「AI搭載のCADが気になるものの、従来のCADと何が違うのかイメージしにくい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。近年は、AIを活用して設計補助や提案、作業の自動化まで行えるCADソフトが増えており、これまでのCAD選びとは異なる視点が求められています。
そこで本記事では、AIを搭載したおすすめCADソフト7選を紹介しながら、それぞれの特徴やできること、導入前に押さえておきたい選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
そもそもAIとは?

AIとは、人間が行ってきた判断や予測、分類、提案といった作業を、コンピュータ上で再現できるようにした技術の総称です。蓄積されたデータをもとに傾向を学び、状況に応じて最適な答えを導き出そうとする点がAIの特徴です。
近年は文章作成や画像認識だけでなく、CADの分野でもAIの活用が進んでいます。たとえば、CAD上で設計案を自動提案したり、作図作業を効率化したり、過去の設計データをもとに改善案を示したりする場面でもAIが使われています。
AIでCAD業務の自動化は可能?
AIを活用すれば、CAD業務の一部を自動化することは可能です。ただし、CAD業務のすべてをAIだけで完結できるわけではなく、実際には「人が判断すべき部分」と「AIで効率化しやすい部分」を切り分けて考えることが重要です。
製品仕様の最終判断や現場の条件を踏まえた調整、品質や安全性に関わる確認は、人の確認が必須です。AIによるCAD業務の自動化は、設計者を不要にするものではなく、CAD業務をより速く、正確に進めるための手段として活用するのが現実的です。
以下の記事では、生成AIをCADに活用する方法について紹介していますので、あわせてご覧ください。
AIを搭載したCADソフトでできること
AIを搭載したCADソフトは、設計の方向性を広げたり、CAD業務の手間を減らしたりする役割まで担うようになっています。ここでは、AIを搭載したCADソフトで具体的に何ができるのかを、代表的な3つの観点から解説します。
- 複数の設計案を自動生成
- 定型業務を減らせる
- 試作や検証を早められる
①複数の設計案を自動生成
AIを搭載したCADソフトの特徴の一つが、条件に応じて複数の設計案を自動生成できる点です。たとえば、強度・重量・寸法・使用材料といった条件を入力すると、AIがそれらを踏まえて候補となる形状や構造を提示してくれます。
特に、軽量化と強度確保を両立したい場面では、AIが人の発想だけでは出にくい形状を示すこともあります。そのため、CAD業務において検討の幅を広げたい企業や、短期間で案出しを進めたい現場に、AIによる自動生成が有効と言えるでしょう。
②定型業務を減らせる
AIを活用したCADソフトは、日常的に発生する定型業務の負担を減らすうえでも有効です。CAD業務には、
- 寸法の入力
- 類似図面の流用
- 部品配置の調整
- ルールに沿った修正作業
など、繰り返し発生する作業が数多くあります。こうした業務は一つひとつは単純でも、積み重なると大きな工数になります。
そこでAIを搭載したCADソフトを使うと、過去の設計データや操作履歴をもとに、よく使う作業を補助したり、自動で候補を出したりできるようになります。定型業務を減らせれば、本来重視すべき判断や調整に時間を使えるようになります。
③試作や検証を早められる
AIを搭載したCADソフトは、試作や検証のスピードを高める点でも効果があります。AIを活用したCADソフトは、設計段階から形状や構造の傾向を分析し、問題が起こりそうな部分を早い段階で見つけやすくなります。
また、AIが過去の設計データやシミュレーション結果をもとに改善案を示してくれることで、試作前の段階で検討の精度を高めやすくなります。CAD上での見直し回数を減らし、実際の試作回数そのものを抑えられる可能性があります。
AIを搭載したCADを活用する上でAIに関する知識は必要です。しかし、初心者の方が実務レベルまでのスキルを身につけるのは時間がかかることもあります。そこでおすすめなのが「生成AIセミナー」です。
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AIを搭載したCADソフトの選び方

AIを搭載したCADソフトを選ぶうえで、特に確認しておきたい3つのポイントを解説します。
- AI機能の種類と実用性を確認する
- 既存のデータ形式との互換性が高いか
- 汎用性より業務特化寄りになっているか
①AI機能の種類と実用性を確認する
AIを搭載したCADソフトを選ぶ際にまず見ておきたいのが、どのようなAI機能が使えるのか、そしてその機能が実務で本当に役立つのかという点です。AI搭載CADといっても、
- 複数の設計案を自動生成するもの
- 作図の補助に強いもの
- レンダリングや可視化に強いもの
などさまざまです。つまり、同じCADでもAIの役割はソフトによって異なります。機能が多いこと自体が価値なのではなく、自社のCAD業務のどこに時間がかかっているかを踏まえて、AIがその課題を埋められるかを見ることが大切です。
②既存のデータ形式との互換性が高いか
どれだけAI機能が優れたCADソフトでも、既存のデータ形式との互換性が低ければ、現場では使いにくくなります。CAD業務では、業界や取引先ごとに使われるファイル形式があるため、新しいCADを導入しても既存データをそのまま活かせなければ、かえって変換や修正の手間が増えてしまいます。
特に、外部の会社と頻繁にデータをやり取りする企業は、CADとAIの性能だけでなく、ファイルの受け渡しがスムーズにできるかが重要です。また、クラウド型のAI CADを使う場合は、社内環境や既存システムとの連携のしやすさも確認したいところです。
③汎用性より業務特化寄りになっているか
AIを搭載したCADソフトを選ぶときは、幅広く何でもできる汎用型かどうかよりも、自社の業務にどれだけ合っているかを重視したほうが実用的です。たしかに汎用性の高いCADは多くの用途に対応しやすい一方で、業務によっては必要のない機能まで多く含まれ、操作が複雑になったり、AI機能が現場の流れに合わなかったりすることがあります。
たとえば、機械設計なら部品設計や強度検討との相性、建築分野ならBIMとの連携、設備設計なら配線や配管ルートの自動化など、見るべき点は変わります。
AIを搭載したおすすめCADソフト7選
ここからはAIを搭載したおすすめのCADソフトを7つ紹介します。それぞれでどんなAI機能を搭載しているも解説していますので、参考にしてください。
| ソフト名 | 価格 | AI機能の特徴 |
|---|---|---|
| AutoCAD | 80,300円/年 | 繰り返し作図やマークアップ反映をAIで効率化できる |
| Autodesk Fusion | 103,400円/年 | 生成設計から製造最適化までAIで支援できる |
| BricsCAD | 49,665円〜/年 | 類似形状の検出や反復作業の整理をAIで支援 |
| ARES | 82,000円〜/年 | 操作案内や学習補助をAIで行い日常のCAD業務を進めやすくする |
| Solid Edge | 235,200円〜/年 | 操作履歴をもとにAIがコマンドや候補を提示する |
| SOLIDWORKS | 569,250円〜/年 | 作業の流れに沿ってAIが操作支援や設計補助を行う |
| PTC Creo | 648,800円〜/年 | 生成設計とトポロジー最適化をAIで支援する |
①AutoCAD
AutoCADは、従来から高い知名度を持つCADにAI機能が加わり、日常的な作図業務をより効率化しやすくなっている点が特徴です。特に、繰り返し使われる図形や要素を認識して整理する機能、マークアップ内容を読み取って反映を支援する機能などは、実務での細かな手間を減らしやすい部分です。
建築、機械、設備といった各分野向けのツールセットと組み合わせることで、AIを活かした実務支援ツールとして使いやすくなっています。また、AutoCADは既存ユーザーが多く、社内外でデータを共有しやすい点も導入がしやすい点です。
| ライセンス名 | 価格 | 特典 |
|---|---|---|
| AutoCAD 1年間ライセンス | 82,500円(税込) | ・AutoCADインストール手順書 ・AutoCADの基礎レクチャー動画(eラーニング) ・AutoCADの自動化レクチャー動画(eラーニング) ・AutoCADトレーニングガイド ・AutoCAD教育セミナー5,000円OFFクーポン |
| AutoCAD Plus | 256,300円(税込) | ・AutoCADインストール手順書 ・AutoCADの基礎レクチャー動画(eラーニング) ・AutoCADの自動化レクチャー動画(eラーニング) ・AutoCADトレーニングガイド ・AutoCAD教育セミナー5,000円OFFクーポン |
②Autodesk Fusion
Autodesk Fusionは、設計から解析、製造準備までを一つの環境で進めやすいクラウド型CADです。その中でもAIの活用領域が広く、スケッチ拘束の補助や生成設計、製造工程の最適化など、作図支援にとどまらないのが特徴です。
たとえば、設計条件を入力するとAIが複数の候補形状を提示してくれるため、軽量化や強度確保を両立したい場面で有効です。また、CAD上で作成したモデルをもとに図面化や加工準備までつなげやすく、設計と製造の橋渡し役としても使いやすい構成になっています。
以下のリンクからAutodesk Fusionの見積もり・購入ができますので、チェックしてみてください。
| ライセンス名 | 価格 | 特典 |
|---|---|---|
| Autodesk Fusion 1年間ライセンス | 114,400円(税込) | ・Autodesk Fusion インストール手順書 ・Autodesk Fusionの約70分のレクチャー動画 ・Autodesk Fusion トレーニングガイド ・Autodesk Fusion 教育セミナー20%OFFクーポン |
③BricsCAD
BricsCADは、2D作図から3Dモデリングまで幅広く対応できるCADですが、近年はAIを活用した支援機能にも注目が集まっています。特に、設計中の操作を補助するAI機能が特徴で、同じような形状の検出や反復作業の整理を通じて、CAD作業の手間を減らしやすい点が強みです。
図面やモデルの中にある類似要素を自動で見つけて整理できるため、手作業で一つずつ処理していた場面でも効率化を図れます。さらに、DWGとの互換性が高いことから、既存のCADを活かしながらAI機能を取り入れたい企業とも相性がよいソフトです。
| ライセンス名 | 価格 | 主な機能 |
|---|---|---|
| BricsCAD Lite | サブスクリプション(1年間) 49,665円(税込) 永久ライセンス(1年間メンテナンス付) 108,852円(税込) | 2D作図機能 2D拘束 図面拡張 |
| BricsCAD Pro | サブスクリプション(1年間) 66,000円(税込) 永久ライセンス(1年間メンテナンス付) 165,165円(税込) | Liteの機能 3D機能 ダイレクトモデリング API拡張機能 アセンブリ機能 3D拘束機能 |
| BricsCAD BIM | サブスクリプション(1年間) 145,530円(税込) 永久ライセンス(1年間メンテナンス付) 322,823円(税込) | Proの機能 BIMモデリング機能 図面拡張 |
| BricsCAD Mechanical | サブスクリプション(1年間) 138,600円(税込) 永久ライセンス(1年間メンテナンス付) 307,808円(税込) | Proの機能 板金機能 3D機械設計向け拡張機能 |
| BricsCAD Ultimate | サブスクリプション(1年間) 158,235円(税込) 永久ライセンス(1年間メンテナンス付) 352,853円(税込) | Proの機能 BIMの機能 Mechanicalの機能 |
④ARES

出典:Graebert
ARESは主に「ARES Commander」を指すCADソフトであり、DWG互換を重視しながら、近年はAIを活用した支援機能も強化されています。ARES CommanderはWindows・macOS・Linuxに対応する2D/3DのCADで、AutoCADから移行しやすい操作性やDWG編集のしやすさが特徴です。
ARESは、設計案をAIが自動生成するタイプのCADというより、AIを使って「操作を迷いにくくする」「学習コストを下げる」「日々のCAD業務を進めやすくする」方向に強みがあるソフトといえます。
⑤Solid Edge

出典:SIEMENS
Solid Edgeは、操作性と実務適性のバランスが取りやすいCADで、近年はAIを活用した支援機能によって使いやすさが高まっています。特に、アセンブリ作業や部品選択の場面で、過去の操作傾向を踏まえた候補提示が行われることで、CAD作業の流れを止めにくい点が魅力です。
操作パターンを学習しながら必要なコマンドや関連機能を出しやすくなるため、複雑な操作を毎回探し直す負担を減らせます。また、設計ミスの早期発見や作業の補助など、日々のCAD業務に自然に入り込みやすい構成になっています。
⑥SOLIDWORKS

出典:SOLIDWORKS
SOLIDWORKSは、機械設計分野で長く使われてきたCADの一つであり、近年はAIによる操作支援や設計補助が注目されています。ユーザーの操作傾向を踏まえて次の作業を補助するようなAI機能は、繰り返し作業の多い現場で役立ちます。
アセンブリ作業やスケッチ作成の場面では、部品の合わせ込みや操作の流れをスムーズにしやすく、CADに不慣れな人でも一定の作業効率を確保しやすいのが魅力です。また、AI機能だけが独立しているのではなく、従来のCADワークフローの中に自然に組み込まれている点も強みです。
⑦PTC Creo

出典:Creo
PTC Creoは、複雑な設計要件に対応しやすい高機能CADで、AIを活用した生成設計やトポロジー最適化の分野で強みがあります。設計者が重量、強度、材料、制約条件などを入力すると、AIが条件に沿った形状案を提示してくれるため、従来のCADでは発想しにくかった構造を検討しやすくなります。
とくに航空、自動車のように、性能と軽量化を両立したい分野では、このAI機能がおすすめです。また、パラメトリック設計との親和性も高く、変更が生じた際にも設計意図を維持しながら調整しやすい点が魅力です。
また、以下の記事では、上記のCADツールを学習できるおすすめ研修を紹介していますので、あわせてご覧ください。
AIを搭載したCADソフトに関するよくある質問

AIを搭載したCADソフトを検討している方が特に気になりやすい2つの質問について回答します。
AIを搭載したCADソフトについてのまとめ
AIを搭載したCADソフトは、これまでのCADのように図面を作成するだけでなく、設計案の提案や定型作業の効率化、試作前の検証精度の向上まで支援できる点が特徴です。
ただし、どのCADでも同じようにAIを活用できるわけではなく、自社業務との相性を見極めることが必要です。CADにAIを取り入れる目的は、設計者の役割をなくすことではなく、判断や改善に集中しやすい環境をつくることです。自社に合ったCADとAIの組み合わせを選べば、設計業務の質とスピードを両立しやすくなるでしょう。