車の走行音や工場から発する機械の音など、あらゆることが騒音の要因となります。
騒音が原因でトラブルに発展したり、健康に被害が及んだりする可能性があるため、音を抑えるための対策は必要です。
本記事では、騒音対策に有効な「騒音計」について、詳しく解説します。
騒音計の活用シーンやおすすめの製品も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
騒音計とは
騒音計について、次の3つの観点から解説します。
音と騒音の違いは何か、騒音計が活用されているシーンなど、確認していきましょう。
- 音と騒音の違い
- 騒音計の種類
- 騒音計の活用シーン
音と騒音の違い
音も騒音も、どちらも空気が振動することで耳に入ってくる点では同じです。
その中でも、うるさい・不快だと感じる音が「騒音」だと表現されるのが一般的で、工事現場の振動音や電車の通過する音などが該当します。
しかし、同じ音を聞いても、人によって受け取り方や感じ方が異なるため、一概には決めつけられません。
例えば、室内で自分の好きな音楽をかけているときは、本人にとっては騒音だと感じません。
一方で、その音楽を知らない他の人にとっては、騒音だと捉えられる可能性があります。
騒音かどうかを客観的に判断するのは難しいため、客観的に音の大きさを知る方法として、騒音計の利用が効果的です。
騒音計の種類
騒音計はJIS規格と計量法によって、以下の2つに分かれます。
| 普通騒音計 | 室内や屋外、工場などのさまざまな場所で使用される、一般的なタイプ。 |
|---|---|
| 精密騒音計 | 実験や研究などの、高い精度を求めるときに使用する。 |
普通騒音計は環境騒音測定のために使われるケースが多く、手軽に騒音レベルを測定することが可能です。一方で精密騒音計は研究や実験などの、普通騒音計よりもさらに高い精度で測定したいときに使用されます。
性能が良い分、精密騒音計のほうが普通騒音計よりも費用は高額になります。
よって、生活音や環境音などを測定する目的で使用したい場合は、普通騒音計や、さらに安価で手軽な簡易騒音計で十分だといえます。
騒音計の活用シーン
音を測定するための騒音計は、あらゆるシーンで活用されています。
工場や建設現場の騒音
工場や建設現場などの大きな音が発生する場面で、騒音計は多く利用されています。
もしも、騒音レベルが高ければ、従業員だけでなく近隣の住民にも影響が及ぶため、一定以上の数値になればアラームで知らせてくれる装置もあります。
生活音の測定
また、身近な例としては、マンションで他の部屋に住む人の生活音に悩んでいる場合に、使用する人も多いでしょう。
「騒音に悩んでいる」と管理人に伝えてもよいのか、これくらいは我慢すべきなのか、個人では判断が難しいときもあります。
そこで、騒音計で他の部屋からの音を測定すれば、客観的なデータとして管理人に提示できます。
このように、ただ音を測定するだけでなく、音の大きさから発生するトラブルや被害を防止・抑制するために、騒音計は活用されています。
こちらの記事では、騒音・振動によるトラブルを回避するための機械である騒音振動表示器について、種類から選び方、注意点まで詳しく解説いたします。ご参考にしてください。
おすすめの騒音計2選
騒音計とは何か、用途などを解説してきましたが、続いてはおすすめの騒音計を2つ紹介します。
- 音ウォッチャー
- 揺れウォッチャー
それぞれの製品の特徴やおすすめポイントなどを、わかりやすく解説します。
音ウォッチャー
おすすめの騒音計1つ目は、音ウォッチャーです。
音ウォッチャーは電池駆動のため電源が不要で、手軽に騒音レベルを測定できる製品です。
単管や壁などのあらゆる箇所に固定すれば多点観測も可能なため、どの場所でどのくらいの騒音が発生しているかを、ピンポイントで特定できます。
計測したデータはパソコンやスマホでリアルタイムで閲覧できるので、現場にいない場合や、離れた場所からでも確認が可能です。
さらに、一定の騒音値に達すればアラートメールが届く機能があるため、すぐに騒音を抑制できれば近隣住民からのクレーム軽減につながります。
音ウォッチャーを導入した企業の感想や、スマートフォンで確認できるデータの画面は、以下のサイトで紹介されています。ぜひご覧ください。
揺れウォッチャー
おすすめの騒音計2つ目は、揺れウォッチャーです。
揺れウォッチャーも電源が不要で、簡単に振動の大きさを測定できる製品です。
約8cm角と手のひらにおさまるコンパクトなサイズが特徴で、測定したい場所に固定することで多点観測が可能です。音ウォッチャーと同様に、振動データはパソコンやスマートフォンで確認できるので、どの場所の振動が強いかが一目でわかります。
工事現場ではどうしても振動が発生するため、周辺の住民やオフィスとトラブルが発生するケースも珍しくありません。
しかし、揺れウォッチャーで多点観測していれば、特に振動が大きい作業や重機などを、スムーズに特定できます。
さらに、一定の振動値を超えた場合は、振動源に近い重機を運転しているオペレーターにメールが届くため、速やかに振動対策ができます。
そのほかの機能や、実際に導入した企業の事例は下記のサイトで紹介されているので、ぜひご覧ください。
こちら記事では、振動レベル計のおすすめ人気ランキングや振動レベル計の選び方をご紹介しております。振動に悩んでいる方はこちらの記事もご参考にしてください。
騒音計の選び方
騒音計を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
用途や目的にあった製品を選ぶ
騒音計を選ぶ際は、用途や目的にあった製品を選ぶとよいでしょう。
作業や工程ごとの騒音レベルを知りたい場合は、さまざまな場所に取り付けて多点計測ができる、コンパクトな製品が適しています。
利用しやすい製品を選ぶ
また、騒音計の利用のしやすさも重要なポイントです。
電源が必要な騒音計の場合、利用したいときにすぐに使えない可能性があるため、外部電源不要なタイプがおすすめです。
スマートフォンと連携可能か
ほかにも、スマートフォンからデータ結果を閲覧できる製品であれば、現場から離れた場所からでもデータを閲覧できるので便利です。
騒音レベルをこまめに確認できれば、大きなトラブルに発展する前に、適切な対策を講じることが可能になります。
騒音計をどのような目的で使用したいのか、どの機能を求めているかを整理して、適合する製品を選びましょう。
騒音計の使い方
1つ目に紹介した音ウォッチャーを例にして、騒音計の使い方を説明します。
なお、騒音計の使用方法は、製品やメーカーによって異なるので、参考程度にしてください。
音ウォッチャーは、測定したい場所の付近に設置して、機器の電源をオンにすると測定ができます。計測しているデータは、スマートフォンやタブレット、PCなどから一目で確認が可能です。
管理画面にはWEBからログインできるため、ソフトウェアなどをインストールする必要はありません。データを表示している画面上に現場の写真を重ねると、どの地点で騒音が大きいのかがわかりやすくなります。
さらに、音ウォッチャーは現在の騒音値だけでなく、過去のデータもさかのぼって確認することもできます。頻繁に騒音が発生する箇所や、騒音が発生しやすい時間帯などを特定できるので、高精度な騒音対策が可能です。
騒音計についてまとめ
本記事では、騒音計の用途や活用シーンを解説しました。騒音はトラブルやストレスの原因となるので、クレームにつながらないよう、適切な対策を行う必要があります。
しかし、騒音かどうかは個人の受け取り方でも異なるため、客観的に音の大きさを知るためには、騒音計が有効です。
特に工場や建設現場は大きな音が発生しやすいため、近隣住民への配慮は欠かせません。
今回紹介した音ウォッチャーなどの振動計を活用して、騒音対策を行いましょう。
