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【2026】IVIの取り組みとは?つながる工場で得られるメリットや製造業が発展するためのポイント

Industrial Value Chain Initiative(IVI)は、日本機械学会生産システム部門の「つながる工場」分科会を母体として設立された団体です。製造業や製造機械メーカー、ITベンダーなど、様々な企業が参加し、ITとの融合を通じてモノづくりの現場が抱える課題解決を目指しています。

IVIは、緩やかな標準などを提唱しながら、日本のモノづくりの強みを活かしたデジタル化に取り組んできました。その取り組みの一環として、2024年10月には「IVI公開シンポジウム2024-Autumn-」が開催され、多くの関係者が集まりました。このシンポジウムでは、今後10年間で蓄積してきた仕組みやツールを基盤に、新たなグローバルなモノづくりの基準を打ち出すことを目指しています。

今回は、IVIの取り組みや主な取り組みの一つである「つながる工場」で得られるメリット、製造業が発展するためのポイントを詳しく解説します。

IVIの「つながる工場」とは

IVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)は、モノづくりとITが融合した新たな社会を形作るため、各企業の現場が主体的に動き出すことを促すための団体です。IoTや自動化技術などの技術が社会を大きく変えようとする中では「人」という要素を見失いがちですが、人が中心となるモノづくりが、IoT時代においてどのように変化し、どのような方向へと進むべきかについて議論を深めます。

IVIの「つながる工場」とは異なる装置や事業所がインターネットを通じて情報をやり取りすることで、生産の効率化を図る次世代の製造方式です。

​​IVIのつながる工場とスマートファクトリーの違い

IVIが掲げる「つながる工場」とよく似たものに「スマートファクトリー」があります。両者は密接に関連していますが、目的が異なります。

つながる工場は、製造業のバリューチェーン全体をデジタルで結びつけ、より高い付加価値を生み出すことを目指すものです。一方で、スマートファクトリーは、AIやIoTなどの先端技術を導入し、工場内の生産性を高める具体的な取り組みを指します。

つながる工場 製造業全体のデジタル化による変革
​​スマートファクトリー その変革を実現するための具体的な手段の一つ

スマートファクトリーについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【2025】工場DXとスマートファクトリーの違いとは?DX化がもたらすメリットや成功のポイント

IVIの「つながる工場」で得られるメリット

IVIの「つながる工場」で得られるメリット

IVIの「つながる工場」は、日本の製造業の競争力強化に大きく貢献すると期待されています。以下では、「つながる工場」によって得られる具体的なメリットを解説します。

変化に対応しやすくなる

つながる工場で複数の企業が連携するためには、各社の工場や現場が業種や業態を超えてスムーズにコミュニケーションを取れる必要があります。そのためには、それぞれの仕事や情報の形式をある程度統一する必要があるでしょう。

そのため、一定の厳密なルールを設けつつも状況に応じて柔軟にルールを追加したり変更したりできるような仕組みを構築することが重要です。「どんな生産方式を採用するか」「納期をいつにするか」といったレベルであれば、ある程度の柔軟性を持ったルールでやり取りが可能でしょう。

各社の強みを活かしつつ、より効率的で柔軟な生産体制を実現できるでしょう。

相互利益になるような情報をやり取りできる

IVIのつながる工場では、各社が相互利益を生み出すような情報を協調領域の情報としてやり取りしたり、その情報を各社が共有することで連携して生産をしたりすることができます。しかし、各社が協調領域と競争領域を明確に区別し、協調領域の情報を開示できるかが鍵となります。

自社の付加価値を認識することができる

「協調領域に出す情報と出さない情報を区別してください」と言っても、多くの企業がその線引きに苦戦しています。これは、日頃から自社の付加価値を深く理解していないことが原因と考えられます。

そのため、各社が自社の強みと弱みを正確に把握し、競争領域と協調領域を明確にする必要があります。自社の付加価値の根源を明確にすることで、より効果的な情報共有が可能となり、結果として各社の競争力強化につながるでしょう。

IVIの具体的な活動や取り組み

IVIの具体的な活動や取り組み

IVIは、日本の製造業の競争力強化を目指し、さまざまな活動を行っています。先述したIoTを活用した「つながる工場」の実現以外にも、日本の製造業の課題解決に向けた具体的な取り組みが注目されています。

以下では、IVIが行っている具体的な活動や取り組みを詳しくご紹介します。

IoTを使った情報システム構築

IVIでは、製造現場の情報システム化や工場のデジタル化が遅れている会員企業を支援するため、IoTを活用した生産性向上に向けた実証実験を目的としたワーキンググループ(WG)を運営しています。このWGでは、現場のエンジニアが中心となり、ITベンダーのサポートを受けながら、実際に工場にIoTシステムを導入・運用することで、IoTシステム構築に関する知識と経験を習得することを目指しています。

WGでは、まず、会員企業が抱える具体的な課題をヒアリングし、その解決策を検討します。次に、理想的な業務フローを設計し、実現に必要な情報システムの機能を定義します。

その後、情報システムの設計段階で、データの収集方法や分析手法を検討します。この一連のプロセスを通じて、参加者はIoTシステムの設計や構築、運用に関する実践的なスキルを習得することができます。

WGの大きな特徴の一つは、製造現場のエンジニアが中心となって活動している点です。これらのエンジニアは、日頃から現場で様々な課題に直面しており、IoTを活用することで、それらの課題を解決したいという強い動機を持っています。しかし、情報システムの設計やデータ分析などの分野には不慣れなケースが多く、WGでは、そのようなエンジニアに対して、IoTシステム構築に必要な知識やスキルを体系的に提供することを目指しています。

CADエンジニアについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【2025】CADエンジニアの求人サイト9選!求人例や年収・条件も徹底調査

IoT化推進のためのツール

IVIが提案する「10万円IoTキット」は、IoTを全く知らない人でも、手軽にIoTの世界に触れることができる解決策です。このキットの最大の目的は、IoTがどのようなものか、その可能性を体験してもらうことにあります。

キットには、小型コンピューターや様々なセンサーが3セット含まれており、わずか10万円程度でIoTシステムを構築することができ、IoTの基礎的な知識や技術を学びながら、実践的な経験を積むことが可能です。このキットを活用した具体的な事例には、ICカードを用いた工程管理や各種センサーによる製造設備の稼働管理、省エネ管理などが挙げられます。

10万円IoTキットを通じて、多くの企業がIoTの導入を検討し、日本の製造業のさらなる発展に繋がることが期待できます。

IVIにおける製造業が発展するためのポイント

IVIにおける製造業が発展するためのポイント

製造業が持続的な成長を遂げるためには、従来の考え方にとらわれず、新たな視点から革新的な取り組みを進めていく必要があります。以下では、IVIにおける製造業が発展するための重要なポイントを具体的に解説します。

IoTなどで情報技術を生産に活かす

IoTなどの情報技術を生産に活用することは、IVIにおける製造業の発展にとって重要です。単に最新技術を導入するだけでなく、仕入れから加工、デリバリー、決済まで、バリューチェーン全体をデジタルで繋ぎ、最適化することが求められるでしょう。

IoTによって、工場や現場、企業、人、モノが繋がり、連携することで、日本の製造業はさらなる発展を遂げることができます。日本の製造業が世界に誇る技術力と、IoTという最新の技術を融合させることで、新たな価値を創造し、持続的な成長を実現していくことが期待されます。

現場でエンジニアが中心となり改善を重ねる

日本の製造業の強みは、何と言っても現場のエンジニアの卓越した技術力です。「すり合わせ」という言葉が象徴するように、日本の現場では、エンジニアたちが周囲と協力しながら、改善しながら情報技術を生産に活かす必要があります。

IoTなどの技術を導入する際には、この日本の強みを最大限に活かすことが重要です。現場のエンジニアが、IoTを活用して、より効率的で高品質な生産を実現できるような環境を整えましょう。

付加価値を高める

付加価値は、一般的には製品やサービスに「特別な価値」を加えることを意味しますが、製造業においての付加価値とは、製品を生産したりサービスを提供したりする過程で新たに生み出される価値のことです。

具体的には、製品の売上高から原材料費や燃料費、設備などの減価償却費といった費用を差し引いた残りの金額が製品に付加された価値として捉えられます。この付加価値には、大きく分けて「粗付加価値」と「純付加価値」の2種類があります。

粗付加価値は、減価償却費を差し引く前の付加価値であり、設備投資などによる固定資産の減少分を考慮していません。一方、純付加価値は、減価償却費を差し引いた後の付加価値であり、企業の利益や従業員の賃金などに充てられる部分に相当します。

付加価値は、企業がどれだけ効率的に生産活動を行い、どれだけの利益を生み出しているかを示す重要な指標の一つと言えるのです。

人材育成を行う

人材育成は、単なるコストではなく、企業の将来を左右する重要な投資です。人材への投資が、企業の業績にどのような影響を与えるかを数値で正確に測ることは容易ではありませんが、多くの経営者は、人材育成が企業にプラスの影響をもたらすことを実感し、その成果を上げています。

一方で、多くの製造業の現場では、長年続く「見て盗め」という伝統的な徒弟制度が根付いており、熟練工は自分の技術を体系的に教えることに慣れていません。現代の若手社員は、より体系的で明確な指導を求める傾向があるため、この世代間のギャップは大きな課題となっています。このギャップを埋めるためには、以下のような人材教育プログラムを導入し、効果的に人材育成を行えるよう支援することが求められます。

CAD人材育成サービス

CAD人材育成サービスでは、短期的なスキルアップから、中長期的な人材育成まで、貴社の抱える課題や目標に合わせて最適なプランをご提案します。まずは、貴社の業務内容や育成したい人材像を詳しくお伺いし、一人ひとりに合わせた教育プログラムを作成いたします。また、研修プログラムには、eラーニングを組み込むことも可能です。貴社の業務内容に合わせたカリキュラムをカスタマイズし、効率的な学習環境を提供いたします。

研修終了後も、CAD活用に関するアイデア出しの場を設け、貴社の課題解決に向けて積極的に支援するため、学習だけに留まらず、実務に活かせるよう、CADをどのように活用していくべきか、一緒に考えていきます。

CAD人材育成サービスは、単なる座学ではなく、貴社が求めるCAD人材を育成するための総合的なサポート体制を整えております。研修を通して、社員のスキルアップはもちろん、企業全体の生産性向上にも貢献いたします。

IVIの取り組みは現場力を活かすことを重要視している

今回は、IVIの取り組みや主な取り組みの一つである「つながる工場」で得られるメリット、製造業が発展するためのポイントを解説しました。IVIの取り組みは、IoTなどのデジタル技術を駆使しながらも、あくまでも現場の力を重視するという点に特徴があります。

工場や現場で働く人々の知見や経験こそが、日本の製造業の強みであり、この強みを最大限に活かすことが、これからの日本の製造業の競争力強化に繋がると考えています。デジタル化が進む現代において、工場や現場、企業、人やモノが緊密に連携し、新たな価値を生み出すことが求められています。

IVIの活動は、まさにこの流れを加速させ、日本の製造業が世界に誇る存在であり続けるための礎を築いていると言えるでしょう。

IVIの取り組みとは?つながる工場で得られるメリットや製造業が発展するためのポイント
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