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CAEコンサルティングとは?メリットや相場感・会社例を徹底調査してみた

CAEコンサルティングとは、自動車や電力など技術領域分野の製品開発を中心に支援するコンサルティングサービスです。この記事では、CAEコンサルティングの具体的な内容や、料金・相場、対応企業の具体例をご紹介します。

CAEコンサルティングサービスとは?

CAEとは「Computer Aided Engineering」の略で、自動車や航空宇宙などの技術領域における製品開発を支える技術やソフトウェア全般を指します。具体的には、以下のような業務が該当します。
・材料同定
・熱応力、流体などの解析
・構造解析
・衝突性能、強度耐久解析
自社の製品の品質向上や新製品の開発には欠かせない重要な部分を担う領域であることが見てとれるかと思います。

CAEがコンサルティングサービス化した場合、コンサルティングサービス提供企業がクライアント企業に代わって上記の作業を実行します。作業の範囲はクライアント企業のニーズによって異なり、モデリングから解析報告までの一括委託の場合や、部分的な支援(解析評価や欠員補充のみ)など多岐にわたる種類があります。

CAEがコンサルティングサービス化されている場合には、サービス提供企業内に属する専門技術者が対応します。サービス提供企業にも様々な専門家が存在するため、適切な企業を選定し要望を提示することで、自社内で行うCAEよりもより高い精度を誇るCAEを実行できる見込みが高まります。

CAEコンサルティングサービスのメリット

技術領域のクライアント企業ほど、CAEとは切っても切れない関係があるはずです。しかし、実際にはうまく使えていない以下のような事象が起きていないでしょうか。
・自社所有のCAEソフトウェアが実現したい業務や製品とマッチしているか自信がない
・CAEによる開発を十分に実現できているのかわからない、制度をもっと向上させたい

CAEに特化したコンサルティングサービスでは専門エンジニアがクライアント企業のニーズにこまやかに応じ、よりよい製品開発の実現のお手伝いを行うことができます。
また、CAEに対する社内リソース不足への解決や即戦力としての活用ももちろん可能です。

そのほか、CAEコンサルティングが役に立つ場面としては以下が想定されます。
・一括受託解析(CAEアウトソーシング)
・新規解析に向けたパイロット解析
・専門人員の年間契約派遣
・クライアント企業内CAEツールの利活用セミナー
・CAEツールの導入および活用サポート
・解析結果の評価

CAEコンサルティングを用いることで、クライアント企業は以下のようなメリットを享受することが可能です。
・CAE解析精度の向上
・新規製品に対するデジタル評価の実施
・自社内のCAE利用者の増加、知見拡充
・開発リソースの追加
・外部人員の投入による開発費削減
・他のCAEや品質管理など別業務への集中

CAEコンサルティングの費用感

CAEコンサルティングには学位による専門性の判断のほか、「計算力学技術者認定」を持った専門家を派遣することが一般的です。この認定には、
・固体
・振動
・熱流体
など対象別に認定資格が分かれており、対象の中でもさらに1級・2級の級数が設けられています。したがって、CAEコンサルティングサービスを受けるにあたり、派遣されるコンサルタントが所有する学位や認定資格が費用に大きく影響します。
また、クライアント企業が所有するCAEツールをコンサルタントに使用させる場合、コンサルタントがそのツールを理解するための工数が費用に含まれる可能性もあるため、さらに費用が変動しうる点には注意が必要です。

CAEコンサルティングサービスの相場

実際のCAEコンサルティングサービスの料金相場は、コンサルティングの内容とその契約形式に依存して決定します。

例①

・材料非線形問題
・一括受託*
この例の場合は、1~2か月の工期に対して200~300万円程度の案件が一般的です。
*モデリングから解析報告書の作成までを一括でCAEコンサルティング提供会社に委託するものを想定

例②

・専門エンジニア派遣
・準委任契約※
こちらの例の場合は、派遣期間には応じて240~600円程度の案件となることが一般的です。
※クライアント企業内で実際に作業するメンバーとして人員派遣をしてもらい、定められた期間の間で特定テーマに対するCAE作業を行ってもらうものを想定

いずれの例の場合も、見積額にはかなり幅が生じています。この背景には、工期や解析の難易度のほか、対応するCAEコンサルタントの専門性、学位や資格の有無、活用ツールの種類による変動と考えられます。多くのCAEコンサルティング企業では無料での見積もりを積極的に受け入れています。上記の料金をイメージしながら、自社で成し遂げたいことをもとに見積の相談をしてみることもよいでしょう。

主なCAEコンサルティング企業

CAEコンサルティングサービスを提供している企業には以下が挙げられます。以下ではCAEコンサルティングサービスを専業とする企業を中心に取り上げていますが、システム関連企業では事業の一部でCAEコンサルティングを提供している場合もあります。複数社へ問い合わせて、自社にとって最適なサービスを実現してくれる企業を見つけることが肝要です。

①株式会社メカニカルデザイン

受託解析を強みに持つサービス提供企業です。自社ホームページに実際の解析事例を掲載しており、依頼できる解析内容に具体的なイメージを持つことができます。また、メカニカルデザインが製作したCAEソフトの販売およびユーザーセミナーも開催しており、CAE強化を図るクライアント企業にも最適です。

②Code-Aster.JP

受託解析のほか、解析結果に対するアドバイザリー業務も提供する企業です。リソース不足への支援にも積極的な姿勢を打ち出しています。こちらの企業も自社CAE製品を提供しており、①同様CAE強化にも最適です。

③KDY Engineering

CAE受託を前面に押し出すサービス提供企業です。特に、受託時に用いるKDY Engineering社所有のハードウェアの充実度も押し出しており、解析精度の高さに自信が見て取れます。企業内には世界各国を含む様々な製造現場で設計開発の経験を重ねた技術者がいることから、コアな製品にも対応してもらえる可能性が見込めます。

④SCSK Minoriソリューションズ株式会社

中堅企業のIT課題を一括サポートしている企業ではありますが、事業の一環としてCAEコンサルティングサービスも提供しています。日本国内有数のハードウェア企業であるからこそ実現できる、専門技術者によるCAEコンサルティングサービスが期待できます。また、共同技術開発などの要件にも積極的な対応できる姿勢を見せています。

複数社に問い合わせを行う場合には、事前に自社が重要と考える評価ポイントを社内で認識合わせしておきましょう。たとえば、実際の予算感や求める精度、依頼企業との今後の関係性にまつわる意向などです。問い合わせを行った後では、各社から提供される情報によって先入観が生まれてしまい受託先企業の決定が難航することもあります。「何のためにCAEコンサルティングを依頼するのか」という目的を忘れずに依頼しましょう。

CAEコンサルティングサービスを選択肢の1つに!

専門的な領域がゆえに自社では拡充の難しいCAE。その一括受託やリソース補完の手段として、CAEコンサルティングサービスが活用できることをここまでご紹介してきました。満足のいくCAEには、膨大かつ精密な計算に耐えられるハードウェアと確かな知識を持った専門家が必ず必要になります。自社ではなかなか実現が難しい、というときに、CAEコンサルティングサービスを選択してみてはいかがでしょうか。

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