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東京オートサロン2024で生成AIを使ってデザインされた小型電動モビリティが登場

世界中から自動車メーカーが集まる大人気イベント「東京オートサロン2024」が2024年1月12日〜14日にかけて開催されました。最新技術を搭載した自動車が数多く登場する中、ひとつだけ異彩を発する製品が発表されたことをご存じでしょうか。

今回は、生成AIそしてデザイナのノウハウを組み合わせてつくられた「小型電動モビリティ」についてご紹介します。東京オートサロン2024における自動車デザインを変える面白い試みを、ぜひチェックしてみてください。

東京オートサロン2024とは

東京オートサロンの概要
出典:東京オートサロン2024公式サイト

東京オートサロンとは、1983年より開催されている自動車メーカーのイベントです。
最新の自動車はもちろん、海外のカスタムカーなど、毎年30万人以上が来場する人気イベントとして知られています。

参考として、東京オートサロンの主なイベント情報を整理しました。

  • 新自動車の発表
  • カスタムカーコンテスト
  • 企業ブース展示
  • その他エンタメコンテンツ

当イベントは東京オートサロン2024という名称で2024年1月12日〜14日に開催されました。
本記事では、企業ブース展示の「YAHAMAブース」で発表された小型電動モビリティについてご紹介します。

また、加工業界における国内イベントを知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

加工業界の「いま」と「これから」を知るCAM Summit 2024 in 中部

東京オートサロン2024に生成AIの小型電動モビリティが登場

YAMAHA「Concept 451」
出典:YAHAMA公式サイト

東京オートサロン2024の展示ブースのひとつ、自動車メーカーの「YAMAHA」のブースで、異彩を放つ自動車が発表されました。その名も「Concept 451」です。

当製品は1人乗りの農業用電動モビリティとして開発され、東京オートサロン2024では、プロトタイプ(試作)モデルの実機が展示されました。また、生成AI・デザイナーの組み合わせでデザインされたと、他社製品と異なる点で注目を集めました。

まずは、東京オートサロン2024で発表されたConcept 451について紹介します。

YAMAHA発電機がデジタル開発企業のFinal Aimと共創

YAMAHA「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」
出典:YAHAMA公式サイト

YAMAHA発電機は、東京オートサロン2024で以下の7種の電動モビリティを展示しました。

  1. Concept310(マリンレジャー特化型)
  2. Concept580(不整地移動型)
  3. Concept160(オフロード型)
  4. Concept350(道路移動型)
  5. Concept682(カスタムレジャー型)
  6. Concept294(都市利用型)
  7. Concept 451(農作業型)

各製品は、搭乗部やフレームを付け替えできるプラットフォーム「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」をベースとして、各種モビリティをカスタマイズできます。

基本的に東京オートサロン2024では、各種コンセプトモビリティはデザイン企業と共創しながら開発し、デザイナーと共にモビリティを形作っていくのが特徴です。ただし、Concept 451だけは違いました。

Concept 451を共創したのは、アメリカのスタートアップ企業「Final Aim」です。
デザイン・デジタル製造業領域を中心としてWeb3事業を展開しており、効率的なデザインと知的財産権の管理をまとめて提供しています。

今回、デザイン・知的財産権を両立できる企業、そして時代に合った自動車開発への挑戦という意味もあり、東京オートサロン2024でYAMAHAとFinal Aimとの共創が決定しました。

生成AIテクノロジーとデザイナーのノウハウを融合

東京オートサロン2024で発表されたConcept 451は、生成AIテクノロジーを活用したモビリテが魅力です。

短時間で何十、何百というデザインを出力するAIテクノロジー、そこにデザインナーのノウハウを組み合わせて、東京オートサロン2024で発表するConcept 451の最終デザインが決定しました。

東京オートサロン2024発表までに度重なる検討の末に生み出されたデザインであることも、生成AIが注目された理由です。

Final Aimが提供するデザインプラットフォームの魅力

東京オートサロン2024で注目を集めたConcept 451。
それだけではなく、東京オートサロン2024のYAMAHA共創に関わったFinal Aimにも、イベント参加企業から注目が集まるようになりました。

社名 株式会社Final Aim
所在地 ⽶国・デラウェア州(日本・東京都)
事業内容 デザイン・デジタルを中心としたブロックチェーン事業

AIを使ったデザイン生成の参考として、東京オートサロン2024のみならず、Final Aimが提供するサービスをわかりやすく紹介します。東京オートサロン2024以降、モビリティの開発にも関わる可能性が高い企業ですので、ぜひチェックしてみてください。

デザインの効率化を実現できる

Final Aimは現在、生成AIを使ったデザイン開発のプラットフォームを公式サイトで運営しています。東京オートサロン2024時点で、すでに特許出願も完了している状況でした。

生成AIを活用すれば、デザイナーのデザイン補助という作業を位置にできることはもちろん、デザインアイデアの抽出など、時間をかけずに製品をデザインできるようになります。

デザインの実現には、何パターンものデザイン案を用意しなければならず、一度の作業でクライアントの意に沿うデザインを準備できるとも限りません。対して、東京オートサロン2024で発表された生成AI技術を活用すれば、作り直しや改善、修正といった手間を削減できます。

デザインの効率化を実現でき、より良いデザインを生み出しやすくなるサービスということもあり、東京オートサロン2024の発表を含めて、Final Aimに注目が集まっているのです。

知的財産権の管理に役立つスマートコントラクト技術が搭載

東京オートサロン2024で発表されたConcept451を含め、生成AIを用いるにあたって重要なのが、次の知的財産権です。

  • 著作権
  • 意匠権

制作されたモノには、デザインした権利が伴います。
そのため、世界中の電子データを読み取ってデザインを生成するAIサービスには、知的財産権の管理が関わってくるのです。

対して、Final Aimでは、ブロックチェーン技術を活用し、スマートコントラクトで真正性(本物なのか、コピーではないか)をチェックできます。つまり、ただデザインを生成するのではなく、利活用の安全確認までトータルサポートしてくれる点が魅力です。

東京オートサロン2024でYAMAHA発電機が共創として選んだのも、そういった安全性の高さが理由だと推定できます。

他企業もブロックチェーン技術を活用

Final Aimが提供するブロックチェーン事業は、東京オートサロン2024に留まらず、PanasonicやSONYなど、AIを使ったデザインと知的財産権を課題に感じている大手企業も利用する大規模事業と化しています。

AI技術の登場により手軽にデザイン生成できるようになった一方で、まだ業務活用のハードルが高いのが現状です。その解決を担う企業としてFinal Aimが活躍していることから、東京オートサロン2024をきっかけに、生成AIを活用したデザインを実施する企業が増えていくと予想されます。

YAMAHAブースにトヨタ自動車社長が登場

東京オートサロン2024のYAMAHAブースに展示された「生成AIの電動モビリティ」の話を聞きつけ、トヨタ自動車の豊田章男会長がブースを訪問したと話題を呼んでいます。

国内でまだ類を見ない生成AI・デザインにスマートコントラクト技術を組み合わせたこと、また東京オートサロン2024の会場でWBSにも取り上げられ、世界中から注目が集まり始めました。

生成AIの電動モビリティ登場で変化するポイント

AI生成の将来予想

東京オートサロン2024でYAMAHAが発表した生成AIによる電動モビリティをきっかけに、今後、製造業界やデザイン業界に大きな変化が起きると予想されます。

参考として、将来起こる開発スタイルの変化を3つ紹介します。

生成AI技術活用の一般化

YAHAMAの生成AIモビリティが東京オートサロン2024を通じて全世界に発信されたことにより、今後、生成AI技術を活用したデザイン手法が一般化すると予想されます。

Final AimがAI生成そして安全性確保に役立つプラットフォームを提供しているため、東京オートサロン2024をきっかけに、世界中の企業でAIデザインのハードルが下がったでしょう。

また、生成AI技術は現在も発展を遂げています。
時間の経過とともにハイクオリティなデザインを生成できるようになることから、今後さらなる効率化を実現できるかもしれません。

知的財産権トラブルの減少

東京オートサロン2024でYAMAHAの電動モビリティそしてFinal Aimのサービスが世に知れ渡ったことにより、今後は生成AIに対する知的財産権のトラブルが減少していくと予想されます。

これまでAIで生成したイラストやデザインは、誰に著作権があるのかという問題を抱えていました。しかし、スマートコントラクトによる知的財産権管理によって、発生しうる問題を未然に解決できます。

知的財産権の問題は、AIを業務活用する大きな壁だったことから、東京オートサロン2024をきっかけに、生成AIを使ったデザインがやりやすくなるでしょう。

新たなデザインの創出

生成AIを使ったデザインの実績そして、生成されるデザイン数が増えていけば、AIの学習品質が向上するのが特徴です。結果として、類を見ない新たなデザインの創出が可能になると期待されています。

人間には生み出せなかった複雑なデザインも、AIであれば短時間で生成可能です。
そこにデザイナーの手心を加えれば、東京オートサロン2024以降のイベントでも、独創的なデザインが創出されるかもしれません。

また、生成AIには、以下記事のようなサービスをもあります。
あわせてご参考ください。

イラストレーターの生成AI機能でできることとは?テキストからベクター作成の使い方を紹介

東京オートサロン2024についてまとめ

東京オートサロン2024では、自動車メーカーが集結して、新製品やカスタムカーの展示など、面白いイベントが多数実施されています。その中でも、飛びぬけて注目を集めたのが生成AI技術を使ってデザインされたYAMAHAの電動モビリティです。

東京オートサロン2024で登場したのはプロトタイプですが、AIを活用してデザインされ発表されたことにより、今後製造関連の企業で生成AIの導入が加速していくと予測できます。今後さらなるAIデザインの登場も期待されているため、自動車メーカーを含む製造業界から目が離せません。

東京オートサロン2024のアイキャッチ
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