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イラストレーターでサイズを変更する方法!アートボードとオブジェクトに分けて詳しく解説

イラストレーターを使っているときに、ドキュメントのサイズを変更したいことがあるでしょう。
しかし、イラストレーターには多くのメニュー表示やツールコマンドがあるため、サイズ変更の方法が1つに定まらず、どれを使えばよいのか困ってしまいます。
そこで、イラストレーターのアートボードやオブジェクトのサイズ変更方法を厳選して紹介します。

イラストレーターでサイズの変更とは

イラストレーターにおけるサイズの変更とは、作成したイラストや図形の寸法や解像度を変更することを指します。
イラストレーターの仕組みはベクターベースのグラフィックソフトウェアです。
基本はデジタルな画像をピクセルではなく数学的な数式やパスで表現します。そのため、手動の拡大・縮小時に品質が落ちにくい特徴があります。
つまり、イラストレーター上で作成したイラストや図形は品質そのままにサイズ変更が容易に行えます。
サイズの変更には、大きく分けて2種類あります。それがイラストレーターの「アートボード」と「オブジェクト」の機能を利用したサイズ変更です。
アートボードとは、同じ画像やイラストを「サイズを変えて複数のパターンを作り出せる」機能を指します。デザイン作成業務の中で、同じデザインから異なるサイズパターンが必要なときに便利です。
まったく同じイラスト・画像でなくても、同じパーツを持つ異なるデザインやキャラクターを変えたデザインが作りやすくなります。
また、「オブジェクト」とは、もとの意味は「対象の物体」ですが、イラストレーターでは、操作可能な画像やテキスト、図形を含むパスのことです。オブジェクトの機能を使用することで画像をサイズ変更できます。

イラストレーターのアートボードのサイズ変更方法3選!

イラストレーターのアートボードを使ったオプション設定で画面や用紙サイズの指定変更を以下の3つの方法で行えます。

方法1.アートボードツール

選択ツールで対照の画像やイラストを選択した後、画面上の「アートボードツール」をダブルクリックで選択します。
「プリセットのカスタム設定」のところで、幅や高さを数字で設定できるように表示されます。その画面で、縦横比を固定するかチェックを入れる(入れない)かを決めて、縦横の数字をリサイズにより変更します。
このとき、アートボードツールで選択していた範囲以外は印刷されない仕組みです。

方法2.アートボードパネル

イラストレーター内では、同じアートボードツールを使う手順として異なる画面上のウインドウパネルからアートボードパネルを開く方法があります。そこでサイズ変更するアートボートを選択する方法です。
後半は「アートボードツール」と全く同じ設定の仕方で数字をリサイズで変えて、サイズ変更が可能です。

方法3.プロパティパネル

アートボードパネルを開かずにアートボートの設定ができる方法もあります。それが「プロパティパネル」です。
選択済みアートボードの「変形」項目にサイズが表示され、その数字を入力編集することでサイズ変更が可能です。
ただし、上記の方法では、固定を事前に設定せずにサイズ変更を行うと、オブジェクトの比率が崩れることもあるため、注意が必要です。

イラストレーターでオブジェクトのサイズ変更方法4選!

次に、イラストレーターでよく使われるオブジェクトの機能を使用したサイズ変更の方法4つです。

方法1.バウンディングボックス

イラストレーターの操作でサイズ変更する方法に、「バウンディングボックス」を使ったものがあります。
バウンディングボックスとは、選択ツールでオブジェクトをクリックした際に表示される「複数の四角いマーク(ハンドル)で囲む線」のことです。
この四角をマウスのドラッグで引き伸ばしたり縮めたりすることでサイズを変えることが可能です。
上記の方法は、比率固定を選んだ場合の変更と同じで、オブジェクトの比率が保持されたままサイズを変えられます。

方法2.拡大・縮小ツール

イラストレーターのメニューバーには、サイズ変更用のメニューが用意されており、その中に「拡大・縮小ツール」があります。
「バウンディングボックス」との大きな違いは、拡大・縮小ツールが「基準点を置いて、そこから拡大や縮小ができる」ことです。
伸ばしたい方向性を決められるため、バウンディングボックスの基準点となる中心以外にも、さまざまなバリエーションで拡大・縮小ができます。

方法3.自由変形ツール

メニューバーにある自由変形ツールは、柔軟なサイズ変更が可能なメニューです。拡大・縮小だけでなく、遠近感を出したり、台形のように傾斜をつけたりできます。
操作の要領はバウンディングボックスとだいたい同じで、四角いマークをドラッグすることで変更する仕様です。縦方向に潰す形の縮小も可能など自由自在です。

方法4.「ドキュメント設定」の変更

メニューバーの「ファイル」から「ドキュメント設定」でドキュメントの寸法や解像度を変更できる機能でサイズ変更する方法です。ドキュメント設定画面が立ち上がると、「裁ち落とし」という項目が表示されます。
そこで「塗り足しサイズ」の基準で数字(3mmが基本)を入れることでドキュメントサイズを変えることができます。
特定のパーツや縮小・拡大幅ではなく、全体のサイズを変更する場合に便利です。

イラストレーターでサイズを変更する単位

イラストレーターでは、以下のような単位を使用しています。
  • ピクセル(px)
  • ポイント(pt)、歯(H)、級(Q)
  • パイカ(pica)
  • ミリメートル(mm)、センチメートル(cm)、メートル(m)
  • インチ(in)
  • フィート(feet)
  • ヤード(yard)
その上で、サイズを変更する際には、主に「ミリメートル(mm)」や「インチ(in)」、「ピクセル(px)」などで設定することが可能です。

ピクセル(px)

まず、ピクセル(px)は画像の解像度を表す単位です。イラストや図形の幅や高さをピクセル(px)単位で指定することができます。
特にWebやデジタルメディア向けの作業でよく使用されます。
画質を保持したままのサイズ変更をしたいときには重要です。ピクセル(px)は画質をそのまま表しますから、ピクセル(px)の数値を下げるということは画像やイラストが粗くなるということです。
画像容量のサイズを落とす際は、(ここでは詳しくは省きますが)ピクセル(px)以外の画質に影響を与えないデータの要素を落とします。

ポイント(pt)

次に、ポイント(pt)は海外(欧米諸国)で使われる単位です。日本では行送りに「歯(H)」、文字サイズに「級(Q)」として使われる文字サイズや線幅の単位です。
1ポイント(pt)は0.3528ミリメートル(mm)に換算されます。数字で直接指定する場合には、どのくらいのサイズが動くのかあらかじめ知っておくことが大事です。

パイカ(pica)

パイカ(pica)は、印刷に使用される長さの単位で、1パイカ(pica)が12ポイント(pt)の約4ミリメートル(mm)に換算されます。
日本のデザイン業界ではあまり使わない単位ですから設定さえしなければ目にすることはまずありません。

ミリメートル(mm)

ミリメートル(mm)はメートル法の1つです。日本ではデザインに使う際のポピュラーな単位のため、サイズ変更でもよく登場します。
例えば、イラストや図形の縦横サイズをミリメートル単位で指定することができます。日本で使用する場合、このミリメートル(mm)でリサイズの数字に入力することが多いでしょう。

インチ(in)

インチ(in)は、ミリメートル(mm)単位で25.4mmに換算される長さです。ラテン語が由来で親指の幅がおよその基準となっています。
テレビのサイズ感で使われることはよくありますが、日常的に使われていないため、ピンとこない人も多い単位です。
特に工業製品ではインチ(in)の使用が一部を除いて制限されるため、代わりに「型」を使うことが義務付けられています。
その影響でインチ(in)の単位はサイズ変更時に正確なサイズ感を得られにくいのです。
他にも日本では単位として使われていてもサイズ変更時に使用の少ないフィート(feet)やヤード(yard)などがあります。この2単位も同様にミリメートル(mm)単位ほどの頻度では使われません。

イラストレーターで目的に応じたサイズ変更

今回は、イラストレーターでサイズの変更について解説しました。
サイズ変更の方法には、大別して「アートボード」と「オブジェクト」の2種類があります。
それぞれの機能を上手く活用して、目的に応じた変更が手早く正確にできる方法を選んでみましょう。
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