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高機能CADソフトCreoのシミュレーション機能とは?方法やメリットを解説!

3DCADソフトの中ではマイナーですが、Creoはその高機能さから航空設計や自動車の設計などで活躍しているソフトです。その中でも、Creoのシミュレーション機能は、そのレベルの高さから注目の機能となっています。

ただ、日本ではまだ普及していないソフトということもあり、情報はあまり多くありません。
実際にCreoのシミュレーションの情報を探してみても、情報が見つからない人は多いのではないでしょうか。

本記事では、Creoのシミュレーションの基本的な概念から、実際にその機能を使って設計を行う方法まで、詳細に解説します。Creoを使う際の参考にしてください。

Creoのシミュレーションとは?

Creoのシミュレーションとは?

まずはCreoとは何か、シミュレーション機能にはどのようなものがあるか簡単に解説します。
Creoの概要を知ることで、よりシミュレーション機能について理解しやすくなります。

Creoとは

Creoは、Parametric Technology Corporation(PTC)によって開発されたCADソフトウェアであり、パラメトリックおよびフィーチャーベースのソリッドモデリングを特徴としています。

パラメトリックモデリングとは

幾何学的な形状を定義する際にパラメータ(数値や寸法)を使用する方法です。
直方体の寸法を変更する場合、その長さ、幅、高さのパラメータを調整するだけで、自動的に形状が更新されます。

フィーチャーベースとは

たとえばボルト穴の位置を変更する場合、穴あけフィーチャを編集することでモデル全体に反映される機能のことです。

簡単に言えば、積み木のように初めから作られた形状を重ねたりくっつけたりすることでモデルを作成する機能のことを指します。

Creoのシミュレーション機能

Creoのシミュレーション機能には、構造解析、熱解析、流体力学解析など、さまざまな機能が含まれています。従来の3DCADソフトと違い、より複雑な設計が可能です。
これらの機能を使用することで、設計者やエンジニアは製品の挙動を詳細に理解し、設計の最適化を行うことができます

この機能は、航空力学や潜水艦、車などの設計に向いている機能です。シミュレーション機能を活用することで、より安全かつ正確なもの作りが可能になります。

Creoのシミュレーション機能が優れている点

Creoのシミュレーション機能はどのように優れているか、より詳しく解説します。

幅広い解析機能

Creoのシミュレーション機能は、構造解析、熱解析、流体力学解析など、幅広い領域をカバーしています。

どのような機能があるか、それぞれ解説するので参考にしてください。

構造解析シミュレーション

構造解析シミュレーションとは、部品やアセンブリの応力や変形を解析して、製品の強度や耐久性を検証することです。
メッシュ生成では、自動的に部品やアセンブリのメッシュを生成し、解析のための計算モデルを作成します。また、ユーザーが手動でメッシュを調整することも可能です。

荷重(力、モーメント)や境界条件(拘束条件)を定義できるほか、解析の実行と結果の視覚化シミュレーションもできます。解析結果は、グラフや色分けされた図で視覚化され、設計の強度や耐久性を検証するのに役立ちます。

熱解析シミュレーション

熱解析シミュレーションは、温度分布や熱伝導を評価し、熱設計の最適化を行います
ユーザーは、部品やアセンブリにかかる熱負荷(熱源、冷却)を定義可能です。

温度分布の評価も可能なため、指定された熱負荷に基づいて、部品やアセンブリの温度分布を計算、部品やアセンブリの過熱や冷却不足などの問題を特定できます。

流体力学解析シミュレーション

流体の流れや圧力分布を評価し、空力性能や流体の挙動を解析します
製品の設計や性能を確認し、問題をシミュレーションすることができます。

流れの解析や空力性能の評価といった、部品やアセンブリ内の流体の流れ、製品の外観や形状に基づいて空力性能を評価することで、空力特性を改善し、性能を向上させることが可能です。

常な圧力勾配や流速の変化などの問題を特定し、製品の設計や性能の評価のシミュレーションができるので、製品の寿命を延ばしたり、耐久性を向上させるための改善を行うことができます。
過熱や熱的応力による損傷を防ぐための設計改善が行えるので、車両や航空機などの高速移動体の性能向上や燃費改善に繋げることも可能です。

リアルタイムのフィードバック

Creoのシミュレーション機能はリアルタイムのフィードバックを提供し、設計者やエンジニアが迅速に設計の改良を行うことができます。これにより、設計効率が向上します。

Creoでシミュレーションをする方法

Creoでシミュレーションをする方法

Creoにおけるシミュレーションの方法について詳しく解説します。

Creoのシミュレーションは高機能で、たとえば自動車の部品などにかかる負荷を視覚的に生成し、フィードバックとしてどのような負荷がかかるのかレポートを作成できます

①モデルの作成

まずはシミュレーションを行うモデルを作成、インポートしましょう。
Creoを開き、対象となるモデルを選択するか、新しいモデルを作成します。

②境界条件の設定

シミュレーションを行うためには、モデルだけでなく物理的な数値を入力する必要があります。
これによりより正確なシミュレーションを行うことが可能になります。

材料とボーダー条件を設定

モデル内の部品や構造物の物理的特性を反映するために、材料を選択し設定します。
ボーダー条件(境界条件)は、解析対象となる部品や構造物の外部境界または内部境界での振る舞いや状態を定義する条件のことです。

設定では、材料の特性(密度、弾性率など)を入力します。

ボーダー条件

ボーダー条件を定義し、荷重(力、トルク)、拘束条件(固定、回転可能な関節)などを設定します。

③解析の実行

物理的な特性を入力したら、さっそく解析を実行してみましょう。

シミュレーションの実行

モデルが適切に設定されたら、シミュレーションを実行します。
Creoは、指定された条件に基づいてモデルを解析し、結果を計算します。

結果の視覚化と評価

シミュレーション結果を視覚化し、評価します。
Creoは、応力、変位、温度などの結果をグラフや図で表示し、ユーザーが理解しやすい形で提供可能です。

修正と最終的なレポート作成、再解析

シミュレーション結果を元に、モデルを必要に応じて修正します。
修正が完了したら、再びシミュレーションを実行します。
最終的なレポートの作成を保存します。

Creoのシミュレーション機能を試してみたい人は、Creoの体験版を試してみてください。導入事例も紹介していますので参考にしてみると良いでしょう。

Creoのシミュレーションを使うメリット

Creoのシミュレーションを使う代表的なメリットについて解説します。

設計を詳しく検証できるようになる

Creoのシミュレーション機能を使用することで、設計の検証を行うことができます。
これにより、製品の性能や耐久性など、さまざまな側面を評価することが可能です。

設計の最適化を行える

Creoのシミュレーション機能を使用することで、設計の最適化を行うことができます。
構造や熱、流体などの解析を通じて、設計の改良点を特定し、製品の性能向上につなげることができます。

Creoのシミュレーションはどのような人におすすめ?

Creoのシミュレーションはどのような人におすすめ?Creoのシミュレーションはどのような人に向いているか解説します。

設計者

Creoのシミュレーション機能は、製品設計に携わる設計者にとって特に役立ちます。設計の検証や最適化を行うことで、製品の品質向上に貢献することができます。

構造設計者や流体力学設計者といった設計者に機能を提供可能です。

エンジニア

Creoのシミュレーション機能は、製品の性能や挙動を理解し、改良できます。
エンジニアは、シミュレーションを通じて製品の設計や開発における課題に対処することができます。

機械エンジニアや電気エンジニアといった技術者におすすめです。

Creoでシミュレーションをする際の注意点

Creoのシミュレーションは高機能ですが、同時に非常にセンシティブな機能でもあります。
注意点についていくつかまとめました。

正確なモデル作成が重要

Creoのシミュレーションを行う際には、正確なモデル作成が重要です
モデルの精度が低いと、シミュレーション結果に信頼性が欠ける可能性があります。

境界条件の適切な設定が必要

シミュレーションの境界条件を適切に設定することも重要です。
正確な境界条件の設定がなされていないと、シミュレーション結果が実際の挙動と異なる可能性があります。

Creoのシミュレーションでよくある疑問

Creoのシミュレーション機能を使う際によくある疑問についてまとめました。

解析結果の解釈方法

Creoのシミュレーションでよくある疑問の1つに、解析結果の解釈方法があります。
解析結果を正しく理解し、適切な判断を行うためには、解析結果についての専門知識が必要です。

構造設計者や流体力学設計者といった専門家が居ないと、解析結果を役立てることができない場合もあります。

解析時間の長さ

また、解析時間の長さに関する疑問もよくあります。
解析時間は、モデルの複雑さや解析条件によって異なりますが、Creoの高速な解析エンジンを活用することで、解析時間を短縮することが可能です。

Creoのシミュレーションを積極的に活用しよう

製品の競争力を高めるために、Creoのシミュレーション機能を積極的に活用しましょう。
設計の検証や最適化を行い、製品の品質向上や市場での優位性を確立することが可能です。

Creoのシミュレーションツールを活用することで、製品開発を効率化し、よりよい製品を短期間で市場投入することができます。
是非、Creoのシミュレーション機能を活かして、製品の品質を向上させましょう。

Creo体験版の詳細はこちら

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