ビジネスの現場で、DXという言葉を聞くことが多いのではないでしょうか。しかし、「なんだか難しそう」「結局、何から始めればいいのか分からない」と感じている方も多いと思います。
大切なのはDXの基礎をきちんと理解すること。
今回は、DXの基礎が必要な理由や学ぶべきことを解説します。さらに、基礎が学べるおすすめの講習や、企業が基礎講習で得られるメリット、基礎講習を選ぶ際のポイントも合わせて参考にして下さい。
DXとは何か?
ビジネスの現場で頻繁に耳にするDX。しかし、今さら聞けず、なんとなく分かったつもりでいる方も多いのではないでしょうか。DXとはデジタル技術を使って、企業の仕事の進め方や仕組みを大きく変えることです。
例えば、紙でやっていた業務をペーパーレス化したり、AIを使って問い合わせ対応を自動化したりと、具体的な内容はさまざまです。DXの目的は、時代に合った形で企業のやり方そのものを見直す取り組みなのです。
しかし、そのためには、基礎をしっかりと押さえることが欠かせません。
DXとIT化の違いについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
DXの基礎が必要な理由
ではなぜ、DXの基礎が大切なのでしょうか。以下でその理由を詳しく解説します。
DXを正しく理解するため
DXの本質は、顧客に提供する価値やビジネスモデルを時代に合わせて進化させていく取り組みにあります。ただ新しいツールを導入するだけでなく、DXの必要性を理解した上での取り組みが重要なのです。
だからこそ、まずはその基礎を正しく学ぶことが欠かせません。
現場で共通の考え方を持つ必要があるため
DXを成功させるには、現場との温度差を埋めることが重要です。経営層が理想的な未来像を描いていても、現場で業務を行う人たちの認識にギャップがあると、前には進みません。
だからこそ、DXの基礎を共通の知識として持つことが大切なのです。
最新技術で業務を効率化するため
人手が足りない、作業のムダが多いなどの課題に対して、最新技術を活用することで業務をスムーズかつ効果的にできる可能性があります。ただし、そのためには業務と照らし合わせながら、自社にとって本当に必要な技術を見つけ出すことが大切です。
DXの基礎を学ぶことで、その見極める目を持つことができるようになるのです。
自社の課題を解決する対策を立てるため
DXに取り組む目的は、自社が抱える課題を解決するヒントを見つけることにあります。例えば、業務が非効率、データを活かしきれていないなどの問題に必要なのは、課題を正しく把握し解決の糸口を見つける視点です。
その基礎を知ることで、自社の課題を客観的にとらえ、具体的な対策を立てるための判断力が身についていきます。
変化に柔軟に対応できるようになるため
技術や市場、顧客のニーズなどは常に変化しています。そのスピード感の中で企業が生き残るためには、柔軟に対応する力が必要です。DXの基礎を学ぶことで、時代の変化にどう対応するかを考えられるようになります。
新しいツールを導入する際にも目的や効果が明確な視点を持つことで、適応力がグンと上がるでしょう。
DXの基礎で学ぶべきこと
DXの基礎を身につけるためには、以下のような知識やスキルが求められます。
- ITの基本知識
- AIや機械学習の基礎知識
- ツールの使い方
- UI/UXの考え方
- データを分析し活用するスキル
- サイバーセキュリティの基本
- コミュニケーション力
- 企画力
- 柔軟性
- 学び続ける姿勢
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
ITの基本知識
DXが難しそう、と感じる背景には、ITに対する苦手意識があるのかもしれません。しかし、ITの基礎知識と言ってもプログラミングなどのスキルが必要というわけではありません。大切なのは、ITの仕組みを大まかにでも理解しておくこと。
インターネットの仕組みや、サーバーやネットワークの役割などを知っておくだけでも、DXに対する心構えが変わってくるはずです。
ITの基礎知識については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
AIや機械学習の基礎知識
DXの基礎を学ぶには、AIや機械学習が何をしているのか、ざっくりとでも知っておくことが大きな強みになります。例えば、AIは多くのデータからパターンを見つけ、判断や予測を行う仕組みです。
これを業務に応用すれば、需要の予測や顧客分析などに役立ちます。どんなシーンでAIを活かせるのかと理解しているだけで、DXを推進する上での提案に対する説得力も変わってくるでしょう。
ツールの使い方
実際の現場で活用されるのは、Google WorkspaceやZoom、Slackなどのシンプルなツールがほとんどです。これらの業務をサポートするツールはそれぞれに役割があり、上手く使い分けることで情報共有のスピードがグッと上がります。
基本操作はもちろん、活用のコツや連携の仕方も理解しておくと、業務の質がより向上します。
UI/UXの考え方
どんなに優れたシステムやアプリでも、使いにくいと感じられた瞬間にユーザーの心は離れてしまいます。そこで重要になるのが、UIとUXの考え方です。
UIはボタンの配置や画面の見やすさを指す一方、UXは使って感じたことや満足感を指します。
UI(ユーザーインターフェース)の考え方 | UX(ユーザーエクスペリエンス)の考え方 |
見た目や使いやすさ | 体験全体 |
DXにおけるデジタル導入は、ユーザーに使ってもらって初めて意味を持つため、「わかりやすく使ってもらうにはどうしたら良いか」というデザインの基礎を理解しておくことが大切です。
データを分析し活用するスキル
DXの推進には、データをどうやって活用するかという視点が欠かせません。例えば、売上データから顧客の傾向を見出したり、顧客の行動ログから改善のヒントを探ったりなどの分析ができると、戦略も提案も説得力を持ちます。
まずは、すでにあるデータに目を向け、そこから次に生かす力を養うことがDXの基礎になります。
サイバーセキュリティの基本
現在はリモートワークやクラウドサービスなど、オンラインでの情報共有が当たり前。常にサイバー攻撃や情報漏えいのリスクが隣り合わせだからこそ、基本的なセキュリティ意識を持つことが欠かせません。
組織としてどんな対策が必要かを知っておくことで、ツール選びやルールづくりにも役立ちます。サイバーセキュリティの基本を知っておけば、DXの取り組みも安心して進められるでしょう。
コミュニケーション力
DXを実現するには、部署を超えた連携や、異なる立場の人たちとの協力が欠かせません。そこでカギになるのが、コミュニケーション力です。
それぞれが持つ知識や前提を上手く繋ぐことで、DXの進み方は大きく変わります。ただ話すのではなく、どう伝えるか、どう聞くかという姿勢が重要です。
企画力
DXは新たなビジネスを生み出すきっかけにもなります。例えば、顧客のニーズをデータから読み取り、それに応えるサービスを立ち上げるという取り組みは成果の一つです。
そこで求められるのが企画力。特別なひらめきではなく、小さな違和感や気づきを形にする力を指します。DXの基礎を学ぶことは、新しい価値を創造するための発想力を養うことでもあるのです。
柔軟性
DXを進めていくと、これまでの常識が通用しないことも。そんな時にカギを握るのが柔軟性です。例えば、思い描いていたプランが途中で変更になったときは、ストレスと感じるのではなく、前向きに受け止める姿勢がDXをスムーズに進める力になります。
もちろん、毎回YESと言う必要はありません。しかし、今まで通りのやり方に固執せず、一度立ち止まって考え直す余白を持つことが欠かせないのではないでしょうか。
学び続ける姿勢
DXの分野では、新しい技術やサービスが次々と登場するからこそ、一度学んだから終わりではなく、もっと良くできる方法や今の時代に合った方法を問い続けることが重要です。
とはいえ、がむしゃらに情報を詰め込むのではなく、自分の業務や関心に近い部分から、少しずつ知識を更新していくのがコツです。DXの基礎を学ぶことは、学び続ける習慣のきっかけにもなるのです。
DXの基礎を学ぶための方法
DXの基礎をどうやって学べばいいのか分からない、という声は少なくありません。ここでは、その具体的な学び方をご紹介します。
書籍などでの独学
自分のペースで学びたい方にとって、取り組みやすいのが独学。最近では、DXに関する書籍や記事、動画など情報源が豊富です。
まずは、「DXとは何か」「データ活用の基礎」など、興味のあるテーマから読み始めると良いでしょう。SNSでは、現場でDXに携わっている人の声も見つけることができます。
企業研修・セミナー
企業研修やセミナーでは専門の講師が最新の動向を交えながら解説してくれるため、独学では見落としがちなポイントにも気づきやすくなります。受け身ではなく、能動的に学ぶ場として、DXに向けた第一歩を踏み出すきっかけになるはずです。
オンライン講習
忙しい方にとって、時間や場所を選ばずに学べるオンライン講習はとても効率的に学べます。オンラインでの講習は自分のペースで学べるのはもちろん、繰り返し視聴できることで理解を深めやすいのもポイント。
また、チャットなどで講師と交流できる形式もあり、独学と比べて学びの幅が広がります。
DX基礎講習とは
さまざまな学習法の中でも、体系的に基礎から学びたい方におすすめなのが「DX基礎講習」です。DX基礎講習は、DXにおける考え方はもちろん、最新技術の基礎から業務への活用方法までを体系的に学ぶための講習です。
DXの基礎知識や業務改善の進め方、ツールの活用法などを実践的に習得できます。企業研修としてはもちろん、自己啓発としても利用できるため、個人と組織の双方にメリットがあります。
DX基礎講習がもたらす企業へのメリット
では、DX基礎講習を受講することで、企業にどんな変化をもたらすことができるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
競争力が強化される
DX基礎講習を受けることで、社員一人ひとりがデジタル技術を活用する思考を持ち始め、現場から自然にアイデアや提案が生まれるようになります。従来のやり方を見直し、スピード感を持って動ける力が備わることで、新規事業への挑戦や顧客対応の質の向上にも繋がります。
結果として、変化に強く選ばれる企業へと近づいていけるのです。
生産性が向上する
DX基礎講習では非効率な業務を見直す視点や、ツールを使った自動化が学べるため、日々の仕事にムダがあることに気づけるようになります。そのため、時間とコストの削減に繋がります。
ただの業務効率化ではなく、人が本当に力を発揮すべき業務に集中できる環境を整えることが、DX基礎講習で得られる価値の一つです。
新しいビジネスが創りやすくなる
DXは、新しいビジネスのチャンスを見つける基礎にもなり得ます。DX基礎講習を通じて、技術を用いてどんな価値を生み出せるか、といった視点を持てるようになると、自然とアイデアが広がっていくためです。
こうした発想は、柔軟な思考と試してみる勇気を後押しします。DX基礎を講習で学ぶことは、そのきっかけ作りとして有効です。
社員の意欲が高まりやすくなる
DX基礎講習は、社員が自分の仕事に意味を見出し、成長の実感を得られる機会にもなります。自分たちが業務改善のためにデジタル技術を使い、より良くできると気づくことで、仕事への前向きな意識を育てるきっかけになるのです。
また、基礎講習で学んだ知識を共有することで部門間のコミュニケーションが活発になり、組織全体に一体感が生まれることも。DXの基礎講習は、社員と会社を繋ぐ役割も果たすのです。
トラブルに対する備えが強化される
DX基礎講習を通じて得られる知識や視点は、自然災害やサイバー攻撃などのトラブルへの対応力の強化に繋がります。例えば、紙の書類に頼らずクラウドで情報を管理することは、業務の継続性を高めます。
加えて、基礎講習でサイバーセキュリティの考え方を基礎から学んでおくことで対策が具体化されます。何かが起きてからではなく、起きる前に備えることがDX時代には欠かせません。
DX基礎講習を選ぶ際のポイント
現在は、多くのDX基礎講習が存在します。その中で、自分や自社に合ったものをどう選ぶか後悔しないために、チェックすべきポイントを押さえておきましょう。
DXの基礎知識が体系的に学べる講習か
DXの基礎講習と言っても、その中身は多岐にわたります。だからこそ、学ぶ順序や講習内容に一貫性があるかどうかを確認しましょう。DX基礎講習を選ぶ際は、DXの定義はもちろん、業務改善やデータ分析、セキュリティ、ツールの活用方法などの基本的なテーマを体系的に学べるカリキュラムが理想です。
理解のベースができれば、その後の応用もスムーズに広がっていきます。
自社の課題解決に繋がる講習内容か
どんなに評価の高いDX基礎講習でも、自社の課題や目的に結びつけることができなければ意味がありません。DXの導入目的は企業によって異なるため、自社の課題に対してどのような解決の糸口が提供されているかを確認することが大切です。
例えば、製造業であればIoTや工程管理に関する内容が含まれているかなど、基礎講習が課題に直結した内容であればあるほど、受講後、すぐに実務に活かせるようになります。
講習に最新のDXトレンドや事例が盛り込まれているか
先述したようにDXの分野は変化が早く、ついこの前の知識がすでに古くなっていることも。そのため、基礎講習に最新のトレンドや、実際に企業が取り組んで成果を上げた事例が含まれているかどうかが、判断基準の一つになります。
例えば、基礎講習に生成AIの活用などが取り上げられていれば、今の市場感覚とズレのない学びが期待できます。また、実際の事例があることで、自社での応用イメージも湧きやすくなるでしょう。
講師はDX分野で実績や専門性を持っているか
DXは現場でどう活かすかが大切だからこそ、基礎講習の講師の実績や専門性がものを言います。これまでにどんなDXを手がけてきたのか、どの業種や規模の企業と関わってきたのかを確認することで、講師の話がどれだけ現実的なものかが見えてきます。
また、失敗談や工夫なども交えて話せる講師であれば、講習受講者の理解も深まりやすくなるため、講師のプロフィールには事前に目を通しておくことをおすすめします。
初心者にも理解しやすい講習内容か
講習内容の分かりやすさは、基礎講習選びの重要なポイントの一つ。DXの基礎を学ぶ初心者の視点に立った講習内容であることが望ましいです。
また、図や具体例が豊富で、実際に手を動かしながら学べる構成になっているかもポイントです。基礎講習の受講者が「これならできそう」と思えることが、DXを自分ごととして捉えるきっかけになるのです。
基礎講習の形式が学習スタイルに合うか
最近では対面の基礎講習以外にも、ライブ配信型やハイブリッド型など、さまざまな形式が用意されています。自分のライフスタイルや業務との兼ね合いを考えて、無理なく継続できる基礎講習の形式を選ぶことがポイントです。
また、オンラインの基礎講習でも質問がしやすいか、教材がダウンロードできるかといった点も学習効果に影響します。続けられるかどうかという視点から基礎講習を比較することが、効果的な学びに繋がるでしょう。
講習は無理なく取り組みやすいスケジュールか
DX基礎講習のスケジュールが現実的かどうかは、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。平日夜や週末開催、1回あたりの時間の長さ、基礎講習全体の期間など、自分の生活リズムと照らし合わせて、無理なく続けられる構成かをチェックしましょう。
特に、働きながら基礎講習を受講する場合、毎日少しずつ学べる工夫がされていると取り組みやすくなります。無理のないペースで学ぶことは、知識の定着にも直結します。
講習費用は提供される内容に見合うか
料金が高ければ良い講習とは限りません。DX基礎講習を選ぶときは、単に金額を見るのではなく、基礎講習で何が得られるかに目を向けることが大切です。
例えば、現場で活かせる実践的な講習内容や講師の専門性、教材の充実度などの要素を総合的に見たうえで、納得できる費用感かを判断しましょう。
また、企業として基礎講習を受講するのであれば、団体割引が利用できる場合もあるため、コストを抑えながら効果的に学ぶ方法を探るのも賢いやり方です。
実際に基礎講習を受講した人の声を確認できるか
DX基礎講習の内容や魅力は、講習の紹介ページだけではなかなか実感が湧きづらいもの。そんなときに参考になるのが、実際に基礎講習を受講した人の声です。
特に、「初心者でも分かりやすい」「現場で実践できた」などのコメントは、DX基礎講習の質や満足度を図る大きなヒントになります。SNSやレビューサイトなどをチェックしつつ、不安な点があれば、基礎講習の主催者に直接問い合わせてみるのもおすすめです。
効率的に学ぶならDX・AI人材育成研修サービスがおすすめ
「独学ではどうしても限界を感じる」「社内でDXを進めたいけど、誰に何を任せればいいのか分からない」というお悩みを抱えている企業や担当者の方にこそおすすめしたいのが、DX・AI人材育成研修サービスです。
この研修は現場のリアルな課題をヒアリングしたうえで、最適な講習カリキュラムをご提案するので、実践的なスキルとマインドを身につけることが可能です。DXの基本的な理解はもちろん、自社の課題解決に向けてどう変えていくかなどの具体的なアプローチまで、段階的に学べる講習になっています。
また、業種や職種、課題に応じてカスタマイズが可能なのも大きな強み。製造業や小売業、IT企業など、業界ごとの特性に合った講習をご提案するため、「うちには合わなかった」というミスマッチが起きにくいのも安心です。
さらに、初学者でも無理なく学べるように、専門用語を噛み砕いて解説したり、e-ラーニング形式を取り入れるなど、受講者が学びやすい工夫も随所に盛り込まれています。
ただ知識を詰め込むのではなく、学んで実践につながる講習をお探しの方に、チェックしていただきたい内容です。
DXの基礎を講習で学び企業の未来を切り拓こう
今回は、DXが必要な理由や学ぶべき知識、講習を受講することで得られる企業のメリット、おすすめのDX基礎講習や、講習を選ぶ際のポイントを解説しました。DXは今後、誰もが関わるべきこれからの働き方です。
まずは、講習で基礎を学ぶことから始めてみませんか?DXの基礎講習を受講することで、曖昧だった言葉が明確になり、これまでの仕事の見方が少し変わるかもしれません。基礎講習というきっかけが、組織にも自分自身にも新しい風をもたらします。
変化の時代だからこそ、学ぶ姿勢がカギになるでしょう。
