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CIMの使い方4ステップ!CIMを土木構造物設計に上手に使おう

建築業界におけるBIM普及に伴い、土木業界で活用され始めているCIM。生産性向上を目的として導入されたシステムですが、詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、注目を集めているCIMについて、およびCIMの使い方を徹底解説します。

CIMとは

CIMとは「Construction Information Modeling」の略称で、直訳すると「建設情報のモデル化」と言う意味です。国土交通省により2012年7月より本格的に取り組みを開始し、建設業務における作業を効率化するためにCIMの導入が推進されています。2015年には国土交通省から「i-Construction構想」が提示され、CIM導入の動きはさらに加速化し始めました。

CIMの取り組みとは、3次元モデルを主軸に置いたデータを連携することによって、工事施行関係者間でスムーズに情報共有することです。情報の「見える化」によって、土木工事が高度化し、かつ効率的に進められるようになりました。現行のCIMにおいては、道路や電力、ガス、水道などのインフラ工事全般に対する導入を見据えています。

CIMの使い方4ステップ

CIMを上手に活用するためには、事前に運用方法などを明確化しておくことが大切です。
今回はCIMの上手な使い方を4ステップに分けて解説していきます。

①CIMを上手に使う目的設定をする

まず、CIMを導入する目的を設定しましょう。現行の建設業務内の何を改善し、どのように良い方向へ運用していくのかを明確にしてください。目的を設定したら、現状を把握して分析しましょう。各情報の用途に合わせながら、データの出し入れおよびモデル形状や情報共有基盤などをチェックしておいてください。また、達成するために必要となる情報を加工する方法についても同時に検討しておくと良いでしょう。CIM運用を実行する前までには、できる限り決定しておいてください。

②活用するCIMソフトの選定

続いて、活用するツールを調達します。希望している運用を実行するさいに、不足している機能を満たすツールを調査しておきます。その後、CIMの運用をスタートするようにしましょう。実際に使用すると、足りないツールを発見するなど必要なものが発見できます。スタートしてから改めてCIMを最適化してください。ちなみに、CIMを導入するためには、事前に現存のソフトウェアをCIM対応にしておかなければいけません。

③CIMを起動させる

CIMを起動させる方法は2パターンあります。まず1つ目としては「GUI」を用いる方法です。GUIとは、グラフィカルユーザインタフェースの略で、コンピュータの情報の表示に、アイコンなどのグラフィックを用いて操作する方式のことを言います。

GUIの手順は、まずGUIからCFを起動させてください。続いて、画面左側に表示されている「特定のノード」をクリックすると「コマンドポップアップメニュー」を表示されます。そして、「コマンドポップアップメニュー」から必要なノードを選んだら、希望に合ったアクションを実行しましょう。

ちなみに、選択したノード上のCFが起動状態の場合は、「CFの起動」がメニューに表示されています。また、プルダウンメニューにある「ツール」をクリックし、「CFの起動」を開いても起動することが可能です。

2つ目のパターンとしては、「CLI」を用いてCIMを起動させる方法です。CLIとは、コンピュータやソフトウェアが情報を提示するときや操作を受け付けるときなどに、文字によって行う方式のことを言います。CLIは、CLIのコマンドを入力することによって起動します。ちなみにコマンドは、「/opt/SMAW/SMAWcf/bin」のディレクトリに格納されています。

④CIMで実際に土木構造物を作ろう

CIMの使い方として、いくつかの例を挙げてお伝えします。まず2次元CADデータしかない場合は、3次元のモデルを起こすことから始めてください。

道路設計を行う手順

道路設計の流れは、まず道路設計を実施しようとする区間において最適な路線を選定します。次に道路予備設計として、路線制定および主要構造物計画などのルートの中心線を決定してください。続いて、用排水設計などの道路予備設計により実測路線測量図を制作し、その測量図を用いて図面上で用地杭位置を決定します。さらに道路詳細設計を作成した後、詳細構造を設計しましょう。最後に工事を発注するにあたって必要な図面や報告書を作成したら完了です。

道路設計にCIMを適用するメリットは、道路予備設計の段階において、3次元モデルで地形や構造物の現地状況が把握できることです。結果、課題やコントロールポインとも把握できるようになります。また、あらかじめ走行時の安全性や景観性を評価することや、土工数量を自動で算出することもできます。さらに希望した箇所における縦・横断地形を作成すること、および建築限界を確認することも可能です。

地下躯体を構築する際の手順

地下躯体を構築する際にCIMと取り入れる方法は、まず施工フェーズを中心としたモデルから何ができるかを考えます。続いて数量を算出し、各工程における連携をとってください。次に過密配筋などの干渉チェックをした後、実際の施工で役立つ構築手順モデルを使った施工の打ち合わせなどを行います。そして地下躯体に対して、梁と柱などの属性情報を入れながらモデルの作成をしましょう。モデル作成を進めることにより、地下躯体が構築されていきます。ちなみに、地下躯体構造は建築物と似ている為、BIMソフトを活用することも可能です。

また、CIMモデルを構築するにあたって、躯体同士の重なりがあってはいけません。BIMソフトを活用する場合、矩形でない躯体同士の重なりであれば形状を分割することにより対応できます。

河川設計の流れ

CIMを使って河川設計をするさいは、まず測量することにより3次元点群データによる地形モデルを作成しましょう。そして築堤詳細設計および護岸詳細設計してください。この際に作成する3次元データは、堤防および構造物法線、堤防天端や法面、小段等です。また、地形情報や縦断面の地盤線、各横断面の地盤線も作成しておきます。続いて、3次元点群データを用いた3次元データによる起工測量します。次に、3次元設計データ作成を行い、CT建設機械による施工してください。

コンクリート構造物の作成

CIMを使ってコンクリート構造物を作成する手順は、始めに3次元モデルを用いて位置と体積を算出します。続いて属性情報を用い規格などを区分して、コンクリートに適用してください。次に、物体の点や線、面などの簡易な形状を使用して、位置や面積を算出します。さらに属性情報を用いて、企画や仕様などを区分します。最後に、水抜きパイプや均しコンクリートなどの必要性があるかをチェックしてください。

ちなみに、必要でないと判断したものに関しては、計算する必要はありません。3次元モデルに注記事項を明記して、確認できるようにしておきましょう。また、コンクリート構造物の3次元モデルを作成した際には、材料に関する属性情報を各構成部材に付け加えておくと、次からは部材および各材料における数量を自動的に算出できるようになります。

CIMの使い方まとめ

今回はCIMの使い方に関して解説しましたがいかがでしたでしょうか。
CIMを導入することによって、土木業界の作業全般において効率化と高度化が促進されました。3次元モデルを活用することにより、情報の見える化が実践。2012年以降BIMに倣ってスタートしたCIMは、土木建築に大きく貢献し、飛躍と成長を続けています。
ぜひCIMの使い方を記事で学習して実践してみてください。

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