CADソフトを使用して図面を作成するCADオペレーター。ものづくりに携われる仕事として、興味を持つ人もいるでしょう。一方で「AIに仕事を奪われそう」「将来性はある?」と心配になるかもしれません。
本記事では、CADオペレーターの将来性やメリットを解説します。今から目指そうと考えている方向けに、CADの勉強方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
CADオペレーターの将来はどうなる?
CADオペレーターの将来性は明るいのでしょうか。CADの需要やAIの影響など、以下の3つの観点から紹介します。
- 仕事がなくなる心配はない
- AIでは代替しきれない
- 専門性を高めることが求められる
仕事がなくなる心配はない
結論、CADオペレーターとしての仕事がなくなる心配はないでしょう。なぜなら、CADは幅広い業界で必要とされているからです。
例えば、CADは以下のような業界で活用されています。
- 建築業界
- 自動車業界
- 福祉業界
- インテリア業界
- ジュエリー業界
特にものづくりに関する業界ではCADの技術が必要とされているため、今後もCADオペレーターの業務がなくなる可能性は低いといえます。
AIでは代替しきれない
「CADオペレーターの仕事は、すべてAIに代替されるのでは?」と心配するかもしれません。たしかに、トレース作業や簡単な図面作成は、AIでまかなえる可能性はあります。
しかし、デザイナーや設計士からの要望や意図を汲み取る能力は、AIでは対応しきれません。複雑な工程を仕上げたり、細かい作業を行ったりするのは、やはり人間の力が必要です。
スキルが求められる
CADオペレーターの業務がAIに代替される心配はないと紹介しましたが、AIの影響は無視できません。なぜなら、簡単な作業や定型業務をAIに任せることで、人員を削減する可能性は考えられるからです。
そのため、AI時代にCADオペレーターが生き残るためには、専門性を高めることが求められます。例えば、3D CADを扱えたり、設計業務を担えたりする人材は重宝されるでしょう。CADオペレーターとしてのスキルを磨き、市場価値を高めていくことが重要です。
そもそもCADとは?
CADオペレーターとは、CADを操作して設計図を作成する仕事です。そもそもCADとは何か、CADオペレーターは未経験からでも目指せるのか、確認しておきましょう。
CADとは図面を作成するツール
CAD(キャド)とは、コンピューターを使用して図面を作成するためのツールです。「Computer-Aided Design」の頭文字をとった言葉で、コンピューター支援設計と訳されます。
CADが普及するまでは手書きで図面を作成していましたが、作成に時間を要するだけでなく、共有や保存にも手間がかかっていました。そこで、CADを導入することで手書きよりも業務の効率化が可能となり、共有や保存も容易になりました。
労働人口の減少が進む現代において、CADは欠かせないツールです。CADの詳細はこちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
未経験からでもCADオペレーターになれる
CADオペレーターは未経験からでも可能です。CADを扱うのに特別な資格は必要ないため、基本的なスキルや知識などを保有していれば、誰でも挑戦できます。
CADはさまざまな業界で必要とされているため、ジョブチェンジもしやすいでしょう。また、CADオペレーターは技術職のため、スキルを高めれば年数に関係なく活躍が可能です。
将来CADオペレーターになるメリット4つ
CADオペレーターになるメリットを4つ説明します。
- ものづくりに携われる
- 実力で評価されやすい
- 職場によってはリモートワークが可能
- 独立も目指せる
本格的に挑戦しようか悩んでいる方は、メリットを確認しておくことで前向きに判断できるでしょう。ぜひ、ご確認ください。
ものづくりに携われる
CADオペレーターは、ものづくりに携われる点が魅力です。設計図を描いた製品が成果になったときは、特にやりがいを感じられます。
自分が携わった製品が誰かの役に立ったり、幸せを与えられたりしたときは「この仕事に就いて良かった」と思える瞬間です。
実力で評価されやすい
CADオペレーターは実力で評価されやすい点がメリットです。作成した図面でスキルが評価されるため、性別や学歴、経験年数などに左右されません。
実力主義を重視する人や、向上心がある方におすすめです。完成した図面から自身の成長も実感できるため、モチベーションも維持できます。
職場によってはリモートワークが可能
CADオペレーターはリモートワークも可能です。業務はオンラインで完結できるため、出社しなければいけない職業とはいえません。
CADソフトやパソコンがあれば作業自体は可能ですので、リモートワークを導入している企業も増えつつあります。リモートワークができれば、満員電車のストレスから解放されて、家事や育児とも両立しやすくなる点が魅力です。
独立も目指せる
CADオペレーターは独立も可能で、フリーランスとして活動する人も珍しくありません。独立すると自由度が高くなり、仕事量も調整しやすくなります。
また、スキルを高く評価されると安定して依頼を受けられるため、会社員よりも収入が増える可能性があります。技術面やコミュニケーション力などで差別化を図り、需要の高いCADオペレーターになりましょう。
将来CADオペレーターになりたい人におすすめの学習方法
CADオペレーターになりたい人におすすめの学習方法を2つ紹介します。それぞれの特徴を解説するため、自分にあった方法を選択できるようになるでしょう。
- 参考書で学習する
- スクールやセミナーに参加する
参考書で学習する
1つ目の学習方法は参考書を利用する方法です。1冊でCADの基本操作から、簡単な作図方法まで解説されているテキストが多いため、未経験者でも理解しやすい内容にまとめられています。
参考書を確認しながら実際にソフトを操作してみると、知識も定着しやすくなります。初心者におすすめのCADフリーソフトは、こちらの記事で解説しているためご覧ください。
スクールやセミナーに参加する
スクールやセミナーに入会するのも一つの方法です。特に「独学でCADを理解できるか不安」と悩む方におすすめです。
ここでは、おすすめのスクール・セミナーを3つ紹介します。費用や受講期間などを掲載するので、サービス選びに迷っている方は参考にしてください。
- ヒューマンアカデミー
- KENスクール
- VOST
ヒューマンアカデミー
引用:ヒューマンアカデミー
コース名 | 学習ソフト | 受講期間 | 料金(税込) | 受講形態 |
---|---|---|---|---|
建築CAD総合コース | AutoCAD(建築) Revit |
12ヶ月 | 545,600円 | 通学・オンライン |
建築CAD総合コース | AutoCAD(機械) Inventor |
12ヶ月 | 545,600円 | 通学・オンライン |
ヒューマンアカデミーのCAD講座は、基礎から応用まで学べる内容です。製図の考え方から学習できるため、未経験者でも問題ありません。上記以外にもさまざまなコースがあるため、詳しくは公式サイトをご確認ください。
KENスクール
引用:KENスクール
コース名 | 学習ソフト | 受講期間 | 料金(税込) | 受講形態 |
---|---|---|---|---|
AutoCAD 建築初級 | AutoCAD(建築) | 32時間 | 123,200円 | 通学 |
CATIA V5 初級 | CATIA | 40時間 | 220,000円 | 通学 |
CATIA V5 応用 | CATIA | 40時間 | 220,000円 | 通学 |
NX 初級 | NX | 40時間 | 220,000円 | 通学 |
NX 実践 | NX | 40時間 | 220,000円 | 通学 |
KENスクールのCADコースでは大きく3つに分かれており、レベル別に開講されているので自分のスキルに合わせて学習が可能です。受講形式は通学のみですが、個別指導で丁寧に教えてもらえる点が魅力です。
BIZROAD
引用:BIZROAD
コース名 | 学習ソフト | 受講 期間 |
料金(税込) | 受講形態 |
---|---|---|---|---|
AutoCAD基礎セミナー講習 |
AutoCAD | 2日間 | 33,000円 27,500円 ※eラーニング |
会場・オンライン eラーニング |
Jw_cadセミナー | Jw_CAD | 2日間 | 38,500円 27,500円 ※eラーニング |
会場・オンライン eラーニング |
Fusion 360 3DCAD入門セミナー |
Fusion 360 | 2日間 | 33,000円 27,500円 ※eラーニング |
会場・オンライン eラーニング |
SOLIDWORKSセミナー講習 | SOLIDWORKS | 2日間 | 58,300円 41,800円 ※eラーニング |
会場・オンライン eラーニング |
BIZROADで開催されるセミナーは、基礎から実践的な内容をたった2日間で学べる点が特徴です。短期間で集中して技術を身につけたい、すぐに現場で活躍したいと考える方にピッタリです。
会場受講やライブウェビナーでは講師に直接質問ができるため、疑問をすぐに解決できます。仕事終わりやスキマ時間など、自分のペースで学習したい方はeラーニングがおすすめです。
CADオペレーターの将来についてのまとめ
CADオペレーターの将来性や、メリットについて解説しました。CADはさまざまな業界で使用されているツールのため、仕事自体がなくなる心配はありません。
しかし、AIの登場で業務の一部が代替される可能性は考えられるため、市場価値を高めることが求められます。スキルを向上させて、AI時代でも必要とされるCADオペレーターになりましょう。