数式を参照しているセルにデータがない場合、結果として表示される「0」は、場面によって必要ないことも多いでしょう。
これを避けるには、データが入力されていない場合には、0を非表示にする必要があります。
本記事で、エクセルで不要な0を表示しない方法について確認していきましょう。
エクセルで0を表示したくないのはどのような場面?
エクセルで0を表示したくないのは、表内のセルに数式が入っているが、参照するセルにデータが未入力の場面です。データが入っていない場合、数式の結果は空白ではなく0が出力されるので、表全体の見栄えが悪くなってしまいます。
特に、大規模な表の場合は、あらかじめすべてのセルに数式を入力しておくケースも多いでしょう。
このような場合、0を表示しないことで、表がすっきりし、全体が見やすくなります。
また、0ではなく非表示にすることで、データが欠けている箇所と入力済みの箇所の区別もしやすくなります。
エクセルのオプションを変更して0を表示しない方法
エクセルのオプションを変更して、シート全体に0を表示しないように設定する方法です。
- ファイルタブから左下にある「その他」から「オプション」をクリックする
- 「詳細設定」をクリックする
- 「次のシートで作業するときの表示設定」から「ゼロ値のセルにゼロを表示する」についているチェックを外す
- OKボタンをクリックして編集を確定する
オプションの変更なら、複雑な操作の必要はありませんが、シート全体に0を表示しない効果が適用される点には注意しなければいけません。
そのため、既存の0や後から追加する、必要な0まで消えてしまいます。
あくまで、シート内の0がすべて必要ない場合にのみオプションから設定するようにしましょう。
エクセルで文字色を白にして0を表示しない方法
文字色を白にしてセルの背景と同化させることで、0を表示しない方法です。
- 0を表示したくないセルをすべて選択する
- ホームタブの「フォント」グループから「フォントの色」の右側にある下向き三角形をクリックする
- テーマの色を「白」に変更する
この方法では、動的に表示・表示を切り替えられないため、表示させたい場合は、都度フォントの色を変更する必要があります。
しかし、操作自体は簡単なので、手軽に0を表示しないようにできます。
条件付き書式で動的にフォントの色を変える方法
単純にフォントの色を変えるのではなく、セルの結果が0のときのみにフォントの色を変えて0を表示しない方法です。
-
- 0を表示しないセルを選択する
- ホームタブの「条件付き書式」をクリックする
- 「セルの強調表示ルール」から「指定の値に等しい」を選択する
- 左側のボックスに「0」を入力する
- 右側の「書式」の下向き三角形をクリックして「ユーザー設定の書式」を選択する
- 「セルの書式設定」のダイアログボックスが開いたら、フォントタブを選択する
- 「色」のメニューから「白」を選択して「OK」ボタンで編集を確定する
条件によって色を変えるか決められるため、0以外の数値が入ったら自動的に元の色に戻って数値が表示されます。
エクセルのユーザー定義で0を表示しない方法
表示形式を独自のものに変更できるユーザー定義を使って、0を表示しない方法です。
- 0を表示しないセルをドラッグで範囲選択する
- ホームタブの「数値」グループの右下にある矢印のアイコンをクリックする
- ダイアログボックスが開いたら、表示形式タブの「分類」を「ユーザー定義」に変更する
- 「種類」のボックスに「#」を入力する
- OKボタンをクリックする
「#」に変更することで、0のみ表示しないようにできます。ただし、この方法では数値のカンマを指定した際に0が表示されてしまいます。
カンマをつけても0を表示したくない場合は、「種類」のボックスに「#,###」と入力しましょう。
ユーザー定義のそのほかの使い道
ユーザー定義は、数字に単位をつけたり、日付の表示形式を変えたりする際によく使われます。数値や日付によく使われる書式記号は、以下の表のとおりです。
書式記号 | 説明 | |
数値 | # | 1桁の数字を表す。0は表示されない。 |
0 | 1桁の数字を表す。データがない場合は、指定した桁数だけ0を表示する。 | |
? | 値が0の場合にスペースを空ける。 | |
日付 | y | 西暦の1桁を表す。 |
m | 月の1桁を表す。 | |
d | 日の1桁を表す。 | |
g | 元号を表す。 | |
e | 和暦の年を表す。 |
これらの書式記号を使うことで、自由な表示形式を指定できます。
エクセルの関数で0を表示しない方法
IF関数を使って、結果が0の場合は空白を、それ以外の場合は計算結果を表示させる方法です。
- 0を表示しないセルを選択する
- 「=IF(SUM(」と入力する
- 合計を計算したいセルをドラッグで選択する
- 「)=0,””,SUM(」と入力する
- 手順③で選択した範囲をドラッグで選択する
- 「))」と入力する
- Enterキーで確定する
- オートフィルですべてのセルに適用する
関数を使うことで、柔軟に表示の制御ができます。
また、IF関数とSUM関数を組み合わせた関数として、SUMIF関数があります。SUMIF関数は、指定した条件に合う数値の合計を計算してセルに出力する関数です。
以下の記事で、SUMIF関数の使い方について解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
IF関数とは
IF関数は条件に基づいて、結果が真の場合と偽の場合で、出力結果を分岐させる関数です。
IF関数には3つの引数を設定でき、左から「論理式」「真の場合の値」「偽の場合の値」を指定します。
論理式でよく使う記号は以下のとおりです。
- =:等しい
- >:より大きい
- <:より小さい
- >=:以上
- <=:以下
- <>:一致しない
例えば、「=IF(C3>=80,”合格”,”不合格”)」のような式の場合、C3セルに80以上の数値が入っていれば「合格」、それ以下であれば「不合格」と出力できます。
また、IF関数のように条件に基づいて結果を分岐させられる関数として、COUNTIF関数があります。COUNTIF関数は、指定した範囲内で条件を満たすセルの数を数える関数です。
以下の記事でCOUNTIF関数の使い方について解説しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルの基礎やマクロを学ぶなら
エクセルで0を表示しないためには、ユーザー定義や関数など、さまざまな機能を使う必要があります。
Excel基礎セミナー講習では、これらのエクセルで使ううえで覚えておきたい必須機能について学べます。
講座を受講することで、実務で使うスキルを重点的に学べるため、エクセルを使う仕事をしている方におすすめです。
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エクセルで先頭の0が消えてしまう原因
エクセルでは「01」のように、先頭に0がついていると0が消えて、セルには「1」のみが表示されます。
この現象を防ぐためには、以下2つの方法を試してみてください。
- 先頭に「’(シングルクォーテーション)」をつける
- セルの表示形式を「文字列」に変換する
これらの対処法について見ていきましょう。
対処法①先頭に「’(シングルクォーテーション)」をつける
セルの先頭に「’(シングルクォーテーション)」を入力してから数値を入力すると、先頭の0も表示されるようになります。
これは、シングルクォーテーションによって、数値が文字列として認識されるためです。シングルクォーテーションは、Shift+7キーで入力できます。
対処法②セルの表示形式を「文字列」に変換する
セルの表示形式を数値ではなく文字列に変換すると、0も一つの文字として表示されるようになります。
表示形式は、セルを選択した状態でホームタブの「数値」グループにあるボックスから変更可能です。
もしくは、セルを選択した状態で右クリックして、表示されるメニューから「セルの書式設定」を選択します。
続いて、表示形式タブの「分類」を「文字列」に変更することでも、文字列の変更はできます。
エクセルで計算がうまくできない原因
エクセルで計算をしても、結果がうまく反映されない場合は、以下の原因が考えられます。
- 数式に「=」が抜けている
- 参照方式が間違っている
- 表示形式が文字列になっている
これらの原因について見ていきましょう。
原因①数式に「=」が抜けている
エクセルでは計算を行う際、必ず数式の最初に「=」を入力する必要があります。
「=」がない場合、数式として認識されず、ただの文字列として扱われてしまうため、計算ができません。
例として、セルに「A1 + B1」と入力しただけでは、エクセルは単なる文字列として表示しますが、「=A1 + B1」と入力すると、A1とB1の値を足し合わせた結果が表示されます。
また、普通の計算式のように後ろに「=」をつけてしまうのもよくあるミスなので注意しましょう。
原因②参照方式が間違っている
セルを参照する際、参照方式が適切に設定されていないと、意図しないセルを参照してしまい、計算結果が正しく表示されません。
エクセルの参照方式には絶対参照、相対参照、複合参照の3つがあります。それぞれの参照方式の特徴は、以下の表のとおりです。
参照方式 | 特徴 |
絶対参照 | セルの位置を固定して参照する方式。 |
相対参照 | セルの位置がコピーや移動に応じて変化する方式。 |
複合参照 | 列や行のどちらかだけを固定する方式。 |
特に、オートフィルで計算式をコピーして使用する際は、参照方式が間違っていないかしっかり確認しておきましょう。
原因③表示形式が文字列になっている
セルの表示形式が「文字列」になっていると、数値ではなく文字列として扱われるため計算が行われません。
この場合、セルの表示形式を「標準」や「数値」に変更する必要があります。
セルの表示形式は、ホームタブの「数値」グループにあるボックスから変更できます。
該当するセルを選択し、数値ボックスのドロップダウンメニューから「標準」や「数値」を選ぶことで、データが数値として処理されるようになります。
エクセルで0を表示しない方法のまとめ
今回は、エクセルで0を表示しない方法について紹介しました。データが未入力の場合に数式の結果で0が出てしまうと見栄えが悪くなってしまいます。
エクセルのオプションや文字色の変更、関数の使用など、さまざまな方法で0は表示しないようにできます。状況に応じて最適な方法を選びましょう。
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