エクセルで入力したデータの中から、特定のデータのみを抽出したい場合もあるでしょう。
エクセルでは、関数やフィルターを使うことでデータの抽出を行えます。
本記事では、エクセルの関数やフィルター機能から、データを抽出する方法について確認していきましょう。
エクセルのVLOOKUP関数を使ってデータを抽出する方法
エクセルのVLOOKUP(ブイルックアップ)関数は、指定した範囲内で検索をかけて、条件に合致したデータを抽出する関数です。
垂直を意味するVerticalと、探すを意味するLOOKUPを合わせた名前のとおり、列方向からデータを抽出できます。
VLOOKUP関数の構文は以下のとおりです。
「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索の型)」
VLOOKUP関数の引数の説明は、以下の表のとおりです。
引数 | 説明 |
検索値 | 検索をかけるデータを指定する。 |
範囲 | 検索をかけたい表の範囲を指定する。 |
列番号 | 範囲に指定した表の何番目の列からデータの抽出を行うかを指定する。 |
検索の型 | FALSE(完全に一致するデータ)もしくは、TRUE(近似値を含めたデータ)のどちらかを指定する。 |
例えば、下記の画像のように商品名と価格を表示した表がある場合、D4に「=VLOOKUP(D3, A2:B5, 2, FALSE)」と入力すると、D3と同じ商品名である鉛筆の価格をD4に表示できます。
VLOOKUP関数は、事務作業で、商品リストや顧客リストなどのデータベースから情報を検索するのにとても便利です。
エクセルのHLOOKUP関数を使ってデータを抽出する方法
エクセルのVLOOKUP関数は列からデータを抽出する関数ですが、HLOOKUP(エイチルックアップ)関数は行からデータを抽出する関数です。
水平方向を現す「Horizontal」のHが頭文字についています。
HLOOKUP関数の構文は以下のとおりです。
「=HLOOKUP(検索値,範囲,行番号,検索の型)」
HLOOKUP関数の引数の説明は、以下の表のとおりです。
引数 | 説明 |
検索値 | 検索をかけるデータを指定する。 |
範囲 | 検索をかけたい表の範囲を指定する。 |
列番号 | 範囲に指定した表の何番目の行からデータの抽出を行うかを指定する。 |
検索の型 | FALSE(完全に一致するデータ)もしくは、TRUE(近似値を含めたデータ)のどちらかを指定する。 |
例えば、下記の画像のようにテストの点数と合否判定を表示した表がある場合、B5に「=HLOOKUP(A5, A2:F3, 2, FALSE)」と入力すると、A5の点数の場合の合否判定をB5に表示できます。
このように、VLOOKUP関数は横に並んだ表から情報を検索する場合に便利です。
縦に並んだ表から情報を検索できるVLOOKUP関数とあわせて覚えておくようにしましょう。
エクセルで文字の一部分を抽出できる関数
エクセルでは以下の関数を使うことで、文字の一部分のみを抽出できます。
- RIGHT関数
- LEFT関数
- MID関数
- FIND関数
これらの関数について見ていきましょう。
関数①RIGHT関数
RIGHT(ライト)関数は指定した文字列から、指定した文字数分の文字を右から抽出する関数です。
RIGHT関数の構文は以下のとおりです。
「=RIGHT(文字列,文字数)」
文字列の引数には、指定したセルで代替も可能です。
例として、A1に「クロワッサン」と入力してB1に文字列の引数にA1を設定し、文字数を2に設定したRIGHT関数を挿入すると、以下の画像のような結果となります。
右側から文字を取得できる特性から、RIGHT関数は、電話番号や商品コードの末尾を抽出したい場合などに活用されます。
関数②LEFT関数
LEFT(レフト)関数は指定した文字列から、指定した文字数分の文字を左から抽出する関数です。
LEFT関数の構文は以下のとおりです。
「=LEFT(文字列,文字数)」
文字列の引数には、指定したセルで代替も可能です。
例として、A1に「クロワッサン」と入力してB1に文字列の引数にA1を設定し、文字数を2に設定したLEFT関数を挿入すると、以下の画像のような結果となります。
LEFT関数は、先頭のIDや日付の年を取得したい場合などに活用されます。
関数③MID関数
中心を意味するMiddleからきているMID(ミッド)関数は、文字列の指定した開始位置から、指定した文字数分の文字を抽出する関数です。
MID関数の構文は以下のとおりです。
「=MID(文字列,開始位置,文字数)」
文字列の引数には、指定したセルで代替も可能です。
例として、A1に「クロワッサン」と入力してB1に文字列の引数にA1を設定し、開始位置を2、文字数を3と指定したMID関数を挿入すると、以下の画像のような結果となります。
MID関数は、中心にある商品コードやIDの値を指定の位置から取得したい場合などに活用されます。
関数④FIND関数
見つけるを意味するFIND(ファインド)関数は、指定した文字列の中から、特定の文字の位置を検索して抽出する関数です。
FIND関数の構文は以下のとおりです。
「=FIND(検索文字列,文字列,開始位置)」
文字列の引数には、指定したセルで代替も可能です。
例として、A1に「クロワッサン」と入力してB1に文字列の引数にA1を設定し、開始位置を1、検索文字列を「ワ」と指定したFIND関数を挿入すると、以下の画像のような結果となります。
FIND関数は、メールアドレスの「@」の位置を取得したい場合などに活用されます。
エクセルのフィルター使ってデータを抽出する方法
エクセルでは多数のデータの中から、条件に合致するデータの絞り込みができるフィルター機能を使用できます。
特定のデータのみを抽出するのはもちろん、値の大きい順や五十音順への並び替えや、条件を指定しての複雑な絞り込みも可能です。
エクセルのフィルター機能を使ってデータを抽出する方法について見ていきましょう。
1.表を作成する
まず、フィルターを適用させるための表を用意する必要があります。
今回は、「名前」「年齢」「性別」「出身都道府県」が見出しの項目になっている表を作成しました。
2行にそれぞれ見出しとなる項目を作成して、フォームのフォントグループから「太字」や「背景色」を設定しています。
また、ホームタブの配置グループにある「中央揃え」を使って、セルの中心に文字の配置も行っています。
最後に、表全体を選択した状態で、ホームタブのフォントグループにある「罫線」から格子状の罫線をつけて見た目を整えました。
なお、エクセルで表を作成する方法がよくわからない方は、以下の記事を参考にしてみてください。基本的な表の作成方法から、応用する方法について解説しています。
エクセルで表作成は基礎的な内容になるので、ぜひ押さえておきましょう。
2.フィルターを適用させる
続いて、作成した表をすべて選択し、データタブの並び替えとフィルターグループにある「フィルター」をクリックしましょう。
すると、表の見出しに設定した項目に下向き三角形のアイコンが表示されます。
このアイコンをクリックすることで、並び替えや要素の絞り込みが可能です。
3.データを抽出する
実際に、表にあるデータの中から指定した条件に合致するものを抽出してみます。
今回は「出身都道府県」のフィルターを開いて、検索の下にあるチェックボックスから「東京都」にのみチェックを入れてみました。
すると、出身都道府県が東京都の人のみが抽出されて表に表示されます。
このとき、東京都以外にも大阪府も絞り込みに含めると、東京都と大阪府出身の人が抽出されます。
絞り込みを解除したい場合は、再度フィルターを開いて検索の下にある「(すべて選択)」にチェックを入れましょう。
エクセルで重複したデータを抽出する方法
COUNTIF(カウントイフ)関数は、指定した条件と合致するセルの数を数えられる関数です。
構文は「=COUNTIF(範囲, 検索条件)」となっており、左側の引数に検索をかけたいセルの範囲を指定します。
右側の引数には、重複しているかを調べたいデータを入力してください。
例えば、「=COUNTIF(D3:D8,”男”)」と入力すると、セルD3からD8の間で、「男」と入力されているセルの数を結果として出力されます。
表の中で同じデータが入力されている項目がないかを調べるときなどに重宝される機能です。
また、COUNTIF関数についてより詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
COUNTIF関数で部分一致を判定する方法や、エラーが発生する原因について解説しています。
実際の使用手順についても解説しているので、COUNTIF関数の理解がより深まるでしょう。
エクセルの関数を深く学ぶなら
エクセルを学ぶうえで躓きやすいのが関数です。関数を使う際は、柔軟な考え方が必要になるため、独学で理解するのは簡単ではありません。
Excel基礎セミナー講習では、エクセルで頻出する関数について学べるため、関数に関する理解がより深まるでしょう。
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気になる講座があれば、ぜひ公式ホームページから詳細をチェックしてみてください。
エクセルでデータの抽出についてのまとめ
今回は、エクセルでデータの抽出を行う方法について紹介しました。
データの抽出は関数を使うことで効率的に行えます。
また、RIGHT関数やLEFT関数のように文字の一部分を抽出できる関数も用意されているため、さまざまな用途に代用できます。
さらに、フィルター機能を使えば、表の中から完全一致するデータのみを抽出できるので、大規模な表を管理するのに役立つでしょう。
ほかにも、COUNTIF関数を使えば重複したデータをミスなく簡単に探し出せるため、自らの手で作業するよりも格段に効率がアップします。
普段からエクセルを使う機会の多い方は、ぜひデータを抽出できる関数やフィルターを活用して業務効率を高めてみてください。
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