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【2026】ロボットの倉庫導入!製造業のための重要なポイントも解説

人手不足で配送に遅れが出る、在庫管理の煩雑さに頭を抱えるなど、現場の苦労は尽きないものです。しかし、近年、自動倉庫システムの進化は目覚ましく、多くの企業が業務改善の突破口として注目しています。

2025年2月、フランスの倉庫ロボットプロバイダーであるExotec Nihon(エキソテック日本)は、物流倉庫の運営効率を改善するロボットを発表し、物流現場に新たな風を吹き込もうとしています。

今回は、倉庫内ロボット導入における重要ポイントを解説します。

ロボットの倉庫導入とは

ロボットの倉庫導入とは

ロボットの倉庫導入とは、商品ピッキングや仕分け作業などを効率的に行うために開発された最新テクノロジーを搭載したロボットを倉庫に導入することです。これらのロボットは、人間が行う必要のない単純作業を代替することで、作業効率の向上と人的負担の軽減に繋がります。

近年では人間とロボットが協働して搬送業務を行う協働型ロボットが主流となっており、物流倉庫内での荷役作業や荷物の輸配送といった物流業務を支援するため、「物流ロボット」とも呼ばれています。荷物を搬送するタイプやアーム形式で荷物を把持して移動させるタイプなど、様々な形態が存在します。

ロボットの定義については、以下のように複数の定義が存在し、完全に統一されてはいません。

総務省 「センサー」「知能・制御系」「駆動系」という三つの要素技術を有する知能化された機械システム
日本工業規格(JIS) 2つ以上の軸についてプログラミングによって動作し、ある程度の自律性をもち、環境内で動作して所期の作業を実行する運動機構

本質的には「センサーによって環境を認識し、内蔵された知能によって適切な判断を行い、その判断に基づいて動作を実行する機械」と理解することができるでしょう。

参照:ロボットの定義|総務省

参照:ロボット及びロボティックデバイスー用語|日本工業規格(JIS)

倉庫で活躍するロボットの種類

倉庫で活躍するロボットの種類

倉庫内ロボットには多様な種類があり、それぞれの機能を理解することが導入をスムーズに進める上で重要です。以下で、倉庫で活躍するロボットの種類について説明していきます。

自動搬送ロボット・無人搬送ロボット(AGV)

自動搬送ロボットは、無人搬送ロボットやAGV(Automatic Guided Vehicle)とも呼ばれる倉庫内での搬送作業を自動化するロボットです。床面に設置された磁気テープやガイドラインに沿って動くことで、正確に商品を目的地まで運搬します。

従来の方法では作業員が倉庫内を歩き回って商品を取りに行く必要がありましたが、自動搬送ロボットの導入により、商品が作業者のもとへ自動的に届けられるようになりました。

無人搬送ロボットについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

【2025】無人運搬車とは?自律移動ロボットの違いや導入のメリットを詳しく解説

自律走行搬送ロボット(AMR)

自律走行搬送ロボットは、AMR(Autonomous Mobile Robot)とも呼ばれます。先述した自動搬送ロボット(AGV)と比較すると以下のような特徴があります。

AGV 床に設置されたガイドラインやマーカーに沿って動く
AMR 内蔵されたセンサーやカメラ、人工知能を活用して周囲環境を認識する

AMRは、あらかじめ作成された施設のマップデータを基に自動でルートを確立するため、固定された経路に依存せず、状況に応じて移動経路を変更できます。作業エリアの拡大や縮小が生じた場合でも、システム上での簡単な設定変更だけで対応可能です。

また、人間と同じ空間で安全に作業できるよう設計されており、人との協働作業を前提としています。作業者が近づくと自動的に速度を落としたり停止したりする安全機能を備えており、人間とロボットが補完し合うことで作業効率の大幅な向上が期待できます。

自動棚搬送ロボット(GTP)

自動棚搬送ロボットはGTP(Goods To Person)とも呼ばれており、作業者が商品を探しに行くのではなく、ロボットが商品棚そのものを作業者のもとへ自動的に運搬することができます。

従来の物流倉庫では、作業者が広大な倉庫内を移動しながら商品を探し出す必要がありましたが、自動棚搬送ロボットの導入により、作業者は自分の作業エリアに留まったまま、ロボットが必要な商品棚を運んでくるのを待つだけで良いのです。

また、ピッキングを行うエリアと商品の仕分けを行うエリアを明確に区分けできるため、作業者の無駄な移動時間が削減され、倉庫内の人的リソースを最適に配置することが可能です。結果として、作業効率の大幅な向上と人的コストの削減を同時に実現できるのです。

ピッキングロボット

ピッキングロボットは、人間に代わって商品や部品を選別・取り出す作業を担うロボットです。特にアーム型のピッキングロボットは、自律走行搬送ロボット(AMR)などの搬送機器と連携することで、商品の選別から運搬までの工程をスムーズに効率化できます。

従来の人手によるピッキング作業では、疲労や注意力の低下により作業ミスが発生しがちでした。こうした人的エラーは品質管理上の課題となっていましたが、ピッキングロボットは一度プログラムされた通りに正確な作業を継続的に行うため、ヒューマンエラーが排除され、業務品質の向上が期待できます。

ソーターロボット

ソーターロボットは、商品の移動と分類を同時に実行できるロボットです。大量の商品を迅速に処理できるため、人手による作業と比較して、はるかに短時間で正確な仕分けが可能となり、ヒューマンエラーのリスクも低減します。

ソーターロボットには多様なタイプが存在し、扱う商品に応じて最適な機種を選定できます。導入には相応の設置スペースと初期投資が必要ですが、長期的視点で見れば生産性の飛躍的向上をもたらすため、作業時間の短縮や精度の向上、人的資源の最適配置など、多面的なメリットが期待できるのです。

ロボットを倉庫に導入するメリット

製造業において倉庫内ロボットを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 人材不足の解消
  • 柔軟な導入
  • 生産性の向上
  • 品質の維持

各メリットを詳しく見ていきましょう。

人材不足の解消

倉庫内ロボットの導入によって、従来は作業員が担当していた反復的な単純作業の多くを自動化できるようになり、人件費の大幅な削減が可能です。倉庫内ロボットによる省人化のメリットは人件費削減だけにとどまりません。

慢性的な人手不足を解消することで現場の負担を軽減し、求人広告を出し続ける必要がなくなることでマーケティングコストも削減できます。さらに、新入社員への教育にかかる時間やコストも節約できるため、経営資源を他の重要な業務に振り向けることが可能です。

柔軟な導入

従来型の自動倉庫システムでは、一度構築した環境を後から変更することが技術的にも費用的にも困難を伴いました。しかし、倉庫内ロボットは環境の変化に応じて設定を調整できるという大きな利点があります。

事業拡大や縮小に伴う倉庫スペースの変更、完全な施設移転が必要になった場合でも、倉庫内ロボットは新しい環境に適応させることが可能です。大規模な機械設備への投資とは異なり、必要な台数から段階的に導入できるスモールスタート方式もできるでしょう。

これにより初期投資リスクを抑えながら、既存の業務フローを維持したまま徐々にロボット化を進められます。初期投資の回収後も、ビジネス環境の変化に合わせてシステムを更新しながら継続して活用できるため、設備の長寿命化と投資効率の最大化ができ、製造業の現場における生産性向上と持続可能な経営基盤の構築に繋がるのです。

生産性の向上

人的リソースには必然的な制約が存在し、休憩時間の確保や労働時間の制限により、生産性の向上には物理的な限界が生じてしまいます。一方、常時稼働が可能な倉庫内ロボットは、24時間年中無休で作業を継続できるため、従来の人力による運用と比較して生産性が飛躍的に向上することが期待できます。

さらに、高度な判断や臨機応変な対応が必要な複雑な業務は人が担当し、反復的で単調な作業は倉庫内ロボットに委託するという明確な役割分担が可能です。

このように業務内容を効率的に整理することで、全体の作業フローが合理化され、品質の向上にも繋がります。人とロボットがそれぞれの強みを活かして協働することにより、倉庫業務の効率性と精度が同時に高まる仕組みが構築できるのです。

品質の維持

従来の倉庫業務では、人間が作業を行う限り、その日の体調や集中力、個人の経験値によって業務の質にばらつきが生じることは避けられない現実があります。疲労がたまれば注意力が散漫になり、繁忙期のプレッシャーの中ではミスも増加しがちです。

これに対して、倉庫内ロボットによる自動化は、一貫した品質を維持できる点が最大の強みです。ピッキング作業や在庫管理において、バーコードやRFIDを正確に読み取り、記録ミスや取り違えなどの典型的な人的エラーも大幅に減少できます。

さらに、単調で反復的な作業を倉庫内ロボットに任せることで、従業員はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。これは単に作業負担の軽減だけでなく、従業員のモチベーション向上や職場満足度の改善にも繋がり、全体的な業務効率の向上を促進するでしょう。

ロボットを倉庫に導入する際の重要ポイント

製造業の現場で倉庫にロボット導入を検討する際は、いくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。以下で、そのポイントを解説します。

作業環境を整える

倉庫内ロボットが最大限の性能を発揮するためには、適切な作業環境の構築が重要です。最も重要なポイントとして挙げられるのが、多様な形状や大きさの荷物を標準化することです。

具体的には、パレットやコンテナといった規格化された単位に荷物を整理・統合しておくことで、倉庫内ロボットは予めプログラムされた動作パターンの中でスムーズに作業を行うことができます。

人間であれば臨機応変に対応できる不規則な状況もロボットにとっては処理が困難となるため、ロボットが得意とする定型作業を最大化できるよう、事前に作業環境を整備することが導入成功への鍵となるのです。

既存のレイアウト変更の可否を確認する

既存のレイアウト変更の可否によって導入戦略が大きく変わります。レイアウト変更が可能な場合は、物流業務の一時的な停滞を考慮する必要があります。変更作業には数日間を要し、その間の通常業務に支障をきたす可能性があるためです。

例えば、棚搬送(GTP)型ロボットの導入では、専用の棚設置やロボット専用エリアの確保など、大規模な変更が必要となるため多くの企業は、倉庫の増設計画時や新たなロボット専用物流拠点の構築時や倉庫移転のタイミングに合わせて導入を進めています。

一方、レイアウト変更が難しい環境では、自律協働型(AMR)が有力となります。また、現場の具体的なニーズに応じて、重量物搬送に特化したSLAM型や追跡型の台車、アーム型ロボットなど、様々な専門ロボットの活用も検討価値があるでしょう。

既存システムとの親和性を確認する

多くの企業ではすでに独自の倉庫管理システムなどを運用しており、新たに導入する倉庫内ロボットがこれらとスムーズに連携できるかどうかが成功のポイントとなります。

もし既存システムとの連携が困難であると判明した場合、追加のシステム開発が必要となり、予想外の費用増大だけでなく、プロジェクト全体のスケジュール遅延にも繋がりかねません。

システム連携に関する綿密な事前調査により、倉庫内ロボット導入の真の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。

ロボットに適した業務を明確に設定する

倉庫内ロボット導入には、業務全体の流れを綿密にデータ化・システム化し、ロボットに適した業務を明確に設定することが大切です。一般的な物流センターでは、商品の棚入れやピッキング作業、梱包処理、仕分け作業、最終的な発送業務など、多くの工程が連続的に行われています。

従来型の一人の作業員がピッキングから発送まで一貫して担当するような体制下では、ロボット導入のハードルが高くなります。これは全工程をロボット化することが現実的でないため、人とロボットの業務分担を再構築する必要が生じるからです。

この課題を解決するためには、まず既存の作業工程を詳細に分析し、細分化することが求められます。そうすることで、人手不足に悩むピッキング工程をロボットに委託する、といった具体的かつ実現可能な施策を立案できるようになります。

また、ロボットの稼働機会が増えるほど、投資対効果は向上します。特に複数の顧客案件を扱う物流倉庫や3PL(サードパーティーロジスティクス)事業者においては、異なる案件間でロボットを共有活用できるよう、業務フローや稼働時間帯を戦略的に設計することが効果的です。

導入後のサポート体制を確認する

機械である以上、どんなに高性能なロボットでも不具合が生じる可能性は排除できません。そのため、導入を検討している企業は、倉庫内ロボット提供会社の保守・運用サポートを調査することが重要です。

緊急時の対応速度や、予見可能なトラブルへの事前対策状況などを確認しておくことで、将来的なリスクを大幅に軽減できるでしょう。

特に注目すべきは、以下のようなメーカーの技術サポート体制の柔軟性です。

  • 問題発生時に迅速に現場に駆けつけてくれるか
  • リモートでの診断・修理が可能か
  • 定期的なメンテナンスプランが提供されているか

様々な角度からサポート内容を精査することにより、導入後の安定稼働と投資効果の最大化に繋がります。特に国内の製造現場特有の課題や習慣を深く理解しているパートナー企業を見つけることが成功への鍵となります。

自動化へのサポートを確認する

倉庫の自動化は比較的新しい分野であるため、多くの企業では社内でどのように進めていくべきか明確なロードマップが存在しないことがあります。

そのため、ロボットメーカーや倉庫内ロボットサービスを提供している企業がどのようなサポート体制を整えているかを事前に調査することが重要です。適切なパートナーを選定することで、自社の課題に最適な自動化ソリューションを見つけ、スムーズな導入と効果的な運用が可能になります。

ロボットの倉庫導入における課題

ロボットの倉庫導入における課題

最後に、製造業の現場で実際に直面するロボット倉庫導入の課題と、それを乗り越えるための実践的なアプローチをご紹介します。

多くのコストがかかる

物流自動化を実現するためには、新規のシステムやロボットの調達が必要となり、多くの企業が想定以上の経済的負担に直面しています。

初期投資としての導入コストはもちろん、長期的な視点で見れば定期的なランニングコストやメンテナンス費用も必要不可欠です。自動化の範囲や選択する技術によって必要となる投資額は大きく変動するため、綿密な事前計画が重要です。

自社の物流における課題解決のために自動化を検討する際は、表面的なコスト比較ではなく、総合的な費用対効果の分析が求められます。便利そうだから、という感覚的な理由での導入は、将来的な財務負担を招く恐れがあります。

物流コストにかかる費用については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

【2025】物流コストにかかる費用の内訳とは?最適化させるポイント

ルールやマニュアルを整備する必要がある

明確なルールとマニュアルを構築することで、全スタッフ間での認識統一が図れます。このような状況ではロボットをこう操作する、という共通理解が生まれると、個人の経験や勘に頼る属人化を防ぎ、日々の業務におけるトラブルを未然に防止できます。

また、問題が発生した場合でも、対処法が文書化されていることで冷静な対応が可能となり、パニックを回避できます。さらに、体系化された研修資料があれば、経験の浅いスタッフでも短期間で必要なスキルを習得できるため、ベテランスタッフの指導負担軽減にも繋がります。

しかし、こうした運用ルールやマニュアルの作成には相応の時間とコストが必要なため、日常業務を継続しながらの作業となるため、特定のスタッフに過度な負担がかかる恐れがあります。

マニュアル作成にどれほどの工数を要し、完成までにどの程度のリソースを投入すべきか、事前に詳細な計画を立てることが大切です。

専門の技術者が不足している

物流現場では作業員が不足する一方で、ロボットの導入を担当するエンジニアの数は需要に対して圧倒的に足りていません。

市場のニーズは急速に拡大していますが、専門知識を持った技術者の育成は追いついていないのが現状です。さらに、導入後のメンテナンスを担当する技術者も同様に不足しており、ロボット活用の持続可能性に影響を与えています。

倉庫内ロボットを効果的に活用して業務改革を推進していくためには、技術面だけでなく運用面でも専門知識を持った人材が必要不可欠です。社内での人材育成に関するノウハウも十分に確立されていないため、今後さらに深刻な人材不足に陥る可能性が高いと言えるでしょう。

この課題に対処するためには、企業の枠を超えた研究活動の促進やナレッジシェアの場の創出はもちろん、効果的に運営するための業界団体や専門委員会の設立も重要です。加えて、技術者の質を保証する資格制度の整備や、それに対応した教育も急務となっています。

ロボットの倉庫導入で課題解決に繋げよう

今回は、倉庫内ロボット導入における重要ポイントを解説しました。倉庫内ロボットは、人材不足問題の緩和に貢献するだけでなく、作業の正確性を高め、人為的ミスを大幅に減少させる効果があります。

このような多面的なメリットを持つため、現在物流面での課題を抱えている企業にとっては、導入を前向きに考慮する価値があるでしょう。

ロボットの導入を検討する際には、各システムの特性と能力を詳細に理解し、自社の状況や必要性に最も適合する効率的な選択をすることが重要です。投資対効果を最大化するためには、自社の特定のニーズに合致した物流ロボットを慎重に選定することが成功への鍵となります。

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