Blenderで高品質な画像や映像を制作する際には、Cyclesがよく使われます。しかし、もう一つのレンダリングエンジンであるEeveeとどのように使い分けたらよいのでしょうか。
本記事では、BlenderのCyclesの特徴や、Eeveeとの使い分け方などについて解説しています。BlenderのCyclesを使いこなせるようになりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Blenderのレンダリングとは
Blenderのレンダリングとは、3D空間内に配置したオブジェクトやライト、カメラなどの情報をもとに、コンピューターを使って画像や動画として出力する工程のことです。
静止画の場合は1枚の画像を生成し、アニメーションの場合は各フレームを1枚ずつレンダリングして、それらをつなぎ合わせることで動画を作成します。
レンダリングはBlenderの作業の中でも特に負荷の高い処理であり、高解像度の画像やアニメーションを出力する場合は、多くの時間がかかることがあります。
また、Blenderのレンダリングについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。CyclesとEeveeでレンダリングする方法や、確認しておきたい設定事項などを解説しています。
BlenderのCyclesとは
Cyclesとは、Blenderに標準搭載されているレンダリングエンジンの一つです。レンダリング方式にはレイトレーシングが採用されており、現実世界の光の反射や屈折、影の仕組みを再現するように計算を行います。
光の挙動を細かくシミュレートするため、写真のようなフォトリアルな画像を作成できるのが特徴です。一方で、高精度な計算を行う分レンダリング時間が長くなりやすく、快適に利用するにはある程度スペックの高いパソコンが必要です。
BlenderのCyclesとEeveeの違い
Blenderには「Cycles」と「Eevee」という2種類の主要なレンダリングエンジンがあります。以下に、CyclesとEeveeの違いを表にまとめました。
| 項目 | Cycles | Eevee |
| レンダリング方式 | レイトレーシング | ラスタライズ |
| 描画品質 | 高い | Cyclesと比較すると劣る |
| レンダリング速度 | 遅い | 速い |
| 光の表現 | 光の反射・屈折・間接光を高精度で再現できる | 光の計算を簡略化している |
| 向いている処理 | プリレンダリング | リアルタイムレンダリング |
Eeveeは、モデルの角度や位置などの情報をもとにスクリーンへ投影し、面を塗りつぶして描画する「ラスタライズ方式」を採用しています。そのため、光の計算が簡略化されており、Cyclesと比べて軽快に動作します。
一方で、光の反射や屈折、間接光などの表現精度はCyclesに劣ります。高品質な静止画やフォトリアルな映像を作成したい場合はCycles、作業効率やレンダリング速度を重視する場合はEeveeを選ぶとよいでしょう。
BlenderでCyclesを使う方法
Blenderのレンダリングエンジンは、ワンクリックで簡単に切り替えられます。Cyclesでレンダリングを行う手順は以下のとおりです。
- Cyclesへ切り替える
- GPU設定を行う
- レンダリングして保存する
これらのBlenderでCyclesを使う手順について詳しく見ていきましょう。
①Cyclesへ切り替える
まずは、Blenderで使用するレンダリングエンジンをCyclesに変更します。Blender画面右側の「レンダープロパティ」を開きましょう。
次に、「レンダーエンジン」の項目を「Eevee」から「Cycles」に変更します。

さらに、3Dビュー右上のアイコンから「レンダープレビュー」を選択してください。

ショートカットキーのZキーを押して、表示されるメニューから「レンダー」を選択すれば、素早く切り替えることもできます。
レンダープレビューへ切り替えることで、Cyclesによるライティングやマテリアルの見え方をリアルタイムで確認できるようになります。
②GPU設定を行う
GPUが搭載されているパソコンの場合、設定を変更することでレンダリング速度を向上させられます。まず、レンダープロパティから「デバイス」を「GPU演算」に変更しましょう。
続いて、上部メニューの「編集」から「プリファレンス」を開きます。サイドメニューから「システム」を開き、「Cyclesレンダーデバイス」から使用したいグラフィックボードに変更してください。

NVIDIA製のGPUであれば「CUDA」か「OptiX」を、AMD製もしくはIntel製のGPUであれば「OpenCL」を選択するとよいでしょう。変更後、右上の閉じるアイコンをクリックすれば、設定が反映されます。
③レンダリングして保存する
Cyclesの設定が完了したら、実際にレンダリングを行います。上部メニューの「レンダー」から「画像をレンダリング」をクリックします。

新しく画面が開き、レンダリングが始まるので、完了するまで待ちましょう。レンダリングが終了したら、画像メニューから「保存」を選択します。

任意の場所に保存を行ったら、Cyclesでのレンダリングは完了です。必要に応じて設定を調整し、より高品質なレンダリングを目指すとよいでしょう。
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BlenderのCyclesの基本設定
BlenderのCyclesは、設定を調整することでレンダリング品質を高めたり、レンダリング時間を短縮したりできます。以下は、BlenderのCyclesの基本設定です。
- ノイズしきい値
- サンプリング数
- デノイズ
- ライトパス
これらのBlenderでCyclesを使う際の基本設定について詳しく見ていきましょう。
①ノイズしきい値

ノイズしきい値とは、レンダリング時にどの程度のノイズを許容するかの設定です。ノイズしきい値を調整することで、レンダリング時間と品質のバランスを変更できます。
ノイズしきい値を高くすることで品質は下がりますが、その分レンダリング速度は速くなります。レンダリング速度を重視する場合は値を高めに、品質を重視する場合は値を低めに設定しましょう。
②サンプリング数

サンプリング数とは、1画素の色や明るさを決定するために計算する光線の本数のことです。サンプリング数を増やすほど、高品質なレンダリング結果になります。
一方で、計算量が増えるためレンダリング時間は長くなります。サンプリング数は、レンダープロパティ内の「サンプリング」から設定可能です。
「レンダー」にある「最大サンプル数」の値を調整しましょう。初期値は「4096」と少し高めに設定されています。
③デノイズ

デノイズとは、レンダリング時に発生するノイズを自動で軽減する機能です。基本的にはサンプル数を増やすことでノイズを減らせますが、その分レンダリングに時間がかかります。
さらに、そもそもサンプル数では解決できないこともあるでしょう。デノイズは、レンダープロパティ内の「レンダー」にある「デノイズ」にチェックを入れることで有効化できます。
Cyclesにするとノイズが発生しやすいので、基本は有効化にしておくのがおすすめです。
④ライトパス

ライトパスの「最大バウンス数」では、光の反射や屈折の複雑度を調整できます。それぞれ項目が用意されており、値を変更することで、光が反射・屈折する回数を指定できます。
例えば、金属素材が多いシーンでは「光沢」の値を上げ、ガラス素材が多いシーンでは「伝播」の値を上げるなど、シーンの内容に合わせて数値を調整することで、レンダリングの品質を高められるでしょう。
BlenderのCyclesとEeveeの使い分け方
BlenderのCyclesとEeveeは同じマテリアルを使い回せるため、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。例えば、制作中はリアルタイムで表示できるEeveeを使用し、モデルやライティングを確認しながら作業を進めます。そして、作品が完成して最終的に画像や動画を出力する工程では、Cyclesへ切り替えてレンダリングを行います。
このように、Blenderでは、Eeveeで作業を行い、最終的なレンダリングのみCyclesで行う使い分けが一般的です。ただし、パソコンのスペックが低い場合は、Cyclesのレンダリングは非常に時間がかかります。
そのため、レンダリング速度を優先したい場合や、リアルな表現にそこまでこだわらない場合は、最終出力もEeveeで行いましょう。
また、以下の記事では、Blenderを快適に使うためのパソコンのスペック要件について解説しています。Blenderにはどの程度のパソコンが必要なのか知りたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
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BlenderのCyclesについてのまとめ
今回は、BlenderのCyclesについて紹介しました。Cyclesは、光の反射や屈折を高精度に再現できるレンダリングエンジンであり、フォトリアルな画像や映像制作に適しています。
一方で、レンダリング時間が長くなる傾向があるため、作業中はEevee、最終出力はCyclesという使い分けが一般的です。Blenderで高品質な作品を制作したい方は、本記事を参考にCyclesを活用してみてください。