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クラウドで使えるCAEサービス6選!CAE解析をクラウド上で行おう

コスパの良さや利用の手軽さから、あらゆる企業で広く活用されているクラウドサービス。
製品開発の現場にもクラウド化の波が押し寄せ、CAE解析のためのクラウドサービスに増えつつあります。
本項では、クラウドで使えるCAEサービスについて紹介しています。
利用の際は是非とも参考にしてみて下さい。

CAE解析のクラウドサービスとは

通常のCAE解析は、専用のソフト等を使用し自社のIT環境で行う場合がほとんどです。
しかし、CAEの解析環境を整えるにはかなりの設備投資をせねばならず、解析ソフトの操作技術を持ったエンジニアが必要不可欠です。
その上、数値解析手法の知識・スキルが必要になり、プロダクト専門のIT企業でも敷居の高い作業と言わざるを得ません。
しかし、他社の設備環境を利用できるクラウドサービスであれば、わざわざ自社の環境整備を行わずともCAE解析を行うことが出来るのです。

クラウドで利用するCAE解析の仕組み

簡単に言えば、クラウドサービスを提供する企業がCAE解析の基盤を用意し、それをユーザーに提供する仕組みです。
ユーザー側はCAE解析にクラウドサーバーを構成・接続し、CADデータを送信することでCAE解析を行うことができます。
つまり、一から設備環境を整えなくても、料金を支払うだけで簡単にCAE解析を行うことが出来るのです。
また、サーバーを通すことで遠方のPCともデータ連携が取れるため、クライアントのやり取りもスムーズになります。

クラウドで使えるCAEサービス6選

クラウド形式のCAEサービスは様々ありますが、料金や特徴はそれぞれ大きく異なります。
ここでは、クラウド形式で利用できるCAEサービスを紹介しています。
どのサーバーを利用すればいいか悩んでいる方は、こちらを参考にしてください。

安定の人気と機能を求めるなら「Fusion 360」

Fusion 360

料金:個人非商用無料、商用・法人は年間71,500円〜

安定的に人気があって、機能もしっかりとしたものが欲しいならFusion 360がダントツでおすすめです。
クラウドベースの3DCADとCAE機能が組み合わさっており、3Dデータ設計からCAE解析まで1つのサービスで行うことができます。
企業が使うような機能を安価で使いたいと思う方はFusion 360を導入してみてください。
また、無料試用期間もあるので、ぜひ一旦試してみたいという方にもおすすめです。

ユーザビリティ重視なら「サイバネットCAEクラウド」

サイバネットCAEクラウド

料金:月額50,000円(定額)+計算リソース利用料金・CAEソフト利用料(見積もり)

「サイバネットシステム株式会社」が提供しているクラウド版CAE環境です。
長年に渡り、あらゆる分野のCAE解析に関わってきた知識・ノウハウを集積したクラウドサービスで、GUI・セキュリティといったユーザビリティに優れているのが特徴です。
スキルがなくても直感的に操作できるGUIや、大規模解析に便利な充実した管理機能など、徹底して使いやすさを考えた構成となっており、ユーザー側の作業環境を選ばないのもメリット。
また、CAEを熟知した専門家によるサポートも受けられるなど、ユーザーフォロー面でも充実しています。

グローバル企業なら「Rescaleクラウドサービス」

Rescale

利用料金:10,000円~800万円(プランによって変動)+アカウント作成登録手数料20,000円

アメリカ合衆国に本社を置く「Rescale Inc.」が運営しているCAEクラウドサービスです。
図式化されたグラフィカルユーザインタフェースや、180種以上のアプリケーションを導入しています。
日本を含む全世界に計算センターを置いているため、世界各地でサーバーを構築・利用できる上に、運営サポートが迅速なのもメリット。
海外にも事業を広げているグローバル企業であれば、こちらのサービスがお勧めです。

知識不要のサービスなら「AXXE-L」

料金:要見積もり

「エクストリーム-D株式会社」が運営しているクラウドスパコン構築運用無人化サービスです。
「スパコン利用の民主化」をコンセプトとしており、MicrosoftやAzure上でクラウドスパコンを手軽に利用することが出来ます。
運用監視の自動化による効率化や、AIエンジンを活用した構築サポートが特徴で、スピーディー且つスムーズな環境構築を実現できます。
また、構築代行サービスを利用することが出来るので、技術・ノウハウの無いユーザーでも簡単に利用できるのも魅力です。

自由な環境構築を追求するなら「SCSK CAE Cloud」

SCSK CAE Cloud

料金:要見積もり

「SCSK株式会社」が提供するクラウドサービスです。
SCSKが取り扱う解析アプリケーションと、クラウドサービス向けにHPC仮想環境を提供し、ユーザーが使いたい分だけ利用することができます。
最大の特徴は、利用可能な解析アプリケーションの幅広さと、アクセス回線帯域の拡張サービスで、環境のカスタマイズを自由に行うことができます。
また、オプションサポートも充実しており、クラウド運用のテクニカルサポートや、暗号化・アクセス制御などのセキュリティ強化も可能です。

簡単にお試ししたいなら「Cistr」

Cistr

料金:無料

「東京大学大学院」において開発・提供が行われているクラウドサービスです。
「CAE解析をできるだけ簡単にする」ことを重視しており、WebブラウザのみでFrontISTRを操作することができます。
そのため、デバイスやOSに依存せずインストールの必要もありません。
また、ログインするだけですぐに利用することができ、料金もかからないので「簡単に」CAE解析を行えます。
利用可能なアプリケーションは制限されますが、「まずはクラウドCEA試してみたい」という方に最適のサービスです。

CAE解析にクラウドを利用するメリット

先にクラウド利用のメリットについて、「解析環境を整える必要がない」「クライアントとのやり取りに便利」と書きましたが、勿論それだけではありません。
実際にどのような恩恵があるのか、CAE解析にクラウドを利用するメリットについてより詳しく見ていきましょう。

環境整備のコストが大きく下がる

まず、CAE解析の設備投資はイニシャルコストが高く、低く見積もってもソフト・PCの両方を買い揃えるだけで2,000万円はかかります。
また、専用の解析者を補充しなければならず、新たに人材を確保・育成するコストも考えなくてはなりません。
このように、CAEの環境を構築するのは予算・人材の両面で厳しく、解析環境を導入していない・出来ない企業も多いです。
しかし、設備投資や人材角の必要もないクラウドサービスなら、設備購入・人材育成といったコストを全面的に引き下げることが可能です。

環境維持のコスト削減に繋がる

CAE環境の導入には設備投資といったイニシャルコストの他、設備更新・保守運用・セキュリティ対策など、あらゆる面でランニングコストがかかります。
CAE解析の利用頻度が少ない場合はコストが見合わず、却って大損になってしまうため、敢えて設備を導入していない企業も多いです。
クラウドサービスであれば、(サービス内容にもよりますが)年間50~100万円前後の料金で済むため、長期的に見ても大きくコストを削減することができます。

コミュニケーション環境を整えやすい

サーバーを介したデータ連携は、遠方にあるPCとのリモートワークは勿論、設備環境が異なる技術者同士でのコミュニケーションにも最適です。
そのため、クライアントとのやり取りだけでなく、自宅勤務などのテレワークにも利用することができます。
また、作業環境を一元化できるサービスであれば、部門間で設備環境が異なり上手くやり取りが出来ないという場合にも最適です。
特に、CAE解析は設計者と解析者での齟齬を生み出しやすいため、円滑なコミュケーションが取れる環境を整えておくのは大事です。

導入コストの不安はクラウド版CAEで解決しよう

今回は代表的なサービスを挙げましたが、他にも様々なクラウドサービスが提供されています。
クラウドでのCEA解析は設備投資のコスト削減だけでなく、コミュニケーションの円滑化や作業効率の向上、リモートワーク環境の構築など幅広く活用できるので、是非ともサービス利用を検討してみて下さい。

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