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iCADとSolidworksを徹底比較

3DCADにはさまざまな種類のソフトウェアが登場していますが、あまり3DCADの経験がない人でも使いやすいと評判の高いソフトがiCADとSolidworksです。
今回は、iCADとSolidworksそれぞれの特徴やメリット・デメリット、値段などについて比較しました。

iCADとSolidworksを比較

富士通株式会社が提供しているiCADは、

  • 電気、制御設計などのたくさんのパーツを使用した機械設備などの設計を得意とするiCAD-SX
  • 2Dと3D図面を同時に表示して編集することが可能なiCAD-MX

に分かれています。
この2種類はどちらもiCADと同じ名前がついていますが、特徴が大きく異なるので用途に合わせて選択することをおすすめします。

ソリッドワークス社のSolidworksは、ミドルレンジ3DCADの先駆けとして話題となった3D設計ツールです。
心臓部はパラソリッド社製のため、中間ファイルに変換する時に同じ心臓部を採用しているソフトウェアと相性が良いと言われています。
2014年には累計販売数が250万本を突破するなど、長年数多くのユーザーや企業に愛されているソフトウェアです。
Solidworksは、今でも意欲的なシステム開発が進んでいて毎年多くの機能がアップデートされています。

iCADとSolidworksの値段の比較

iCADは2種類あるため、それぞれ値段が異なります。
iCAD-SXの値段は約140万円、iCAD-MがX約120万円です。

一方、Solidworksの値段は、98.5万円〜159万円が目安となっています。
iCAD、Solidworksどちらも年間ライセンス料は発生しないので、永年ライセンス料の値段となっています。
販売店によって多少の差があるので、できるだけ安く購入したい場合は、複数の販売店の値段を比較してから購入することをおすすめします。

iCADとSolidworksの特徴

iCADとSolidworksの特徴

それではiCADとSolidworksの特徴を比較していきます。

iCADの特徴

iCADには2種類あり、それぞれ特徴が大きく異なります。

iCAD-SXの特徴

iCAD-SXの一番の特徴は、高速エンジンが搭載されていることです。
大規模な生産設備や機械などを設計するときには、パーツの数が多くなり、構造が複雑化します。
大規模な設計をする場合ソフトウェアの動作が重くなってしまいますが、iCAD-SXには100万個ものパーツの組立てをわずか0.2秒で処理することができる高速エンジンが搭載されているので、どんなに大規模の設計でも動作が重くなることはありません。
また、従来メカ設計と電気・制御系統の設計は別に行なわていましたが、iCAD-SXではこれらの設計を同一システムで管理することによって設計情報の一元化が可能となっています。
データ連携がスムーズに行われるので、大規模な装置の設計もより従来よりスムーズに行えます。

iCAD-MXの特徴

iCAD-MXは、2Dと3Dモデルの図面を同時に表示・編集することができるのが特徴です。
2Dだけの図面では細かい部分がわかりにくいということもありますが、iCAD-MXを使用すると全体、または部分的に3D表示にして編集できるので、設計の調整がしやすくなります。
また、設計データを移行したりファイル変換する時には様々な問題が起きることがありますが、MICROCADAMとの互換性が優れているのでスムーズに変換することができます。

Solidworksの特徴

Solidworksは、フィーチャーと呼ばれる機能を使用して2Dで描いた設計図を元に3D図面を設計していくことが特徴です。
フィーチャーには、回転やカット、押し出し、面取りなどの機能があり、それらを使用して設計していきます。
またサーフェスにより複雑な曲線のある構造物の設計に強いうえ、板金や溶接、サーフェス、金型設計、配線・配管などそれぞれの分野ごとに特化したツールがついているので、建築や機械工学など様々な分野で使用できます。
幅広いジャンルの設計をカバーできるため、導入している企業が非常に多いソフトウェアです。
設計業務は日々膨大なデータが貯まっていきますが、Solidworksでは詳細情報や属性情報などをプロパティごとにまとめて一元管理できます。
蓄積されたデータをスッキリと整理できるので、チーム内でのデータ共有もスムーズに行うことができます。
デザイン設計からデータ管理、解析ツールまで業務のほとんどをこなすことができるのも特徴です。

iCADとSolidworksのメリット・デメリット

iCADとSolidworksのメリット・デメリット

そんな双方ですが、メリットとデメリットはあるのでしょうか。

iCADのメリット

iCAD-SXのメリット

iCAD-SXの一番のメリットは、部品数が多くても動きが重くならず、動作がサクサク動くところです。
設計するデザインの使用パーツが少ないと動作性違いはそこまで気にならないかもしれませんが、設計するものによってはパーツが膨大な量となり動作が重くなります。
この場合使い物にならず、設計作業に支障をきたしてしまうので、パーツ数が多い構造物を設計したい場合にはiCAD-SXがおすすめです。
また、使用するパソコンの動作スペックが低くても問題ないことも大きなメリットです。
初めてソフトウェアを導入する人や企業にとって、今のパソコン環境で問題なく動作するかは大きな問題です。
導入時にパソコン環境を整えると大きな費用がかかり、設計者や企業の負担が大きくなります。
しかしiCAD-SXは、ローエンドモデルであっても問題なく動作するので現在の環境のまま導入することができます。

iCAD-MXのメリット

iCAD-MXの一番のメリットは、2Dから3Dへの移行が簡単なことです。
3Dは、車のボディーやロボットなどの複雑な曲線を多用したデザインをより確実に再現することができます。
組み立て図の手間が減ったり、2D図面で判断が難しい部分も目で見てしっかりと判断することができます。
また、MICRO CADAMとの親和性が高く、移行がスムーズに行えることです。
設計したデータの構成や保管方法などは企業によって異なります。
線種を変更したい場合やデータを出力するフォルダの設定変更をしたい場合など、環境設定ユーティリティで簡単に仕様変更することができます。

iCADのデメリット

共通のデメリットとして、他のソフトウェアと異なり、市販の教本が出回っていないことがあります。
何かわからない操作があったときに書籍で調べることが難しいため、ICAD起動後のヘルプやマニュアル画面を参考しましょう。

Solidworksのメリット

Solidworksのメリットは、Windowsに準拠しているため、Windowsソフトと同じような感覚でコマンド実行できることがメリットです。
リボン形式のツールバーやメニュー画面など、画面表示が普段から見慣れているものに近いので導入したてでも違和感なく作業をすることができます。
また、Solidworksは、複雑な部品を作成するのが得意です。
実は3D-CADの中には履歴が残らないソフトウェアもありますが、Solidworksは部品を作成していく過程が履歴として残るので、履歴から変更したい部分に戻って途中編集することもできます。
途中編集した場合は、関連する部分がすべて連動して変更されるので、手間なくデザインの修正作業を行う事が可能です。
さらに、Excelと連携可能なのも大きなメリットです。
設計後の部品管理やデータベースの管理が容易に行えることで、作業効率がアップします。

Solidworksのデメリット

2Dデータが重たいことです。
動作の重い状態を解消するには、すこしづつ切り分けて使用するかDXFやDWGなどの2DCADを導入することが必要となります。
また、Solidworksではサービスパックや、NewsGroupなどのサポートが基本的に有償となるので注意しましょう。

それぞれの特徴を把握してソフトの検討を行いましょう!

iCADとSolidworkのどちらを導入したらいいか悩んだとき、たくさんパーツがある構造物を設計したい場合には高速ドライブが搭載されたiCAD-SX、2Dと3D図面を同時に表示・編集したい場合はiCAD-MX、複雑なデザインをしたい、かつExcelを使用して部品管理などを行いたい場合はSolidworkがおすすめです。
使用環境や用途などをよく考えた上で検討を進めることをおすすめします。

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