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工事・建設現場の振動対策!振動を見える化する方法

振動とはさまざまな物の移動や騒音により起こる現象です。
今回は家庭でできる振動対策と、建築や工事現場で起こる振動対策を紹介していきます。

振動を起こしてしまうのが怖い方や、振動対策をしたい方はぜひ参考にしてください。

振動とは

振動とは

まず振動とは、物体が移動した時や壁や床に当たった時、大きい音が出た時に起こる現象のことです。工事現場の騒音でも起こりますが、車が通ったり大きな声を出す人がいる場合にも起こります。

騒音も一定の距離があると振動となり、遠くても伝わりやすく感じてしまうこともあります。
物音や工事と振動はセットと考えて、まとめて振動対策で対応すると良いでしょう。

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振動対策が困難な理由

令和元年度に全国の地方公共団体が受理した振動に係る苦情の件数は3,179件でした。
騒音の苦情件数に比べると少ないものの、ここ10年では3000件を下回った年はありません。
発生源別にみると、建設作業が2,266件と全体の71.3%を占めており、振動対策は建設事業者にとって大きな課題であることがわかります。

振動を発生させている原因がわからない

振動は振動計測器によって測ることが可能です。
しかし、一般的な振動計測器では、現場の振動状況はわかっても、何がどれくらいの振動を発生させているのか明確に知ることは困難です。

もちろん、多くの事業者が振動を発生させやすい作業や建設機械について認識しています。
特に振動に関する苦情を受けやすい工種は建築物の解体作業であり、建設機械ではバックホウやブレーカ、圧砕機の仕様に注意が必要です。

しかし、振動は地盤の状況や建設機械の稼働スピードなど、さまざまな要因によって大きさが変わります。また、広大な建設現場で複数の建設機械が稼働している場合、振動の数値は測れても、振動の発生原因を探るのは難しいでしょう。

どんな振動が苦情につながるかわからない

振動規制法では、特定建築作業における規制基準値を75dbと定めています。

一般に、人体に重大な影響を及ぼす振動レベルは90db程度といわれており、日常的に晒された場合、内臓疾患や代謝異常などの体調不良を起こします。しかし、「眠っている人が目を覚ます」振動レベルは65dbほどといわれており、規制基準値よりもだいぶ低めです。
また、50db以下でも苦情が発生したケースもあり、問題となる振動レベルの範囲を把握するのは困難です。

これは、振動の感じ方は個人の心理的状況に大きく関わっているためです。
心理的影響については年齢や地域、性別、発生源との関係性などにより結果が異なるため調査が難しいといわれています。振動の感受性は、まさに「人それぞれ」といってよいでしょう。

このように、現場で発生する振動を対策し規制基準値以下に抑えたとしても、振動に対する苦情を完全に無くすことは難しいのです。

データ分析が難しい

最近では、多くの建設現場において、振動計測器が設置されています。
各メーカーによってさまざまな振動計測器が開発されており、振動データの保存や印刷も可能になっています。

しかし大部分の計測器では、振動データをメモリカードなどで持ち帰り、パソコンにデータを移してから分析する必要があります。現場での作業時間は何千時間にも及ぶため記録データも膨大な量になり、分析には大きな手間や時間がかかります。

そのため、迅速な振動対策や簡潔な住民説明も難しくなり、後手後手の対応になってしまいがちです。

振動計測器の設置場所が限られる

現在、世に出ている振動計測器のなかには、外部電源が必要なものと電池で稼働するものがあります。電池で稼働するものを選べば問題ありませんが、それ以外の場合は設置場所が限られます。また、いくら電池稼働でも本体サイズが大きければ、やはり設置場所は限られるでしょう。

振動計測器は、緩衝物や傾斜、凹凸がない水平な場所や、温度、電気、磁気等の影響を受けない場所に設置しなければなりません。さまざまな条件をクリアする場所に振動計測器を設置するのは難しく、設置場所に悩む建設事業者は少なくありません。

振動対策【家庭】

家庭でできる振動対策

それでは最初に、家庭でできる振動対策から紹介していきます。

家庭でできる振動対策1.防音マット・防音シート

最近ではホームセンターや通販で防音マット・防音シートと呼ばれるものが販売されています。
ゴムでできている物が多く、床に敷くと振動が緩和されるグッズです。
家庭でできる手っ取り早い振動対策はこちらになります。

家庭でできる振動対策2.防音室

防音室も購入することができ、振動の中でも騒音が気になる方はこちらがおすすめです。
安い物では1万円台から買えるものもあり、振動対策のクオリティや広さなどで予算が変わります。

家庭でできる振動対策3.制振ボックス

防音室より手軽に設置できるのが制振ボックスです。
制振ボックスは音の振動を打ち消す素材になっている箱のようなもので、テレワークの場合は机にカポっと置いたり、歌を歌いたい場合は棚の上などに置いてそこにマイクを置いて歌うことができます。ただ防音室と違って密室にはならないので、ある程度振動を抑えられるのみと考えておくと良いでしょう。

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振動対策【建築・工事現場

建築・工事現場では家庭のように簡易的な振動対策ではクレームを抑えることができません。
特に夜間の工事や、住宅街が近い場所では振動対策を行う必要があるでしょう。

ここでは建築や工事現場で使える振動対策を紹介します。

建築・工事現場の振動対策1.防振マット

業務用の防振マットというのが存在し、スローブやパレットの下に轢くことができます。
防振マットをひいておくとスローブやパレットに重いものが乗った時のガタガタとした振動を抑えることが可能です。

建築・工事現場の振動対策2.遮音壁・パーテーション

大声を出すことが多い現場では、遮音壁やパーテーションを設置しておくと良いでしょう。
比較的簡単に設置できる物が多いので、短期間の現場にささっと導入することができます。

建築・工事現場の振動対策3.振動計

現場でどれくらいの振動が出ているのか確認することも重要です。
思ったより振動が出ていなかったら振動対策も簡易的で問題ないですし、大体は予想以上に振動が出ていて気づかずにクレームが来てしまうというケースが多いです。
現在どのくらいの振動が出ているのかを確認するために、振動計は必須で入れておいた方が良いでしょう。

今回は振動計の中でもワンタッチでとても便利な、「揺れウォッチャー」を紹介していきます。

振動計測器「揺れウォッチャー」とは

振動計測器「揺れウォッチャー」とは

振動計測器の開発は昭和40年代頃から進められていますが、建設現場における振動の「見える化」は、建設業界の大きな課題でした。
しかし昨今では、IoTやデータ分析技術が発展したことによって、振動を「見える化」し、効果的な振動対策が講じられるようになってきました。

そこで、ここからは現在建設業界で注目を集めている、工事現場振動モニタリングシステム「揺れウォッチャー」を紹介します。

揺れウォッチャーは、CACH(カック)株式会社と大手ゼネコンの共同開発により誕生した製品です。これまで現場を悩ませ続けた振動対策の難しさに挑戦した、「現場にとっての嬉しいポイント」が満載の振動計測器になっています。

簡単な振動対策を紹介!苦情やクレームを減らす振動対策とは

揺れウォッチャーで振動対策をするメリット

では、振動計測器揺れウォッチャーで振動対策をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

揺れウォッチャーの振動対策メリット①多点計測で現場全体をくまなくウォッチ!

揺れウォッチャーは、工事現場の複数地点に設置して使用します。
それぞれの筐体が振動を計測するため、多点計測が可能です。

従来の振動表示板や振動計測器では、計測できるのは一ヶ所のみだったため、

  • いつ
  • どこで
  • 何が

振動を発生させているのかはっきりと特定できませんでした。
広い敷地内で複数の建設機械が稼働する場合、振動の原因を特定するためには、多点計測は必要不可欠です。複数箇所に設置できる揺れウォッチャーなら、現場全体の振動発生状況を把握することができます。

揺れウォッチャーの振動対策メリット②電源は不要でどこにでも簡単設置できる

揺れウォッチャーは外部電源が必要ありません。
電池駆動のため電源をいれるとすぐに計測が開始されます。
磁石が内蔵されているため、鉄板などの垂直面にも取り付けることができ設置も簡単。
初期設定や設置のために技術担当者を呼ぶ必要もなく、工事の進捗状況に合わせて自由に設置場所を変更することも可能です。

設置場所に悩む必要がなく、技術者の手を借りる必要がないのは大きなポイントです。

揺れウォッチャーの振動対策メリット③スマホやタブレットですぐに確認できる

揺れウォッチャーが計測したデータは、スマホ・PC・タブレットなどでタイムリーに閲覧できます。現場写真や図面を重ね合わせて表示できるので、各所の振動レベル値が一目瞭然です。
振動レベルは8段階で色分けされているので、視覚的にもわかりやすい工夫が施されています。

また、WEB上で管理画面が確認できるため、ソフトウェアなどのインストールは一切不要です。

揺れウォッチャーの振動対策メリット④データ分析がその場でできる

揺れウォッチャーは、振動を検知すると機器内部で自動振動分析を行います。
分析結果はスマホなどからリアルタイムで確認できるので、振動の発生状況を常に把握することができます。

一定の振動値を超えた場合には、振動源に近い重機オペレーターへアラートメールを通知する機能もあるので、苦情・クレームにつながりかねない振動に対してのみ、ピンポイントで対策を行うことができます。

揺れウォッチャーの振動対策メリット⑤振動源が特定できる

揺れウォッチャーは、作業内容や建設機械の周波数分析データを蓄積していくことで、振動源を特定できるようになります。
苦情につながりやすい作業や建設機械が把握できれば、効果的な振動対策を講じることができるようになるでしょう。万が一苦情を受けた際にも振動の発生状況をしっかりと説明できるようになるのは心強いですね。

また、揺れウォッチャーはユーザーの使用状況を蓄積することで、「振動ビッグデータ」の形成を目指しています。将来的にはより精度の高い振動原因の特定ができるようになると期待されています。

振動の「見える化」をすべきポイント

上述の通り、振動の実態はつかみにくく、いつ、どこで、何が、どれくらいの振動を発生させているかを特定するのは困難です。

しかし、近隣住民による振動に対する苦情はいつ生じても不思議ではありません。
地方公共団体が振動に対する苦情を受けた場合、振動発生源の特定や苦情実態の把握、作業内容や建設機械の確認をするために入念な現地調査が実施されます。
調査の内容によっては長期間の工事中断となるケースもあるようです。

そのような事態を避けるために、建設事業者は現場の振動をできる限り「見える化」しておく必要があります。ここでは振動の「見える化」すべきポイントについて解説します。

現場全体を把握する

広い建設現場では、さまざまな作業が同時進行しています。
振動計測器を一つ設置しただけでは、現場全体の振動が把握できない可能性があります。

振動状況は「点」で把握するのではなく、現場を「面」としてとらえ、全体の影響を知ることが大切です。振動計測器は複数設置することが望ましいでしょう。

リアルタイムで振動の状況を把握する

振動レベルは一日を通して一定ではありません。一日中現場にいる作業スタッフが振動レベルの変化にまで気を配ることは難しく、大きな振動の発生を見逃しているケースは多々あります。
また、作業終了後に振動データを分析してはじめて大きな振動が発生していた事実を知っても後の祭りでしょう。

このように、振動状況の把握はリアルタイムであることが重要です。
振動レベルが常にスマホなどで確認できることはもちろん、大きな振動が発生したときにアラートが届くとなお安心です。

振動状況によって作業を一時的に中断できる仕組みがあれば、苦情を受ける前に迅速に対策を行うことができます。

何が振動を発生させているか特定する

振動レベルは地盤の状況や作業の内容によって変化するため、何が振動を発生させているか特定するのは困難です。しかし、機材や重機によって振動の周波数に特徴があるため、きちんと分析できる振動計測器を使えば、振動の発生原因を特定することは可能です。
原因が特定できれば対策も立てやすく、効率的な振動対策ができます。

「振動に対する苦情を受けたものの、実は付近を走る鉄道の振動だった」というケースもあるため、発生原因を特定できることは大切です。

データは見やすくわかりやすく

多くの振動計測器は、振動の数値を記録することはできますが、一目見てどこでどのような振動が起きているのか判別することはできません。
近隣住民から苦情を受けた場合には、きちんと現場の状況を説明できるようにわかりやすいデータを用意しておく必要があります。

振動に関して詳しくない人に対して、どこで、どのような作業が振動を発生させているのか伝えるためには、直感的に理解できる見やすいデータを作成する必要があるでしょう。

まず振動の大きさを調査するところから始めよう

昨今では人々の公害対策への意識はますます高まり、さまざまな業界が安全で環境にやさしい事業展開を目指しています。建設業は事業の特性上、公害や事故の発生に厳重な注意が必要な業界です。人々の意識の高まりとともに、建設業界への安全安心への取り組みはさらに重要性を増していくでしょう。

技術の革新により、これまで把握しきれなかった振動は「見える化」できるようになりつつあります。適切な振動対策によって、周辺地域に優しい建設工事ができるようになれば、建設事業者としての信頼を勝ち取るだけでなく、苦情を受ける心配などからも解放されるでしょう。

これまで建設事業者の皆さんを悩ませてきた振動対策。揺れウォッチャーで解決してみてはいかがでしょうか?

振動とは?現場の振動対策や家庭でできる振動対策
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