営業がうまくいかないときは、できる営業マンがしている工夫・やり方を参考にしてみましょう。
今回は、営業がうまくいかないと悩んだときや成果を出したいと強く思っている方に向けて、営業のやり方を解説します。最後まで読んで、日頃の営業活動をより良いものにしていきましょう。
営業の基本的なやり方・手順
営業をしていてなかなか成績が伸びないと悩んでいる方は、基本的な手順についておさらいしてみましょう。自分のやり方が身についてきて、基本的なことを飛ばしている方や順番がバラバラになってしまっている方は多いです。
確認も兼ねて、自分の営業スタイルと比較してみてください。
アポイント獲得
まずは、アポイントの獲得です。アポイントが多ければ多いほど、商談の受注率は高くなります。アポイントの獲得には次のような手法があります。
- テレアポ営業
- 飛び込み営業
- 紹介営業
- メルマガ営業
重要なことは、行動数を決めてやり切ることです。
特に新規営業の場合は、アポイントの獲得が非常に重要な目標です。成績をあげたい方は、アポイントをたくさん獲得することをまずはゴールにしましょう。
商談
アポイントが取れたら、次は商談です。
商談は顧客に自社のサービスや製品を売り込む場です。商談の流れをどのように持っていくかあらかじめ自分の中で考えておきましょう。
売れている営業は、相手からたくさん話を引き出しながら常に自分が場を回しています。相手に主導権を渡さないようにしながら、自分のペースで商談を進めていくためには、事前情報を集めて相手がどのような反応をするか仮説を立てておくことが重要です。
商談の基本的な流れ
- アイスブレイク
- ヒアリング
- サービス説明
自分が話している間も、なるべく相手の反応を見ながら進めましょう。興味を持っているか、不快に思っていないかを気にしながら説明すると良いです。
クロージング
クロージングとは、顧客に決断を迫るフェーズのことです。
クロージングを行うときは、サービスの概要や金額などすべて説明した後で確認します。商談相手に決裁権がない場合は、いつまでに確認できるかという期限と併せて聞くと良いでしょう。
契約が決まったら、契約書の記入をしたり、支払いについて確認したり、細かな事務作業があります。納品する最後まで丁寧に対応しましょう。
アフターフォロー
営業は、「契約したら終わり」というのが最も良くありません。アフターフォローは、一見生産性のない業務のように思えるかもしれませんが、ここで営業の差が出るポイントです。必ず契約後の状況確認をしましょう。
「その後、ご状況はいかがでしょうか?」「何か不具合や、お困りのことはありませんか?」こうした気遣いが、次のニーズの発掘につながります。
「実は知り合いも困っているから紹介するよ!」「今回とても良かったから、別の商品も紹介してもらって良い?」このような話から、次の商談機会をもらえるケースは珍しくありません。
契約にならなかった顧客に関しても、定期的に状況確認をしてみましょう。時期が異なれば、再検討してもらえるケースもあります。自社について長期的に「気にしてくれている」という姿勢を見せることが重要です。
営業で成果を出すためにすべきポイント
営業で成果を出すには、次の5つのポイントを押さえるようにしましょう。
KPIを設定する
1つ目のポイントは、KPIを設定することです。
KPIとは、目指すべき目標に対しての行動目標です。たとえば、商談を週1件したいと考えたとき、テレアポは何件必要だろうと考えて算出します。
KPIを求めるときの逆算の仕方
- 商談:1件(KGI)→アポイント:2件→有効接触:20件→テレアポ:400件
こちらの例だと、1週間に400件の架電が必要になります。人によって必要な数は異なりますが、
目標を達成できていない場合、KPIの設定が間違っていることがあります。上司や先輩に相談しながら見直しをしてみましょう。
事前準備をする
2つ目のポイントは、商談に向けて事前準備をすることです。
商談において事前準備は欠かせないもので、何年目の営業であっても準備を怠らないことをおすすめします。
ベテランになっていくほど、合わなくても仮説が立てられるようになったり、準備をしなくてもヒアリングでカバーできたりする人もいます。しかし、準備をきちんとしている商談と、そうでない商談は一目で分かる上に相手にも伝わります。
基本に忠実に「相手を知りたい、理解したい」という気持ちを忘れないことが大切です。
振り返りを行う
3つ目のポイントは、定期的な振り返りを行うことです。営業活動において、振り返りは非常に重要なポイントです。
- KPI指数をどこまでクリアしているか
- 商談からの契約率は下がっていないか
- 顧客単価に変化はないか
- 業績はどの程度変動しているか
など、すべて数字に落とし込みましょう。そのうえで、良い点と課題点を探し出します。良い点は、何が良かったのか振り返り、課題点は対処方法を考える必要があります。
ロープレを行う
4つ目のポイントは、ロープレを行うことです。
特に新人のうちはロープレで練習を重ねることは実践でとても良く役に立ちます。ロープレは、さまざまなシーンで設定して試していきましょう。自分の課題となる部分を重点的に行っていき、数をこなすと良いです。
ロープレのポイント
- ロープレのゴール設定をする
- 何度も同じセリフを繰り返す
- ポイントが相手に伝わるように話を組み立てて話す
- 録音して自分で聞きながら振り返る
ロープレは、営業の基礎を身につけるのにうってつけです。型にはまっているようで嫌だという方もいますが、基礎があってこその応用です。
ヒアリング→まとめ→商品紹介→クロージングまでの流れを順序良く進める練習を積み重ねましょう。
ヒアリングだけのロープレや商品紹介だけのロープレなど、切り分けて練習することもおすすめです。やるときは必ずゴール設定を行い、クリアできているかどうかも確認しながら進めましょう。
先輩に同行してもらう
5つ目のポイントは、先輩社員に同行を依頼することです。
同行は、人の営業スタイルを見ることができるため、自分のスキルとして習得しやすい方法としておすすめです。
先輩の商談を見るときは、必ずメモを取るようにして、参考になりそうなポイントを記録しておきましょう。相手の反応についてもチェックしておくと良いです。
自分が話しているときは余裕がなく、相手の反応を確認できないこともあります。話の切り出し方、あいづちの打ち方、商材の説明方法、ニーズの引き出し方など、売れている営業マンからはいくつもの学びがあります。
また、自分の商談を見てもらうことも効果的です。緊張するかもしれませんが、できれば普段どおりの商談を意識し、終わった後に課題点がないかアドバイスをもらいましょう。
営業で成果を出すためのやり方
続いては、営業で成果を出すために必要な3つのやり方を伝授します。
顧客の確度を見極める
まずは、顧客の受注確度を見極めましょう。
営業であれば顧客に対して、ランク付けのようなものをしていることが多いことでしょう。たとえば、A~Eランクを次のように定めます。
- Aランク:自社の商材に強くニーズがあり、予算も確保されている。決裁者と商談ができる。
- Bランク:自社の商材にニーズがあり、予算も確保は不明。決裁者と商談ができる。
- Cランク:自社の商材にニーズがあり、予算の確保は不明。担当者と商談ができる。
- Dランク:自社の商材へのニーズの有無・予算の確保は不明。担当者と商談ができる。
- Eランク:自社の商材へのニーズの有無・予算の確保は不明。未商談。
ランク付けは「ニーズの有無・予算・商談相手の決裁権」を軸に、条件を足したり引いたりすることが多いです。
ランクを付けたら、もっとも受注確度が高い顧客だと判ります。受注ランクが高い顧客に関しては商談の準備に時間をかけたり、足しげく通ったりなどして確度を高める動きを行います。
できる営業マンは、顧客のランク付けを正確に行うことができます。簡単そうに見えるかもしれませんが、ニーズをうまく聞き出せず、「気づいたときには競合他社で契約されていた」というケースはザラにあります。
顧客を取り巻くさまざまな事情を取っ払って、受注確度が高い顧客を見極めることが重要です。
相手の立場に立って考える
相手の立場に立って物事を考えることも、成果を出すための重要な要素の一つです。
売れている営業マンは顧客が求めるものは何か、常に考え続けています。たとえば、自社のサービスが相手のニーズを満たさないと判断したときは、「今回は〇〇社のサービスの方が良いと思います」と伝えます。
その場の契約を取ることはできませんが、代わりに顧客からの信頼という得難い財産を手にすることができます。自分が顧客だったら、相談した際にいつも自社のサービスを進めてくる営業マンと、親身になって本当に合うサービスは何か考えてくれる営業マンでは、どちらを信頼するでしょうか?
後者の営業マンは、とことん相手の立場に立つことができます。そのため、「とりあえず〇〇さんに相談してみよう」と顧客からの相談件数が増えます。
顧客から常に相談されている営業は、自分からニーズを引き出しにいく手間も省け、確実に売れます。
迅速に対応し信頼を獲得する
スピード感の早い営業マンも、信頼を獲得しやすくなります。
営業と顧客のやり取りの中で、基本的に営業マンがキャッチボールでいうところのボールを持ち続けるのは良くありません。メールのラリーや質問への回答など、営業マンは顧客を常に待っている状態を作り、顧客が十分に考えたり検討したりする時間を与えてあげましょう。
返事が遅いことは、それだけで信頼を失いやすくなります。特にトラブルが発生したときやミスが起きてしまったときは、迅速な対応が求められます。
仕事が遅い人で、仕事ができる人は多くありません。迅速な対応が自然と身についている営業マンは、それだけでも他の営業との差別化となります。効率良く仕事を回せるように意識していくと良いでしょう。
できる営業のやり方
できる営業マンは、次の3つのポイントを押さえながら仕事をしています。自分の営業スタイルを振り返りながら、参考にできる部分を見つけてみてください。
顧客の課題を特定する
1つ目のやり方は、顧客の課題を特定することです。
顧客が抱えている課題は、ときに顧客ですら気づいていないこともあります。ヒアリングで十分に企業の状況を把握した上で、プロとして課題がどこにあるか探してみましょう。
顧客はAが課題だと思っている場合でも、本質的な課題はBにあるということも珍しくありません。
たとえば、求人広告営業の次のようなシーンを思い浮かべてみましょう。顧客からは、「採用活動がうまくいかないのは、応募が少ないからだ。求人広告の媒体を別のものに変えた方が良いと思う。」と相談されたとします。顧客は、応募が少ない理由を媒体の認知度が低いせいだと認識しています。
しかし、よく募集条件を見ていると、平均相場より著しく給与が低いことに気が付きました。媒体を変えて掲載を続けても、競合他社より低い相場ではいつまでも応募が集まらない可能性があります。こういった場合、本来の課題は「募集条件が相場より悪い」ことにあります。
課題を正しく把握できれば「募集条件を見直す」「他にアピールできそうなポイントがないか探す」「競合他社の少ない媒体に掲載してみる」など別の対処方法を考えることができます。表面的な部分に囚われず、本質を見抜くことが重要です。
細かくテストクロージングを行う
2つ目のやり方は、商談中に細かくテストクロージングを挟むことです。
クロージングとは、契約を交わす前の最終確認です。テストクロージングは、その手前で細かく意思の確認を行うことで、顧客の温度感をチェックすることができます。
テストクロージングは、商品説明の際や料金案内の際に行うことが多いです。たとえば、次のような形で顧客の意思を確認します。
テストクロージング例
- どのようなサービスであれば契約したいと思いますか?
- 契約の際に不安なことはありますか?
- ご説明した内容で、気になる点はありますか?
テストクロージングでは、顧客がネックに思っているポイントを洗い出すことができます。
- 「金額が高いと思っています」
- 「〇〇という機能がついていれば良いなと思います」
- 「競合他社の●●と比較しています」
こういった要望や不安を聞き出し、払拭することができれば、契約に近づきます。できる営業マンは顧客のニーズを引き出すだけではなく、不安を解消するためのテストクロージングをこまめに行っているのです。
トークに気を使う
3つ目のやり方は、トーク内容に気を使うことです。
商材をアピールする際に、マニュアルどおりの商品紹介をしていては、相手の購入意欲を高めることはできません。顧客の立場に立って、どのように活用すれば良いか、どういった成果を得ることができるか具体的にイメージできるような話し方をします。
一辺倒な紹介ではなく、利用するメリットを相手に想像させることが重要です。たとえば、求人広告を営業する際に、「若年層のユーザーが多いので、御社に向いている媒体です。」と説明するよりも、「活躍しているお店のスタッフには〇〇大学の学生が多いですよね。この媒体なら大学生のユーザーが6割もいるので、同じ大学の1年生も獲得しやすくなります。」と言われた方が、自社にぴったりだという印象を持たせやすくなります。
顧客の情報と商材の情報を組み合わせて伝えていくことで、相手にとって身近に感じてもらうことが可能です。できる営業マンは、相手に伝わりやすいよう、常にわかりやすさを意識しながら話しています。
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まとめ
成果の出る営業にはさまざまなやり方があるので、これという正解はありません。ですが、売れている営業はいくつもの工夫や気遣いを積み重ねています。
「これまで売れていたけれど、だんだんと目標に追いつかなくなってしまった」「どうしても営業で結果を残したい」「売れ続ける営業になりたい」こういった悩みを持っている方は、成長のチャンスです。課題を払拭することができれば今以上に信頼される営業になれるかもしれません。
すぐ真似できることもたくさんあるので、今回お伝えした内容を参考に、自分の営業にも反映してみてください。