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大規模アセンブリに特化した3DCADまとめ

建築や製造業などの「ものづくり」の場面において欠かせないCAD。今は3DCADが主流となっていますが、大規模アセンブリを取り扱う産業は限定的である為、適した3DCADも少なくなっています。そこで今回は、大規模アセンブリに適した3DCAD3点をご紹介します。

大規模アセンブリとは

大規模アセンブリの意味を伝える前に、先ずアセンブリという言葉の意味について記載します。

アセンブリの意味

「アセンブリ」とは、英語で「集会」「議会」「組み立て品」という意味を持っています。アセンブリの語源はラテン語で、本来「部品などを集めて組み立てること」という意味合いを持った言葉です。アセンブリは学校や議会、医療やバイオテクノロジー、プログラミングなどあらゆる分野で用いられる言葉ですが、製造業界では「組み立て品」という意味で用いられています。ちなみに製造業界では「組み立て部品」は「パート」と呼び、「パート」を組み立てたものを「アセンブリ」と呼んでいます。

「アセンブリ」をさらに組み立てていった構成部品の事を「サブアセンブリ」、最終的に仕上がった状態をイメージした組み立て品の事を「トップアセンブリ」と言います。

大規模アセンブリとは

大規模アセンブリとは、アセンブリが多数連結した大規模な設計のことです。例えばアセンブリやパーツが何点以上からは大規模アセンブリである、という明確な定義はありませんが、一般的には3000~5000個のオカレンスと1000~2000個のパーツで構成されている設計であれば大規模アセンブリと定義されています。3DCADの設計でいうオカレンスとは、パーツを構成する個々の部品のことです。

大規模アセンブリは大規模の設計であるために、iCADで作業を行うときにタスクの実行速度に悪影響を及ぼします。例えばモデルベースにおいては、コンポーネントのオカレンス数やジオメトリの複雑さ、サプライ チェーンのソース及びビジネス パートナーからの大量のデータなどが悪影響を及ぼす理由として挙げられます。

大規模アセンブリの使い方

大規模アセンブリの使い方としては、最適化することが重要です。情報量の多い大規模アセンブリは形状が複雑であり、かつ部品点数も多くなってきます。そのため大規模アセンブリであればあるほどデータの読み込みや再構築に多くの時間を要してしまうのです。そのため大規模アセンブリである場合、効率的に作業を進めるには読み込みや部品を制限しながら作業を行うことが大切であるといえます。タスクの実行速度が遅くならないこと、そして実務レベルでしっかりと使えること。この2点が大規模アセンブリでの設計においては重要となってくるのです。

iCADでの大規模アセンブリのやり方

iCADは高速処理が特徴のソフトです。iCADは高速3次元CADエンジンを搭載しているため、その速度は100万部品を0.2秒で処理する事ができます。その為部品点数の多い大規模アセンブリの設計には、非常に向いているソフトであると言えるでしょう。

一般的な3次元CADにおいては一回で表示できるのが数100部品である場合が多いので、3次元CADとDMUを使い分けなければいけません。しかしiCADは一般的な3次元CADの100倍を超えるデータを取り扱う事ができることから、1つのツールですべての工程に対応する事ができるのです。40万部品における設備ラインにおいても、モデルの作成および編集までわずか0.2秒という高速反応が可能なソフトです。

このように40万部品におよぶ大規模アセンブリデータまでもスピード処理できるiCADは、その機能を使えば部品の読み込みを制限するなどの最適化を行わなくてもスムーズな作業を行う事ができるのです。

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Inventorでの大規模アセンブリのやり方

Inventorでの大規模アセンブリの定義は、一意のパーツの数が1000個を超える場合を指します。Inventorでの大規模アセンブリの最適化は、まずマシンに搭載するRAMの容量を増やすということです。一意のパーツの数が1000個を超えるなら、24GB以上のRAMが良いでしょう。一意のパーツの数が7000個程度の場合であれば、64GBのRAMが推奨されています。

マザーボードに関しては、製造元が同じであるチップセットを搭載したマザーボードを利用してください。この際にはIntelもしくはAMDのチップセットのマザーボードを使用しましょう。他の製造元のチップセットを利用すると、AGPインタフェースの実装に起因するために動作が不安定になるかもしれません。

グラフィックスカードは2GB以上のビデオRAMを搭載したカードを使用すると、より優れたパフォーマンスが期待できます。またハードディスクドライブとしては、アセンブリの開閉時間を大幅に短縮できるソリッドステートのドライブを利用することが推奨されています。

Inventorに搭載されている簡易モードを利用すると、ファイルを開く時間を大幅に短縮することが可能です。モデル表示と関連するデータのみをダウンロードすれば利用することができます。大規模アセンブリを取り扱いするときには、効果的なパフォーマンスを行う簡易モードが適していると言えるでしょう。

Solidworksでの大規模アセンブリのやり方

Solidworksを使用する時は、求める操作とパフォーマンスに応じて切り替えながら作業を行います。アセンブリを開く際には完全に開く解除モード、もしくはモデルデータの1部のみを読み込むライトウエイト、データの1部のみを読み込みオプションを最適化した大規模アセンブリモード、表示情報のみで開く大規模デザインレビューがあります。モードを制御しながらアセンブリ全体の読み込む情報量を制御しながら使用します。

Solidworksでの大規模アセンブリのやり方は、大規模アセンブリモードを使用することです。大規模アセンブリモードを使用するとアセンブリのパフォーマンスが大幅に向上します。さらに構成部品数のしきい値を設定する事ができるので、しきい値に達したときにはアセンブリが自動で大規模アセンブリモードとして開くようになるのです。

具体的には、構成部品(パーツ)が事前に指定したしきい値を超えたとき、モードが開きダイアログボックスで大規模アセンブリモードに設定されるという流れです。Solidworksでの大規模アセンブリモードをオン・オフに切り替える方法は、アセンブリツールバーにある大規模アセンブリモードを開いてもクリックすればオンになります。もしくはツールの中にある大規模アセンブリモードを開いてオンにすることも可能です。大規模アセンブリモードがオンになると、ステータスバーに大規模アセンブリモードが表示されます。そして自動的に次のオプションに設定され、ツールバーでは使用不可の設定となります。

Solidworksでは、大規模アセンブリの作業に必要なユニットのみが読み込まれるようにするために、コンフィギュレーションを作成しておけば最小限の構成でアセンブリを開く事ができます。そのほかにも、アセンブリでパフォーマンスの影響度が大きいファイスを検出することや、部品やアセンブリの形状を簡略化することなども可能です。

大規模アセンブリは対応可能なソフトが少ない

大規模アセンブリは対応可能なソフトが少ないことが特徴であると言えます。部品点数が多い大規模アセンブリを最適化するためには、情報量を制限しなくてはいけません。しかし高速処理が可能なiCADに関しては、情報量を制限しなくてもスムーズな作業が期待できます。

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