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【2024】AutodeskのHSMWorksとは?機能・価格・使い方・導入企業事例

CAMソフトの導入を検討している方にとって重要なポイントとして挙げられるのが「コスト削減」でしょう。

とはいえ、CAMソフトは導入に数十万円かかるものから数百万円かかるものまで、幅広いサービスが提供されているため、どのサービスを導入すれば費用対効果が高いかわからない方も多いのではないでしょうか?

そういった場合の一つの選択肢となるのがAutodesk社から発売されているHSMWorksです。高品質なパスを形成できる上、サブスクリプションによって導入コストを抑えられます。

今回は、Autodesk HSMWorksの概要や活用のメリット、主な使い方などについて詳しく解説します。導入事例も紹介するので、CAMソフトの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

Autodesk HSMWorksとは

Autodesk HSMWorksとは
引用元:HSMWorks

Autodesk HSMWorksとは、SolidWorksを活用している方向けのCAMです。
HSMWorksはSolid Works上で利用でき、高品質なカットパスを整形することに役立ちます。

また、導入費用はサブスクリプションでの支払いとなっており、初期投資にかかる費用を大幅に削減できます。加えて、年間ライセンスを導入する場合は別途保守費用を支払う必要がないため、コストパフォーマンスに優れたソフトだといえるでしょう。

Autodesk HSMWorksの動作環境

Autodesk HSMWorksは次のような環境で動作します。

  • 対応OS:64bit:Windows7 Professional、Windows8.1、 Windows10(デスクトップ OS)
  • プロセッサ:Intel Core i7 クロック速度2.0GHz以上
  • メモリ:実装メモリ8GB以上
  • ビデオカード:Nvidia GeForce GT750M相当
  • その他:インターネット接続環境を推奨

なお、これらの環境に加えて、HSMを利用するにはSolidWorksが必要となります。

価格

価格は動作環境によって異なります。そのため、ソフトの導入を検討している場合は、公式サイトから確認しましょう。

参照元:Autodesk Product Design & Manufacturing Collection

Autodesk HSMWorksを利用するメリット

Autodesk HSMWorksを導入することで得られるメリットには、主に次の5つがあります。
ここでは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

低価格で導入できる

1つ目のメリットは、低価格で導入できることです。

HSMはサブスクリプションサービスとなっており、高額な初期費用を必要としません。
また、導入後の保守にかかる費用も抑えられるため、コストを抑えて開発業務が行えます。

また、年間単位でライセンスを導入できるため、1年単位で解約することも可能です。
必要に応じて更新するだけで、常に最新バージョンのHSMWorksが利用できます。

SolidWorksと完全連携

2つ目のメリットは、SolidWorksと完全に連携していることです。
そのため、使い慣れたSolidWorksの画面上ですべての操作を完結させられます。

また、モデルの編集データがそのまま加工工程に自動で反映されるため、設計にかかる時間を短縮できます。加えて、データ編集における人的ミスも削減できるでしょう。

最大16コアを余すことなく活用できる

3つ目のメリットは、最大16コアのCPUを余すことなく使えることです。

一般的なCAD/CAMの場合、実際に使用するコアに制限がかかっているため、パソコンのスペックを最大限使用することが難しくなっています。一方で、Autodesk HSMの場合は、64bitモジュールのマルチプロセッサ/マルチコアをサポートしているため、すべてのコアを余すことなく利用できます。

その結果、オペレーターの拘束時間を短縮できるとともに、フルスペックを活用した高速計算が実現可能です。

サポート体制が充実している

4つ目のメリットは、サポート体制が充実していることです。

Autodesk HSMWorksは「株式会社システムクリエイト」や「株式会社大塚商会」などの代理店がサービスを提供しています。ソフトウェアの初期講習や個別講習なども用意されており、電話やメール、リモートサポートなどが充実しています。

そのため、不明な点が出てきてもサポートによって問題を解決可能です。

負荷制御加⼯で加工時間を短縮できる

5つ目のメリットは、負荷制御加工で加工にかかる時間を短縮できることです。

負荷制御加工とは、ツールにかかる負荷を大きく軽減できるツールパスを描画してくれる機能です。こちらの機能によって粗取りにかかる時間を大幅に短縮できます。

また、ツールにかかる負荷が大きく軽減されることで、通常よりも長くツールを活用でき、コストパフォーマンスの面でも効果を発揮するでしょう。

Autodesk HSMWorksの主な機能・使い方

次に、Autodesk HSMWorksの機能や使い方について紹介します。
さまざまな機能が用意されていますが、主な5つの機能を詳しく解説していきましょう。

モデリング機能

HSMWorksは、SolidWorksと連携することで効果を発揮します。
SolidWorksのモデリング機能で修正を加えると、HSMWorksの設計も変化していきます。

HSMWorksデータの設計にかかる時間を大幅に削減でき、エラーが発生するリスクを未然に防げるのではないでしょうか?

CAM機能

使い慣れたインターフェースで設計ツールを操作できる、CAMとCADが統合したようなソフトとなっています。

シミュレーション機能

シミュレーション機能では、速さだけではなく加工面のきれいさや表現方法、ツールの摩耗度合いなどを総合的に判断した上で最適なシミュレーションを実施できます。

  • 工具の動きと切削結果を視覚的に表現
  • 大まかな加工時間を提示
  • ストック表示でグラフィカルにシミュレーション

これらの特徴があり、CAMを使用したことがない方でも理解できるシミュレーション結果を得られるでしょう。

NCデータ編集機能

NCデータのテンプレートが用意されており、直感的な操作でデータを編集できます。
また、RS-232C通信機能を含むNCエディターが標準で搭載されているため、編集も容易です。

CAD機能

CAD機能では、他社製CADで作られたファイルを入出力できるため、トランスレーターとしても役立ちます。

また、ダイレクト編集機能を搭載しており、外部から読み込んだソリッドモデリングでも履歴情報に縛られることなく、再度モデリングを行うことができます。

Autodesk HSMWorksでできること

次に、Autodesk HSMWorksでできることを紹介します。
主に3つできることがあるため、それぞれ簡潔に解説します。

簡単操作でデータ作成できる

HSMはCADとCAMが統合されたような操作感で利用できるソフトです。
そのため、CADソフトのような直感的な操作感で、初心者の方も簡単に利用できるでしょう。

2.5軸、3軸フライス加工に対応

2.5軸や3軸フライス加工にも対応できます。そのため、簡単操作で誰でもドリル加工、ポケット加工、スロット加⼯などの2次元、2.5次元加工ができます。
また、3D加工、旋盤加工に対応するデータも出力可能です。

工具寿命を延ばせる

最適負荷パラメータの数値が表示されており、そこにおさまる形で工具にかかる負荷をコントロールできます。したがって、工具にかかるストレスを大幅に削減できます。

たとえば、コーナーに鋭角に入るパスは通常、工具に局部的な負荷がかかり、工具寿命を大きく損ねてしまうのです。しかし、コーナーパスの負荷制御加工を施すことで、コーナーの加工における工具のあたり方を均等にでき、工具負荷を抑えられます。

工具寿命を延命できるとともに、工具を交換する必要がないため、コスト削減に役立つでしょう。

Autodesk HSMWorksの導入企業事例

最後に、Autodesk HSMWorksを導入する企業の事例を3つ紹介します。

淡野製作所有限会社

淡野製作所有限会社は、コンベヤなどの搬送設備を中心に複雑な自動機を製作している会社です。設計から製作、制御、据付、稼働立会いまで一貫して行っています。

同社は2.5次元加工の環境しかなく、3次元の加工が必要な場合には、外注せざるを得ない社内体制となっていました。もちろん、外注する場合には多くのコストを必要とするため、その点でも出費に不満を感じていたようです。

そういった理由から、同社は3次元のCAD/CAMソフトウェアを導入しました。多くのツールは導入にかかる費用がネックとなっていました。

しかし、HSMを導入したことによって、それらの作業をすべて内製化でき、外注にかかっていた費用を大幅に削減できたようです。事実、外注に頼っていた月50万円程度の費用がすべて内製化できたといいます。

有限会社福本製作所

有限会社福本製作所は、機械部品の加工や治具製作、金型部品加工を主に手がけている会社です。また、試作や小ロットの生産にも対応しています。

従来から同社は3Dデータに基づいた加工ができるという点で他社との差別化を図っていたようです。しかし、そこには3Dデータを図面化し、カットパス加工を施すスタッフが必要でした。

もちろん、CAD/CAMの増設も検討していたようですが、機能的にソリッドモデリングに弱いものが多く、価格的にも高価な製品が多いため、悩んでいたのです。

しかし、HSMWorksの導入によって、誰でも簡単に操作でき、工具にかかる負担を自動で製作する「負荷制御加工」が実現できました。最初はデモを通してソフトの使用感を確認し、年間ライセンスの料金を計算したところ、導入にメリットがあると感じ、導入に踏み切ったといいます。

また、HSMWorksで加工にかかるスピードを大幅に削減できたことで、さらに競合との差別化が図れるようになったとのことです。

株式会社多田製作所

株式会社多田製作所は、金型設計から製作・成形・アッセンブリまですべてを一貫して自社で行っている会社です。それぞれの工程において効率化を目指すとともに、高品質・短納期の製品を提供するよう努めてきました。

従来、他社に先駆けてCAD/CAMシステムを導入してきたのが同社ですが、時代とともに変化した環境に対し、設計フローの見直しを迫られたといいます。そこで導入したのがHSMWorksです。

HSMWorksはSolidWorksと完全連携しており、CAM利用のための変換に工数をかける必要がなくなりました。形状変更の場合も対象箇所を選択しツールパスの一部を再計算するだけで行えるため、大きな時間短縮につながったといいます。また、工期を短縮したとしてもクオリティの高い加工ができることには大きな魅力を感じているそうです。

Autodesk HSMWorks以外のおすすめCAMソフト

Autodesk HSMWorks以外のおすすめCAMソフト

Autodesk HSMWorks以外にもAutodeskが販売している「Fusion 360」もおすすめのCAMソフトです。
Fusion 360は3DモデリングとCAM機能・CAEなどを1つのソフトウェアで統合しており、モデルの設計とCNCプログラムの作成をシームレスに行うことができます。
また、ポストプロセッサをカスタマイズすることができるので、独自のCNCマシンに対応したGコードを生成することができます。

Autodesk HSMWorksの導入を検討しながらFusion 360を比較したいなら、下記ページから無料体験も可能です。

Fusion 360のCAMライセンスはこちら

まとめ

Autodesk HSMWorksの概要や活用のメリット、主な使い方などについて詳しく解説しました。

Autodesk HSMWorksの導入により、コスト削減につながるだけでなく、カットエラーや人的ミスを最小限に減らせます。また、サブスクリプションサービスで費用が設定されているため、大幅にコストを削減し、システムを活用できるのではないでしょうか?

HSMWorksの導入を検討している方は、今回紹介した導入事例も参考に、ぜひ導入を検討してみてください。

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