イラストレーターで作品を作る際、作成したオブジェクトを反転できれば、わざわざ反転したオブジェクトをもう一つ作る必要はありません。反転が簡単にできると、デザインの幅が広がったり、作業を効率よく行えたりするでしょう。
本記事では、イラストレーターでオブジェクトを反転する方法を5つ紹介します。普段仕事や趣味でイラストレーターを使う方は、ぜひ5つの中から自分に合った反転方法を探してみてください。
イラストレーターの反転とは?
イラストレーターでは、作成したオブジェクトを反転して使用したい場面が多くありますが、バウンディングボックスからの回転などでは、思うような反転は実現できません。
しかし、イラストレーターでは、作成したオブジェクトを上下左右に反転できる機能があります。また、反転したオブジェクトのコピーも一つの操作で可能です。
そのため、イラストレーターでは、デザイン的に一部分を反転して表示させることや、反転コピーして左右対称のオブジェクトを作成することも簡単です。イラストレーターでの反転は、作品を作るうえで頻出する操作なので、初心者の段階からマスターしておきましょう。
イラストレーターでオブジェクトを反転させる方法5選
イラストレーターでは、さまざまな方法で作成したオブジェクトの反転を行えます。イラストレーターでオブジェクトを反転させる方法5つを紹介するので、ぜひ自分が使いやすい機能を見つけてみてください。
リフレクトから反転させる方法
「変形」のリフレクトを使った反転は、以下の方法で行えます。
- 反転させたいオブジェクトをクリックして選択
- メニューバーの「オブジェクト」の中の変形からリフレクトを選択
- ウインドウが表示されるので水平方向に反転したい場合は水平に、垂直方向に反転したい場合は垂直にチェックを入れてOKを選択
上記の手順で水平・垂直方向への反転ができます。ウインドウ内でOKではなくコピーを選択すると、反転した状態でのコピーも可能です。
また、オブジェクトを選択した状態で右クリックしする出てくる「変形」のなかのリフレクトでも反転できるので、操作しやすい方を使いましょう。
個別に変形から反転させる方法
「変形」の個別に変形を使った反転は以下の方法で行えます。
- 反転させたいオブジェクトをクリックして選択
- メニューバーの「オブジェクト」の中の変形から個別に変形を選択
- ウインドウが表示されるので移動や回転などの指定を入力してOKを選択
個別に変形は、リフレクトから反転させる方法と同様に、ツールバーのオブジェクトから操作できます。操作自体は似ていますが、個別に変形なら軸の変更や回転ができるのが特徴です。
また、プレビューにチェックを入れると感覚的に操作できるため、色々試しながら理想の形に近づけましょう。
変形から反転させる方法
オブジェクトからだけでなく、効果から反転させる方もあります。メニューバーの効果の中の「パスの変形」から変形を使った反転は以下の方法で行えます。
- 反転させたいオブジェクトをクリックして選択
- メニューバーの「効果」の中のパスの変形から変形を選択
- ウインドウが表示されるので移動や回転などの指定を入力する
- コピーの項目を1にしてOKを選択
上記の方法を行うと、元のオブジェクト情報を残したまま反転コピーできます。情報が残っていると後から色の編集などを加えた際に、反転先にも編集が反映されます。
そのため、後から変更を加える可能性がある場合は、パスの変形の中にある変形を使った反転がおすすめです。
また、同じ情報を持つオブジェクトとしてコピーしたが、後で別々のオブジェクトに分解したい場合も出てくるでしょう。そのような場合は、メニューバーの「オブジェクト」からアピアランスの分割を選択すれば実現できます。状況に併せて使用しましょう。
「リフレクトツール」から反転させる方法
ツールバーの「リフレクトツール」を使った反転は、以下の方法で行えます。
- 反転させたいオブジェクトをクリックして選択
- ツールバーの「リフレクトツール」を選択
- 反転の軸にしたい箇所をOption(Alt)キーを押しながらクリック
- ウインドウが表示されるので水平方向に反転したい場合は水平に、垂直方向に反転したい場合は垂直にチェックを入れてOKを選択
上記の手順で水平・垂直方向への反転ができます。リフレクトツールなら反転させる軸を感覚的に決められる点が特徴です。
リフレクトツールの場所がわからない方は、回転ツールを長押ししてみましょう。
「ミラー」から反転させる方法
左右対称のオブジェクトを作る際は、片方だけを先に作成してから反転コピーさせる必要があります。そのような左右対称のオブジェクトを簡単に作成するなら、ミラーがおすすめです。
「リピート」のミラーを使った反転は、以下の方法で行えます。
- メニューバーの「オブジェクト」を選択
- リピートの中にあるミラーを選択する
- 左右対称にコピーされたオブジェクトが複製される
- 回転や移動で位置を調整する
上記の方法でオブジェクトを左右対称に反転コピーできます。
ミラーは先ほど紹介したリフレクトと比較して、反転したオブジェクトの位置調整がしやすい点が特徴です。反転後にガイドラインが表示されるため、感覚的に左右対称のオブジェクトを作成できます。
用途によってリフレクトでの変形と使い分けるようにしましょう。
イラストレーターの反転はどの機能がおすすめ?
イラストレーターでオブジェクトを反転させる機能は一つではありません。そのため、実際どの機能を使えばよいのかわからないでしょう。
ここでは、イラストレーターでオブジェクトを反転させるおすすめ機能2選と、オブジェクトを反転コピーした後に注意することを解説していきます。
イラストレーターでオブジェクトを反転させる2つのおすすめ機能
基本的に、それぞれの機能に大きな違いはないため、使いやすい機能を使えば問題ありません。しかし、強いておすすめを挙げるとするならば、以下の2つの機能です。
ツールバーの「リフレクトツール」
ツールバーのリフレクトツールは、反転の軸や角度を感覚的に決められる点と、ツールバーから選択できる手軽さが魅力です。
リピートの「ミラー」
一方で、リピートのミラーは反転したオブジェクトの位置調整がしやすいため、左右対称のオブジェクトを作りやすい点が魅力です。
それぞれに魅力がありますが、操作性に大きな違いはないため、最終的には好みや用途によって使い分けらるようにしましょう。
オブジェクトを反転コピーした後の注意点
オブジェクトを反転コピーして一つのオブジェクトを作成する際は、パスの連結を忘れないようにしましょう。オブジェクトを反転コピーすると、見た目は一つのオブジェクトに見えますが、実際はコピー元とコピー後で違うパスになっています。
パスが途切れている状態をオープンパス呼びますが、オープンパスだと塗りを設定する際など編集が必要な場面でうまくいかないケースがあります。そのため、オブジェクトを反転コピーした際は、必ずパスを連結して一つのオブジェクトにするようにしましょう。
パスを連結する方法は、以下のとおりです。
- 連結したいアンカーポイント同士をピッタリくっつける
- 連結したいアンカーポイント同士のみをダイレクト選択ツールで選択する
- Command(Ctrl) + J で連結
アンカーポイントがずれていると綺麗に連結できないため、アウトラインモードにしてアンカーポイントのズレを確認することが大切です。パスで表示されるアウトライモードと通常のプレビューモードは、Command(Ctrl) + Y で切り替えられます。
イラストレーターでは色の反転もできる!
イラストレーターでは、色相環で反対に位置する色に反転させる機能があります。デザインするうえで、補色によってお互いの色を鮮やかに引き立てたい場合もあるでしょう。
そのようなときは、以下の方法で色の反転を実現させましょう。
- 色を反転させたいオブジェクトをクリックして選択
- メニューバーの「編集」からカラーを編集の中にあるカラー反転を選択する
上記の方法を使えば簡単に色の反転ができるため、知っておいて損はないでしょう。
色を一部分だけ反転させる方法は?
オブジェクト全体の色を反転させるのではなく、一部分だけ反転させたい場合もあるでしょう。例えば、文字の色を部分的に反転させたい場合です。
そのような場合は、パスファインダーを利用すれば実現できます。色を一部分だけ反転させる方法は以下のとおりです。
- テキストと塗りを設定したオブジェクトを重ねて配置する
- 重ねたテキストとオブジェクトをメニューバーの「オブジェクト」から「グループ」を選択してグループ化する
- メニューバーの「効果」の中にある「パスファインダー」から「中マド」を選択する
この操作をマスターすれば、文字が切り抜かれたオシャレな文字が作成できます。
イラストレーターで文字だけを反転させない方法は?
図面などを反転させる場合に、中の文字だけは反転させたくないケースもあるでしょう。そのような場合に、文字だけを反転させない方法について見ていきましょう。
文字だけを再度反転する
反転してしまった文字のみを選択し、再度反転して元に戻す方法です。反転済みのテキストを選択し、メニューバーの「オブジェクト」の中の変形から個別に変形を選択します。
水平方向もしくは垂直方向を選びOKを選択すると、文字だけを元に戻せます。
文字にロックをかける
文字にあらかじめロックをかけて編集できないようにしていると、オブジェクト全体に反転をかけても文字には反映されません。
文字を選択した状態でレイヤー左にある目のマークの右側をクリックすると鍵マークが表示されます。このマークが表示されているとロックがかかり、移動や拡大などの編集全般が行えないようになります。
そのため、文字だけを反転させたくない場合は、ロックをかけて反転が反映されないようにしておきましょう。また、文字だけを入れたレイヤーを別で作っておくと一括でロックのつけ外しができて便利です。
文字を選択しない
反転は選択したオブジェクトのみに反映されます。そのため、オブジェクトを選択する際に、文字は選択しないようにすると反転はかかりません。
しかし、オブジェクトと文字をグループ化している場合は文字も選択されてしまいます。そのような場合は、一度グループを解除して、反転が終わったら再度グループ化するようにしましょう。
イラストレーターでオブジェクトを反転まとめ
今回は、イラストレーターでオブジェクトを反転させる方法について紹介しました。イラストレーターでは複数の方法で反転の機能を使えます。
そのため、柔軟な操作で反転させたい場合は「リフレクトツール」、左右対称に反転させたい場合は「ミラー」といったように状況に合わせて方法を使い分けましょう。
反転を駆使すれば作業の効率や作品のクオリティが上がります。反転をまだ使いこなせていない方は、ぜひこの機会にマスターしておきましょう。