AutoCADの導入を検討しているものの、他CADソフトとの違いがわからないとお悩みではないでしょうか。また比較をしようにも、自分ではうまくポイントを比較できないと動けずにいる方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、AutoCADと他CADソフトの比較についてわかりやすくまとめました。
比較することで見えてくるAutoCADの魅力も紹介しているので、比較検討や導入の参考にしてみてください。
AutoCADとは?
AutoCADは、以下に示すさまざまな設計検討業務で使われているCADソフト(コンピュータ支援設計ソフト)です。
- 建築
- 土木
- 製造
- 電気系統
Autodesk社から提供されており、図面作成や編集、設計業務の効率化を目的として、多くの設計企業からCADソフトの選択肢のひとつとして選ばれています。
例えば建築業界では、意匠・構造・設備設計の基本図面に活用されているほか、土木では道路、河川構造物、まちづくりなど、幅広い分野で用いられているのが特徴です。
豊富な機能が搭載されていることも含め、柔軟な設計に活用できるプロフェッショナルツールとして利用されています。
AutoCAD・LT・Plusの違いを比較
AutoCADは「AutoCAD」「AutoCAD LT」「AutoCAD Plus」といった複数のパッケージが存在し、それぞれ価格や機能が違います。導入目的や予算に応じて最適なパッケージを選ぶことが重要ですので、3つの違いを比較表に整理しました。
エディション名 | 主な機能比較 | 年間サブスクリプション料金 (税込) |
---|---|---|
AutoCAD LT | ・2D図面に特化 | AutoCAD LTは2021年5月7日に販売終了 |
AutoCAD | ・2D&3D対応 ・アドインの追加が可能 ・全機能搭載 |
73,700円 |
AutoCAD Plus (旧AutoCAD Toolsets) |
・AutoCADの全機能 ・業界別の特化機能 (建築・機械など) |
238,700円 |
※2025年5月時点、Autodesk公式価格より
比較表より、まずAutoCAD LTはすでに販売が終了しています。
そのため、現在はAutoCADもしくはAutoCAD Plusの二択である点に注意しましょう。
また比較表にある残り2つのパッケージの違いは、業界に特化した専用ツールの有無です。
AutoCADは汎用的に機能を使える一方で、AutoCAD PlusはAutoCADの全機能と、追加の専用ツールを利用できます。
なおAutoCADの購入方法を詳しく知りたい方は、以下の記事でも詳しく紹介しておりますのでチェックしてみてください。
AutoCADと他CADを徹底比較
CADソフトはAutodesk製品であるAutoCADだけではなく、さまざまなメーカーから提供されています。どれも同じようなCADソフトだと思われがちですが、実際には性能や機能、価格など、さまざまな面が異なるため比較が重要です。
そこで以下より、AutoCADで利用できる2DCAD・3DCADとの比較として、おすすめのソフトウェアを別々に紹介します。比較表には、機能や価格、無料体験の有無などを詳しく記載しているので、予算や目的に合うソフトがあるか探してみてください。
2DCADとの比較
2DCADは、平面図(X軸・Y軸)で構成された図面を作成・編集できるソフトウェアです。
主に建築や製造業における基本図面の作成に多く使われています。
参考として以下に、AutoCADと同じように2DCADの機能を利用できるCADソフトとの比較表をまとめました。
ソフト名 | 年間契約の価格(税込) | 商用利用 | 操作性の比較 | 特徴の比較 | 主なファイル形式 | 対応OS |
---|---|---|---|---|---|---|
AutoCAD | 73,700円 | 可 | 高機能で使いやすい | ・スクリプト ・アドイン ・2Dor3D対応 |
・DWG ・DXF |
・Windows ・Mac |
Jw_cad | 無料 | 条件あり | 初心者OK | ・建築業界向け | ・jww ・jwc |
・Windows |
BricsCAD | 66,000円 | 可 | AutoCADと類似 | ・2D/3D/BIM統合対応 ・高いDWG互換性 ・LISP/VBA/BRX対応 ・カスタマイズ性が高い |
・DWG ・DXF その他、多くの業界標準形式に対応 |
・Windows ・Mac ・Linux |
ARES Commander | 114,000円(買い切り) | 可 | カスタマイズ可能 | ・DWG互換 ・3Dオプションあり |
・DWG | ・Windows ・Mac ・Linux |
比較表のなかでもAutoCADと違う特徴をもつのが、無料利用できるJw_cadです。
無料ではあり導入しやすいソフトですが、機能性がAutoCADと比較して大幅に劣る点に注意してください。
また、BricsCADは、買い切り契約とサブスクリプション契約とを選択できるCADソフトです。
3DCADとの比較
3DCADは、立体的な構造設計や製品モデリング、および部分的なBIM/CIMに対応したソフトウェアです。
AutoCADも3D機能を備えていますが、以下の比較表で挙げている3DCAD専用のソフトとは異なる点が複数あります。自分向きのソフトがないか、比較表をチェックしてみてください。
ソフト名 | 年間料金(税込) | 用途分野の比較 | モデリング機能 | 特徴の比較 | BIM対応 | 対応OS |
---|---|---|---|---|---|---|
AutoCAD (Autodesk) |
73,700円 | 汎用 | 中 | ・2Dor3D対応 ・スクリプト対応 |
一部対応 | ・Windows ・Mac |
Autodesk Fusion (Autodesk) |
96,800円 | 製品設計 | 高 | ・クラウド連携 ・アセンブリ設計 ・AutoCADとの連携可 |
非対応 | ・Windows ・Mac |
Archicad | 328,900円〜 | 建築 | 高 | ・建築家向けBIM特化 | 完全対応 | ・Windows ・Mac |
Revit(Autodesk) | 468,600円 | 建築・土木BIM | 高 | ・BIM設計に最適化 (建築・土木) |
完全対応 | ・Windows |
SOLIDWORKS | 2,400ドル | 機械設計 | 高 | ・シミュレーションや詳細設計に強い | 非対応 | ・Windows |
上記の比較表からもわかるように、適用できる業種や、BIM/CIMへの対応の有無などが異なります。
例えば、AutoCADは多くの業種で汎用的に利用できる一方で、他のソフトウェアは何かひとつの業種に特化しているのが特徴です。もし利用したい業種が決まっているなら、比較表の違いを参考にしつつ、導入すべき3DCADソフトを絞ってみてください。
また比較表にも掲載してある「AutoCADの価格情報」を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
比較してわかるAutoCADならではの魅力
前述では他CADソフトとの比較を掲載しましたが、そのなかでもAutoCADが優れているポイントを3つまとめました。AutoCADの導入を検討している方は、ぜひ比較から見えてくる当製品ならではの魅力を押さえておきましょう。
アドインを使った自由な拡張に対応

AutoCADは、アドイン(アプリケーション拡張機能)を活用することで、作図や管理業務を自由にカスタマイズできる点が強みです。
例えば、既存のAutoCADに搭載されていない機能を自由に拡張できるほか、無料から導入できます。標準機能では対応しきれないニッチな業務についても、他のソフトと比較して柔軟に対応できる拡張性が魅力です。
自動化機能を活用しやすい
AutoCADは他のCADソフトと比較して、繰り返し作業やルーティン業務を効率化できる「自動化機能」が多数搭載されています。
- VBAマクロ
- AutoLISP
- アクションマクロ
- スクリプト
操作者の負担を大幅に軽減できることはもちろん、生産性向上により設計品質の向上にもつながります。また、人力でのケアレスミスを防止できるのが特徴です。
Autodesk製品との連携に強い
AutoCADは、同じAutodesk社が提供する他のCAD・BIMツールとの連携性に優れており、複数ソフトをまたぐワークフローで高い互換性を発揮します。例えば、以下のソフトウェアは、DWG形式を軸として連携が可能です。
- Revit
- Civil 3D
- Navisworks
Autodesk製品間の連携を活用すれば、CAD・BIM/CIMの業務の両方に柔軟対応できます。
比較してわかるAutoCADがおすすめの人
AutoCADと、他CADソフトと比較することで見えてくるのが、AutoCADは「万能」なCADソフトとして使えつつ、高度なカスタマイズ・連携に対応できる「業務特化」に調整できるという点です。そこで以下に、比較から見えてくるAutoCADの導入がおすすめの人の特徴をまとめました。
- 汎用型のCADソフトを導入したい人
- カスタマイズ性に優れるCADソフトを探している人
- 将来的にBIM/CIMソフトの導入を視野に入れている人
建築、土木、設備、製造など複数の設計領域に携わるユーザーはもちろん、特定業務に特化した社内フローに対応したい方、また将来的にBIM/CIMソフトの導入を視野に入れている方は、AutoCADが最適です。
もともとの機能が充実しているほか、自分だけのソフトとしてカスタマイズできるので、まずは無料体験版から利用してみてはいかがでしょうか。
比較検討でAutoCADを選んだ人は見積もりを取得しよう
複数あるCADソフトを比較して「AutoCADを導入したい」と感じた方は、Autodesk公式での契約、もしくは認定代理店から見積もりを取得するのがおすすめです。
そのなかでも充実した特典を受けたいなら、以下の代理店経由で見積もりを取得してから契約へと進むのが良いでしょう。例えばこの代理店では、以下のように導入マニュアルの提供など、初めての導入のハードルを下げる魅力的な特典がもらえます。
- インストール手順書を無料プレゼント
- AutoCADのトレーニングガイド・レクチャー動画を無料プレゼント
- 教育セミナーの5,000円OFFクーポンをプレゼント
無料で見積もりを取得できるため、まずは代理店であるこちらからAutoCAD&導入支援の見積もりを取得してみてください。
AutoCADの使い方を学びたいならセミナー講習がおすすめ
AutoCADは他CADソフトと比較して、機能が充実しています。
しかしそれが影響して、初心者にとって「何がどの機能なのかわからない」と思われてしまうことも少なくありません。とはいえ、1から独学する時間がないとお困りの人も多いはずです。
それならまずは、セミナー講習を受講して基本操作や一連の使い方を学ぶのはいかがでしょうか。
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AutoCADと他CADソフトの比較についてまとめ
AutoCADと他CADソフトの違いを機能・料金・対応業務などの観点から比較すると、AutoCADが汎用的な使い方ができる反面、自由なカスタマイズに強いことがわかります。
もしCADソフトの比較検討をし、AutoCADの導入を決めたのなら、まずは操作や使い方の習得からチャレンジしてみてください。
