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Creoの新バージョンCreo+とは?新機能と特徴、今後のアップデート予定

PTCジャパンは、2023年5月に「Creo+(クリオプラス)」を発表しました。
Creo+は、これまでさまざまな業界から高評価を得ている3DCADシステム「Creo」とどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、Creo+の特徴や機能について記載するとともに、Creo+の将来性について取り上げます。

Creo+とは?

Creo+とは、オンプレミス型の3DCADソリューションとして評価が高いCreoのクラウド版になります。Creo+とCreoを販売しているPTCの発表によると、Creo+は「SaaS(Software as a Service)対応の3DCADソリューション」です
SaaSはクラウドサービスの一つで、ソフトウェアを提供するものに限ったサービス体系になります。

Creoは幅広い製品開発に用いられており、業界トップクラスの機能の高さを誇ります。
高度な設計ができることに加え、解析機能が充実しているため、スピーディーな設計修正にも対応可能な点が評価されてきました。
ニーズの高いさまざまな機能がクラウドで使用できるとあって、発表当時は注目を浴びました。

Creo+の新機能と特徴

Creo+の新機能と特徴

3DCADシステム・Creoを踏襲したCreo+は、Creoで使い勝手が良いとされる機能に加え、クラウドならではの新機能も盛り込まれています。

ここでは、2023年12月までにアップされている新機能を2つご紹介します。

Creo+の新機能1.リアルコラボレーション機能

Creo+を複数人で同時に編集できる機能になります。
Creo+のオーナーがクラウド上でコラボレーションセッションを開始し、共有したいメンバーを設定すると、メンバー全員が編集に携わることができます
編集した内容がメンバー全てに共有されるだけでなく、変更点はすべて記録されるため、どの時点であっても戻ることが可能です。

リアルコラボレーション機能は、遠隔にいるそれぞれのメンバーがアイデアを出し、それを共に検討する機能であるブランチ機能も持ち合わせています。
セキュリティの面でもリアルコラボレーション機能は有用です。
共有された情報はクラウド上にあり、共有しているメンバー以外は作成物を外部に出すことはできません。閉じられた空間の中でメンバー同士が情報を共有するのに適した仕様になっています。

Creo+の新機能2.ユーザー/ライセンス管理機能

Creo+は、オーナーがクラウド上でグループを作成し、そのグループにメンバーを指定するだけでライセンスの付与が終了します。なお、Creo+はクラウドシステムであるため、ライセンスはユーザーに付与するのが基本ですが、共有ライセンスの設定も可能です。

柔軟にライセンス管理ができるのがCreo+の良いところです
通常のライセンス管理でネックとなる各デバイスへのインストールはCreo+自身が自動的に行なうため、管理者の負担はかなり軽減できるはずです。

CreoとCreo+の新しい拡張機能

Creo+には、Creoと共通する新機能も備わっています。
その特徴の一つが、複合素材を使うモデルにおいて、強度と軽量化を両立できる製品設計が可能になったことです。

加えて、さまざまな業界で取り入れが検討されている電動化も行えるようになりました。
人間工学に基づく設計ができるようになったのも、Creo・Creo+の大きな特徴です。
新しい拡張機能により、ユーザーの可動域や視野などを考慮した設計が行なえます
また、負荷製造や切削加工の機能が強化され、加工時間の短縮も可能になりました。

CreoとCreo+の新機能で生産性が向上

CreoとCreo+に新たに付け加えられた機能で特徴的なのは、設計支援の意味合いが大きくなったことです。

ユーザビリティや生産性の向上が意識され、規格の準拠が強化されているため、設計に集中できるメリットがあります。
精度の高い設計シミュレーションができるようになっており、ワークフロー改善にも役立っています。設計中にリアルタイムでガイダンスが得られるため、問題を把握するための時間が6割以上削減できたケースもあるようです。

オンプレミス版のCreoとSaaS対応のCreo+の違い

オンプレミス版のCreoとSaaS対応のCreo+の違い

SaaS対応であるCreo+では、オンプレミス版のCreoのデータをそのまま変換して使用できるため、ユーザーは両者の違いを意識することはないかもしれません。

実際、CreoとCreo+は同じソースコードをベースに構築し、同等の機能を提供することをPTCは約束しています。CADの機能面で考えるなら、CreoとCreo+の差は基本的にないと言ってよいでしょう。

コスト面やセキュリティ、導入期間の違い

それでも、オンプレミス版とSaaS版ではコスト面やセキュリティ、導入期間などで差が出てくることが考えられます。

まず、オンプレミス版は他のシステムと連動させて使用できるケースが多く、自社仕様にカスタマイズしやすいのが特徴です。自社でサーバーを持って管理しているオンプレミス版はセキュリティレベルを高めることもできます。

一方、SaaS版を使用する場合はコストを抑えて導入・運用が行なえるメリットがあります
特にサーバーを持たない企業は初期費用を大幅に削減できると考えられます。
ハードウェアのメンテナンスはクラウド提供側に任せられるため、管理の手間も簡便になるでしょう。サーバーの容量は使用状況により柔軟に拡張・縮小ができ、コストパフォーマンス重視の運用も可能になります。

オンプレミス版・SaaS版の選び方

オンプレミス版・SaaS版のどちらを採用すると良いかは、それぞれの企業の環境によるかもしれません。自社にサーバーがあり、情報システム部が充実していて、堅牢なセキュリティを敷く必要がある場合は、オンプレミス版を導入した方が良いでしょう

一方、ITに詳しい人材が不足していて、運用や保守が不安な企業はSaaS版の活用が得策かもしれません。取引先業とのやり取りの多くがオンライン、在宅勤務を希望する社員が多いなどの理由でオンプレミス版からSaaS版に移行したい企業は、セキュリティなどシステム要件やコストを整理し比較検討するとスムーズに切り替えられるでしょう。

Creoには無料体験版の用意があるので、購入前に是非試してみてください。
以下のサイトより無料体験版のお申し込みをすることができます。

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今後Creo+はどのように進化する予定?

今後Creo+はどのように進化する予定?

もともとPTCは、「Creo in the Cloud」と呼ばれるAWS上で動作するクラウドサービスを2016年から開始していました。つまり、Creo+の前身となるモデルを展開していたということになります。

加えて、PTCは無料のクラウド型3DCADとして人気があった「Onshape」を買収し、クラウドに関するノウハウを充実させた形です。
実際、Onshapeの特徴である複数ユーザーによるリアルタイムな同時設計やライセンス管理などの機能は、Creo+の中で活かされています。

2つのシステムの良い部分を吸収できるため、使いやすいツールに進化していく可能性は高いと考えられます

2024年から新機能が3か月ごとにアップデート予定

Creo+は2023年半ばにリリースされましたが、2024年からいくつかの機能をパワーアップすることを発表しています。

一つとして、ブラウザがあるだけで起動できるストリーミング機能が挙げられます。
なお、2023年時点では、SaaS対応であるCreo+であってもユーザー側にインストーが必要な仕様となっています。
本来イメージするサービスではないと考えられますが、それが改善されるということです。
こちらの機能があれば、場所やデバイスが限定されず作業ができるため、働く環境がフレキシブルになることでしょう。また、プロジェクトにかかわるスタッフ同士の情報共有がスピーディーに行なえるに違いありません。

2024年からは、Creo+の新機能が3か月ごとにアップデートされる予定です。
どのような機能が使えるようになるかは、リリースの4週間前に周知されます

新機能を使うかどうかの取捨選択を前もって行えるのは、実務担当者としては都合がよいでしょう。

Creo+の特徴や機能とCreoとの違い

Creo+は、さまざまな業界で高評価の3DCADシステム・Creoのクラウド版です。
Creoの機能はそのままに、クラウドの良さであるリアルでマルチなコラボレーション機能や、簡便なユーザー/ライセンス機能が盛り込まれています
2024年からは続々と新機能が誕生する点も注目されています。

Creoには無料体験版が用意されております。無料体験版では大きな機能の制限はなく、費用をかけずに試してみることができるので実際にどんなことが3DCADでできるのかをこの機会に是非、体験してみてください。体験版を試すことによりCreoの基本スキルの習得や実務や将来のキャリアに役立たせることも可能です。
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