AutoCADとの高い互換性で幅広いユーザーから支持されている2DCADソフト・IJCAD。そのIJCADが、スマホやタブレットで使える無料アプリ「IJCAD Mobile」を提供していることをご存知ですか?
IJCAD Mobileは、「外出先で図面を確認したい」「ちょっとした修正をスマホで済ませたい」といったニーズに応え、場所を選ばずに快適な2DCAD体験を実現。
そこでこの記事では、IJCAD Mobileの概要や基本操作、利用するメリットについて解説します。
IJCAD Mobileとは?
IJCADは、2次元汎用CADソフトウェアで、IJCAD Mobileは、AndroidやiOS搭載のスマホやタブレットでIJCADを使える無料アプリです。
IJCADとは?
IJCADは、建築、機械、土木、電機など幅広い分野で活用されている2次元汎用CADソフトウェアで、操作性やファイル形式など、あらゆる面でAutoCADに似た仕様になっているため、今までAutoCADを使っていた方もスムーズに乗り換えできます。
IJCADは、名古屋に本社があるインテリジャパン株式会社が開発し、2013年までAutoCADとの互換性が高い「IntelliCAD」をベースに独自の機能追加や性能改善を行っていました。
2014年以降は、ODAが開発する「Teigha」に移行し、より高度な機能と安定性を備えたCADソフトウェアに進化しました。現在は、累計販売数12万本以上に達し、日本国内で広く利用されています。
IJCADはAutoCADよりもリーズナブルな価格設定で、1年契約や1ヵ月契約など、ニーズに合わせたプランを選択できます。また、国産CADソフトウェアであるため、日本語サポートも充実しています。
IJCADの特徴やメリット及びデメリット、互換ソフト等についてはこちらの記事にて詳しく解説しております。
IJCAD Mobileとは?
IJCAD Mobileは、AndroidやiOS搭載のスマホやタブレットでIJCADを使える無料アプリで、クラウドストレージへCAD図面をアップしたら、パソコンとIJCAD Mobile間で簡単にやりとりできます。
IJCADは、DWG、DXFファイルの表示と保存に対応し、さらにインターネットに未接続でも保存済みの図面を閲覧・編集できます。標準搭載している「最新図面管理機能」を使えば、リアルタイムで最新のデータにアクセス可能です。
また、直感的な操作ができるマルチタッチ、指先から少し離れた位置から点を指定できるシミュレートマウス機能でスムーズな操作を実現しています。「外出先で図面を確認したい」「気になる部分をちょっとだけ修正したい」という場合にもおすすめです。
IJCAD Mobileの使用手順・使用方法
それでは、IJCAD Mobileの使用手順・使用方法を解説します。まずはアプリのダウンロードからはじめましょう。
アプリをダウンロード
IJCAD Mobileは、ダウンロードするだけで簡単に利用できます。
ダウンロードには、App StoreまたはGoogle Playのアプリを利用してください。インストール後、図面の閲覧、編集、寸法測定など、さまざまな作業に対応可能です。
ダウンロードとインストールの時間は、インターネットの速度やデバイスの性能によって異なります。通常、ダウンロードに数分から数十分、インストールにも同様の時間がかかるので、時間に余裕を持って操作してください。
IJCAD Mobileで図面ファイルを開く
IJCAD Mobileで図面ファイルを開くには、事前にファイルをiPad/iPhoneにコピーする必要があります。具体的には、WindowsとUSBで接続し、iTunes経由でファイルをコピーするという流れです。
手順は、以下の通りです。
- まずiTunesを起動し、iPad/iPhoneを接続し、「設定」から「App」を選択します。
- 続いて、「IJCAD Mobile Free」の「ファイル共有」でファイルを追加してください。
コピーが完了して接続を解除すれば、IJCAD Mobileでファイルが開きます。
IJCAD Mobileの対応ファイル形式は、DWG、DXF、DWF、JWW、PDFです。ファイル共有機能は、IJCAD Mobile Pro版のみで利用できます。
IJCAD Mobileを利用するメリット
IJCAD Mobileを利用すると、さまざまなメリットがあります。それぞれのメリットをくわしく解説していきましょう。
無料で使える
IJCAD Mobileのメリットは、無料で利用できることです。ポリライン、線分、円、円弧、長方形、スケッチ、文字記入、引出線など、基本的な作図機能は無料で利用できます。
「CADを使いたいけれどもコストを抑えたい」「簡単な図面編集をスマートフォンで行いたい」という方にとって最適なツールといえるでしょう。
持ち運びに便利
IJCAD Mobileのメリットは、その持ち運びの便利さにあります。スマートフォンやタブレットで利用可能なCADアプリなので、場所を選ばずに図面の閲覧・編集が可能です。
さらに、オフラインでも利用できるため、外出先や移動中の作業も簡単に行えます。「場所や時間に縛られずに製図したい」「仕事効率を向上させたい」という方にも最適です。
データを簡単に共有できる
IJCAD Mobileを利用するメリットは、データを簡単に共有できることです。クラウドストレージを介して図面のやり取りができるため、常に最新の図面を確認でき、リアルタイムでの変更や修正も可能です。
チームでの共同作業や外出先でのプレゼンテーション、データのバックアップが必要な方におすすめです。
IJCAD Mobileを利用するデメリット
IJCAD Mobileは無料で使える高機能なCADアプリですが、いくつかデメリットもあります。ここでは、IJCAD Mobileを利用するデメリットについて解説します。
使える機能に制限がある
IJCAD Mobileのデメリットは、使える機能に制限がある点です。例えば、レイアウト表示において、ビューポート内部の表示がOFFになるなどの制限があります。
また、基本的な作図機能は搭載していますが、複雑な図形の作成や編集はできません。複雑な図面作成はパソコン版のIJCADで対応するなど、用途に合わせてIJCAD Mobileとパソコン版のIJCADを使い分ける必要があります。
画面サイズの制約
IJCAD Mobileのデメリットは、画面サイズの制約です。IJCAD Mobileはスマートフォンやタブレットで利用するため、細かい操作には適していません。
特に、精密な図面作成や編集、複数の図面を同時に扱う場合は、小さな画面では対応が難しい場合があります。
保存できるファイルに制限がある
IJCAD Mobileを利用するデメリットは、保存できるファイルに制限があることです。
IJCAD Mobileでは、図面の保存はDWG形式(2000、2004、2007、2010、2013、2018)のみが可能で、開けるファイル形式もDWG形式(~2013形式)、DXF形式(~2013形式)、およびJWW形式に限られます。
そのため、PDFファイルや画像ファイルなど他の形式のファイルを保存したい場合には、IJCAD Mobile以外のソフトウェアでDWG形式に変換し、その後で保存する必要があります。
IJCAD Mobileをマスターする方法
最後に、IJCAD Mobileの操作をマスターする方法について解説します。IJCAD Mobileを効果的に使いたい方もぜひ参考にしてください。
ヘルプセンターを利用する
IJCAD Mobileをマスターする方法は、ヘルプセンターの利用です。
ヘルプセンターでは、操作や機能に関する情報をはじめとして、メンテナンス・サブスクリプションや新旧ライセンス形式に関する知識、さらにはトラブルシューティングや製品別ガイド、開発・カスタマイズに至るまで幅広い情報が提供されています。
また、よくある質問や体験版に関する情報もチェックできるので、IJCAD Mobileの操作方法が分からないときやトラブル時にも活用できます。
セミナーを利用する
IJCAD Mobileをマスターする最も効果的な方法は、セミナーへの参加です。セミナーに参加することで、疑問点があれば直接講師に質問でき、初心者でもスムーズに理解が進みます。
Proskilllが提供する「IJCAD基礎セミナー」は、IJCADやAutoCADを初めて使う方でも受講できます。
このセミナーでは、図面の作成から編集まで幅広い内容をカバーし、基礎から応用操作までをわずか2日間で習得できるカリキュラムが好評です。セミナーの詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。
IJCADの基本的な操作方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
IJCAD Mobileについてまとめ
IJCAD Mobileは、ダウンロードすればすぐに使える手軽なアプリです。シンプルで見やすいインターフェースは、初心者でも迷わず操作できます。
IJCAD Mobileがあれば外出先でも簡単に図面作成や編集ができるので、「作業効率をアップしたい」というエンジニア、デザイナーの方はぜひ利用してみてください。
