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【2025】ODMメーカーの選び方における10のポイントとは?理解しておくべき特徴も解説

オリジナル製品の開発を検討しているスタートアップや部品メーカーにとって、ODMは魅力的な選択肢です。

自社で設計部門を持たない企業でもODMを活用することで、比較的短期間で製品化を実現できるためです。

しかし、製造業の仕組みを深く理解していないままODMを進めると、思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。

例えば、製品の仕様が当初の想定と大きく乖離したり、納期が遅延したり、品質に問題が発生したりといったケースが考えられます。

ODMを成功させるためには、ODMメーカー選びが非常に重要です。ただ単に安価なメーカーを選ぶのではなく、自社の製品コンセプトや要求仕様に合った最適なパートナーを見つける必要があるでしょう。

今回は、ODMメーカーの特徴やODMメーカーの選び方における10のポイントを解説します。

ODMメーカーの特徴

ODMメーカーの特徴

ODMメーカーは、自社のアイデアやデザインに基づいて製品を製造したい企業にとって、なくてはならない存在です。

しかし、ODMメーカーを選ぶ際には、その特徴をしっかりと理解しておくことが重要です。以下で、ODMメーカーの特徴を詳しく解説します。

ODMについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【2025】ODMとは?OEMとの違いやメリットデメリットを詳しく解説

技術がなくても自社ブランドを販売できる

ODMは、自社で製品開発に必要な技術やノウハウがなくても製造業者の豊富な経験と知識を活用して、オリジナルブランドの商品を開発・販売できます。

特に、業界に関する知識や経験が全くないスタートアップ企業にとっては、ODMは大きなメリットでしょう。

製造業者の技術力を借りることで、高品質な製品を効率的に製造し、市場に送り出すことが可能です。

また、ほとんどの工程を外注化できるため、自社で設備投資を行う必要がなく、初期投資を抑えたビジネス展開もできます。

ODMの受託者にとっても多様な顧客のニーズに対応することで、事業の幅を広げ、安定的な収益基盤を築けるのです。

販促や販売などに注力できる

新商品を開発したり、既存商品の生産量を増やそうとすると、通常は新たな生産ラインを構築したり、人員を増やしたりといった多大な投資と労力が伴います。

しかし、ODMを活用すれば、これらの生産に関わる業務を外部に委託できるため、自社は人材や設備などの貴重な経営資源をマーケティングや販売などの、より顧客に近い活動に集中させることができるのです。

ブランド構築がしやすい

ODM生産を導入することで、商品ラインナップを短期間で拡充し、幅広い顧客のニーズに応えることができます。

これにより、ブランド認知度を高め、短期間でのブランド構築を可能にします。

コストの削減が期待できる

ODMメーカーに全工程を委託することで、人材育成から設備管理に至るまで、幅広いコストを削減できるというメリットがあります。

また、ODMの受託者にとっても自社の持つ製造設備や技術力を最大限に活用することで、大量生産によるコストダウンを実現し、収益性の高い事業を展開することができるでしょう。

ODMメーカーの選び方における10のポイント

ODMメーカーの選び方における10のポイント

ODM生産を委託するメーカーを選ぶ際には、以下のような要素を総合的に判断する必要があります。

  1. 製品化の基礎知識があるかどうか
  2. 金型の知識があるかどうか
  3. 商品の開発・製造実績が豊富かどうか
  4. コンセプト設計からサポートしてくれるかどうか
  5. どのような設計ができるか
  6. 品質が高いかどうか
  7. 協力メーカーがあるかどうか
  8. 輸出に対応できるかどうか
  9. 長期的に良好な関係性を保てるかどうか
  10. 納期厳守の実績があるかどうか

以下でそれぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

①製品化の基礎知識があるかどうか

ODMメーカーを選ぶ際には、製品設計だけでなく、以下のような製品化に必要な様々な知識や経験が求められます。

検証項目 試作品を用いて製品が設計仕様を満たしているかどうかを、試験や測定によって確認するプロセス
安全規格 製品に求められる最低限の基準や安全に関するルールをまとめたもの
日程作成 日々の業務を効果的に計画し、時間を最適に活用するためのプロセス

一般的に、検証項目は製品を依頼する企業が決定し、ODMメーカーに対してこの試験をクリアできる製品を設計してほしい、と要求します。

しかし、自社で初めて製品を開発する企業にとっては、検証項目を網羅的に設定することは容易ではありません。

一方、ODMメーカーは、製品の特性や用途に合わせて、適切な検証項目を提案する役割を担います。

ODMメーカーの提案を参考にしながら、最終的な検証項目や評価方法、判定基準は、製品を依頼する企業が決定することが重要です。

安全規格の種類は多岐にわたり、その知識がない企業にとっては、どの規格が必要なのか、どのように認証を取得すれば良いのか、などの疑問が数多く浮かぶでしょう。

自社で全ての安全規格を把握し、必要な認証を取得するための手続きを進めることは、時間と労力を要するだけでなく、専門的な知識も必要です。

そのため、ODMメーカーを選ぶ際には、安全規格に関する相談に乗ってくれ、認証申請業務も代行してくれる企業を選ぶことが重要になるでしょう。

②金型の知識があるかどうか

金型とは、金属や樹脂、ゴムなどの様々な素材を型に流し込んで、製品の形状を作り出すための金属製の枠のことです。

この枠の中に素材を流し込み、冷やしたり圧力を加えたりすることで、複雑な形状を持つ製品を大量に、高い精度で製造することが可能です。

総生産個数が約1000個を超えるような量産時には、製造に欠かせないツールになります。

金型は、製品の形状や製造コスト、製品化までの日程に大きな影響を与えます。特に、樹脂部品の設計においては、金型の構造や特性を熟知した設計者の経験が不可欠です。

金型を用いて成形された部品の設計経験がない設計者では、意図した形状や機能を実現することが困難な場合があるでしょう。

製品を外部のODMメーカーに製造委託する場合、金型にかかる費用に関する知識がなければ、適切なコスト交渉を行うことができません。

金型の費用は、製品の最終的な価格に大きく影響するため、正確な見積もりとコスト管理が求められます。

さらに、金型製作には一定の期間が必要であり、その日程を考慮しなければ、製品の発売時期を遅らせてしまう可能性があります。

金型製作の日程と製品の納期を適切に管理することで、円滑な製品化を実現できるでしょう。

金型製作代行サービスについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

金型を用意できないというお客様に向けた「金型製作代行サービス」とは!?

③商品の開発・製造実績が豊富かどうか

ODMメーカーを選ぶ際に、自社製品の開発・製造実績が豊富な企業を選ぶことは重要です。

豊富な実績を持つ企業は、貴社の製品に対する深い理解と、それを実現するノウハウを蓄積しているため、貴社の希望に沿った最適な提案を受ける可能性が高まり、製品開発におけるリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

過去の開発・製造実績を確認する際は、品質同様に企業のWebサイトを参考にすると良いでしょう。

④コンセプト設計からサポートしてくれるかどうか

ODMでの商品製造が初めて、または経験が浅い企業は、コンセプト設計の段階からサポートしてくれるODMメーカーを選びましょう。

まだ具体的な商品イメージが固まっていない場合でも、ある程度のアイデアがあれば、原料の選定や処方の設計などの専門的な領域をODMメーカーに委ねることができます。

ODMメーカーは、長年の経験と豊富な知識に基づき、市場のニーズやトレンドを的確に把握しているため、自社のアイデアを具現化するだけでなく、より魅力的で競争力のある商品を提案してくれる可能性があります。

⑤どのような設計ができるか

製品設計は、大きく分けて機構設計、電気設計、ソフトウェア設計の3つに分類されます。

機構設計 製品の構造や動きに関わる設計で駆動系と非駆動系がある
電気設計 製品に搭載される電子回路や電気部品の設計
ソフトウェア設計 製品の動作を制御するソフトウェアの設計

機構設計は、使用する材料によっても設計は異なり、樹脂や板金、金属など、それぞれの特性を考慮した設計が必要です。

電気設計は、製品の機能を実現するための重要な役割、ソフトウェア設計は、ユーザーインターフェースや機能の開発を行います。

ただし、機構設計者であっても、すべての設計に対応できるわけではないため、ODMメーカーを選ぶ際には、自社の製品に求められる設計が可能な設計者が所属しているかを確認する必要があるでしょう。

例えば、駆動系や特定の材料の設計に特化した設計者がいるか、熱設計や光学設計、音響設計などの専門分野に対応できる設計者がいるかなどを確認することが重要です。

また、製品化プロセスにおいては、各種試験や測定が必要です。これらの試験には、製品の特性に合わせた専門的な試験機が必要となる場合があるため、ODMメーカーには、自社の製品に対応した試験設備が整っているかを確認することも重要です。

⑥品質が高いかどうか

製品の生産には、大きく分けて以下の2つの方法があります。

単発生産 量産
生産方法 一度に複数の製品を生産し、その後は同じ製品を作らない 一定期間にわたって定期的に生産する
特徴 少量生産 同じ品質の製品を安定して作り続ける
製品例 治具や設備、特殊な装置 家電製品や雑貨など

量産の場合、作業者が変わったり、生産の間に時間が空いたりすることで、製品の組み上げ方が変わってしまうことがあります。

製品の品質に悪影響を及ぼす可能性があるため、組み立て方を詳細に記載した作業標準書や、誰でも同じように組み立てられるような治具を用意するなどの品質管理が不可欠です。

そのため、これから新しい製品を一定期間にわたり、定期的に生産したいと考えている場合、品質管理のスキルを持ったODMメーカーを選ぶことが重要です。

より多くの製品を、長期間にわたって生産してきた経験を持つ企業ほど、品質管理のスキルが高いと考えられます。

そのため、ODMメーカーを選ぶ際には、想定する生産数量と生産期間以上の実績があるかどうかを必ず確認するようにしましょう。

⑦協力メーカーがあるかどうか

製品の開発・製造においては、製品本体だけでなく、パッケージや取扱説明書など、周辺に関わる要素も重要な役割があります。

これらの要素は、製品本体の製造を請け負うODMメーカーだけでは対応できない場合が多く、外部の協力メーカーに依頼する必要があります。

例えば、製品を保護し、消費者に届けるためのパッケージは、カートンや緩衝材、ラベルなど、さまざまな要素で構成されており、設計や製造は、製品の形状やサイズ、輸送条件などに合わせて行う必要があります。

ODMメーカーによっては、パッケージングの設計・製造も一括で請け負う場合もありますが、多くの場合は専門のメーカーに依頼することになります。

ODMメーカーを選ぶ際には、これらの要素も総合的に判断し、自社のニーズに合ったパートナーを見つけることが重要です。

⑧輸出に対応できるかどうか

海外へ事業を拡大したいと考えている企業は、ODMメーカーを選ぶ際に、輸出対応力に注目することが重要です。

商品を海外で販売するためには、製造だけでなく、各国独自の規制への対応や輸出に関する手続きなど、多くの課題をクリアする必要があります。

これらの課題を解決し、海外市場へスムーズに進出するためには、海外展開の経験が豊富なODMメーカーと連携することが効果的です。

ODMメーカーの選定によって、事業拡大の可能性が大きく変わるため、慎重にパートナーを選定しましょう。

⑨長期的に良好な関係性を保てるかどうか

ODMメーカーを選ぶ際には、長期的な良好な関係性を築けるかどうかを慎重に検討することが重要です。

ODMメーカーと委託側は、商品を共同で作り上げるパートナーです。そのため、円滑なコミュニケーションが取れ、互いに信頼し合える関係性が築けるかどうかが、高品質な製品を生み出す上で非常に重要です。

意思疎通がうまくいかず、相手を信頼できないと感じてしまうようなメーカーでは、良い製品を開発することは困難でしょう。

長期にわたって安定した協力関係を築けるODMメーカーを見つけるためにも、選定段階からしっかりと見極めることが求められます。

⑩納期厳守の実績があるかどうか

ODMでは、既存のデザインや製品ラインを活用することで、設計や開発プロセスを省略し、試作品の作成から大量生産までのリードタイムを短縮できるため、迅速に市場へ投入することが可能になります。

特に、製品仕様が明確で修正の必要が少ない場合や、過去に同様の商品を製造した実績がある業者を選ぶことで、納期を大幅に削減できるでしょう。

納期を重視する場合は、製造業者との事前契約や交渉が重要です。生産スケジュールや納品日を具体的に取り決め、進捗状況を定期的に確認することで、生産遅延などのトラブルを防ぐことができるでしょう。

また、製造業者が納期厳守の実績を持っているかどうかを事前に調査することも重要です。トレンドや季節性が重視される業界では、納期の遅れが販売機会の損失に直結するためです。

ODMメーカーの選び方を理解して信頼の企業を選定しよう

ODMメーカーの選び方を理解して信頼の企業を選定しよう

今回は、ODMメーカーの特徴やODMメーカーの選び方における10のポイントを解説しました。

ODMは、製品の開発から設計、製造までを外部の企業に委託する生産方式です。自社のアイデアやブランドで製品を販売したい企業にとっては、迅速に商品ラインナップを拡充できる便利な手段となっています。

自社で一から製品開発を行うよりも、開発期間を大幅に短縮できるため、市場の変化に迅速に対応し、競合他社との差別化を図ることができるでしょう。

しかし、ODMは製品開発のノウハウが社内に蓄積されにくいため、将来的な自社開発が難しくなる可能性があります。

また、受託企業との間でトラブルが発生した場合、製品の品質や納期に影響が出るリスクも考えられます。

ODMを成功させるためには、発注企業と受託企業が互いに信頼関係を構築し、長期的なパートナーシップを築くことが重要です。

受託企業は、発注企業のニーズを的確に把握し、高品質な製品を納期通りに提供する必要があり、発注企業は、受託企業の能力を最大限に引き出し、共に製品開発を進める姿勢が求められます。

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