Illustratorでは、オブジェクトに複数の色を組み合わせることで鮮やかなグラデーションを演出できます。
グラデーションを加えることで高品質なデザインにできるため、イラストレーターやデザイナーは身につけておくべきテクニックです。
しかし、これまでIllustratorをあまり使ったことがない方は「どのようにグラデーションをかければいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、Illustratorでグラデーションをかける方法について詳しく解説します。
記事後半ではグラデーションをかけられないときの原因まで紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Illustratorのグラデーションとは
Illustratorのグラデーションとは、段階を追って変化していく表現方法の1つです。
明度差や彩度差を使うことで、色のボカシを施したものがグラデーションとなります。
例えば白から黒、赤から青といった色の変化によって、グラデーション加工ができます。
Illustratorではグラデーションの細かな調整ができるため、必要に応じて最適なデザインに仕上げることが可能です。
幅広い表現を加えるためにも、グラデーションは重要な役割があるのです。
グラデーション加工ができる媒体について
Illustratorでは、文字や図形、画像などにグラデーション加工ができます。
媒体によってグラデーション加工をおこなうことで、さまざまなデザイン表現が可能です。
例えば文字にグラデーションをかければ、おしゃれなロゴ作成に役立ちます。
グラデーションは使い方によって幅広い媒体に利用できるため、デザイン作業において使い勝手が良い機能となっています。
Illustratorにおけるグラデーションの種類
Illustratorのグラデーションには「円形グラデーション」、「線形グラデーション」、「フリーグラデーション」の3種類があります。
それぞれ種類によって、グラデーションの表現が大きく変化します。
すぐに特徴を知りたい方は、下記の表を参考にご覧ください。
グラデーションの種類 | 特徴 |
円形グラデーション | 中心から周囲に向かって放射状に色が変化 |
線形グラデーション | 一方向の端から他方の端に向かい一直線に色が変化 |
フリーグラデーション | 自由なカスタマイズによって色が変化 |
円形グラデーション
円形グラデーションは、中心から周囲に向かって放射状に色が変化するグラデーションです。
中心から均等に色が変化するため、統一感のある演出を加えられます。
オブジェクトの形状に合わせて自由な調整ができ、パターンや模様作りに便利です。
ほかにもオブジェクトに立体感や陰影を与えられるので、リアルな質感を表現できます。
線形グラデーション
線形グラデーションは、一方向の端から他方の端に向かい一直線に色が変化するグラデーションです。
円形グラデーションと同じく均等に色が変化するので、影をつけたり半透明にしたりするときに役立ちます。
こちらもオブジェクトの形状に合わせて自由な調整ができるため、テキストや図形などに使用可能です。
複数のグラデーションストップを追加することで、複数の色を変化させることもできます。
フリーグラデーション
フリーグラデーションは、自由なカスタマイズによって色を変化できるグラデーションです。
長方形や円形、三角形など自由な形状に設定できるため、オリジナルのグラデーションに仕上げられます。
ブジェクトの形状や曲線だけでなく、幅広い部分に活用できるグラデーションとなっています。
自由度の高いグラデーション設定をおこなうときは、フリーグラデーションがおすすめです。
Illustratorでグラデーションをかける方法
こちらでは、Illustratorでグラデーションをかけるときの基本的な使い方について説明します。
グラデーションは調整を加えることで、好みの形に色を変更できます。
Illustratorでグラデーションをかけるときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①オブジェクトを選択する
グラデーションを適用させるオブジェクトを選択します。
ステップ②「ウインドウ」から「グラデーション」を選択する
上部「ウインドウ」メニューから「グラデーション」を選択します。
ステップ③グラデーションパネルから種類を選択する
グラデーションパネルを開いて「種類」から適用させるグラデーションを選択します。
ステップ④グラデーションの色を設定する
白と黒の色をクリックし、グラデーションの色を設定します。
「RGB」もしくは「CMYK」をクリックすることで、色を細かく選択できます。
ステップ⑤グラデーションを調整する
カラーパネルから色を調整し、グラデーションをかけていきます。
以上の手順によって、オブジェクトにグラデーションをかけられます。
グラデーションパネルにある「不透明度」から数値を調整すれば、オブジェクトの見せ方を変更可能です。
複数のオブジェクトに同じグラデーションをかけたいときは、グラデーションパネルからドラッグ&ドロップすることで適用できます。
グラデーションの角度を設定したいときは、グラデーションパネルから「角度」の数値を調整しましょう。
グラデーションの解除方法
Illustratorで作業していると、必要に応じて反映したグラデーションを解除することもあります。
グラデーションを解除するときは、オブジェクトを選択した状態で左側のツールバーからグラデーションのカラーボックスをアクティブにします。
そしてカラーボックス下部の「カラー」ボタンをクリックすると、グラデーションを解除することが可能です。
オブジェクトの線も同じやり方でグラデーションを解除できるため、不要になったときはこちらの方法を試してください。
テキストにグラデーションをかける方法
Illustratorでは、図形だけでなくテキストにグラデーションをかけることもできます。
テキストにグラデーションをかけることで、単色よりもデザイン性を高められるようになります。
テキストにグラデーションをかけるときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①テキストオブジェクトを選択する
選択ツールでテキストオブジェクトを選択します。
ステップ②右クリックで「アウトラインを作成」を選択する
テキストオブジェクトを右クリックして「アウトラインを作成」を選択します。
ステップ③グラデーションを選択する
右側のグラデーションパネルを選択します。
もしグラデーションパネルが表示されていないときは、上部「ウインドウ」メニューから「グラデーション」を選択してください。
ステップ④グラデーションの色を設定する
グラデーションパネルから任意で色を選択し、好みのグラデーションをかけます。
以上の手順で、テキストにグラデーションをかけることが可能です。
グラデーションの種類や角度を変更することで、オリジナルのテキストデザインに仕上げられるのでぜひ試してください。
グラデーションはテクニックが豊富にある
Illustratorのグラデーション機能は、デザイン作業においてさまざまな用途で使えます。
オブジェクトの色を変更するだけでなく、画像の周囲にグラデーションをかけてぼかしのような演出をすることも可能です。
YoutubeにはIllustratorのグラデーションテクニックについて、いくつもの動画が投稿されています。
動画を視聴しながら一緒にスキルを身につけたいときは、当記事の内容と合わせてご覧ください。
Illustratorでグラデーションをかけられないときの原因
Illustratorでグラデーションをかけられないときは、以下のような原因が考えられます。
- ツールパネルから「線」を選択している
- グラデーションの塗りが適用されていない
- 色が白黒になっている
それでは詳しく解説します。
ツールパネルから「線」を選択している
オブジェクトにグラデーションをかけられないときは、ツールパネルから線を選択している可能性が高いです。
グラデーションは塗りのみに表示されるため、線を選択していると反映できません。
そのため左側のツールパネルを開き、線が選択されていないかチェックしておくようにしましょう。
グラデーションの塗りが適用されていない
グラデーションの塗りが適用されていない場合、オブジェクトに反映できない原因となります。
上位グループに塗りが適用されてたり、メッシュオブジェクトになっていたりするとグラデーションがかからなくなってしまいます。
また、テキストにグラデーションを適用する場合、テキストの塗りから適用する必要があるので注意が必要です。
塗りが反映されているグループやオブジェクトをチェックし、正しい順序で反映させるようにしましょう。
色が白黒になっている
グラデーションの色が白黒になっているときは、グラデーションパネルからカラー変更をおこなう必要があります。
グラデーションパネルを開き、三本線のメニューをクリックすることでRGBもしくはCMYKを選択できます。
いずれかのカラーを選択することで、白黒のグラデーションを好みの色に変更可能です。
まとめ
今回は、Illustratorでグラデーションをかける方法、かけられないときの原因について詳しく解説しました。
グラデーションをオブジェクトに反映させることで、複数の色を重ねた鮮やかなデザインに仕上げられます。
図形だけでなくテキストにグラデーションをかけることもでき、おしゃれなロゴデザインを作成することも可能です。
円形グラデーションや線形グラデーション、フリーグラデーションなどの種類があるため、好みの合わせてグラデーションをかけられます。
ぜひ当記事で紹介したテクニックを参考にしながら、作成する成果物にグラデーションをかけてみてください。