こんにちは。
今回は、主に産業用3Dプリンターを取り扱っている、株式会社イグアスさんの3Dソリューションセンターを見学してきました!
イグアス(iguazu)とは
株式会社イグアスは、パートナー企業向けにハードウェアやソフトウェアおよびサービスの販売を中心に行っている会社です。
2009年に米国の3D Systems社と販売提携し、3Dプリンター事業を始められました。
3D Systemsの最先端3Dプリンターをフルラインナップで提供している他、XYZプリンティングの産業用3Dプリンターの総代理店として、企業のものづくりを支えています。
今回、お邪魔させていただいた3Dソリューションセンターは、実際に3Dプリンターを見ることができる施設です。
不定期でワークショップやセミナーも開催されているそうです!
3Dソリューションセンターを見学
川崎駅からバスで数分のところにイグアスさんの3Dソリューションセンターがあります。
建物は3階建てになっていて、上の階から順番に案内していただきました。
3Dソリューションセンターにはショーケースがたくさんあって、実際に3Dプリンターで出力した造形物がきれいに並べられています。
治具や試作品など実用的なモデルが見られます。
産業用3Dプリンターならではといった感じですね!
次の写真のふたつはどちらも同じ形状のパーツです。
左は3Dプリンターで作った2個のパーツを上下に重ね合わせて、金属のボルトで固定しています。
右はそれらを無くして一体化させて1パーツとして造形してあります。
大きくて中が空洞になっているパーツを、一から全て造形できるってすごいですね!
金属3Dプリンターで作られたパーツもあります。
この金魚鉢は、光造形(SLA)方式の3Dプリンターで作られたものです。
なんと!
ふたつとも3Dプリンターで出力されたものです。
出力後は写真の左の状態ですが、磨き加工をすることで右のような透明な表面に仕上がります。
中にいる金魚もくっきり見えるので遠目からだとガラス鉢と勘違いしちゃいますね!
そして不思議な形のレーシングカーを見つけました。
これはトポロジー最適化ソフトウェア「Inspire」を使ってデザインされたものだそうです。
『トポロジー最適化』とはCAD上のある3Dモデルに対して最適化計算を行い、今あるモデルを最適化・軽量化することです。
(詳しくはこちらの記事を読むとわかりやすいです。)
これによって車体の軽量化が実現されれば、車業界の目標でもある「燃費の向上」に繋がります。
次の写真の右側も、トポロジー最適化の事例です。
最適化前のモデルも一緒に並べてあるので、どんな風に変化したのかわかりやすいですね。
展示スペースを見上げると、大きなプロペラを発見しました。
鳥人間コンテストで使用するために3Dプリンターで作られたものだそうです。
3Dプリントされた羽の部分です。
とても軽くて薄いです!
近づいてみると3Dプリント特有の積層がうっすらと感じられます。
他にも、後ほど紹介するバインダージェッティング方式で出力されたフルカラーモデルの造形物など、おもしろいものがたくさん置いてあります。
XYZプリンティング 産業用3Dプリンター
3階のスペースには、先ほど紹介した造形物と一緒にXYZプリンティングの3Dプリンターが展示されていました。
産業用モデルは、以前にお邪魔したXYZプリンティングさんのショールームに無いため、今回が初見です!
関連記事:手軽な価格帯の3Dプリンターが魅力!XYZプリンティング社のショールームで見た注目の機種とは?!
光造形方式の産業用3Dプリンター
色付きの半透明の蓋が、光造形式の3Dプリンターです。
写真の左側が「CastPro 100 xP」、右側が「PartPro 100 xP」です。
CastPro 100 xPは、鋳造性が高く、微細なデザインにも向いている機種。
PartPro 100 xPは、精度とディテールを重視した小物部品向けの機種です。
真ん中の円柱型の機械(UVキュアリング)は、出来上がった造形物の二次硬化を行うために使用します。
熱溶解積層方式(FFF/FDM)の産業用3Dプリンター
続いては、FFF(FDM)方式の3Dプリンター「PartPro300 xT」です。
正面から見るとこんな感じです。
写真の右側にある取っ手のついた黒い箱は、フィラメントを収納するための専用ボックスです。
フィラメントを湿気から守ることができるので保管に重宝します。
このようにボックスからチューブを伝って直接3Dプリンターにフィラメントを供給します。
使用できる材料は、
- ABS
- PLA
- PETG
- カーボンファイバーPLA
- タフPLA
- ナイロン
などです。
今後のラインナップとして、水溶性サポート材が発売される予定もあるみたいです!
実際にPartPro300 xTの造形物を見せてもらいました!
写真左の白い造形物がPartPro300 xTで出力したもの。
右はRaise3Dで出力したものだそうです。
クリックで大きい画像が見られるので、ぜひ表面の積層ピッチを確認してみてください。
積層ピッチは最小0.05mmで設定できます。
産業用3Dプリンター「PartPro300 xT」ですが、本体価格は1,131,900円だそうです。
3D Systems ProJetシリーズ
建物の2階に降りると、大型の3Dプリンターがズラリと並んでいました。
3D SystemsのProJetシリーズです。
実際に稼働しているものもあります。
ちなみに先ほど紹介した造形物のほとんどは、このProJetシリーズのいずれかを使って出力されたものです。
ProJetシリーズの中で一番大型の「ProJet-MJP 5500 X」です。
紫外線硬化樹脂をインクジェット方式で一層ずつ積層させるMJP(Multi Jet Printing)3Dプリンターです。
大きさの比較に案内していただいた担当の町田さんに並んでもらいました。
機械も町田さんも大きい〜〜!
3Dソリューションセンターでは実際の3Dプリンター稼働現場が見られる
1階は、SLS方式(粉末焼結積層造形)とバインダージェッティング方式(石膏粉末固着造形)の3Dプリンターを実際に動かす場所になっています。
見学したときはちょうどメンテナンス中でしたが、機械の音などを聞くと迫力を感じられます。
バインダージェッティング方式の3Dプリンターで出力された造形物も一緒に展示されています。
きれいにフルカラー出力できるところが、バインダージェッティング方式の魅力ですね!
まとめ
今回は、イグアスさんの3Dソリューションセンターを見学させていただきました。
産業用の大型3Dプリンターは迫力があるし、普段なかなか見られるものではないので、とても勉強になりました!
実際に企業が試作したものや実例を紹介してもらい、普段どんなことに3Dプリンティングが使われているのかを知ることができたのも大きな収穫です。
近いところでは、センター内のランプシェードや町田さんの名刺入れに使われていました。
遊び心があって素敵ですよね!
XYZプリンティングの3Dプリンターは、Fabmart(ファブマート)でも取扱いしています。