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Inventor CAMとは?できることや活用事例からInventor CAMについて知ろう

自動車産業や機械製造業などモノづくりにおける幅広い業種で活用されているInventor CAM。
Autodesk Inventorとシームレスな連携を行えるので、CAMの作業効率が大幅にアップする便利なソフトです。

この記事では、AutodeskがリリースしているInventor CAMについて、Inventor CAMでできることや活用事例について解説します。

Autodesk社のInventor CAMとは

Autodesk社のInventor CAMとは

Inventor CAMとは、コンピューター上で2Dおよび3D図面を作成するCADに組み込むソフトのことです。
Inventor CAMを使うとCADで作成した設計データを基にして、製品を加工するために必要なNC(数値制御)プログラムをシームレスに作成できます。
CADで作成した設計データだけでは製品を製造・加工できないので、製品として完成させるためにはCADからCAMに出力しなければいけません。
Inventor CAMを用いることによりスムーズにCADからCAMへの連携が取れるので、より高精度の製品製造が可能となります。

Inventor CAMの価格

Autodesk社のInventor CAMはリーズナブルな価格と使いやすさが魅力です。
価格は3年契約で1,367,300円、1年契約で479,600円、1ヵ月契約で60,500円となっています。
「まずは試してから利用を検討したい」という人は、無料体験版を利用することもできます。
申し込みをする場合は、AutodeskのInventor CAMの公式サイトにアクセスしてください。

ちなみに、Autodeskは4つのInventorシリーズをリリースしています。
Inventor CAMの他に、Inventor Tolerance Analysis、Inventor Nastran、Inventor Nestingがあります。
4シリーズともInventorで連携することにより効率的な作業を実現する優れたソフトばかりです。

Inventorとの違い

Inventor CAMではなく「Inventor」というソフトも存在します。
Inventor CAMはCAM用のソフトですが、InventorはCADソフトとなっています。
ですのでInventorにInventor CAMを連携させればスムーズに機械設計を行うことが可能です。

通常のInventorに関しては下記記事で解説しているので、気になったらご覧になってみてください。

AutodeskのInventorとは?価格や導入手順と活用事例を徹底解説

Inventor CAMでできること

Inventor CAMでできることは、主にフライス加工や旋盤加工・複合加工です。
フライス加工は同時に4軸~5軸機能で対応でき、スワーフや傾斜、複合軸輪郭のような複雑な加工も可能。
ボーリングやフェイシング、溝切りなどの旋盤加工や複合加工機能は標準装備しています。複合加工の工具設定がリアルタイムで行えることも特徴です。

Inventor CAMを用いると設計から加工までの工程がスムーズに進むため、スピーディな製品製造が可能となります。強力なポストプロセッサーシステムを用いると、CNCコードをスピーディに生成。
ハイスペックな粗取り加工法を使えば効率的に大量の材料をカットできます。
加工に用いる工具や機械の摩耗を最小限に抑えられるInventor CAMは、製品生産のスピード化と共にコスト削減を可能としたソフトです。

Inventor CAMに搭載している負荷制御機能は、機械や工具の寿命が長くなるだけではありません。
機械の性能を高く維持できるので、安全な状態で深く切断できます。
Inventor CAMは、3Dモデルに変更があった場合、ツールパスが自動的に更新されるのも特徴です。

Inventor CAMの活用事例

Autodesk社からリリースされているAutodesk HSMは、3DCADソフト・Inventor Proffesionalと高度な加工を実現したCAMソフトHSMが一つになっているInventor CAMパッケージです。

Autodesk HSMは、2.5軸~5軸のフライス加工や旋盤など様々な加工に対応し、信頼性の高いツール作成ができます。
製品には、SolidworksアドインCAMとクラウド型CAD・CAM Fusion360がパッケージされているのも特徴です。
そんなInventor CAMを搭載したAutodesk HSMの活用事例を3社ご紹介します。各社とも作業の効率性とコスト削減、視覚的なモデリングを高く評価している点に注目してください。

外注費用をゼロに!淡野製作所有限会社

Autodesk HSMを導入した淡野製作所有限会社は、コンベヤなどの搬送設備を中心とした自動機を製作している企業です。以前は2.5次元の加工環境であったため、3次元加工を行う場合すべて外注していました。
1ヶ月当たり平均で50万円程度の外注加工費がかかっていましたが、3次元に対応するCADとCAMを搭載したソフトは高額であるために導入に踏み切れませんでした。

その様な中、リーズナブルな価格のInventor HSMを事業者に紹介してもらったことをきっかけに導入を決意したそうです。導入したことにより、加工を全て内製化して外注費用はゼロになりました。
当初の目的であったコスト削減を実現できただけではなく、Inventor HSMに搭載されている負荷制御加工パスによって工具の寿命が長くなったこともメリットでした。

今まで当社は工具メーカーが推奨していた7割程度の切削条件を守っていました。
そのため常にトラブルが発生しないかをチェックしながらの作業でしたが、導入したことにより機械に加工を全て任せられるようになったので作業で感じていた不安も解消したそうです。

そのほかには、切削条件を高めたことにより加工時間を大幅な短縮でき、効率性が格段にアップしたことも挙げられます。
打ち合わせは視覚的で分かりやすい3次元モデルを用いるようになったので、意思の疎通が図りやすくなりました。加えて設計の変更を提案する際に実加工に基づいて行えるの点もメリットでした。

作業が効率的に!有限会社福本製作所

有限会社福本製作所は、機械部品加工や金型部品加工を行っている企業です。CADとCAMを備えたソフトの必要性は以前からあったのですが、価格がネックとなっていました。
しかしAutodesk HSMは比較的リーズナブルな料金だったので導入を決意したそうです。

そのほかにソリッドベースのモデリングができることや圧倒的な操作性の高さ、イニシャルコストが導入の決め手となりましたが、負荷制御加工による機械設備や工具の負荷軽減も魅力に感じていました。
実際に使用して実感したのは容易な操作性です。モデリング担当者も、導入による障壁が少なかったことは非常に助かったといっています。

作業を分業化したために効率性が大幅にアップしたこと、トランスレーター機能が充実しているために取引先のデータを直接入力できたこともメリットでした。
代表の福本氏によると、Autodesk HSMを導入したことにより作業が効率的になったので、他社との差別化が図れたことが大きな喜びだったそうです。今後当社はInventor CAMの負荷制御加工がもたらす様々な効果を期待しています。

加工前工程を短縮!株式会社多田製作所

株式会社多田製作所は、金型設計や製作および成形、アセンブリを行っています。
当事業所はもともとCAD・CAMシステムを導入していたのですが、CAMとの連携工程の改善が必要であると感じていたためAutodesk HSMの導入を決意しました。
今までは形状変更があった場合などは、データをCAM用に再変換してから改めて再計算していたので、膨大な時間とコストがかかっていたのです。

しかし導入後はデータ変換に要していた時間がゼロになり、変換エラーによる計算も行う必要がなくなりました。ツールパスによるスピーディな計算も効率性アップに貢献しています。

当社は製品部品のクオリティに影響があるカッターマークがないように、手作業で加工を行っていたので膨大な時間がかかっていました。しかしツールパスの高速計算により、わずか数秒で完了するようになりました。
導入して大幅な時間短縮ができ、効率化が促進され仕事が増えたという金型課の従業員からの喜びの声も見られました。Autodesk HSMを導入したことにより、納期短縮にも大きく貢献しているそうです。

Inventor CAMを導入すると効率性アップが期待できる

Inventor CAMを導入すると効率性アップが期待できる

ツールパスによるスピーディな計算を実現したInventor CAMは、負荷制御加工による機械の摩耗が削減し、コスト削減効果も期待できるソフトです。
製造業などのモノづくりの現場では、3DCADとInventor CAMがセットになっているAutodesk HSMを導入しているケースが多く見られます。
ぜひ迷っている方はこの機会に無料体験でInventor CAMを導入し、体験してみるのも良いでしょう。

Inventor CAMとは?できることや活用事例からInventor CAMについて知ろう
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