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【2026】ODMとは?OEMとの違いやメリットデメリットを詳しく解説

社内に設計部門を持たないスタートアップやメーカーが、自社のオリジナル製品を世に出したいと考えた際、ODMという選択肢が浮かびます。しかし、製造業の仕組みを十分に理解していないとODMをうまく活用できず、製品化が失敗に終わる可能性も少なくありません。

自社製品の開発には設計者の存在が不可欠なため、社内に設計者がいない場合は、新たに人材を採用するか、ODMを利用するかという二つの選択肢が考えられます。ODMメーカーは、製品の設計だけでなく、実際に製品を組み立てる製造も行います。そのため、ODMメーカーを選ぶ際には、自社の製品に最適なパートナーを見つけることが重要です。

そこで今回は、ODMの概要やOEMとの違い、メリットやデメリット、導入の注意点を解説します。

ODMとは

ODMとは、企業が自社製品の企画・設計から製造までを専門のメーカーに委託する製造方式です。デザインや機能に関する細かな要望を伝え、理想の製品を形にすることができます。マーケティングや販売までサポートしてくれるODMメーカーも増えており、自社では難しい製品開発や、新たな市場への参入も可能になります。

特に、小ロット生産や多品種少量生産に対応できるODMメーカーを選ぶことで、市場の変化に柔軟に対応し、競争力を高めることができるため、自社で一から製品開発を行うよりも効率的に商品化を実現したい企業に最適です。

ODMとOEMの違い

OEMとODMは、どちらも自社製品の製造を外部に委託するビジネスですが、製品開発に関わる範囲が大きく異なります。

ODM 製品の設計から製造まで、一連のプロセスを外部企業に委託する
OEM 自社で製品の設計や開発を行い、製造工程のみを外部企業に委託する

ODMはOriginal Design Manufacturingの略で、 自社で製品アイデアやコンセプトを提示し、外部企業がそのアイデアを形にして製品を製造します。家を建てたいという要望を伝え、設計から施工まで全てを任せ、完成品を受け取るようなイメージです。

一方、OEMはOriginal Equipment Manufacturingの略で、設計図を渡して家を建ててもらうようなイメージで、委託企業は提供された設計図に基づいて製品を製造します。ODMは、自社で製品開発に必要なリソースやノウハウが不足している場合や、新製品を迅速に市場に投入したい場合に有効です。また、外部企業の専門知識や技術を活用することで、より高品質な製品を開発することも可能です。

ODMの業務内容

ODMの業務内容

ODMは、近年ますます注目を集めている製造委託の形態ですが、その業務内容については、まだ十分に理解されていない方も多いのではないでしょうか。以下では、ODMが具体的にどのような業務を担うのか解説します。

企画・デザイン

ODMは、OEMと異なり製品の企画段階から深く関与します。委託企業やブランドが持つ独自のイメージやブランディング、市場のトレンドや消費者のニーズを的確に把握し、それに基づいた企画・デザインを行います。製品に命を吹き込む最初の段階から、その一端を担っているのです。

生産・製造

ODM企業は企業のニーズをヒアリングし、自社のデザイン力と製造技術を活かした新たな製品を開発します。その後、開発された製品のサンプルを依頼企業に提示し、デザインや機能性、品質などを評価してもらいます。依頼企業がサンプルに満足した場合、量産に移行し、製品を納品します。

営業

ODMは製造委託にとどまらず、顧客との密な連携を通じて製品を創り上げていくビジネスです。そのため、営業担当者には顧客のニーズを的確に捉え、企画段階から積極的に提案できる能力が求められます。さらに、自社の生産体制や製造フローに関する深い知識、自社製品の特性を熟知していることも不可欠です。

製造業のマーケティングについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

製造業のマーケティングとは?基本や高等知識

ODMのメリット

ODMのメリットには以下のようなものがあります。

  • 開発ノウハウがなくても製品を生産できる
  • 新製品の開発スピードが上がる
  • 社内リソースを有効活用できる
  • 製品を低コストで量産できる
  • 他社ブランドを通して自社製品を販売できる

それぞれの項目を詳しく解説します。

開発ノウハウがなくても製品を生産できる

ODMを活用することで、自社に製造設備や開発ノウハウがなくても、オリジナル商品を開発することが可能です。特に、ヘアケア商品を含む化粧品においては、関連法規が複雑で化粧品製造許可が必要となるため、ODMは非常に有効でしょう。

豊富な経験と専門知識を持つODMメーカーと連携することで、現在の市場トレンドや消費者のニーズを的確に捉え、魅力的な商品を開発することができます。委託企業は、ODMメーカーの専門知識を活用することで、法規制に関するリスクを最小限に抑え、安心して自社ブランドを展開することができるのです。

新製品の開発スピードが上がる

ODMを活用することで、製造業者は新製品の開発スピードを大幅に向上させることができます。従来の開発プロセスと比較して、市場調査から設計、製造までの期間を短縮できるため、より迅速に新製品を市場へ投入することが可能になります。

迅速な市場投入は、変化する市場環境において競合他社の動きをいち早く察知し、それに合わせた製品の開発・リリースが可能です。市場のニーズを的確に捉えた製品を提供することで、競争力を維持し、さらなる成長を促すことができるでしょう。

社内リソースを有効活用できる

ODMを活用することで、製品の設計から製造までを外部の専門企業に委託できるため、自社は自社の強みである企画やマーケティングに集中することが可能となり、短期間かつ低コストで新製品を市場に投入することができます。慢性的なリソース不足に陥っている企業にとっても、ODMは新たなビジネスチャンスを創出するための有効な手段と言えるでしょう。

製品を低コストで量産できる

ODMでは、企業は自社のアイデアやデザインに基づいた製品を開発し、製造業者は、長年の経験とノウハウを活かして、最適な生産ラインを構築し、高品質な製品を効率的に製造します。そのため、企業は自社で製造設備を整えたり、熟練の技術者を育成したりする必要がなく、製品をコストを抑えながら大量生産できるのです。

他社ブランドを通して自社製品を販売できる

ODM生産は委託する企業だけでなく、受託する企業にとっても大きなメリットをもたらします。その一つが、自社のブランドを前面に出さずに製品を生産し、利益を得られるという点です。ブランドの構築には、製品の開発とはまた異なる専門知識やスキルが必要であり、時間と労力を要します。そのため、優れた技術力を持っていてもブランドの知名度が低い企業は、自社製品を市場に広めることに苦労することがあります。

しかし、ODMでは、他社のブランドを通じて自社の製品を販売できるというメリットがあるため、受託企業は自社の技術力を活かしながら、安定的な収益を確保することが可能です。ODM生産を継続することで、自社の技術力や製品の品質に対する信頼性を高め、徐々に自社のブランド知名度を向上させることも可能となり、最終的には、自社ブランドで製品を販売するための基盤を築くことができるのです。

ODMのデメリット

ODMには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下で詳しく解説します。

製造に関するノウハウが蓄積されにくい

ODMの最大の課題は、自社に製造に関するノウハウが蓄積されないことです。販売以外の工程を外部に委託するため、製造に関する知識や技術は社内に蓄積されません。そのため、製品のマイナーチェンジや品質向上を図る際に、製造メーカーに大きく依存せざるを得ない状況に陥る可能性があります。

品質管理が難しい

ODMでは、メーカー側が製品開発から製造までを担うため、ブランド側は製品の品質を直接的にコントロールすることが難しいという側面があります。そのため、自社ブランドのイメージや品質に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

ブランド側が自社の製品品質を維持するためには、メーカーとの連携を密にし、定期的な品質チェックやミーティングが欠かせません。これにより、製品の品質に関する情報を共有し、問題発生時の迅速な対応が可能になるでしょう。

企業の品質問題については以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

品質問題はブラックボックス化が原因?不正改ざんした企業事例も紹介

企業秘密が漏洩してしまう可能性がある

自社で企画した製品に関連するアイデアや営業秘密は、企業にとって非常に重要な資産です。これらの情報が外部に漏洩してしまうと、自社よりも安い価格でコピー商品が作られたり、類似品が多く出回ったりするなど、深刻な事態に発展する可能性があります。

知的財産権を確実に保護するためには、契約や法的措置を適切に行うことが不可欠です。例えば、ODMメーカーとの間で機密保持契約を締結し、アクセス権を厳しく管理するなどの対策が求められます。

ODMを受託する企業の責任が重くなる

ODM生産を受託する企業は、製品の開発から設計、製造までを請け負うため、製品に問題が生じた場合、消費者に対する直接的な責任は負わなくても、発注元企業から厳しく責任を問われる立場にあります。

例えば、設計上の問題が原因で事故が発生した場合、契約内容によって異なりますが、製品の回収や再設計、再製造、損害賠償といった対応を迫られることがあります。特に、食品や化粧品などの健康被害のリスクが伴う製品は、問題が発生した場合の社会的影響が大きく、企業の存続に関わる事態に発展する可能性も否定できません。

成功させるには長期的な運用が必要になる

ODM生産は、発注企業と受託企業が密接に連携し、互いの利益を最大化する長期的なパートナーシップが成功のカギとなります。発注企業は、製品の開発から製造までを委託するため、受託企業の技術力や生産能力に大きく依存します。一方、受託企業は、発注企業のブランド力や販売網を活用し、自社の製品を市場に展開します。

このように、両者は互いに深く依存し合う関係にあるため、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点での協力が不可欠なのです。ODM生産のメリットを最大限に活かすためには、発注企業と受託企業が互いの利益を尊重し、相互利益を生み出すことが重要です。長期的な視点で協力し合い、共に成長していくことで、より良い製品を開発し、市場での競争力を高めることができるでしょう。

ODM導入の注意点

ODM導入の注意点

ODMでオリジナル製品を生産する際、スムーズな進行のために押さえておきたいポイントがあります。以下では、特に製作期間に焦点を当てた2つの重要な注意点をご紹介します。

製品の制作期間は半年を見込んでおく

オリジナル製品のカスタマイズは、コンセプトの立案から製品の完成、納品まで、決して短い期間で行えるものではありません。少なくとも半年はかかると思って計画を進めるべきでしょう。特に、デザインや色などの製品の見た目に関するこだわりが強い場合は、さらに長い時間を要することがあるため、半年から1年程度の期間を想定しておくことが重要です。

プロジェクトをスムーズに進めるためには、初期段階から具体的なスケジュールを立てることが大切です。製品の発売時期や季節性なども考慮に入れ、余裕を持った計画を立てるようにしましょう。

海外工場の特徴を考慮する

ODM製造をアジア地域の工場に委託している企業にとって、旧正月・春節は大きな影響を与えるイベントです。中国や台湾、シンガポール、韓国、ベトナム、マレーシアなど、多くのアジア諸国で祝われる伝統的な祭りは、年間を通じて最も長い休暇期間の一つのため、製造ラインが完全に停止される期間が存在します。

旧正月・春節の日時は毎年太陰暦に基づいて決定されるため、1月末から2月初旬にかけて変動しますが、この期間の前後には、生産の遅延や物流の混雑が頻繁に発生するため、企業は十分な余裕を持った計画を立てることが不可欠です。

ODMで迅速かつ効率的な製品開発が実現できる

ODMで迅速かつ効率的な製品開発が実現できる

今回はODMの概要やOEMとの違い、メリットやデメリット、導入の注意点を解説しました。ODMは、製品の開発や設計、製造などの一連のプロセスを外部の企業に委託し、自社ブランドの商品を製造するビジネスです。OEMが製造のみを委託するのに対し、ODMは製品の企画段階から外部企業に委託するため、より広範囲な業務を委託する点が特徴です。

ODMは自社で開発や設計を行う必要がないため、短期間で多様な商品ラインナップを構築できるため、近年ではさまざまな業界でODMが活用されています。しかし、ノウハウが社内に蓄積されないため、受託企業への依存度が高くなってしまう点や製品の品質、納期に関するリスクも受託企業に委ねる部分が多くなります。

ODMを成功させるためには、発注企業と受託企業の間で密なコミュニケーションを取り、長期的な信頼関係を構築することが重要です。お互いの強みを活かし、共同で製品開発を進めることで、より良い製品を生み出すことができるでしょう。

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