリクルートできる可能性があります。

③シニア・主婦層・障がい者の雇用促進

定年退職後も働く意欲のあるシニア層、出産・育児で離職したが再就職を希望する主婦層、障がいのある方を受け入れるのも1つの施策です。例えば「フルタイム勤務が難しい人でも働ける柔軟な勤務制度を整える」「バリアフリー化や業務の細分化で障がい者が能力を発揮できるポジションを用意する」などの工夫がおすすめ。

実際、企業が多様な働き方に対応し、産休・育休、時短勤務、テレワーク制度などフルタイム以外のワークスタイルを許容することは、女性やシニア、外国人といった多様な人材の登用促進につながるとされています。

④福利厚生・待遇の見直し

人材確保のためには「選ばれる会社」になる必要があります。そのために賃金水準や福利厚生、労働時間制度といった待遇面の改善は必須。待遇が競合他社より劣るようでは人は集まりませんし、在籍社員のモチベーション維持も難しくなります。

主に以下の福利厚生・待遇改善策があります。

項目 内容例
有給休暇取得促進 取得率100%の目標設定・取得推進制度
在宅勤務手当 通信費・電気代の一部補助など
育児支援制度 保育料補助、時短勤務制度の拡充
社内設備 社員食堂、カフェテリアプランの導入
健康支援 メンタルケア、定期健康診断の強化

社員が「この会社で働き続けたい」と感じられる福利厚生を整備しましょう。待遇改善はコスト増にもなりますが、人材流出を防ぎ採用コスト削減にもつながる投資と捉えるべきです。

⑤企業ブランディングの強化

「採用ブランディング」に注力し、自社の魅力を発信してファンを増やす戦略です。労働力人口の減少に伴い人材獲得競争が激化する中、求職者に「この会社で働きたい」と選んでもらうには自社の魅力や価値観を明確に示すことが重要です。

具体的には、自社のビジョン・ミッションを発信したり、働きがいのある職場づくりの取り組みをSNSや採用サイトで紹介したり、説明会や面接で他社との差別化ポイントを伝えます。近年は、求人情報サイトや口コミサイトで企業イメージが伝えられる時代であり、成功すれば、「ここで働きたい」という人も増え、結果的に求人広告を出さなくても応募が集まる効果も期待できます。

業務改善・自動化で人材不足問題を解消する

人材不足問題を解消する方法は人材の雇用だけではありません。もちろん、ある程度の人材は必要ですが、ツールや制度の見直しで人材不足が解決できる場合もあります。

  1. 業務のデジタル化・RPAの導入
  2. ノンコア業務の外注化・BPOの活用
  3. 業務フローの見直しと標準化
  4. マルチスキル化の推進
  5. ITツールの導入

①業務のデジタル化・RPAの導入

紙や人手で行っている作業をデジタルツールで代替すれば、業務の効率化が可能です。特に近年注目されているのがRPAやAIの活用です。単純作業を自動化することで従業員はより高度な業務に集中でき、生産性向上につながるため、人手を募集する必要はありません。

例えば、データ入力を自動化したり、問い合わせ対応にチャットボットを導入することで業務負荷を軽減。ITによる業務自動化は初期投資こそ必要なものの、長期的には大きな効果を生みます。

②ノンコア業務の外注化・BPOの活用

自社の中で必ずしも担わなくてもよい業務は、外部に委託するのも手です。経理・総務・人事などのバックオフィス業務や、コールセンター対応、物流・配送、清掃・警備といったノンコア業務をアウトソーシングすることで、社内のリソースを本来注力すべき事業のコア業務に集中できます。

深刻な人材不足やビジネス環境の変化によりBPO需要は高まっており、「企業の人材不足」がBPOが注目されている一因とも言われます。人材不足で一人当たりの仕事量が増えている状況で業務を社外に委ねれば、従業員の負担軽減と業務の継続性確保にも。ただし、外注化する業務は自社の強み・価値に直結しない領域に限定し、品質管理の仕組みを整えることが重要です。

③業務フローの見直しと標準化

人材不足のときこそ、業務のムダや非効率を徹底的に洗い出すチャンスです。例えば、

  • 属人的なやり方で時間を浪費している業務はないか
  • 二重入力や重複作業はないか

など、根本から業務フローを見直しましょう。業務をマニュアル化して標準手順を整備するだけでも生産性向上に効果があります。

マニュアルやルールがあると新人でも一定水準の仕事ができ、ベテラン社員だけに業務が集中するのを防げます。また、作業手順の標準化は品質安定も期待でき、結果的に顧客満足度を高める効果も期待できるでしょう。

④マルチスキル化の推進

一人の社員が複数の業務スキルを身につける施策です。特定の担当者にしかできない業務があると、その人が不足したときに業務停止につながりますが、マルチスキル人材を育成しておけば柔軟に対応できます。

社内でジョブローテーションや研修を通じてマルチスキル習得を進めることは、業務の属人化を防ぎ、生産性向上と人材の定着にも効果的です。中小企業でも、部署間の垣根を低くしたり資格取得支援を行ったりしてマルチタスク人材を育てる工夫が大切です。

⑤ITツールの導入

あらゆる業務でIT技術を活用し効率化を図ります。業務内容に適したITツールの導入で、以下のような効果が期待できます。

  • グループウェアやチャットツールで社内コミュニケーションを円滑化
  • プロジェクト管理ツールでタスクの「見える化」
  • 在庫・勤怠・経費管理システムで管理業務を自動化する

中小企業向けにも使いやすいクラウドサービスが提供されており、紙や電話・FAXで行っていた業務をIT化することで、少人数でもスピーディかつ正確に仕事を進められるようになります。また、IoTやセンサー技術を使えば遠隔監視や予防保全が可能となり、人が常駐しなくても良い環境を作ることもできます。ポイントは、自社の課題に即したツールを選び、導入後に社員が使いこなせるよう研修やサポートを行うことです。

人材不足は経営において最優先に対処すべき課題

企業向けDX・AI人材育成研修サービス人材不足の根本解決には、人材の確保だけでなく「今いる人材をどう育て、戦力化していくか」が重要です。「採用しても定着しない」「スキルが追いつかず業務が回らない」と悩みを抱える企業こそ、戦略的な人材育成が求められています。

DXやAIの活用は業務効率を大きく向上させる一方で、それを担う人材の育成が追いついていない現実も否めません。今回紹介するDX・AI人材育成研修サービス」では、DXレベルの可視化から研修設計、実践までを一貫してサポート。短期集中型の研修から中長期的な人材戦略まで、御社の状況や課題に合わせて最適なプランを提案いたします。研修サービスの受講を検討している企業は以下のリンクからチェックしてください。

また、教育体制の構築やリスキリング助成金の相談まで対応可能な無料相談も受付中です。現場で即戦力となるDX・AI人材を育てたい企業様は、まずは無料資料をダウンロードしてみてください。

【2025】生成AI人材に求められる7つのスキルとは?企業における育成の注意点

人材不足の解消方法についてのまとめ

人材不足という経営課題は、一部業界だけの話ではなく、すべての企業に共通する深刻な問題となっています。

採用チャネルの見直しや福利厚生の強化といった採用施策に加え、業務のデジタル化・自動化、マルチスキル化による業務改善など、多角的なアプローチが求められます。また、採用して終わりではなく「育てて活かす」視点が重要であり、DX・AIといった時代に即したスキルを持つ人材の戦略的育成が、今後の企業競争力にも影響するでしょう。

本記事を参考に人材不足を諦めるのではなく、様々な施策を打ってみましょう。

人材不足を解消する10の方法!現状・原因と企業への影響まで解説
最新情報をチェックしよう!