facebook

Inventorで解析を行う方法!各解析のやり方を分かりやすく解説

機械設計や建築現場で活用されている3DCAD・Inventorは、AutoCADで作成した2DDWGデータであればインストール不要で連携できる画期的なソフトです。この記事では、注目のInventorについて、Inventorで行える解析の種類や方法・手順、注意点について解説します。

Inventorとは

Inventorとは、アメリカにあるAutodesk社が開発した機械設計向けの3DCADソフトです。操設計変更に対して柔軟に対応できる操作と設計しながら根拠を検証できる解析機能が特徴で、さらに3Dモデルを基にすれば2D図面作成も簡単です。世界規格に準拠した120万の標準部品と機械要のライブラリがそろい、使用する箇所や形状に合わせて自動的に3Ⅾ生成できます。

AutoCADと関連付ければお互いの得意な部分を分散して作業できるので、図面作成をより効率的に進めることも可能。ユーザーフェイスも見やすく、新規で図面作成するときはツール上の「新規」で、以前に作成したファイルを開く時は「開く」でスタートすればOKです。コラボレーションツールを使えば、場所を問わずに遠隔で共同作業できます。クラウドベース設計のレビュー機能を使うと、関係者すべてがフィードバッグを共有可能。BIMとの相互運用性もあるので、BIMプロジェクト参加もできます。

Inventorで行える解析の種類

Inventorで行える解析の種類は、線形静的応力解析、固有値解析、フレーム解析、ダイナミックシミュレーションです。

荷重に対する歪みや変位、反力、応力を計算する機能を線形静的応力解析といい、周波数に対して個体が持っている固有のモードや振動数を解析することを固有値解析といいます。フレーム解析とは、ある特定のフレームが拘束を受けている際の辺力や応力を解析することで、ダイナミックシミュレーションはアセンブリ駆動中にかかる荷重を解析することです。

Inventorでの各解析のやり方

Inventorで構造解析する場合、線形静的応力解析や固有値解析など解析の種類によって異なります。

線形静的応力解析のやり方

線形静的応力解析は様々なパターンがあるので、今回はフック形状を作成する線形静的応力解析について解説します。

まず、トップ画面から「スタートアップ」を開き、「パーツ」クリックしてください。続いて、画面右上にある「2Dスケッチを開始」を開いたら、YZ平面を使用してスケッチを開始します。次に、線文コマンドを使ってL字を作成し、原点から右に向かって線分を伸ばしましょう。そして、垂直上に線分を引き、さらに左、垂直下、左へと引いていきます。最終的には原点の真上にくるように線分を伸ばして、原点まで線分を引いていけば完成です。

終了時は画面右上の「スケッチを終了」をクリックしてください。F6キーでホームビューに整えたら、画面左上の「押し出し」を使って幅を設定します。次に画面右上の「2Dスケッチを開始」を再びクリックし、スケッチにある「点」を側面に2つ縦に並べてください。この際には「垂直拘束」コマンドを使って点の位置、「寸法」コマンドを使って高さ調整しましょう。「スケッチを終了」をクリックすれば完了です。

固有値解析のやり方

Inventorで固有値解析をする場合、まずInventorを起動したらトレーニング演習フォルダにある「Section22」からMuffler サブフォルダ内の「Muffler&Brackets.iam」へと進みます。そして、タグにある「Autodesk Inventor Nastran」をクリックし、解析ツリーの画面上で右クリックしたら、「Analysis 1」から「編集」へ進んでください。続いて、「解析」ダイアログから「モードの状態」へ進み、2つのブラケットに詳細レベルを変更します。最後に、「モデルツリー」から「理想化」を開き、「すべて削除」をクリックしましょう。

物理特性を定義するときは、画面左上にある「理想化」を開き、タイプ、名前、厚み、材料を設定してください。厚みは「標準 t」で指定しましょう。最後に「関連ジオメトリ」にチェックを入れ、ダイアログを閉じずに「コピー作成」をクリックして次の物理特性を定義してください。

フレーム解析のやり方

フレーム解析を行う場合、まずフレーム構造があるアセンブリを開いてください。フレーム構造は、フレーム ジェネレータかコンテンツセンターを使うと開きます。次に、タブにある「環境」から「開始」、「フレーム解析」、「管理」、「シミュレーションを作成」へと進んでください。さらに、シミュレーション プロパティを設定したら「OK」をクリックしましょう。

「梁」はアセンブリデータに基づいていますが、「シミュレーション用にカスタマイズしたい」という場合にも対応可能です。その際には、タブにある「フレーム解析」から「梁」コマンドへと進み、 「プロパティ」をクリックしてください。次に、「カスタマイズ」をオンにしたら、目的値を入力しましょう。最後に「OK」をクリックしたら完了です。

ダイナミックシミュレーションのやり方

ダイナミックシミュレーションを行うときは、まずダイアログボックスにある「ダイナミック シミュレーション設定」を規定の状態にしたまま「拘束を標準ジョイントに自動変換」をクリックしてスタートしてください。すると適したアセンブリ拘束が自動変換されます。次に、ダイアログ ボックスにある「ジョイントを挿入」を使ってジョイント挿入します。そして、「アセンブリ拘束を変換」へ進んで、標準ジョイントに変換してください。この際には、手動で1回につき1ジョイントごと行いましょう。

ちなみに、デザインアクセラレータにより作られた平歯車は自動で回転ジョイントを作成します。自動で作られた回転ジョイントを編集すれば、フレームおよびベクトル、原点修正が可能です。

静解析のやり方

Inventorを使った静解析のやり方は、フレーム解析の手順でシミュレーション作成を行い、さらにシミュレーションプロパティを指定します。不用となるコンポーネントはシミュレーションプロパティで除外しましょう。続いて、「拘束」「荷重」を追加し、メッシュおよび接触条件を指定してください。接触条件に関しては省略することも可能です。最後に、シミュレーションを実行し、結果を表示して解釈してください。

Inventorで解析を行うときの注意点やポイント

e資格の値段

Inventorで線形静的応力解析を行うときには、インターフェイスにある親ノードの「警告」アイコンに注意が必要です。警告アイコンは、ノードに問題が発生した場合や期限切れのときに表示されます。例えば、親ノードの近くに「状態」というアイコンが表示された後「更新が必要です」と出た場合、更新後に「警告」アイコンが表示されることがあります。このときは、ノードに1つ以上の問題点が発生したとみなしましょう。

フレーム解析のシミュレーションを作成するときは、フレームジェネレータで必ずアセンブリやパーツを作成してください。フレームジェネレータ以外で作った場合は、Inventorで認識されないので注意が必要です。

ダイナミックシミュレーションをするときにダイアログボックスにある「ジョイントを挿入」を使うと、「拘束を標準ジョイントに自動変換」のコマンドがアクティブになっている場合でも空間ジョイントを挿入できます。

Inventor静解析でシミュレーションなど様々な入力を変更するときに、解析パラメータ更新をしなければいけないときがあります。その際には、ノードの横にある稲妻アイコンが指している箇所のノードを右クリックしてください。

Inventorの解析を導入しよう

Inventorは人気ソフトAutoCADとの連携がスムーズに行えるので、建築・機械設計現場で行う図面作成が効率的に進められます。Inventorで可能な解析の種類は、線形静的応力解析やフレーム解析などいくつかに分かれているので、それぞれの解析方法・手順に沿って作業を進めることが大切です。
ぜひこの機会にInventorで解析を試みてみましょう。

最新情報をチェックしよう!