DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める際には、なんとなくでITツールを導入するのはNGです。正しいDX導入の知識がなければ、導入後に正しい効果を生み出せません。
そこでこの記事では、DX導入の成功に欠かせない学習方法として、DX導入講習の魅力についてわかりやすくまとめました。現場の課題に寄り添った選び方に欠かせないポイントも解説しているので、計画的なDX導入の参考にしてみてください。
DXの導入講習とは?
DXの導入講習とは、企業や自治体がデジタル変革(DX)を実現するために、必要なスキルや考え方を、段階的かつ体系的に学べる講習のことです。たとえば、導入講習のなかで次のような知識を身につけられます。
- 自社の抱える現状の課題を抽出する方法
- 導入すべきITツールなどの選定方法
- 最新のITツールやDXのトレンド
また、導入講習の種類によって、学べる内容や深さが違います。
豊富な講習が開催されているため、ぜひ後述するおすすめの講習や選び方の情報をもとに、最初の講習を選定してみてください。
なお、DXの基礎から学習したい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
講座・セミナーとの違い
DX導入講習は、単発のセミナーや知識習得型の講座とは異なり、継続的かつ実践重視のカリキュラムが組まれています。以下に具体的な違いを整理しました。
セミナー | 講座 | 導入講習 | |
---|---|---|---|
主な目的 | ・概要の理解 ・啓発 |
・知識の付与 ・理論習得 |
・実践支援 ・社内定着 |
期間 | 数時間〜1日 | 数日〜数週間 | 数週間〜数カ月 |
形式 | オンライン・会場 | テキスト+動画 | eラーニング+演習 |
対象 | DX初心者・役員 | 現場社員 | DX推進リーダー+全社 |
導入講習は、セミナーや講座と比べて規模が大きいのが主な違いです。
DXに関する行動を起こすための実務に直結した導入講習ですので、本格的なDX化を目指している方や企業・自治体におすすめします。
短期間で学べるセミナーに興味をおもちの方は、以下の記事もチェックしてみてください。
DXの導入講習の形式や種類一覧
DX導入講習は、企業や自治体の環境・目的に応じて、さまざまな形式が提供されています。
大きく分けると、eラーニング型、オンライン講習型、そしてハンズオン(対面)型の3種類があり、それぞれ次のように、特長と活用シーンが違います。
特徴 | 向いている企業・自治体 | 主なメリット | |
---|---|---|---|
eラーニング型 | 動画視聴やクイズ形式で自己学習 | ・忙しい現場 ・リモート推進 |
・スキマ時間を活用 ・反復学習が可能 |
オンライン講習型 | Zoom等で講師がリアルタイム指導 | ・拠点が複数ある企業 | ・移動コストの削減 ・受講しやすさ |
ハンズオン・会場型 | 対面で演習を交えた実践型 | ・DX初導入で不安が多い組織 | ・実技中心の学習 ・組織連携の強化 |
近年では、複数の講習をハイブリッドし、基礎をeラーニングで学び、応用はハンズオン講習で詳しく実践するといった段階的な動き方をする企業・自治体も増えてきています。
DXの導入講習で学べる内容一覧
DXの導入講習では、単なるツールの使い方だけでなく「DXを組織全体にどう定着させるか」という視点など、DXに役立つ幅広い内容を学べます。以下に主な学習内容をまとめました。
- 基礎
- ITリテラシー
- 業務改善
- データ活用
- マネジメント
- 実践演習
DX導入講習は、単なるIT知識だけでなく、実務でDXに取り組むための「考え方・設計力・巻き込み力」まで体系的に学べます。
「知識はあるけれど、次のアクションを起こせない」という状況に陥らないための施策がしっかりと盛り込まれているため、確実な目標達成を目指す企業や自治体におすすめの学習スタイルです。
DXの導入講習おすすめ3選
自分でDXの導入講座を探せないという方向けに、実践的なスキルが身につくおすすめの講座を3つ紹介します。
セミナー名称 | おすすめの人 |
---|---|
DX完全攻略ハンズオンセミナー | eラーニングとして自社のタイミングで学習したい |
(半日研修)DX推進研修~5ステップで今日から始める | 短期間でDX導入講習を終えたい |
DX人材育成ソリューション(DX研修) | 効果測定までサポートを受けたい |
DX完全攻略ハンズオンセミナー|eラーニング対応
DX完全攻略ハンズオンセミナーは、eラーニング教材を用いながら、DXの基礎はもちろん知識・実践的なスキルを体系的に習得できるセミナーです。
レベルに合わせて、複数の教材を用いながらDX導入について学習できます。
スキマ時間を使ってDXのスキルが身についていくため「短期間で導入知識を学びたい」「講習に参加する時間がない」という企業・自治体におすすめです。
セミナー名 | DX完全攻略ハンズオンセミナー |
---|---|
運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
価格(税込) | 35,200円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | eラーニング |
DX推進研修~5ステップで今日から始める|当日で学習完了

「DX推進研修~5ステップで今日から始める」は、1日でDXの基礎学習や活用事例の学習ができる基礎固めの導入講習です。
DXの担当者として何から始めたらいいのかわからない、という悩みを解決するカリキュラムになっており、ITツール導入や仕組みの構築といった推進のためのポイントについても学べます。
DX人材育成ソリューション(DX研修)|効果測定あり

「DX人材育成ソリューション」は、DX人材の育成設計から教育の導入・効果測定までワンストップでサポートしてもらえる講習です。
ビジネスアーキテクト、データサイエンティスト、サイバーセキュリティなど、用途に合わせた実践的な講習が準備されており、最終的な企画立案までを体系的に学べます。
DXの導入講習の費用を抑える方法
DXの導入講習のなかには無料のものも見つかりますが、本格的なDX推進を目指すのであれば情報が濃い有料の講習を選ぶべきです。しかし、高額な講習も多く、予算的に厳しいと悩む方も多いでしょう。
そこで本項では、DXの導入講習の費用を抑える方法についてまとめました。
すぐに実践できるものもあるので、各項目をチェックしてみてください。
- 講習のカリキュラムや料金を比較する
- 補助金・助成金を活用する
導入講習のカリキュラムや料金を比較する
カリキュラムと料金の比較を行えば、どの導入講習の費用対効果が高いのかを検討しやすくなります。
たとえば、講習を比較しないまま申し込むと「思っていた内容と違う」「追加料金が発生した」などのトラブルにもなりかねません。
一方で、実際の内容や学べる深さ、受講期間、サポート体制などを比較しておけば、上記のトラブルを避けられるほか、費用を抑えつつも高品質な学習・実践に役立つものを見つけやすくなります。
補助金・助成金を活用する
提供されている購入の費用を抑えたいなら、国や自治体が実施している次のような補助金・助成金制度を活用しましょう。
- 人材開発支援助成金(厚生労働省)
- デジタル人材育成支援事業(経済産業省)
- IT導入補助金(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
制度をうまく活用すれば、実質的に無料〜1万円台で講習を受けられるケースもあります。
講習の提供元によっては、申請のサポートを受けられる場合もあるため、まずは対象条件を確認してみましょう。
DXの導入講習の受講前後の流れ
DX導入講習は、ただ「受講して終わり」ではなく、受講後の動きまでしっかりと計画して行動を起こすことが重要です。以下に、講習選びから受講後の定着支援までの流れをわかりやすくまとめました。
動き方 | 確認ポイント | |
---|---|---|
STEP1 課題の明確化 |
自社のDX課題を整理する | ・DXで取り組みたい業務は? ・対象となる人材層は? |
STEP2 講習の選定 |
形式・内容・価格を比較する | ・助成金は活用できる? ・具体的なカリキュラムは? |
STEP3 社内調整 |
日程・対象者・工数を確保する | ・上司の合意を得たか? ・人事やIT部門との連携を取ったか? |
STEP4 申し込み |
オンライン・電話・書類で申し込む | ・講習ページの申込方法を確認したか? |
STEP5 受講準備 |
デバイスや教材を確認する | ・eラーニングやオンラインで事前ログインをしてみたか? |
STEP6 講習受講 |
自社に該当する項目をメモする 演習に積極的に参加する |
・わからない点を質問したか? ・資料は保存したか? |
STEP7 振り返り・実務応用 |
学びをチームや業務に展開する | ・受講報告書を提出したか? ・改善案の共有を行ったか? |
講習は「受けること」がゴールではありません。
学びを業務に落とし込み、組織全体が変革に動き出すまでを見据えた準備と運用が、DXの推進に不可欠です。
DXの導入講習の失敗しない選び方
DXの導入講習の数は年々増えつづけているため「どれを選べばいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、選んだあとの失敗を避けるために欠かせない導入講習選びのポイントを3つ紹介します。
- 無料の導入講習を受講して全体像を把握する
- 受講者の感想・評判を参考にして選ぶ
- 社内DX人材の育成につながるのかを判断する
無料の導入講習を受講して全体像を把握する
まずは、いきなり高額な講習を申し込むのではなく、無料で受講できる講習から試してみましょう。
無料講習の多くは基礎的な内容ですが「どこまで自社に必要か」「誰が受けるべきか」の判断材料になります。
参加するハードルが低いため、情報収集もかねて無料のものから利用してみるのがおすすめです。
受講者の感想・評判を参考にして選ぶ
DX導入講習を選ぶ際には、受講者の声を確認することが重要です。
講習サイトに掲載されている情報は、そのサービスをおすすめする「広告的な内容」に偏ることもよくありますが、口コミや感想なら、個人の意見として公式サイトからは見えてこない実情を知ることができます。
公式サイトに掲載された口コミのほか、GoogleレビューやSNSなどを通じて感想をチェックできるので、比較検討をする際には感想や評判にも目を向けてみてください。
社内DX人材の育成につながるのかを判断する
講習を選ぶ際には、カリキュラムやサポートの内容が、単なる知識習得に終わらず、次のように現場の行動変容・社内変革につながる内容かを見極めましょう。
- 受講者の役割(現場向け・マネジメント向け)に応じた内容か
- フォローアップ資料や課題があるか
- 終了後の社内展開サポートが明記されているか
DX推進の成功・失敗は「社内に継続的に動くDX人材が育つかどうか」にかかっています。
講習後のフォローアップや社内展開支援の有無が重要な判断軸となるため、講習で学ぶ内容が社内でのDX推進につながるのかをチェックしましょう。
DXの導入講習についてまとめ
DXは、単なるIT導入ではなく業務や組織、人材などをまとめて変革するため、DX導入に関する基礎知識だけでなく、実践・継続支援が盛り込まれた講習を受講し、知識やスキルを身につけることが欠かせません。
豊富な講習が提供されているため、形式や価格、カリキュラム、サポートなど、広い視点で比較を実施し、受講後のアクションにつながる最適な講習を探してみてください。
