「3DCADを使った仕事に興味はあるけれど、未経験から転職できるの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。近年では、製造業や建築業界など幅広い分野で3DCAD人材の需要が高まっており、「手に職をつけたい」「安定した技術職に就きたい」と考える人たちから注目を集めています。
一方で、「どのソフトを学べばいいのか分からない」「設計の知識がないと無理では?」といった悩みを抱えて、踏み出せない人も少なくありません。
本記事では、未経験からでも3DCADを扱う仕事に就くことは可能なのか、必要なスキルや知識はどのようなものなのかを分かりやすく解説します。
3DCADを扱う仕事への転職は未経験でも可能?

3DCADを扱う仕事への転職は、未経験からでも十分に可能です。厚生労働省が公表している「職業情報サイト jobtag」によると、CADオペレーターとして働いている人の「入職前の実務経験は必要なのか?」について、必要ないと回答した人は約3割です。

この背景には、製造業や建築業界では人材不足が続いているためです。ただし、転職成功のためには、基本的な3DCADソフトの操作スキルに加え、図面の読み書きや設計の基礎知識を身につけておくことが重要です。
CADオペレーターへの転職はやめとけと言われる理由
3DCADを扱う仕事の代表がCADオペレーターですが、「CADオペレーターへの転職はやめとけ」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。やめとけと言われる理由には以下の内容があります。
- 業務が定型的でルーチンワークになりやすい
- AIや自動化の影響で将来的に仕事が減る
- 正社員での募集よりも派遣・契約社員が多い傾向ある
上記の理由は、あくまでも個人的な意見が多く必ずしも起こりうることではありません。ただし、軽視できないのも実情です。上記の理由を踏まえた上で、転職を目指す必要があるでしょう。
3DCADを扱う仕事とは

3DCADを扱う仕事とは、建築物・工業製品・部品などの設計や製造に必要な3次元モデルを、専用ソフトを使って作成・編集する職種のことです。主に以下の職種が挙げられます。
- 機械設計エンジニア
- 建築設計士
- CADオペレーター
- 3Dプリンター関連職
職種によっては単に図面を描くだけでなく、設計意図や製造工程を意識した判断力や技術知識も求められるため、モノづくりの重要な一端を担うやりがいのある仕事といえるでしょう。
3DCADを扱う仕事の平均年収
3DCADを扱う仕事の平均年収は、職種によって異なります。ここでは、代表的な職種として3Dオペレーターの平均年収を紹介します。厚生労働省が公表している「職業情報サイト jobtag」によると、平均年収は453万円です。
一方、国税庁が公表している「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は460万円となっており、ほぼ平均年収ほどとなっています。ただし、実際の収入は業種や企業規模、経験年数、使用ソフトの種類によって変動するため、参考に程度におきましょう。
3DCADを扱う仕事へ転職する際に必要なスキル
3DCADを扱う仕事へ転職する際に必要なスキルは主に以下3つです。
- 3DCADソフトのスキル
- 製図や設計の基礎知識
- コミュニケーション能力
①3DCADソフトのスキル
3DCADの操作スキルは、転職において重要なスキルの一つで、作図・モデリングができなければ、そもそも業務を遂行できません。目指す業界に応じて習得すべきソフトも異なりますので、以下の表を参照ください。
| 業務名 | 必要なソフト |
| 機械設計 |
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| 建築設計 |
|
| 自動車・重工業 |
|
操作方法だけでなく、アセンブリや図面出力、パラメトリック設計といった応用機能まで使いこなせると、即戦力として評価されやすくなります。また、優先的に学習するのであれば「AutoCAD」「Autodesk Fusion」です。2つのソフトは、製造業・建築業など幅広い業種で導入されており、使用している企業も多いためです。
ここでは短期間で実務レベルまで身につけられるセミナーを紹介します。
AutoCAD基礎セミナー講習

「AutoCADセミナー講習」は、基本的な画面操作や作図コマンドからスタートし、実務で必要とされる応用的な編集機能や注釈の記入、テンプレート作成、レイアウト管理、外部参照データの活用方法まで網羅的に学べる内容となっています。
線分や円といった基本図形の作成から、ブロック定義・属性編集、異尺度注釈の設定といった実務でも重宝される機能も解説され、設計補助者としてすぐに現場で使えるスキルが習得できます。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Autodesk Fusionセミナー講習
未経験からでも3DCADの実践力が身につく「Autodesk Fusionセミナー」は、モデリングの基礎から応力解析やアセンブリ設計、図面化・データ管理・干渉チェックまで、設計実務に求められる高度なスキルを段階的に学べるセミナーです。
基礎編ではスケッチ、パラメトリック設計、サーフェスの操作や図面作成を通じて、Fusionの基本操作とデータ管理を習得。応用編では、応力解析や外部データ編集、回転体モデリング、複数部品を使ったアセンブリ設計、組図やレンダリングなど、実務で必要な機能を深掘りして学習します。講座には公認修了証明書の発行や、復習にも役立つ約300ページのPDF教材も配布しています。
| セミナー名 | Autodesk Fusionセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 41,800円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
②製図や設計の基礎知識
3DCADを使いこなすだけでなく、「何をどう設計するのか」を理解するためには、製図や設計に関する基礎知識も必須です。図面の寸法表記、公差、断面図の描き方、JIS規格などのルールを知らないと、正確に伝わる設計図を作ることができません。
また、設計意図を理解するための知識も重要です。CADオペレーターとして図面を引くにしても、設計者の意図を正確に汲み取って作業する必要があるため、ただCADが使えるだけでは不十分と言えるでしょう。
③コミュニケーション能力
3DCADを使う仕事では、チーム設計が前提となることが多く、コミュニケーション能力も重要です。CADオペレーターであっても、設計者やエンジニア、製造現場などと密に連携を取りながら、意図を正しくくみ取り、反映させていく力が求められます。
また、設計意図を第三者に説明したり、図面に対する指摘や修正要望を理解・対応する場面も多いため、円滑なやり取りができる人材は現場から重宝されるでしょう。業務に慣れてくると、会議資料や仕様書を作成したり、クライアントとの打ち合わせに同席することもあるため必ず身につけておきましょう。
【未経験可】3DCADを扱う仕事への転職におすすめのサイト

| サイト名 | サービス形態 | 特徴・強み |
| ジョブテック for CAD | CAD特化エージェント |
|
| doda | 総合エージェント/求人サイト |
|
| マイナビ転職 | 求人サイト/キャリアパートナー |
|
| リクナビNEXT | 求人サイト |
|
| パソナキャリア | 総合エージェント |
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①ジョブテック for CAD
「ジョブテック for CAD」は、製造・建設業界に特化したCAD専門エージェントとして、大手サイトに出ない3DCADの独占・非公開求人を多数保有しています。
10年以上の実務経験を持つキャリアアドバイザーがスキルチェックや応募書類添削を実施しつつ、提携する無料教育プログラムでBIMやDX分野も学べる体制もあります。未経験者でも実践力を身に付けながらミスマッチのない転職を実現できる点が魅力です。
②doda
dodaは、公開・非公開合わせて20万件超の求人を抱える総合転職サービスの中でも3DCAD関連だけで約5,700件、未経験歓迎のCADオペレーター求人も検索可能です。
専任キャリアアドバイザーが年収査定や市場価値診断を行いながら書類添削・面接対策・条件交渉まで伴走してくれるため、初めての3DCAD転職でも選択肢が多く、手厚いサポートを同時に得られる総合力が強みです。
③マイナビ転職
マイナビ転職は、求人サイト型の利便性に加え、建築・機械・製造など多業界の3DCAD案件を未経験OKで特集し、応募後は無料の「キャリアパートナー」が企業の裏情報共有や面接フィードバックを電話で支援してくれます。
自分のペースで求人を探しながらエージェント並みのサポートも受けられ、地方求人にも強いのが特徴です。
④リクナビNEXT
リクナビNEXTは、国内最大級の転職サイトとして3DCADやCAD未経験歓迎求人を多数掲載し、登録すれば自己分析ツール「グッドポイント診断」で強みを可視化できます。
スカウト機能で企業や提携エージェントから面談確約オファーが届くため、キャリアアドバイザーに頼らず主体的に情報収集・応募を進めたい人に適したサービスです。
⑤パソナキャリア
パソナキャリアは、顧客満足度90%超とされる親身なコンサルティングを強みに年収アップ率61.7%のハイクラス実績を誇り、未経験者向けには無料BIM/CAD講座や全国47都道府県拠点でのキャリアカウンセリングを提供。
CADオペレーターから3DCADエンジニアまで幅広い案件を提案しつつ面接同行や条件交渉も代行してくれるため、安心して挑戦できるのが強みと言えるでしょう。
未経験から3DCADを扱う仕事へ転職できる学習ステップ

未経験から3DCADを扱う仕事へ転職する際は計画的な学習は必須です。ここでは、4つのステップを解説します。
- 基礎的なCADソフトの操作習得
- 設計・製図の基礎を学ぶ
- 実務に近い課題でポートフォリオを制作
- 自身のスキルレベルに近い転職サイトを利用する
①基礎的なCADソフトの操作習得
ステップ1は、CADソフトの基本操作に慣れることです。2Dスケッチ、押し出し、フィレットといった基本モデリングを繰り返し練習することで、3Dモデルの構造や設計フローが理解できるようになります。
操作スキルを身につけるだけでなく、メニューやツールバーの意味を理解しながら進めるのがポイント。初期段階ではYouTubeなどを活用し、まずは「手を動かすこと」に慣れるのが大切です。
CADをオンラインで学べるセミナーについては以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
②設計・製図の基礎を学ぶ
3DCADが使えるようになっても、設計や製図の基本知識がなければ、実務では通用しません。たとえば、以下の図面ルールが挙げられます。
- 寸法の記載方法
- 公差
- 断面図の描き方
- 部品番号の付け方
上記の知識を理解していないと、正確な情報共有ができず、ミスや手戻りが発生しやすくなります。また、機械設計であれば材料力学や加工法、建築なら構造や法規の知識も必要になります。基礎知識を身につけることで、「設計の意図が理解できる人材」として信頼されやすくなり、転職時の強みになります。
③実務に近い課題でポートフォリオを制作
ステップ3では、実務に近いポートフォリオを制作します。単なる操作練習ではなく、実務を想定した課題に挑戦し、「なぜその設計にしたのか」「どのような加工や材料を想定したか」などの意図を明確にして作品をまとめましょう。
設計意図や図面、部品構成、組立方法などを含んだ資料をPDFやWebで整理して提出できるようにすると、実務経験がなくても意欲があると印象づけられます。実際に制作することで応用力や改善力も養われ、転職後の業務にも役立つでしょう。
④自身のスキルレベルに近い転職サイトを利用する
どれだけ自分のスキルが高くても転職サイトによって転職できるかどうかは変わります。そのため、自身のスキルレベルに応じて、転職サイトを選びましょう。たとえば、実務経験がない未経験者であれば、「未経験歓迎」や「ポテンシャル採用」に強い転職サイトを選ぶことで、応募できる企業の幅が広がります。
転職サイトのエージェントは、内部まで深く知っているため「その会社の特徴」や「業界の動向」なども聞いて、転職活動をしましょう。
3DCADを扱う仕事への転職についてのまとめ
未経験からでも3DCADを扱う仕事への転職は可能であり、特別な実務経験がなくても、基本的な操作スキルや製図・設計に関する基礎知識を身につけ、ポートフォリオで実力をアピールすることで採用される可能性は高くなります。
特に製造業や建築業界ではCAD人材の需要が高まっており、準備すれば安定した技術職へのキャリアチェンジが実現できます。本記事で紹介したように、学習ステップを着実に進めることや、自身のスキルレベルに合った転職サイトを活用することで成功の可否は決まるでしょう。