皆さんは、Autodesk社が開発した「CFD」をご存知でしょうか?
スクリューなどの回転体を考慮した解析を可能とする熱流体解析ソフトウェアで、幅広い解析機能を搭載しています。今回は、CFDの機能や導入事例など、基本的な情報を詳しく解説していきたいと思います。
製品の概要
CFDには、流体の流れと熱伝達をシミュレーションできるツールが搭載されており、実際の製造に取りかかる前に製品性能の予測、設計の最適化、製品動作の検証を行うことができます。
電子筐体の排熱、バルブ/配管の圧損、室内の空量の温度分布や速度分布など、様々な熱流体シミュレーションを行うことができます。
また、完全自動メッシュを搭載しており、メッシュ作成作業を行う必要がないのも大きな利点です。
Autodesk CFDにはCFD PremiumとCFD Ultimateの2種類があり、CFD Design Study Environmentは両方のソルバに含まれています。
CFD Premiumでは、流体流れシミュレーションや熱シミュレーションの複雑な解析が可能です。
CFD Ultimateには、流体流れシミュレーションや熱シミュレーションの機能に加え、ソリッドボディモーションの高度なシミュレーション機能が搭載されています。
Autodesk CFD PremiumとAutodesk CFD Ultimateの機能比較
Autodesk CFDには、射出成形を最適化する様々な機能が搭載されています。ここでは、その一部をご紹介します。
機能 | 備考 |
---|---|
サーフェスラップ | ワークフローの改善によりメッシュ品質の向上が可能です。 |
拡張性の高いクラウドベースの解析 | クラウドpremiumを使用した並列解析により、実行時間を短縮できます。 |
パーティクルトレーシング | 流体の循環と流れを分かりやすく表現できます。 |
平均結果平面 | カスタマイズ可能なユーザ定義の平面を使って、平均結果マップを表示できます。 |
フロー制御 | 産業用フロー制御装置を最適化できます。 | 建築とMEPへの応用 | 最適化された設計で建築の効率を改善できます。 |
デザインスタディ環境 | 直観的なワークフローで設計を繰り返し検討できます。 |
自動メッシュとサイズ分割 | ジオメトリ作成とメッシュ生成を自動化できます。 |
熱管理 | 熱設計にデジタルプロトタイプを活用できます。 |
自由サーフェスモデリング | 液体と期待の間のインタフェースをシミュレートできます。波、スロッシング、流出などの流れ現象をモデル化できます。 |
カスタム結果計算式 | 表示結果用のカスタム計算式を作成できます。 |
Fusion360による使いやすいCAD | Fusion360と連携させることで、CADが扱いやすく、修正が容易になります。 |
また、CFD Ultimateにはソリッドモーション機能が追加されており、流体駆動の運動や直線運動・回転運動、複数の回転参照フレームなど様々な機能が搭載されています。
導入事例
・NORGREN社
英国を拠点とする設計チームであるNORGEN社では、分流器バルブの開発にAutodesk CFDを使用することで、生産期間を6か月短縮させると共に、コスト削減を実現させました。
・Temucula社
カリフォルニアを拠点とするテック企業のTemucula社では、Autodesk CFDを用いて3Dデジタルプロトタイプと事前シミュレーションを実施することで、大幅な小型化と信頼性の向上を実現させました。
動作環境
Windowsプラットフォームで実行する場合のハードウェアとソフトウェアの最小動作環境と推奨動作環境は以下の通りです。
OS |
Windows 8.1 64bit Windows 7 SP1 64bit |
---|---|
CPU速度 | Intel Xenon E3、Core i7、または同等のもの |
メインメモリ(RAM) | 最小8GB以上、推奨16GB以上 |
HDD | 40GB以上 |
WEBブラウザ | Internet Explorer 8以降 |
グラフィック | OpenGL対応、512MB以上のビデオメモリー搭載 |
〇購入方法・特典
Autodesk CFDは、サブスクリプション方式で配信されており、価格は、Autodesk社の問い合わせページから確認することができます。
Autodesk社のサブスクリプションメンバーになることで、様々なサポートを受けることができます。
専門技術者による予約制電話サポートや、仮想エージェントAVAにその場で質問できるチャット式サポートなど、多種多様な方法で技術サポートの利用が可能です。
また、作業内容をビュー形式で共有できる共有ビューや、設計データを安全に保存、プレビュー、共有できるAutodesk Driveを利用することができます。
また、Autodesk Accountを使うことで、ユーザ、ソフトウェア、支払、更新に関する情報を一か所にまとめて、簡単に管理、検索できるので、とても効率的です。
世界トップシェアを誇るAutodesk社ならではの充実したサービスを受けることができるのも、Autodesk CFDの魅力です。
多彩な熱流体解析ソフトウェア・Autodesk CFD
ここまでAutodesk CFDについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
高速な乱流及び非圧縮性流れに加え、定常および対流熱電動シミュレーション用の幅広い解析機能を搭載し、製品の性能予測や最適化に役立つことがお分かりいただけたと思います。
機能や動作環境を確認しながら、現場の課題に応じたAutodesk CFD製品を導入してみてはいかがでしょうか。