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Blenderの基礎知識9選!Blenderの基本を記事で学ぼう

ゲームやアニメ、テレビ番組、インターネット配信動画、様々な世界で3DCGを見かける機会は非常に多くなりました。自分でも作ってみたいと思うけれど、何から始めたらいいのかなと迷っている方には、無償の総合3DCGソフトウェアである『Blender』の利用をおすすめします。今回はBlenderの基礎知識について説明しましょう。

Blenderに関する基礎知識3選

それでは最初にBlenderのソフトに関する基礎知識を紹介していきます。

①そもそもBlenderとは?

Blenderは3Dオブジェクトやアニメーションが作れる3DCGソフトです。オランダで生まれたオープンソースソフトウェア(OSS/ソースコードが全て公開されており、誰でも無償で利用・改変・再配布が可能なソフトウェアのこと)であり、ソフトウェア本体は商用・非商用に関わらず無料で利用可能です。WindowsおよびmacOS、Linuxの全てで動作できる上に、Blender2.60以降のバージョンでは日本語にも対応したため、未経験者でも気軽に導入しやすい3DCGソフトとして人気です。

②Blenderでできることは?

Blenderは無料ソフトであるにも関わらず、3DCG制作における大半の作業を行うことができます。モデリング(3DCGのオブジェクトを作る)、アニメーション(骨格を作って動かせる)、モデルのマテリアルやテクスチャの設定(材質や模様などの質感を設定する)、レンダリング(完成したデータを出力する)といった一通りの作業が可能です。

③Blenderでできないことやデメリットは?

高機能にも関わらず無償利用が可能というBlenderですが、できないことやデメリットもあります。OSSであるBlenderはパッケージ製品などとは異なり、常に開発が続けられているため、「現時点ではできない作業や対応していない機能」がある時突然アップデートによって追加されるということがあり得ます。例えば、VR機能などは当初使えませんでしたが、2020年のアップデート(バージョン2.83)以降、使用可能になりました。このように、最新情報に対して常に注意を払って対応していく必要があるでしょう。また、それに付随するデメリットとして「丁寧なサポートや保証がない」という点があげられます。新機能の作業方法やトラブル発生時などでも、自分で解決策を見つけていかなければなりません。Blenderの場合、公式サイトの情報や有志による指南サイト、フォーラム等があるので活用していくと良いでしょう。

Blenderで3DCGを作る基礎知識6選

続いてはBlenderで3DCGを制作する際の基礎知識について、3DCG制作の流れに沿ってご紹介しましょう。

①モデリング

モデリングとは、キャラクターやオブジェクトなどを3DCG化するため、立体で作り上げる作業のことを言います。粘土細工を作る様子をイメージすると分かりやすいかもしれません。Blenderでは「メッシュ」の他、「カーブ(湾曲するパイプやタイヤのようなもの、三つ編みなどが作れる)」「サーフェス(面が1つのポリゴンを加工する)」などを筆頭に様々なオブジェクトを生み出すことができます。更に大きな特徴として、他の3DCGソフトにはない「グリースペンシル」があります。この機能によって、3DCGで作られた世界に自由に絵を描き込むことができ、なおかつ2Dあるいは3Dアニメーションとして動かせる機能です。従来のモデリングは頂点を動かしたり伸ばしたり縮めたり、といった作業で作られていましたが、「絵を描いて動かす」というより直感的な方法でモデリングできるようになり、制作の幅が広がったと言えるでしょう。

②マテリアル

Blenderにおけるマテリアルとは「材料」や「材質」を意味し、竹や木材、金属、布などそれぞれの材質が持つ質感を持たせる設定値です。オブジェクトに対して、適切なマテリアルを設定することで、よりリアルなモデルができるでしょう。Blenderには各材質を表現するマテリアルが既にデフォルトで用意されているだけでなく、第三者が作成したマテリアルなどをダウンロードして使うこともできます。そういったものを有効活用すると、より深みのある3DCGを短時間で作成しやすくなるでしょう。

③テクスチャ

テクスチャとは、Blenderにおいては「オブジェクトの表面の模様」のことを意味します。例えば、衣服などを表現するためにテクスチャを貼り付けるのはもちろんのこと、物の凹凸や傷や汚れ、くすみなども表現できるようになります。オブジェクトに対して「シーム」と呼ばれる切り込み・境界線を設定し、そのシームによって区切られた面ごとにテクスチャを設定できるので、細かく区切れば区切るほど詳細な表現が可能になります。なお、Blenderにおいてテクスチャを設定する場合、マテリアルを先に設定する必要がある点に注意しましょう。

④アニメーション

3DCGにおけるアニメーションとは、制作した2Dや3Dオブジェクトに動きをつける作業のことを示します。ポリゴンに設定された骨格(アーマチュア、あるいはボーンとも言う)に対し、一つずつ動きを設定していきます。例えば歩く人間を制作する場合は、まず右足・左足を交互に動かす必要がありますが、更に上体の傾きや腕の振り、髪の揺れ、目のまばたきなどがない場合、動きに酷い違和感がある仕上がりになってしまうでしょう。

⑤ライティング

ライティングとは、どこかにあるライト(光源)を設定して、モデルに対して光を当てる作業です。例えば町中を歩く人のアニメーションの場合、建物や木の陰に入れば様々な箇所が暗くなり、影から出れば明るくなります。このような自然な表現を行うのがライティングの作業です。Blenderにおいてもライトの設置位置、光の強さだけでなく、ライトの性質(サン/太陽など)や状況(大気など)を設定することでより自然な光を表現できます。なお、Blenderのバージョン2.8以前においては、「ライト」ではなく「ランプ」という名称で設定されていたので、古い環境で作業する場合は注意しましょう。

⑥レンダリング

3DCG制作におけるレンダリングとは、3DCGを表現するあらゆる数値データを、コンピューター上で計算し、画像データに変換して出力することを意味します。ここまで設定したあらゆるデータを結合する作業、とも言い換えることができるでしょう。Blenderでも有償の3DCGソフトと同じようにレンダリングが可能です。ただ、そもそもレンダリングは作業するパソコンに高い負荷をかける作業であり、特にメモリ等を大幅に使います。Blenderが公表している最低スペック以上、できれば推奨スペックのパソコンで動かすことが望ましいと言われていますので、お試しで使用する場合は注意しましょう。

Blenderの基礎知識を学ぶ方法は?

Blenderは総合3DCGソフトウェアのため、できることが非常に沢山あります。その一方で操作方法が独特でソフトウェアが指定する操作に関わるショートカットキーにも慣れていく必要があります。

まずはソフトに触ってみる

Blenderは無料で誰でも使えるソフトですので、まずはダウンロードして触ってみるというのも大切なことです。チュートリアルなどを見ながら手を動かすことで、少しずつ慣れていくはずです。

フォーラムで勉強する

Blenderの非公式のフォーラムなどでは、自分の作った3DCGを公開している人たちもいます。そういったコミュニティで他の人が作った作品を見て研究したり、自分の作品を投稿してみたりすることで、上達できるかもしれません。

書籍で学習する

Blenderの使い方に関する書籍も沢山出版されています。より高度な作業をしたい場合に役立つでしょう。注意したい点として、書籍で扱うBlenderのバージョンが、自分の所有するソフトウェアと合致しているかは、必ずチェックしましょう。

Blender基礎セミナーなどのセミナーを受講する

どこから手を付けていいか分からない、自力で学習のも限界があるとお悩みの場合は、「Blender基礎セミナー」などを受講してみるのもおすすめです。全くの初心者であっても基礎から始め、3DCG作品を作り上げることができます。

Blenderで3DCGの基本を学んでみよう

ARやVRなどが発展し、3DCGが非常に身近なものになりつつある現在。無償にて利用できるBlenderは、3DCG業界に興味がある人にはうってつけのソフトウェアです。まずはちょっと触ってみて、面白そうだと思うのであればより本格的に学んでみてはいかがでしょうか。

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