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CAE系の職業に転職するには?年収や転職のコツを徹底解説

もの作りにおいてシミュレーションを担当するCAEですが、知識とスキルがあれば、CAE系の仕事に転職することも不可能ではありません。
今回はCAE系の仕事に転職するにはどうすれば良いのか、CAE系の年収と共に解説していきます。

CAE系に転職すると年収はどれくらい?

CAE系の仕事で代表的なのは、CAE解析に関するひと通りの作業を行うCAE専任者です。
そのCAE専任者の年収は、大体400万円から600万円が相場です。
CAE解析は会社によって取り扱う分野が異なりますが、代表的な構造解析や熱伝導解析・流体解析の分野では相場から大きく外れることはあまりありません。
転職市場では450万円前後の求人が多いですが、CAE関係の音響解析や電磁波解析などの比較的マイナーな分野なら相場よりも高い求人もあります。
実際に、CAE技術者で600万円から1000万円程度の年収で働いている人もいます。

ただそれはあくまでも適切な解析条件を設定してシミュレーションをして、その結果をしっかり分析できるCAE専任者の話です。
条件設定や分析には豊富な知識とスキルが欠かせません。その条件を満たせる人材が少ないため、CAEは年収が高くなりやすいです。
また企業によっては、転職後すぐは年収が400万円を下回ることがあります。

CAE解析系の他の職種

CAE系には、CAE専任者の下で、シミュレーションを担当するオペレーターもいます。
専任者と違って、解析の内容を決めるようなことはなく、ソフトを使用して作業をする仕事が中心です。
その分求められる知識量やスキルはそう多くありません。その分年収が低くなりやすく、300万円前後の求人も多いです。

CAE系に多い求人とは

CAE系に多い求人とは

CAE系の転職市場では、即戦力となる人材を必要としていることが多いです。求人に申し込む際には、すでにCAEソフトを使いこなせるスキルや、実際にCAE系の職場で働いていた実務経験などが条件になりやすいです。
特にCAE専任者は、ただシミュレーション作業ができるだけではなく、適切な条件設定や質の高い分析など、求められることが多いです。そのため、豊富な知識とレベルの高いスキルがあることがほぼ必須です。

CAEに携わったことがない人がCAE系に転職をする場合、未経験でも申し込める求人を探すと良いでしょう。
その場合は必要となる知識やスキルが比較的少なく済む、CAEオペレーターの仕事を探すことになります。必要最低限の知識とスキルがあれば、早い段階でCAEオペレーターとして活躍することも不可能ではありません。

CAE関係の求人の注意点

ただ、CAEオペレーターは、代わりになる人材が見つかりやすいため、年収が上がりにくいということは覚えておきましょう。
より高い年収を目指すのであれば、CAEオペレーターとして働きながらスキルを身に付け、キャリアアップをした方が良いです。
最初から再転職をすることを想定して、スキルを身に付けるためにCAEオペレーターとして働くというのもひとつの手です。

また、社員教育に力を入れていて、専任者CAEを育てることを想定して、未経験可の求人を出している企業もあります。そのようなところであれば、未経験からでも専任者CAEを目指せるでしょう。
ただ、即戦力を必要とすることが多いCAE系の転職市場では、そのような企業は少ないです。
ですのでCAEの知識とスキルをしっかり身に付け、多くの企業から必要とされる人材を目指した方が無難でしょう。

CAEの転職で知っておいた方がいい知識

CAEの転職で知っておいた方がいい知識

それではCAE系に転職する際に知っておいた方がいい知識を紹介します。

CAEの資格は転職が有利になる

CAE系への転職では、資格を持っていると、知識とスキルを持っていることを証明できるため、色々と有利になりやすいです。限られた求人に複数人が応募した際には、有資格者が選ばれやすいです。そして、CAE系に関する代表的な資格は、計算力学技術者です。CAEがコンピュータ内で行うシミュレーションに必須となる、計算を専門とする資格です。

CAE解析では、設計した構造物に力が加わった際にどういった変形をするのか、熱がどのように伝わるのかなどを知るために、計算が欠かせません。全ての解析は、コンピュータ内の計算によって、結果が出ます。ただ、コンピュータがCAE解析の計算を、全て自動で行えるわけではありません。数値の調整や条件の変更など、人の手を加えなければならない場面は非常に多いです。そのため、全てコンピュータ任せというわけにはいかず、CAEを扱うエンジニアは、計算に関して詳しい人材であることが望ましいです。その計算に関して詳しいことを証明できるのが、計算力学技術者です。

計算力学技術者には、固体、振動、熱流体の3つの分野があり、それぞれ初級、2級、1級、上級アナリストに分かれます。2級以上は試験を受ける必要がありますが、学歴などの条件はありません。2級は機械系の大学を卒業し、1年以上の実務経験があるレベル、1級は機械系の大学院を卒業し、3年以上の実務経験があるレベルが目安となっています。したがって、計算力学技術者の資格を持っていると、転職市場で、大卒あるいは大学院卒で、なおかつ実務経験がある人と同等の扱いが期待できます。

計算力学技術者の試験は、難易度が高く、2級の合格率は毎回50%を下回るほどです。そのため、誰にでも取得できるわけではありません。つまり、計算力学技術者は、転職における大きなステータスとなります。
CAE解析に欠かせない正確な計算ができることをアピールし、競争率の高い求人を勝ち取りやすくなるでしょう。さらに、計算力学技術者の資格を持っている人材に対しては、より良い待遇を用意している企業も多いです。
したがって、固体、振動、熱流体の分野で転職をする際には、計算力学技術者の取得を考えてみるのも良いでしょう。
CAE解析の資格に関しては下記記事で詳しく解説しています。

【保存版】CAE解析の資格一覧!CAE資格の種類や取得方法を解説

転職前に最低限のCAEスキルは身に付けよう

転職でCAE系の仕事に就きたい場合、何も知らない状態では未経験歓迎の会社でも断られてしまう可能性があります。
そのため事前にある程度の勉強はしておいて、最低限の知識とスキルは身に付けておいた方が良いでしょう。
CAEに関する基礎的な知識は、独学でも習得することが可能です。CAEに関する書籍を参考にしながら勉強するのが定番で、機械系大学で取り入れられている教科書を使用して、独学をしている人は少なくありません。

CAEソフトを使えるようにしておこう

また、書籍で知識を蓄えながら、実際にCAEソフトを使えるようになっていた方が良いです。CAEソフトの使い方を全く知らない人と、ある程度使える人とでは、転職市場の印象は大きく異なるからです。転職のための初期投資として本格的なCAEソフトを購入しても良いですが、基本的なことを学ぶ程度であればフリーソフトを利用するという手もあります。
そして、動画を参考にしながら独学をしたり、セミナーで専門家に指導してもらいながら効率的に使い方を身に付けるなど、自身に合った学習方法を選択すると良いです。CAEソフトの基礎をひと通り学んでおけば、ひとまずCAEオペレーターになれる可能性はあるでしょう。

また計算力学技術者の資格で転職に有利となる2級以上を取得するためには、CAEソフトを使用できることが試験の受験条件となります。受験前にソフトの使用経験を書類として申請し、認定を受けなければなりません。
そのためにも、CAEソフトは使用できるようになっておいた方が良いでしょう。

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CAE系は即戦力の人は転職で有利

CAE系のエンジニアは転職で必要とされる場合が多く、高水準の年収で働くことも不可能ではありません。
ただ多くの現場では即戦力として働けるCAEの人材が特に求められています。
そのためCAE系の仕事に転職を考えている場合は、あらかじめCAEのスキルを身に付けたり資格を取得したりしておくと良いでしょう。

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