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【2024】3Dプリンターで作られた家とは?日本でも実用化が進む?価格とメリット&デメリット

こんにちは、3Dプリンター専門店『Fabmart(ファブマート)』です!

みなさんは、3Dプリンターで家が作れることをご存知ですか?
3Dプリンターを利用して、低価格かつスピーディーに家を作る時代がついにやってきました。
今回は、3Dプリンター住宅の一例をご紹介します。

3Dプリンターで作成された家を紹介

3Dプリンターで作成された家を紹介

3Dプリンターを使うと、様々なパーツを組み合わせ、大きな製品も作れます。
家庭用で販売されている3Dプリンターでは難しいものの、業務用として販売される3Dプリンターの中には、大きなパーツを作成できるタイプも用意されています。

そんな業務用3Dプリンターを利用して、家を作る動きが進んでいます。一見すると難しいように感じられますが、単純な構造の住宅であれば3Dプリンターを作って家を建てられるのです。

3Dプリンターで家を建てる方法

3Dプリンターを使って家を作るには、2つの方法があります。

3Dプリンターで家を建てる方法①パーツを出力し、現地に持ち込んで組み立てる方法

1つは、3Dプリンターを使ってパーツを出力し、そのパーツを現地に持ち込んで組み立てる方法です。

パーツの出力を別の場所で行って現地で施工するという形を採用するため、準備期間の間にほぼ全てのパーツを作り上げます。同時に、現地の気象状況などを踏まえて、強度などが足りているのかもデータから算出し、安心して住める住宅に仕上げます。

3Dプリンターで家を建てる方法②現地で全ての施工を行う方法

もう1つは、現地で全ての施工を行う方法です。

3Dプリンターの中には、建築用に作られている製品もあります。その中にはミキサーの機能を使い、コンクリートで住宅を自動的に施工していく3Dプリンターもあります。
この3Dプリンターを使い、どのような住宅にするのかをデータで作成し、現地で3Dプリンターを動かしてコンクリートの家を作っていくという方法です。


この2つの方法を使えば、3Dプリンターでも住宅を作れます。
組み上げにかかる時間は1日で、本来の住宅を建てるよりも短時間で済みます。
その代わりに、3Dプリンターのデータを作らなければならず、家のデータをしっかり作って3Dプリンターで出力させなければなりません。

ただ、コスト面では非常に安く、日本円で40万円程度で作られた住宅もあります。
従来の住宅というのは、非常に高いコストを支払って作っていますが、3Dプリンターを使えば100万円未満でも住宅を作れるメリットがあるのです。

実際に作った家をご紹介

ここからは、3Dプリンターで実際に作った家を紹介します。
どのような住宅があるのか見ていきましょう。

ロシアで建てられた平屋の住宅


まずは、ロシアで作られた平屋の住宅を紹介します。

こちらはミキサーによるコンクリート製の住宅です。3Dプリンターで家を作る際に、コンクリートで自動的に出力させる方法を使い、24時間で完成させた住宅です。

平屋の1階建てで、やや狭いものの、1人暮らしをするには問題のないスペースが確保されています。コンクリートで出力された住宅に、窓やドアを入れて住宅の機能を作ります。
壁は、漆喰を採用しているので、耐久性も高くあらゆる気象条件にも対応します。この壁は普通に塗装が可能で、最終的には黄色い塗料を使って外壁塗装が施されました。
形は、手裏剣のような住宅としては変わった印象に仕上がっていますが、最低限の機能を備えて住みやすい住宅に仕上げています。

住宅の費用は、約115万円とかなり安上がりです。土地の費用は計算されていませんが、土地の価格を踏まえてもそこまで高い住宅ではなく、3Dプリンターを使えばかなり安い価格で住宅を作れるのです。

アメリカの3Dプリンターの住宅


アメリカでも、3Dプリンターを使った住宅が作られています。

アメリカの場合もミキサーを使ったコンクリート製の住宅で、こちらも1階建ての住宅です。
まだ3Dプリンターでは2階建て以上の住宅は作れませんが、1階建てで非常に広いスペースを実現しています。

この住宅も3Dプリンターを使って外観を作成し、それから窓とドアをはめ込んで住宅にしています。屋根の強度を上げるため、事前に鉄骨で作られた部分に屋根を設けて、3Dプリンターで出力させた住宅と2つの屋根を作り出しています。外側の屋根で、ある程度のスペースの雨をしのげるように作られているので、雨が降っている時も外を眺められる仕組みです。
住宅の中は、大きな窓が数か所設けられている以外、特に変わったものは付けられていません。

非常にシンプルな住宅に仕上がっています。機能性の高い住宅ではありませんが、こちらも24時間で60平米の住宅に仕上げており、快適な広さは実現しています。

価格は日本円で大体100万円ですが、将来的には42万円まで引き下げたいと考えており、なかなか住宅を作れなくて困っている方などに役立てたいと考えています。

日本での実用化の動き

日本でも、3Dプリンターで家を作るための研究開発が進んでいます。
3Dプリンターで作る家は、従来の家作りとはやり方が異なるため、企業は研究をしながら3Dプリンター住宅の建築に取り組んでいます。

日本でも3Dプリンターによる家づくりの参入の動き

日本の企業でも、3Dプリンター事業への参入の動きが加速しています。

倉敷紡績株式会社

繊維メーカーであるクラボウ(倉敷紡績株式会社)は、建設業界で現在課題となっている人手不足や生産性の向上という課題解決への新たな取り組みとして、建設用3Dプリンティング事業を展開しています。高精度な3Dプリンティング技術と、強度を考慮した構造設計の評価と検証に力を入れています。

また、クラボウと東京大学の大学院工学系研究科は共同研究契約を締結し、建設用3Dプリンティングの新技術の研究開発を連携して行っています。建設用3Dプリンターを用いた造形物を、実験・製作する取り組みを本格化しており、セメント系材料の強度や靭性を高めるための、新たなメタマテリアル技術の確立に向けて2023年度を目途に共同研究をしています。

さらに、メタマテリアル技術だけでなく、建設用3Dプリンターに利用可能で、CO₂の削減と環境貢献にもなる低炭素型のセメント系材料の開発も共同で進めていっています。

他にも、クラボウは3Dプリンティング事業において、株式会社竹中工務店と建設現場における3Dプリンターの活用に向けた共同研究を行っています。両社の建築の強みと知見を生かし、建設用3Dプリンターを用いた新しい建築工法の検証を行い、技術確立を目指します。

清水建設株式会社

大手ゼネコンの清水建設株式会社では、3Dプリンター導入のために実験設備を新設しています。

その実験設備では、埋め込み型枠の造形のための繊維補強モルタルの新規開発を行っています。
これは、構造物全体をプリンターで出力するものではなく、プリンターで型の枠組みを造り、鉄筋を入れて補強し、周りにモルタルを流し込むことで、従来のコンクリート柱以上の強度を確保しており、今後の3Dプリンター住宅の技術の進化に向けて取り組んでいます。

清水建設は3Dプリンティング材料として、高強度・高靭性のラクツムを独自開発しています。
ラクツムの原材料は、モルタルを使用しているセメントと砂に長さ6mmの合成短繊維・高性能減水剤・シリカフュームを加えた材料です。施工現場で造形した埋設型枠の部材を用いると、2m以上の高さまで積層する事ができます。

今後、ラクツムで積層造形した型枠の現場適用への活用を目指して研究開発を進めています。

3Dプリンター住宅のメリット

3Dプリンターで家を建設することが可能になると、建設コストを削減できたり、人手がかからなくなったり、建設スピードが早くなったりといった一般の住宅建設にはないメリットがあります。ここでは、3Dプリンターでの住宅建設のメリットを具体的に解説していきます。

3Dプリンター住宅のメリット①建築コストが削減できる

3Dプリンター住宅は、従来の建築手法と比べると数百分の一ほどの建築コストに抑えられます。

通常の建築手法では、壁や柱などの大きな資材を工場から購入していく必要があります。
一方、3Dプリンター住宅は材料のほとんどがコンクリートであるため、工場から運ばれる資材は窓ガラスや窓枠、屋根の木材など最低限の資材で行うことができます。

また、資材がコンクリートに変わることで、材料コストを削減することができます。

3Dプリンター住宅のメリット②人手がかからない

従来の建築方法とは異なり、3Dプリンターでの住宅の建設は、人手がほとんどかかりません。

一般の住宅では、水道工事や電気工事など現場で作業を行う多くの職人が必要不可欠です。
現在、建築業界では建築を行う技術を持った人間が不足しており、現場で働く人材の確保が課題となっています。

そのため、働く人数が現象している建築業界にとって、少ない人数で住宅を作れることは大きなメリットになります。

3Dプリンター住宅のメリット③建築スピードが早くなる

従来の住宅建築に比べて、3Dプリンターでの住宅は建築期間が短くなります。

海外では、24時間で建てられた例も存在します。建築期間が短くなるため、日本でも災害で家をすぐに確保したい人や住宅がない人たちの仮住まいとしても期待されています。3Dプリンターで住宅を作る期間は、今後の技術の進化によってさらに短縮していくことが予想されています。

3Dプリンター住宅のメリット④曲線などの特殊な建築物を作ることができる

3Dプリンターでは、形状が複雑な住宅の建設にも対応しやすく、曲線形状などの特殊なデザインを求める人にも需要があります。曲線を活用することで、狭いスペースでの建築にも活用できます。そのため、3Dプリンターでの住宅は設計の自由度が高く、デザイン性も向上しています。

3Dプリンター住宅のデメリット

3Dプリンター住宅の建築は、これまでになかった新しい建築技法であるため、基礎工事や建築基準法の適用の観点で課題もあります。

現在、3Dプリンター住宅は建築確認申請が不要な場所でしか導入できておらず、一般の住宅は建築できません。しかし、今後制度の改正や技術革新により導入される可能性は高いといえます。

ここでは、3Dプリンターで家を建てるデメリットについて解説します。

3Dプリンター住宅のデメリット①基礎工事に対応できない

従来の建築方法では、鉄筋を入れることで、強度を高めるための基礎工事が必要となっています。

現状、3Dプリンターはコンクリートで形を作り積み上げていくことは可能ですが、鉄筋を入れる建築には対応していない状態です。日本は地震も多いため、地震に耐えられる強固な基礎が必要となります。

将来、3Dプリンターを使った建築技術が進化することで、一般建築と同等の強度を維持できるようになる可能性があります。

3Dプリンター住宅のデメリット②住宅設備工事に対応できない

3Dプリンターは住宅の構造を作ることはできますが、電気・ガス・給水などの住宅設備はまだ整っていません。これらの作業は、時間と手間がかかる作業となっています。

海外では、完成した家の外部からの電力供給や配管設備の接続が不要で、電力は太陽光発電で住宅に付属されバッテリーに充電されます。フィルターを通して、水は空気中の水分を収集します。

このように、海外では3Dプリンター での課題を解決しつつあり、日本でも同様の対策が必要となってきます。

3Dプリンター住宅のデメリット③日本の建築基準法に適合しない

3Dプリンター住宅で使われる材料や施工方法は、日本の建築基準法に適合しておらず、法律の観点から課題があります。

3Dプリンターで使われる素材はモルタルなどの特殊な材料が多く、建築基準法の既定外の素材です。将来的に3Dプリンターにおける法整備が整うまでは、建築確認申請が不要な現場のみに限られます。

3Dプリンター住宅の価格はどれくらい?

日本でも住宅の販売に向けて動きが出ており、3Dプリンターで作った住宅の販売を目指しています。最後に、3Dプリンター住宅での価格や完成時期について解説します。

3Dプリンターの家を300万円で発売!一般向け49平米の3Dプリント住宅の完成目指す

日本の企業でも、3Dプリンターによる住宅の建設を目指してプロジェクトが進行しています。

セレンディクス株式会社は、2022年3月に愛知県小牧市にて原材料はコンクリートの日本初となる3Dプリンターで造形した住宅を完成させました。
完成した住宅は、Sphere(スフィア)と名付けられたプロトタイプで、グランピングや別荘、そして災害復興エリアでも利用できる3Dプリンターの住宅を想定しています。広さ10平米の球体状で、3Dプリンターで造形したパーツを組み合わせるため、建材費や人件費を抑えることができます。こちらの住宅に改良を行っていくことで、新たな住宅の形が日本で広がる先駆けとなっています。

また、2023年春に49平米となる3Dプリンターの住宅を一般販売予定であり、鉄筋構造を含めた49平米の平屋の建設が進められています。慶應義塾大学の研究機関と一緒に開発を進めているフジツボモデルは、約500万円以下の価格で販売開始予定としており、最終的には100平米で300万円の住宅を目標とし、車を購入できる値段で実現することを目指しています。

3Dプリンターで家を建てる まとめ

3Dプリンターの家は耐久性もある程度高く安心感

3Dプリンターで家を作るのはかなり難しいように思われますが、実際には出力させる住宅の形、そして必要な3Dプリンターを確保しておけば、100万円程度で住宅が作れます。
またアメリカやロシア、中国といった3Dプリンターの先進国が作っているだけで、日本では許可が出ていないため家を作れません。

今後、日本でも3Dプリンターを使った家が作られると、低コストで住宅を作れるメリットが生まれるでしょう。3Dプリンターを使っているタイプも、コンクリートでしっかり耐久性を確保、漆喰などで湿度対策なども施されています。快適かつ安全に住める住宅を低コストで作る取り組みは、3Dプリンターによって始まっているのです。


3Dプリンターを買うなら、ぜひFabmart(ファブマート)へ!

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