この記事では、初心者の方に向けて、設計に不可欠なテキスト入力の基本を徹底的に解説します。3Dモデルへの文字の追加から、図面への注記の挿入まで、Autodesk Fusionでテキストを扱うための最初のステップを丁寧に解説していきます。
テキストの主な目的は、図面上の特定の要素や場所に注釈や説明を関連付けます。そして、テキストが指し示す対象を明確にし、設計意図や詳細情報を正確に伝えることができます。
フォントの選択、サイズの調整、配置の方法など、基本的な操作を一つずつ説明していきます。この記事を読めば、デザインに表現力豊かなテキストを自由自在に組み込めるようになります。テキストはよく使う機能なので覚えましょう。
Autodesk Fusionとは
Autodesk Fusion(オートデスク フュージョン)は、オートデスク社が提供するクラウドベースの統合型3DCAD/CAM/CAEソフトウェアです。製品設計、シミュレーション、製造準備まで、ものづくりの全工程を一つのプラットフォームで完結できるのが大きな特徴です。
直感的で操作しやすいインターフェースを持ちながら、高度なモデリング機能や解析ツールを備えており、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに利用されています。
Autodesk Fusionにおけるテキスト機能の基本
Autodesk Fusionにおけるテキスト機能は、設計プロセスにおいて重要な役割を果たします。主にスケッチと図面環境で使用され、寸法や注記の追加、部品へのラベル付け、デザインへの情報付加など、多岐にわたる用途で活用されます。
基本的なテキスト入力はもちろん、フォントの種類、サイズ、スタイルの変更、位置や角度の調整といった編集機能も備わっています。Autodesk Fusionを用いた設計の表現力とテキスト入力による情報伝達力を高めることができます。
テキスト機能は以下の通りです。
機能 | 目的 |
テキスト | 設計者の意図などの情報を伝えること。 |
注記 | 図面や設計情報に対して、より詳細な説明や補足情報を加え、意図や仕様を明確に伝え、誤解を防ぐこと。 |
引出線付注記 | 図面上の特定の要素や場所に注釈や説明を関連付け、設計意図や詳細情報を正確に伝えること |
スケッチにテキストで設計意図を伝える
Autodesk Fusionのスケッチ環境では、アイデアの初期段階でテキストを活用します。例えば、デザインの意図を示すメモ、設計者の意図を伝える、寸法補助としての注記、部品名やロゴの簡易的な表現などに便利です。作成したテキストは、押し出しなどの3D操作で立体化することも可能です。
図面にテキストで情報を伝える
図面作成において、Autodesk Fusionのテキスト機能は不可欠です。寸法値や公差、注記、部品表の項目など、設計情報を正確かつ分かりやすく伝えるために使用されます。
引出線付きの注記やバルーン注記など、多様な形式でテキストを入力でき、設計意図を明確にする上で重要な役割を果たしよく使う機能です。
Autodesk Fusionでスケッチでのテキスト入力方法
Autodesk Fusionのスケッチでテキストを入力するメリットは、アイデア段階でデザイン意図を視覚的に表現できることです。形状と文字情報を組み合わせることで、コンセプトをより具体的に伝えられます。それでは、スケッチモードの入り方から説明していきます。
スケッチモードの入り方
Autodesk Fusionでのスケッチモードの入り方から説明していきます。スケッチモードは、Autodesk Fusionにおいて、2次元の形状を作成・編集するための専用の環境です。
- Autodesk Fusionを起動する
- スケッチ作成を選択
テキストコマンドの選択方法
スケッチモードからテキストコマンドの操作方法を説明していきます。
- 作成からテキストコマンドを選択
- テキストの位置を指定するカーソールが表示
テキスト内容の入力方法
Autodesk Fusionでテキスト内容を入力するには、テキストコマンド選択後に表示されるテキストボックス内をクリックし、キーボードから文字を入力します。
- 適当な位置をクリック
- テキストを入力する
- テキストが表示
テキストの位置や角度の調整方法
Autodesk Fusionでテキストの位置を調整するには、修正コマンドから移動を選択します。また、文字の角度の調整も同じく修正コマンドから調整します。
- 移動コマンドを選択
- 文字の真ん中を選択
- テキストを移動
- テキストの角度を調整
- テキストを傾ける
Autodesk Fusionで図面でのテキスト入力方法
Autodesk Fusionで図面にテキストを入力するメリットは、設計意図や詳細情報を正確かつ簡潔に伝えられることです。寸法や注記、表面粗さなどの情報を文字で加えることで、製造者や関係者への指示が明確になり、誤解を防ぎます。Autodesk Fusionで図面へのテキストの入力はよく使う機能なので覚えてましょう。それでは、説明していきます。
図面を準備するため3Dモデルを準備する
Autodesk Fusionで図面にテキストを入力する前に、3Dモデルから準備しから図面への変換に切り替えていきます。デザイン作業スペースから図面の準備をします。
- デザイン画面に切り替える
- スケッチ作成を選択
- 中心の長方形を選択
- スケッチを描く
- スケッチを終了選択
- 押し出しを選択
- 厚みを10㎜に設定
- スケッチ作成を選択
- 中心の長方形を選択
- 丸穴を描くための長方形を描く
- スケッチを終了する
- 穴を設定する
- 3Dモデルが完成
図面については下記記事でも詳しく解説しています。
図面モードへの切り替え方法
3Dモデルが完成しましたので図面への移行説明し進めていきます。Autodesk Fusionで図面モードに切り替えるには、デザイン作業スペースで3Dモデルを開いた状態で、「ファイル」メニューから「図面」を選択し、に移行します。図面に移行後にテキスト入力などの注記機能が利用可能になります。それでは説明していきます。
- デザインから図面に移行
- 用紙サイズを設定
- 図面枠が完成
- 3Dモデルを図面に配置する
- エッジの表示設定
- 投影図を配置する
- 図面を移動(配置を変える時など)
注記コマンドの選択方法
Autodesk Fusionの図面環境で「注記」を入力するには、「注記」タブを開きます。ここに「注記」を、目的に応じた様々な注記コマンドが配置されています。注記を記入する主な目的は、図面や設計情報に対して、より詳細な説明や補足情報を加えることで、意図や仕様を明確に伝え、誤解を防ぐことです。注記コマンドをよく使う機能なので覚えましょう。
- 穴注記を選択
- 注記を記入する
テキスト内容の入力方法
Autodesk Fusionの図面でテキストを入力するには、テキストを選択し、キーボードから文字を入力します。それでは説明していきます。テキストを記入することで、設計者の意図を伝えることができます。テキスト入力は重要なので覚えましょう。
- テキストを選択
- テキストを記入
引き出し線付きテキストの作成方法
Autodesk Fusionで引出線付きテキストを作成するには、「注記」タブの「引出線付きテキスト」コマンドを選択します。引出線を使うことで、テキストが指し示す対象を明確にし、設計意図や詳細情報を正確に伝えることができます。引出線注記はよく使う機能なので覚えましょう。
- 引き出し線注記を選択
- 注記を入力
- 注記を記入
Autodesk Fusionは、無償版として1か月間無料で全ての機能を使うことが出来ます。Autodesk Fusionの無料ダウンロードは、以下のサイトから行えます。Autodesk Fusionの無料体験期間は1か月間終了します。無料ライセンスを継続して使用するには条件があります。
Autodesk Fusionを無料で使い続けられる条件は以下の通りです。
- 学生または教育機関:次世代のエンジニアやデザイナーの育成に貢献
- 売上1000万円未満の企業:新しいビジネスの成長を支援しAutodesk製品が業界標準となることを目指す
- 個人利用と非商用目的:将来的なプロフェッショナルユーザーの育成とAutodesk製品の利用促進
詳しい方法は、下記の記事でで紹介されていますので参考にしてください。
Autodesk Fusionで3Dモデルへのテキスト刻印方法
Autodesk Fusionで3Dモデルにテキストを刻印するメリットは、製品名やロゴ、シリアル番号などを直接モデルに表現できることです。これにより、視覚的な訴求力が高まり、ブランドイメージの向上や識別の容易化につながります。それでは、3Dモデルへの刻印方法を説明します。
スケッチで作成したテキストを3Dモデルに投影する方法
Autodesk Fusionでスケッチテキストを3Dモデルに投影するには、スケッチと押し出しを機能を使います。スケッチ上のテキストの輪郭が3Dモデルの表面に転写され、押し出しなどの3D操作で活用できます。
- Autodesk Fusionを起動
- スケッチ作成を選択
- 中心の長方形を選択
- 長方形を描く
- スケッチを終了
押出しを選択
Autodesk Fusionでスケッチしたテキストを3Dモデルとして表現するには、メニューから「押し出し」を選択します。2Dのテキストスケッチが立体的な3Dモデルに変換され、デザインの一部として組み込むことができます。
- 押し出しを選択
テキストを入力する方法
Autodesk Fusionでテキストを入力するには、まずメニューからでテキストコマンドを選択します。表示されたテキストボックス内をクリックし、キーボードから文字を入力します。プロパティウィンドウでフォント、サイズ、スタイル、位置などを調整できます。入力完了後、テキストボックス外をクリックして確定します。
- スケッチ作成を選択
- テキストを選択
- テキストを入力
- 押し出しを選択
- テキストを押し出し
Autodesk Fusionが学べるお勧めセミナー
Autodesk Fusionについては記事でも学べますが、理想的な記事を見つけるのは大変です。また、有料のコンテンツも多いためお金を払うのならセミナーを受けるのがおすすめです。
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Autodesk Fusionセミナー講習ではどんなことが学べるのかというと、
- Autodesk Fusionでモデリング方法と設計変更
- 3Dモデルからの図面化と寸法や注記を追加
- スケッチの寸法と幾何拘束
- データの保存・共有方法・ファイルのインポート・エクスポート
- サーフェスを適切に利用した高度なモデリング
- 応力解析の条件の設定と設計変更
- 複数のソリッドボディを利用したモデリング・アセンブリ内のモデリング
- 部品の組上げ・干渉チェック
- 組図・分解図・部品表の作成・編集
このような基本操作から実際のモデリング・応用解析まで学ぶことができます。
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Autodesk Fusionのテキスト入力まとめ
Autodesk Fusionにおけるテキスト機能は、設計の各段階で重要な役割を果たします。スケッチでは、アイデアのメモや初期デザインの表現に活用され、3Dモデルへの刻印では、製品情報やブランド要素を直接付与できます。
図面作成においては、寸法や注記として設計意図を正確に伝え、製造に必要な情報を提供します。Autodesk Fusionでの設計プロセス全体を効率化し、成果物の品質を高めることができます。Autodesk Fusionの操作方法で悩んだ時は、プロから学ぶのが一番です。
