これから結婚式を控えている方など、結婚式の招待状を自分で作ってみたい、或いは自分たちで用意すれば予算を抑えられるかも、という方もいるのではないでしょうか。イラストレーターを使えば、結婚式のさまざまなペーパーアイテムを作ることが可能です。
この記事では、これから結婚式の準備をされる方などに向けて、イラストレーターを使った結婚式のペーパーアイテムの作り方をご紹介します。
イラストレーターで結婚式の招待状を作ろう
まずは、イラストレーターを起動して制作するサイズを設定します。今回は入稿を想定して、トリムマークをつけて作成します。サイズは今回はA5ちょうどではなく、一回り大きくします。
イラストレーターの新規ドキュメントからA4を選択します。アートボードは2、カラーモードはCMYKにしましょう。
もし、自宅のプリンターで印刷するので印刷するサイズが同じ方が良い場合は、大きさの変更はしなくても良いでしょう。サイズや招待状の向きは自分の作りたいものに合わせて、イラストレーターで設定してみて下さい。
結婚式の招待状のサイズやガイドの設定
イラストレーターの新規ドキュメントからA4サイズを設定できたら、この中にA5サイズを作成します。
アートボードの中に長方形ツールで招待状のサイズにA5サイズを作ります。A5サイズの148㎜×210㎜に設定しましょう。この時シェイプは線なしに設定します。
イラストレーターの整列
位置を整えたい時は、イラストレーターの「整列」の機能を使って招待状をアートボードの中心にくるようにします。
「オブジェクト」から「トリムマークを作成」を選択して、設定します。(トリムマークは、トンボと同じ意味です。)もう1枚のアートボードも同様に長方形でA5サイズを作成し、トリムマークを設定します。
ガイドの作成
次にガイドを作成します。長方形ツールでA5サイズを再度作成します。イラストレーターの「表示」から、「ガイド」→「ガイドを作成」を選びます。
ショートカットキーは、Windowsは「Ctrl+5」、Macは「Command+5」です。ガイドは、レイアウトの目安となる印刷されない線です。
トリムマーク(トンボ)やガイドについては、以下の記事でも詳しく解説しております。ぜひ、お読み下さい。
塗り足しの作成
印刷会社に入稿することをふまえると、塗り足しもあった方が良いでしょう。断裁する位置が外側にずれてしまった場合を考慮し、外側に塗り足しを作成します。実際に制作する時に、塗り足しの線内まで、デザインします。
今回はトンボの幅に合わせて3㎜で塗り足しを作成します。塗り足しはイラストレーターのメニューの「オブジェクト」→「パス」→「パスのオフセット」で3㎜と入力します。
入力すると、3㎜大きいオブジェクトが出来ますので、イラストレーターの「表示」から、再度「ガイド」→「ガイドを作成」を選んでガイド線にします。
内側に3㎜小さいガイドを作成したい場合は、「オブジェクト」→「パス」→「パスのオフセット」で−3㎜と入力します。内側のガイドの幅は、作成するものによって変わってきます。
もう1枚のアートボードも同様に、塗り足しを設定しましょう。ガイドが出来たらレイヤーをロックすると良いです。この後に、結婚式の招待状の文章やイラストを入れていきます。
結婚式の招待状に文章とイラストを入れよう
イラストレーターで文章を入れる際は、ツールバーの「T」マークが文字ツールになっていますので、 このマークをクリックして文字を入れます。 片方の面に結婚式の日時や場所などのご案内、もう片方の面にメッセージを入れると良いでしょう。
文字の書体は明朝体や楷書体などがおすすめです。イラストレーターには、書体が色々入っていますので、結婚式のイメージの合うものを選びましょう。
文章が入力できたら、結婚式のイメージに合うイラストを周りに入れても良いですね。イラストなどの素材は、フリーでもさまざまなサイトにありますので、色々探してみると良いでしょう。
画像などをイラストレーター内で配置する時は、画像の形式は、EPSやTIFF、PSDがおすすめです。もしフリーの素材サイトでAIデータ(イラストレーターの形式)があれば、AIデータでも良いです。
今回はAIデータのイラストを入れました。もし、イラストレーター内にPSDデータのイラストを入れる場合は「ファイル」から「配置」で入れることができます。
なお、イラストレーターでサポートされている形式は例えば以下となっています。より詳細に知りたい場合は、Adobe公式サイトのページにも掲載されています。印刷会社によって推奨している画像の形式もありますので、入稿する印刷会社のイラストレーターのデータ保存について確認しておくと良いですね。
イラストレーターでサポート対象のファイル形式 | |
Web用に保存 | GIF (gif)
JPEG(jpg) PNG(png) |
書き出し | AutoCAD Drawing(dwg)
AutoCAD Interchange File(dxf) BMP(bmp) CSS (css) Enhanced Metafile(emf) JPEG(jpg) Photoshop(psd) PNG(png) SVG(svg) Targa(tga) テキスト形式(txt) TIFF(tif) WebP(webp) Windows Metafile(wmf) |
保存 | Adobe Illustrator(ai)
Adobe PDF(pdf) Illustrator EPS (eps) Illustrator Template(ait) SVG(svg) SVG Compressed(svgz) |
結婚式の招待状のデータが出来上がったらイラストレーターの「ファイル」から別名保存しますが、入稿する場合は、データをアウトライン化しておきましょう。
アウトライン化は、イラストレーターのメニューで「書式」→「アウトラインを作成」で可能です。ただし、アウトライン化は出来上がってから作業します。イラストレーターで文字をアウトライン化すると、元に戻せないため、始めからやり直しになってしまいます。
イラストレーターのアウトライン化については、以下の記事に詳細が載っています。ぜひお読みください。
イラストレーターで結婚式のエスコートカードを作ろう
エスコートカードとは、結婚式のゲストに披露宴会場での座席を案内するためのカードです。もとは海外で始まったものですが、最近では日本の結婚式でも人気が高まっています。
どんなエスコートカードにする?
結婚式のエスコートカードは、形が決まっているものではなく、まずは四角形以外の形も含めてどんな形が良いか、自分たちの結婚式に合うか考えてみてください。
今回はイラストレーターを使って、名刺サイズで制作します。また、ゲストの名前とテーブルナンバー(アルファベット)を入れて制作します。
イラストレーターのサイズ設定
イラストレーターの新規ファイルから、A4サイズを選択します。結婚式の招待状の作成と同様に、長方形ツールを選択して、まずは名刺サイズを作りましょう。名刺サイズの91㎜×55㎜を入力します。
その後、イラストレーターのメニューの「オブジェクト」から「トリムマークを作成」を選択します。
トリムマークが作成できたら、結婚式の招待状の時と同じように外側3㎜と内側3㎜にガイドを作成します。できたらガイドをロックしましょう。
結婚式のエスコートカードの文字を入れよう
今回は、テーブルナンバー(アルファベット)とゲストの名前を入れました。文字を入力したら、位置も調整します。結婚式のイメージに合わせてイラストを入れたり、裏面も使って、ゲストにメッセージを入れるのも良いでしょう。
できたら、イラストレーターの「ファイル」から「別名で保存」します。必要であれば、アウトライン化もしましょう。
イラストレーターで結婚式のプロフィールブックを作ろう
結婚式のプロフィールブックとは、新郎新婦を紹介する冊子の形にまとめたもので、席次表の代わりに用いられることが多いアイテムです。写真やコメントを席次表より多く掲載できるため、2人の個性やこだわりを表現できます。
プロフィールブックは、結婚式当日に受付などでゲストに配布されることが一般的です。席次表と一緒に作られることも多く、結婚式でゲストへの感謝やおもてなしを伝えるためのアイテムです。イラストレーターを使えば、文字や写真をきれいに見やすく整えて作成できます。
今回はB4サイズを折った冊子タイプをご紹介しますが、大きさはA4サイズや他のサイズでも制作できます。
イラストレーターで結婚式のプロフィールブック作成
プロフィールブックに使う写真は結婚式の前撮りの写真も使えますし、普段の写真でも良いでしょう。今回は8ページでご紹介します。
B4を折って、B5サイズになるようにします。B4よりも大きいサイズで設定するため、イラストレーター上で最初はA3サイズで設定します。ファイルからA3サイズを選択します。アートボードは4にします。
結婚式のプロフィールブックの構成
上記はプロフィールブックの構成の例です。数字はページ番号です。
アートボードが4枚できるので、招待状の時のように、長方形を今回はB4で作成し、それぞれのアートボードに配置。B5サイズも組み合わせると、半分に折る線も作成できます。
その後、招待状作成の時と同様に「トリムマークを作成」や塗り足し、必要に合わせて内側のガイドを作成します。プロフィールブックの構成も、自分たちの結婚式のイメージに合う内容にできると良いですね。
結婚式のプロフィールブックのメリット
結婚式のプロフールブックには、以下のようなメリットがあります。
- 2人の写真を多くのせることができる
- 結婚式で新郎新婦について知ってもらえる
この2点について、もう少し解説します。
メリット①2人の写真を多くのせることができる
結婚式では多くの場面で写真が使われますが、当日に披露できる写真は限られています。せっかくの特別な場だからこそ、前撮り写真や思い出の写真をもっとたくさんゲストに見てもらいたい場合もあるでしょう。
結婚式のプロフィールブックなら、2人の思い出の写真や前撮り写真も豊富に掲載することができます。写真を多く撮るのが好きな方や、前撮り写真をたっぷり活用したい方には、プロフィールブックを活用するのがおすすめです。
メリット②結婚式で新郎新婦について知ってもらえる
結婚式には、新郎新婦の招待客が多く参加しますが、お互いのゲスト同士は相手のことをよく知らない場合も少なくありません。また、新郎新婦がどのような人物かを十分に知るのが難しいこともあります。
そんな時に役立つのがプロフィールブックです。生年月日や出身地などの基本情報だけでなく、2人の馴れ初めなども記載できるため、ゲストが新郎新婦についてよく知ることができます。
イラストレーターを学ぶならセミナーがおすすめ
イラストレーターを使えば、自分のイメージに合わせていろいろな結婚式のペーパーアイテムを作ることが可能です。ただし、イラストレーターを独学で学んで仕上げるまでに時間がかかってしまう可能性が高いため、この機会にセミナーで学習してはいかがでしょうか?
「Illustrator基礎セミナー」は、初心者向けの2日間短期集中講座で、Illustratorの基本操作から応用までを網羅します。受講形式は、会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つから選べ、未経験者でも実務で使えるスキルを習得可能です。
イラストレーターで結婚式のペーパーアイテムを作ろう!
今回はイラストレーターを使った結婚式のペーパーアイテムの作成についてご紹介しました。イラストレーターであれば、サイズや構成・書体などを色々組み合わせて、自分のこだわりや作りたいイメージで結婚式のペーパーアイテムを作ることができます。
イラストレーターの操作に慣れて行けば、作成も可能ですので、ぜひ挑戦してみてください。