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CAEのシミュレーション解析の手順を解説!シミュレーションにおすすめのCAEも紹介

現在、CAEのシミュレーション解析について詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は主なシミュレーション解析の手順を解説します。またシミュレーション解析に適しているCAEソフトも併せて紹介していきます。

CAEによるシミュレーション解析(静的応力解析)の手順

CAEソフトである「Fusion360」を使用したシミュレーション解析(静的応力解析)の手順は以下の通りです。

手順1

はじめにシミュレーション作業スペースに切り替えます。次に静的応力解析を指定し、シミュレーション解析に関係のない構造を削除します。ただ、CAEでの解析を目的としたシミュレーション作業スペースに切り替わっていれば、設計に影響を与える事なく、シミュレーション解析とは関係ない構造を取り除く事が可能です。

手順2

シミュレーション解析に関係のない構造を削除した後は、構造に用いるマテリアルの確認を実施します。ただ設計の工程でマテリアルの種類が既に指定済であれば、シミュレーション解析でもそれが自動で指定してくれるため、設定の変更は不要です。もし設計の工程でマテリアルが指定されていない、又は別のマテリアルでシミュレーション解析を実施したいという時は、再設定する必要があるので、その点は注意しておきましょう。

手順3

マテリアルの設定が行われていれば、次はシミュレーション解析によって力を加える大きさやその方向を設定します。この際、対象となる構造物のどこに力を加えるのかを設定します。また自動車など動きがある構造物は、シミュレーション解析で力を加えると構造物全体が動いてしまう事から動作チェックができなくなります。そのため、対策として力を加える箇所を構造物の一部分に固定する作業が必要となります。尚、Fusion360の場合は、対象の構造物をクリックするだけで固定する事ができます。

手順4

構造物の固定が完了した後は、実際にシミュレーション解析を実施します。シミュレーション解析にはローカルとクラウドの2種類があります。ただ、ローカルの場合、パソコンにインストールしているFusion360を使用する事になるため、シミュレーション解析が終了するまでは他の作業はできなくなります。そのため、シミュレーション解析と並行して他の作業を行いたいのであれば、オンラインを通じてシミュレーション解析ができるクラウドを選択するのが良いでしょう。ローカルとクラウド、どちらを選択しても解析が実行されれば後は完了するのを待つだけとなります。

シミュレーション解析が全て完了すると、様々な視点で結果を確認する事が可能となります。例えば、色をチェックする事で安全基準を満たしているかどうかが分かります。また力を加える事で構造物の形状がどのように変化するのかという事も確認できます。もしシミュレーション解析の結果が期待していたものでない場合は、再設定を行いシミュレーション解析をやり直す事も可能です。解析の際、安全基準が満たされている構造物になるまで、マテリアルなどの再設定を行うケースは少なくありません。

CAEによるシミュレーション解析(熱解析)の手順

CAEソフト「Fusion360」を使用したシミュレーション解析(熱解析)の手順は以下の通りです。

手順1

はじめに熱解析を指定し、その後シミュレーション解析に関係のない構造を除去したり、マテリアルの指定を行います。

手順2

熱解析は構造物にどのように熱が伝わっているのかを確認するためのシミュレーション解析です。そのため、構造物のパーツ一つ一つに対して設定を行う必要があります。また熱の伝わり方は周りの環境によって変わってくるため、それを考慮した設定もしなければなりません。他にも隙間なくパーツ同士が密着しているか、空間に空気が入るのかといった設定も必要です。

手順3

必要な設定が一通り完了したら、シミュレーション解析ができるようになります。解析した結果は静的応力解析の場合と同じ、色によって表示されます。ただ静的応力解析と異なる点は、色の分布が温度であるという点です。事前に指定していた安全基準に満たしているかどうか色によって判断する事ができます。また熱解析では構造物の断面をチェックしてどのような熱の分布になっているのか確認する事も可能です。

尚、解析結果によって安全基準を満たしていない事が確認された場合、基準を満たせるよう条件を変更する事も可能です。設計のプロセスにおいて安全基準を満たしつつ、できる限りのコストカットを実施しながらクオリティの高い構造物を製造するのが、CAEによるシミュレーション解析を実施する目的の一つでもあるのです。

シミュレーションに使うおすすめCAEソフト

それではCAEシミュレーションに使いやすいおすすめのCAEソフトを紹介していきます。

Fusion 360

「Fusion 360」はCADの機能も持っているAutodesk社のCAEソフトです。最大の特徴と言えるのが、商用目的でなければ企業でも無料で利用できるという点です。クラウド上でデータを管理している事からデータの共有が容易にできます。また万一データが消失してもクラウド上にあるバックアップデータを呼び出せるシステムになっており、秘匿性の高いデータを扱う方には適したCAEソフトと言えるでしょう。シミュレーション解析はクラウド上で実施するため、複数のシミュレーション解析もスピーディーに行う事が可能です。

NX Nastran

「NX Nastran」は、ドイツのSiemens社によって開発されたCAEソフトです。自動車や重機、航空宇宙など幅広い業界で使用されている点が特徴の一つと言えます。高度なシミュレーション解析に対応しており、2種類のソルバーを使い分ける事によって解析結果の確認がスピーディーにできるなど優れた機能をもっているCAEソフトとなっています。

ANSYS

「ANSYS」はアメリカのANSYS社によって開発されたCAEソフトです。CAEを含め複数の解析ソフトで構成されている点が特徴的であり、異なる解析法を組み合わせて解析を実施する連成解析が可能です。電磁界解析を実施する上で役立つ「ANSYS HFSS」や構造解析・伝熱解析ができる「ANSYS Mechanical」などの機能モジュールが用意されています。どのようなニーズにも対応できる料金プランが用意されている点が大きな魅力となっています。

SOLIDWORKS

「SOLIDWORKS」は3D CADソフトとして高い評価を受けており、優れた機能が備わっているCAEソフトと言えます。CADで3Dモデリングを実施した後にCAEの機能で構造解析をスムーズに行う事ができるため、設計の初期段階においてスピーディーに検証・分析する事が可能です。CAD機能とCAE機能に関しては両方とも使い勝手が良く、利便性も求めている方には最適なCAEソフトとなっています。

Particleworks

Particleworksは東京大学の教授が監修を行い、プロメテック・ソフトウェア株式会社が開発したCAEソフトです。煩雑なメッシュ作成の作業を省略する事ができたり、CADファイルをそのまま読み込んでも解析ができる点が大きな特徴です。シミュレーション解析の結果を可視化する機能も優れており、プレゼンテーション用の資料作りなどには適したCAEソフトと言えるでしょう。

CAEでのシミュレーション解析ができる人材は重宝される!

CAEでのシミュレーション解析ができる人材は、将来的に貴重な存在になるとも言われています。
CAEによるシミュレーション解析に必要な知識や技術を身に付ける事ができれば、安定した仕事を収入を得られる可能性は高いでしょう。
CAEのシミュレーション解析に興味関心がある方はこれを機に学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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