IJCADは、国内で最も広く利用されているAutoCAD互換の2DCADソフトです。
AutoCADと同等の機能を備えながら、リーズナブルな価格で利用できるため、建築、機械、電気など幅広い業界の企業で採用されています。
しかし、初めて操作する際にはやや難しく感じるかもしれません。
そこで本記事では、IJCAD初心者向けに基本の使い方を分かりやすく解説します。
IJCADの概要
IJCADは、名古屋に本社を置くインテリジャパン株式会社が開発・販売する2次元汎用CADソフトウェアです。AutoCADとの高い互換性と低価格で使いやすいインターフェースで、建築・機械設計を中心に多方面の業種で採用されています。
IJCADは、1993年にアメリカで開発がスタートしたIntelliCAD(AutoCADと高い互換性を持つCAD)をベースに独自の改良を加え、2006年に「IJCAD 6」として製品化されました。
その後、導入実績が12.1万本に達し、現在は国内でトップのAutoCAD互換CADソフトとして確固たる地位を築いています。
豊富な機能
IJCADは、パラメトリック設計やクラウド連携、レンダリング、高速処理など、豊富な機能を備えたCADソフトです。AutoCADとの高い互換性により、コマンドラインやツールバー、リボンなどの操作もほぼ同様に行えます。
さらに、AutoCADにはない「Jw_cadの読み書き」機能もプラス。
これまで作成したJw_cadの図面をIJCADで読み書きできるため、データ移行の手間もかかりません。AutoCADやJw_cadから乗り換えを考えている方、高機能でリーズナブルなCADを求める方に最適です。
多彩なライセンス
IJCADは、利用形態に応じて選択できる幅広いライセンスを提供しています。
ライセンスの種類を以下に紹介します。
ライセンスの種類 | 対象ユーザー |
シングルライセンス | 1人で使用したい方 |
マルチライセンス | 複数のユーザーで使いたい企業 |
USBライセンス | オフライン環境で使用したい方 |
各ライセンスの料金は1年契約と1ヵ月契約の2種類です。
永久ライセンスを希望する場合は、直接メーカーに問い合わせてください。
IJCADのダウンロードを方法を知りたい方は、以下の記事に詳しい手順が記載されています。
多数の導入実績
IJCADは、国内での導入実績が12.1万本を突破し、アイリスオーヤマ、旭硝子、出光興産、IHI、大林組など、7,200社以上の企業や団体で利用されています。
これらの企業は、IJCADの信頼性と使いやすさを評価し、設計業務の効率化に役立てています。
充実のサポート体制
IJCADは、購入後も安心して利用できる充実のサポートが特長です。
例えば、契約期間内は最新版のIJCADを無料でダウンロードでき、セットアップに関する質問や問題は電話サポートで迅速に解決できます。
さらに、ヘルプセンターではFAQやチュートリアル、操作ガイドなどの情報を提供しており、Web上で手軽にサポートを受けることができます。
IJCADの基本的な使い方について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
IJCADの基本の使い方
それでは、IJCADの基本的な使い方について解説します。
豊富な機能を使いこなし効率的に作図するためにも、基本操作をきちんとマスターしておくことが大切です。
準備
まずは、新規図面の準備をしましょう。
新規図面の準備
新規図面の準備は、
- ヘッダーの「新規作成」をクリック
- テンプレートファイル「gcadiso.dwt」を開く
これで完了です。ちなみに、「gcadiso.dwt」は、IJCADで利用できるテンプレートファイルの1つで、ISO規格に基づいた図面作成に使用できます。
レイヤーの準備
続いて、レイヤーの準備をします。
- 「ホーム」内にある「画層プロパティ管理」を開く
- 新規画層を3つ作成し、それぞれに「通り芯」「躯体」「寸法」と名前を付ける
- 作成した画層一つひとつに色と線種を設定
- 通り芯の線種「CENTER」を選択
これでレイヤーの準備は完了です。
作図
ここでは、基本的な作図方法として、簡単な躯体図の描き方を説明します。
- 画層を「通り芯」に設定
- 任意の点を指定してサイズを入力
- 画層を「躯体」に切り替え、柱を任意の場所に配置
- 柱を通り芯の角に合わせたら、「move」⇒「矩形」を選択しEnterを押す
- 「Shift + 右クリック」⇒「図心スナップ」を選択し、矩形上にマウスを置く
- 「図心」と表示されたらクリックし移動先を指定
- 通り芯の左上でクリック
柱をコピー
次に、柱をコピーします。
- 「copy」⇒「柱」を選択し、Enterキーを押す
- 通り芯の左上に基点を設定
- 通り芯の四隅をクリックしコピー先を指定
外壁を描く
続いて、外壁を描きます。
- 「line」をクリックし柱の四隅を線分で結ぶ
- もう一方の壁を描き、「offset」⇒「オフセット距離」を選択
- 「250」を入力
- 先ほどの壁を選択
これでコピーができました。
最後に、「trim」を使用してトリミングし、躯体図の作成が完了です。
印刷
IJCADで図面をPDFファイルに印刷する手順は以下の通りです。
- 「print」と入力し印刷コマンドを実行
- 「プリンタ/プロッタ」から「DWG to PDF.pc3」を選択
- 印刷範囲は「オブジェクト範囲」を選択
- 印刷オフセットは「印刷の中心」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
これで完了です。
IJCAD初心者も安心!使い方を学ぶ方法
ここでは、初心者でも安心して使えるように、IJCADの使い方を学ぶ方法を紹介します。
自分のスキルや目的に合わせて、適した学習方法を選びましょう。
IJCAD講習を活用
IJCAD初心者におすすめの学習方法は、講習の利用です。
講習では、経験豊富な講師が丁寧にIJCADの基本から応用までを解説し、効率的な学習をサポートします。
実際に操作しながら学べるので、実務で役立つスキルが身に付きやすいのも特徴です。
IJCAD講習を選ぶときは、開催期間やカリキュラムの内容、特典や利用料金を考慮することが大切です。
ProSkilllが提供する「IJCAD基礎セミナー」は、わずか2日間でIJCADの基本から応用まで習得できます。オリジナル教材「IJCAD完全攻略セミナーガイド」を用いて、要点を確実に理解できるようにサポートしています。
セミナーの詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。
ヘルプセンターを活用
IJCAD初心者におすすめの学習方法は、ヘルプセンターの活用です。
ヘルプセンターには、IJCADの基本操作から応用的な機能まで、幅広い情報が掲載されています。
ヘルプセンターを利用する際には、まずIJCAD公式サイトにアクセスしましょう。
トップ画面上部の検索バーにある「ヘルプセンター」をクリックし、質問キーワードを入力したら目的の情報が表示されます。
例えば、「操作」というキーワードを入力すると、複数の検索結果が表示されます。
よくある質問も豊富に掲載されているので、分からない点があれば、まずヘルプセンターで検索してみてください。
トレーニング動画・便利機能動画を活用
IJCAD初心者におすすめの学習方法は、トレーニング動画・便利機能動画の活用です。
動画では、初心者ユーザーを対象に、IJCADの機能や操作をわかりやすく解説しています。
トレーニング動画・便利機能動画は、YouTube・IJCAD公式チャンネルで公開されています。
試聴の際には、自分に適した内容やレベルの動画を選ぶようにしましょう。
初心者向けのIJCAD使い方まとめ
この記事では、AutoCADと高い互換性を誇るIJCADの基本的な使い方を、初心者にも分かりやすいように3つのステップに分けて解説しました。
「IJCADを使ったことがない」「リーズナブルなCADソフトを探している」という方は、ぜひ本記事で紹介した手順を参考に、実際に作図に取り組んでみましょう。
まずは基本操作をマスターし、徐々に複雑な図面にチャレンジすることが大切です。