こんにちはキャド研の斉藤です!
皆さんは3Dプリンターを使ったことがありますか?
3Dというだけでなんだか難しく感じますよね・・・
実はプリンターを動かすこと自体はとても簡単です。
今回はデータの作成方法と3Dプリンターの選び方について紹介させていただきます。
セミナー参加者でもどれを買うべきかわからない・・・という相談をたくさんいただきます。
今回は大きく3つの価格帯に分けて特徴とおすすめポイントを紹介させていただきます。
是非最後まで読んでいただき3Dプリンター選びの参考にしてください!
プリントするデータの作成方法
3Dプリントするには3Dデータが必要になります。
3Dデータを作成するにはいくつか方法があるのですが、ここでは無料で使えるソフトを2つご紹介したいと思います。
1.部品の等のモデリングをしたいなら3DCADソフトのFusion 360
Fusion 360はAutodesk社が販売している3DCADソフトになります。
本来有料のソフトですが個人利用・学生は無料で使用することができます。
直感的に操作できるので初心者の方にも操作しやすいのが特徴です。
ダウンロード:Fusion 360
2.フィギュアなど作成したいなら3DCGソフトのBlender
Blenderはオープンソースの統合型3DCG製作、2Dアニメーション製作、VFX向けデジタル合成、動画編集ソフトウェアです。
こちらも無料で使用することができます。
ダウンロード:https://blender.jp
他にもいろいろなソフトありますが無料で使用できるソフトでいうとこの2つが代表的です。
これらのソフトで作成したモデルデータをSTLという形式で書き出しスライサーソフトに読み込みます。
スライサーソフトとは?
スライサーソフトとは3Dプリンターを動かすために必要なソフトで各3Dプリンターのメーカーサイトからダウンロードして使うことができます。
購入前でもダウンロードできますのでデータができたらスライサーソフトを操作してみるのも面白いですよ。
プリント時間や材料の使用量などを検証することができます。
スライサーソフトでは積層ピッチ・材料・造形角度などを設定します。
設定したファイルを3Dプリンターに送信またはUSBで読み込ませたらあとはスイッチをオンにすれば勝手にプリントが始まります。
高価格帯になる程設定が詳細になって行きますが、初めての方はデフォルト設定でも大丈夫です。
僕も細かい調整はしていません。
プリンターの選び方
プリンターを選ぶ際に基準となるのが
- 造形サイズ
- 精度
- 材料
です。
まずはここをしっかりと見極めておくことが重要になります。
今回は3つの価格帯に分けておすすめのプリンターとその特徴を紹介します。
1.5万円前後【ダヴィンチ mini w+】
XYZプリンティングジャパンが販売する3Dプリンターで、私が最初に手にした機種でもあります。
このプリンターの特徴
- 印刷方式:熱溶解樹脂積層方式(Fused Filament Fabrication)
- エクストルーダノズル数:1
- 対応材料:PLA / 抗菌性PLA / PETG / タフPLA
- 積層ピッチ:0.1 ~ 0.4 mm
- 印刷スピード:最大 120 mm/s ※XYZprinting社内での検証結果であり、諸条件によって結果が異なる場合があります。
- 最大出力サイズ:150 × 150 × 150 mm
- 価格:¥45,800(税込)
おすすめポイント
自動キャリブレーション機能が搭載されていますので細かい高さ設定などしなくても綺麗にプリントできるので初心者にもおすすめです。
積層ピッチは0.1 ~ 0.4 mmで、使える材料は基本PLA(PETG)、フィラメントも専用に限られます。
材料と積層ピッチにこだわらなければ、非常に使いやすいプリンターです。
2.10万円台【ダヴィンチ Jr. Pro X+】
明らかに性能の差がでるのがこの価格帯、ダヴィンチ mini w+クラスに満足できないようであればこちらがおすすめです。
スライサーの設定次第では業務用プリンターの造形美に迫ります。
このプリンターの特徴
- 印刷方式:熱溶解樹脂積層方式(Fused Filament Fabrication)
- エクストルーダノズル数:1
- 対応材料:PLA / タフPLA / PETG / Wood PLA / *メタリックPLA / *カーボンPLA (*専用ノズル要) / 抗菌性PLA / ABS
- 積層ピッチ:0.02 ~ 0.4 mm
- 印刷スピード:最大 160 mm/s ※XYZprinting社内での検証結果であり、諸条件によって結果が異なる場合があります。
- 最大出力サイズ:175 × 175 × 175 mm
- 価格:¥103,800(税込)
おすすめポイント
オープンフィラメントシステムを採用しているので社外フィラメントを使用することが可能。
最大260度まで上がるノズルを搭載しているのでABSを使用することが可能です。
PLAに比べ高度が低いのでプリント後の研磨がしやすくアセトン処理で表面を滑らかにすることもできます。
積層ピッチが0.02~0.4mmとかなり細かいプリントが可能、業務用に迫る仕上がりが期待できます。
3.50万円台【Raise3D E2(デュアルヘッド)】
このプリンターの特徴
- 出力方式:FFF(熱溶解フィラメント製法)方式
- プリントヘッド:独立デュアルエクストルーダー(IDEX)
- フィラメント直径:1.75mm
- 積層ピッチ:0.02~0.65mm
- 出力速度:30 – 150 mm/s
- シングルヘッド造形時 造形サイズ(幅×奥行き×高さ):330×240×240 mm
- デュアルヘッド造形時 造形サイズ(幅×奥行き×高さ):295×240×240 mm
- 価格:¥547,800(税込)
おすすめポイント
業務用3Dプリンターで、3年間連続日本市場No1を誇るRase3Dシリーズの低価格機種として登場したのがこのE2です。
上位機種の性能を引き継ぎながらも低価格化を実現しています。
独立型デュアルエクストルーダー搭載により[ミラーモード][複製モード]で生産性が向上、使用できる材料も幅広く一般的な材料のPLA・ABSはもちろんナイロンやゴムライクにも対応しています。
以上3機種を価格別3Dプリンター選びの基準として紹介させていただきました。
この他にもたくさんの3Dプリンターが存在しますがどこのメーカーのプリンターを選ぶにしても価格毎にこのくらいの差があるということを知っておいてください。
他にも以下の項目もチェックしてみてください。
サイズ
20mm以上になると価格が上がって行きます。
20mm以上か以下で判断するといいと思います。
材料
ノズルの温度が高温にならないと使える材料の幅が狭まります。
ABSを使うのであれば250度以上まであがる機種がおすすめです。
精度
剛性が高い機種になる程価格が上がって行きます。
合成が高くなると精度が上がりますのでプリントの失敗が減ります。
また一度に複数個プリントするときも安定します。
光造形(SLA)型3Dプリンターとは
今回紹介していない種類に、光造形(SLA)型3Dプリンターというものがあります。
光造形(SLA)型3Dプリンターとは、紫外線(UV)光で硬化する液体樹脂を使用し、紫外線(UV)を照射しながら造形するのが特徴です。
また、熱溶解(FDM)型と比べて、光造形(SLA)型の方がピクサルサイズや、レーザーの直径がより小さいため、細かな形状を表現できるので、高精度な造形物が作りやすく、積層痕が残りづらいので綺麗に仕上がります。
その反面、本体価格が高額な場合が多く、材料代も熱溶解(FDM)型と比べて高価格なのと、後処理が熱溶解(FDM)型と比べて洗浄工程が必要な為、手間と時間がかかるというデメリットがあります。
熱溶解(FDM)型3Dプリンターは、固形材料を熱で溶かして積層し、立体造形を行うのが特徴です。
使いわけのイメージとしてはブロック状のものや強度が必要なものは熱溶解(FDM)、フィギュアなど細かい造形がもとめられるものは光造形(SLA)という感じです。
【formlabs Form3】
代表的なプリンターとしてformlabs Form3があります。
光造形ブームのきっかけとなったForm2の後継機で、造形後の表面の美しさに定評があります。
フィギュアの髪の毛や服のしわなど、細かいディティールの表現に向いています。
ただし、光造形機もFDMと同様に形状によりサポート材が付きますので、サポート材を除去した場所は後処理(研磨)が必要になります。
まとめ
5万円以下(一部を除く)と10万円台では仕上がりに大きな差がでます。
これは積層ピッチの細かさによるところが大きいからです。
しかし10万円クラスになると一気に精度が上がるためスライサーの設定次第では30万円クラス(それ以上)の機種との差がほとんどなくなってきます。
もちろん使用できる材料の幅・各種センサーの有無などスペックの差はありますが材料にこだわらなければこのクラスでも十分な精度が出せるということも知っておくといいでしょう。
50万クラスになると業務用のスペックになりますので安定感・安心感が違います。
またアフターフォローもしっかりしているので購入後の不具合の対応・パーツの取り寄せなども円滑です。
今回50万円台まで紹介しましたが精度・サイズ・造形方法によりさらに高価格帯のプリンターがあります。
もし予算が合わず希望のプリントができない場合は3Dプリントサービスを併用することで問題を解決できます。
形状サンプルは自前のプリンターで作成し最終仕様は3Dプリントサービスに依頼するという方法です。
3Dプリントサービスでは様々なプリンターを取り扱っているので家庭用プリンターでは出せない精度・材料でプリントすることが可能です。
最後に
注意していただきたいのはアフターサービスがしっかりしているところで購入することです。
ネットで見かける組み立て式の安いプリンターなどは要注意です。
初心者の方ほど、購入する際は代理店がある商品を購入することをお勧めします。
さらに詳しい説明が知りたい方はこちらのサイトを参考にしてみてください。