小売業やサービス業をはじめ、製造業や建築業など、多くの企業で導入されているデジタルマーケティング。デジタル時代に必須の集客方法ですが、その複雑な戦略や手法に迷う方もいるでしょう。
この記事では、デジタルマーケティングにおすすめの資格を13選ご紹介します。おすすめの学習方法もお伝えするので、デジタルマーケターを目指す方はぜひ参考にしてください。
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、デジタル技術と膨大なデータの力を組み合わせたマーケティング手法のことです。
現代社会は、スマホやインターネットの普及により、個人のあらゆる行動(検索、購入、視聴履歴など)がデータ化されています。このデータを活用し、お客様一人ひとりに合わせたアプローチで、顧客体験を最大化する仕組みがデジタルマーケティングです。
デジタルマーケティングの仕事内容
デジタルマーケティングの仕事は、企業が成長するために「売れる仕組みをデジタルで構築・運用する」ことです。Webサイト、SNS、ネット広告といったWeb上の活動(Webマーケティング)だけでなく、デジタル技術を使う全てがその領域です。
では、デジタルマーケティングの、Web施策以外の業務を見てみましょう。
| 仕事の項目 | 主な内容 |
| データ分析と育成(CRM) | 顧客データなどを分析し、顧客から支持される関係づくりを構築 |
| 業務の効率化(MA) | マーケティング活動の一部を自動化し、人的コストを削減 |
| オンラインとオフラインの融合 | アプリなどを使い、実店舗での体験とデジタル体験をつなぐ |
このように、デジタルマーケティングは、製造業や建築業においても、Webサイトの改善による集客率向上、SNSの炎上リスク管理などのWeb施策をはじめ、IoTセンサーデータの分析やAIチャットボット導入による顧客満足度向上まで幅広くカバーします。
デジタルマーケティングに向いている人
デジタルマーケティングの分野では、以下のような人が向いています。
- 顧客の感情を深く理解し、真の悩みを見抜ける
- データから真の原因を論理的に見抜ける
- 新しい技術を貪欲に学び、変化にすぐ対応できる
- 膨大な数字の分析に強く、効果測定を確実に実行できる
- 指示待ちでなく、自ら考えて積極的に行動できる
- チームをまとめ、協調性をもって推進できる
- 状況に応じて最適な優先順位を即座に判断できる
例えば、製造業での歩留まり率の改善提案や、建築業での工期短縮に向けたデータ活用など、具体的な課題解決に貢献できる人はデジタルマーケティングに適しているといえるでしょう。
スキルアップでデジタルマーケティングの適性を伸ばそう!
デジタルマーケティングに対する適性は、生まれ持った特性に加えて、学習によって身につくスキルも多数あります。
例えば、上記で挙げた「論理的思考力」や「達成思考」といった能力は、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を実践的に繰り返すことで身につく、再現性の高いスキルです。
ジェネラル教育セミナー講習は、こうしたビジネスに必須のスキルを126の動画講座で柔軟に学べます。簡単な申請で、手軽に広範なビジネススキルが身につくお得なカリキュラムです。
デジタルマーケターの平均年収
厚生労働省の発表によると、2024年度の「企画・調査事務員」(デジタルマーケティング職を含む)の全国平均年収は690.7万円です。
この「企画・調査事務員」という分類には、マーケターやWebマーケティング担当者など、情報通信業を中心に活躍する専門職が幅広く含まれています。
なお、実際の年収は、個人のスキル、経験、専門性(広告運用、SEO、データ分析など)、企業によって大きく変動する点にご留意ください。
デジタルマーケティングの仕事内容として触れたように、Webマーケティングは、デジタルマーケティングの軸となる業務です。Web集客の基盤、SEO(検索エンジン最適化)については以下の記事で解説していますので、ぜひこちらもご一読ください。
デジタルマーケティング職のメリット・デメリット
デジタルマーケティングは、華やかなイメージが強く、年収も将来性も高い人気の職種ですが、その反面、特有の厳しさも存在します。ここでは、デジタルマーケティング職のメリット・デメリットを解説しましょう。
デジタルマーケティング職のメリット
まずは、デジタルマーケティング職のメリットを見てみましょう。
- デジタルスキル保有人材は需要が高い
- 実績次第で昇進や独立も早く、自分の力でキャリアを描ける
- 広告運用など、事業全体の戦略にも関われる
デジタルマーケティング職のメリットは、「稼げる」「独立しやすい」「成長が早い」です。デジタル社会の加速化とともに、今後もこのメリットはさらに大きくなると予想されます。
デジタルマーケティング職のデメリット
デジタルマーケティング職は華やかなイメージとは裏腹に、実際は泥臭くて大変な裏側があります。では、具体的なデメリットも見ていきましょう。
- 不確実な状況の中で、最善策を探り続ける必要がある
- ツールや市場変化が早く、常に新しい知識が求められる
- 売上や数字で結果が明確に出るため、責任も重い
- トラブル対応が多く、仕事が頭から離れにくい
デジタルマーケティング職のデメリットは想像以上に多く、ゆえに一つの企業や業務に長く留まることが難しいという側面もあります。
しかし、スキルを明確化できる資格を取得すれば、市場価値を安定させ、次のキャリアへスムーズに移行できます。 転職やフリーランスとしての独立といった、キャリアの選択肢拡大にも大きく貢献するでしょう。
デジタルマーケティングにおすすめの資格13選!

では、デジタルマーケティングにおすすめの資格を13選お伝えしましょう。はじめに、今回紹介するデジタルマーケティング関連の資格、および概要をまとめた一覧表からご確認ください。
| 資格名 | 主な特徴 | 難易度 | 主な受験料 | 受験方法 |
| ウェブ解析士 | 公式テキストから出題 | 易 | 17,600円 | オンライン |
| 上級ウェブ解析士 | 講座受講→課題提出で取得 | 中~高 | 88,000円 | オンライン |
| Google広告の認定資格 | オンライン広告のエキスパート | 易 | 無料 | オンライン |
| Googleアナリティクス認定資格 | 最新のGA4に関するスキル | 易 | 無料 | オンライン |
| マーケティング・ビジネス実務検定 | マーケティングの広範な知識 | 易~高 |
|
|
| 統計検定 | データ分析に特化・多彩なレベル | 易~高 |
|
|
| IMA検定 | 試験時に教材参照、ネット検索可能 | 易~中 | 24,970円 | オンライン |
| マーケティング検定 | 内閣府の許認可を得た認定資格 | 易~高 |
|
各CBT方式 |
| ネットマーケティング検定 | 累計受験者10,000人超の人気資格 | 易 | 6,200円 | オンライン |
| Webアナリスト検定 | Googleアナリティクスに特化 | 易 | 主催者・会場で変動 | オンライン |
| SNSエキスパート検定 | 企業・団体対象のSNS活用スキル | 易~中 |
|
オンライン |
| LINEヤフー認定資格 | LINEヤフー関連の3資格・2レベル | 易~中 | 無料 | オンライン |
| Meta認定資格 | Facebook、Instagramなどのスキル | 易~高 | 無料 | オンライン |
①ウェブ解析士
ウェブ解析士は、ウェブサイトのデータを読み解き、成果につなげる実践力を問う資格試験です。初級レベルの資格で、上級、マスター(教育者向け)と上位にステップアップできます。
ウェブ解析士のカリキュラムは、「ウェブ解析士認定試験公式テキスト」に基づいており、このテキストから試験が出題されます。その他、認定講座を受講して受験することも可能です。
②上級ウェブ解析士
上級ウェブ解析士は、初級ウェブ解析士のワンランク上の応用・実践力を問う資格です。KPI設計、戦略立案、施策実施の遂行により、企業の経営課題解決を行う「実務家」を目指します。
この資格は、知識テストは行わず、約2.5〜3ヶ月の講座学習、および提出する「修了レポート」によって実践力と合否が判定されます。
③Google広告の認定資格
Google広告の認定資格は、オンライン広告のエキスパートを証明できる資格です。認定資格は「検索広告」「ディスプレイ」「動画」などサービス分野ごとに分かれており、24時間いつでも受験可能で、有効期限は1年間です。
この資格を取得すると、ご自身の名前が入った証明書を提示でき、所属代理店がGoogle Partnersプログラムのパートナーになれるサポートも受けられます。
④Googleアナリティクス認定資格
Googleアナリティクス認定資格(旧GAIQ)は、Googleアナリティクス4(GA4)の習熟度を認定するGoogle公式資格です。ウェブサイトのアクセス解析、レポート機能などの実務的な知識が問われます。
Googleアカウントがあれば、スキルショップからアクセスしていつでも無料で受験可能です。ただし、受験が完了するまで他のページにアクセスできないので注意しておきましょう。
⑤マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定は、特定の業種・業界にとらわれず、トータルなマーケティング実務知識を判定する検定試験です。
理論に加え、仕事ですぐに役立つ時事情報や実務事例が習得できます。検定は、オペレーションレベルのC級・B級から、マネジメント・戦略レベルのA級までカバーし、段階的にスキルアップできます。
⑥統計検定
統計検定は、データ解析を遂行する統計専門力を証明できる、レベル別の資格試験です。中学卒業レベルの4級から、大学院レベルの1級まで段階的に構成されています。
統計検定は認知度が高く、データサイエンスの実務応用や就職・転職時にもおすすめです。各級とも、合格証やオープンバッジに対応しており、公式テキストを利用して学習できます。
⑦IMA検定
IMA検定は、Web広告やサイト解析といった実践的Webマーケティングスキルを証明する資格です。約2ヶ月で、集客・解析・改善レポート作成・実行という一連の実務プロセスをオンラインで学習し、その後に受験する、といった流れです。
暗記よりも「実践での検索・解決能力」を重視しているため、試験時には教材やネット検索を行えます。StandardとProfessionalがあり、即戦力となる実務能力を証明するのに最適です。
⑧マーケティング検定
マーケティング検定は、内閣府の許認可を経たマーケティング力を測定・証明するための資格試験です。試験はCBT方式を採用しており、全国各地で都合の良い日時を選んで受験が可能です。
基礎概念を測る3級(学生・新入社員)から、幅広い知識と応用力を測る2級(実務経験者)、総合力を測る1級(リーダー)まで、レベル別にステップアップできます。
⑨ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、インターネットの特性理解、および、最適なマーケティング手法の実践力を測る資格です。広告やSEO、サイト設計、関連法規まで幅広い知識が求められ、累計受験者は10,000人を超えています。
合格者には、改ざんできない国際規格のオープンバッジ(デジタル認定証) とデジタル認定証明書が付与され、SNSや履歴書で資格を共有して信頼性アップが図れます。
⑩Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスに特化し、アクセスログ解析の実践的なノウハウを習得できる資格です。
受験前には、5時間の講座受講が必要で、ユーザーフローに沿ったデータ分析の考え方を中心に解説し、集客からリピートまでの分析のコツなどを学びます。受講後は、オンラインテスト(制限時間80分)で合否が判定され、合格者には認定カードが送付されます。
⑪SNSエキスパート検定
SNSエキスパート検定は、企業や団体向けのSNS活用スキルを証明する資格です。初級では用語や概念、注意点といった基礎知識を、上級ではKGI/KPI設定、コンテンツ作成、広告配信などより具体的な実践スキルの習得を目指します。
いずれのレベルも講座受講後に試験を受けて合否が判定され、合格者は認定ロゴの利用が認められます。企業や広告代理店のSNS担当者におすすめの資格です。
⑫LINEヤフー認定資格
LINEヤフー認定資格は、LINEヤフー関連スキルを証明する資格試験です。認定は、「LINE公式アカウント」「LINE広告」「Yahoo!広告(検索・ディスプレイ)」の3種類あります。
各資格には、Basic(初級)とAdvanced(上級)があり、上級は初級取得者でないと受験できません。この資格は、学習から資格取得まですべて無料で、合格者には認定証と認定バッジが付与されます。
⑬Meta認定資格
Meta認定資格は、Facebook、InstagramなどMetaのプラットフォームにおけるデジタルスキルと専門性を証明する資格です。
認定は役割ベースで設計されており、初級から中級、上級の3段階で構成されています。試験は700点以上が合格基準となり、受験にあたって前提条件はありません。
デジタルマーケティングの資格の選び方

デジタルマーケティングの資格を選ぶ際は、自分の現状と目的を明確にすることが大切です。
未経験者は、基礎から学べる「ウェブ解析士」や「マーケティング検定3級」から始めましょう。難易度も低い初心者向け資格で、段階的にスキルアップすることも可能です。
実務経験者は、以下の様に自分の業務に直結する資格を選んでください。
- Web広告運用 → Google広告認定資格
- SNS運用 → SNSエキスパート検定
- データ分析 → Googleアナリティクス個人認定資格
なお、Google系やLINEヤフー、Meta認定資格は無料で受験できるため、まずはこれらでスキルや適性を試してみるのも良いでしょう。また、転職や昇進を視野に入れる場合は、認知度の高いGoogleアナリティクス個人認定資格や統計検定がおすすめです。
資格は取得して終わりではなく、実務で活かしてこそ価値があります。ぜひ、自分のキャリアや業務にどう結びつけられるかを意識して選んでください。
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デジタルマーケティング関連の資格取得の基盤となるのは、論理的思考力やPDCAを回す力といった普遍的なビジネススキルです。
こうした総合力を身につけるには、ジェネラル教育セミナー講習が最適です。DX概論からコミュニケーション、ロジカルシンキング、PDCA実践まで、126の動画講座が見放題で提供され、デジタルマーケターの基礎スキルを月額制で総合的に強化できます。
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Webマーケティングはセミナー以外にも、本や動画など多彩な学習方法があります。詳しい学習方法は以下でご紹介していますので、「どのような方法で学ぶか迷っている」という方はぜひ参考にしてください。
デジタルマーケティングについてまとめ
デジタルマーケティングは高い将来性と年収を持つ専門職ですが、「やめとけ」「しんどい」という声も聞かれるほど努力を要する仕事でもあります。
この職種で成功するには、実務に直結する資格で専門性を証明しつつ、論理的思考力やPDCAといった普遍的なビジネススキルを並行して学ぶことが重要です。確固たるキャリアを築くためにも、「総合力の向上」により独自の市場価値を高めていきましょう。