近年、CADソフトにもAI機能が搭載されるようになりました。
しかし、「生成設計ができるCADソフトはどれ?」「自分の業務に合うAI機能はどれを比較して選べばよいのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
一口に「CADのAI機能」といっても、図面作成を支援するAI、設計案を自動生成するAI、解析・最適化を行うAI、操作をサポートするAIなど、役割がソフトによって大きく異なります。
そこでこの記事では、CADに搭載されているAI機能を4つに分類したうえで、主要CADソフトの特徴を徹底比較しました。また、AI機能を比較するときのポイントや、ChatGPT・GeminiなどCADと組み合わせて活用できる生成AIについても紹介します。
比較前にチェックしたいCADのAI機能4種類
CADのAI機能を比較する際には、まず製品ごとに使えるAI機能が異なることを理解する必要があります。以下に、比較するうえで把握しておきたいAI機能の4分類を整理しました。
| AI機能の比較 | 主な役割 | 向いている業務の比較 |
|---|---|---|
| 作図支援AI | 図面作成や修正作業を効率化する | 2D製図/図面修正/ブロック配置 |
| 生成設計AI | 条件に応じて複数の設計案を自動生成する | 製品設計/部品設計/軽量化設計 |
| 解析・最適化AI | 強度や重量などを解析し、設計を改善する | 構造解析/シミュレーション/性能最適化 |
| AIアシスタント・自動化機能 | CAD操作や定型業務をサポートする | コマンド提案/AIチャット/翻訳/文書作成 |
たとえば、図面作成を効率化したい場合は作図支援AI、設計案を自動で提案してほしい場合は生成設計AIが適しています。また、強度や重量を考慮して設計を改善したい場合は解析・最適化AI、CAD操作や定型業務を効率化したい場合は操作・業務支援AIが役立ちます。
比較のなかでも、現在普及しているCADソフトのAI機能として多いのが、作図支援AIです。
メインは人が操作し、サポートとしてAIが対応する機能であり、さまざまなCADソフトに導入されています。ぜひCADを比較する際の参考にしてみてください。
CADのAI機能を一覧で比較
AI機能を基準にCADソフトを選ぶなら、まずはどのようなAI機能に対応しているのかを比較することが大切です。以下に、AI機能の対応範囲をまとめた比較表を整理しました。
| CADソフト比較 | 作図支援AI | 生成設計AI | 解析・最適化AI | AIアシスタント・自動化AI | おすすめ業種 |
|---|---|---|---|---|---|
| AutoCAD | ◎ | △ | △ | ○ | 全業種 |
| Autodesk Fusion | ○ | ◎ | ◎ | ○ | 機械・製造・プロダクトデザイン |
| BricsCAD | ◎ | △ | ○ | ○ | 建築・設備・製造 |
| ARES | △ | × | × | ◎ | 建築・設備・土木 |
| SOLIDWORKS | ○ | ○ | ◎ | ○ | 機械・製造・自動車 |
| Solid Edge | ○ | △ | ○ | △ | 機械・製造 |
| Creo | △ | ◎ | ◎ | △ | 航空・自動車・製造 |
◎ 得意分野/○ 対応可能/△ 一部機能あり/× 対応不可
以下より、◎○に該当するCADソフトのAI機能について詳しく比較していきます。
作図支援AIを比較

作図支援AIは、図面作成や修正などの繰り返し作業を効率化するCADのAI機能です。
上の画像のように、図形やブロックの認識、マークアップの反映、コマンドの補助などを行い、作図時間の短縮や入力ミスの削減につながります。
特に2D図面を扱う機会が多い建築・設備・土木分野では、業務効率を大きく向上させる機能として活用されています。以下に、利用できるCADソフトを比較ポイント付きで整理しました。
| CADソフト比較 | 主なAI機能 | できること |
|---|---|---|
| AutoCAD | マークアップアシスト、スマートブロック | PDF・手書き注釈の反映、ブロック配置の自動化 |
| Autodesk Fusion | スケッチ補助 | スケッチ拘束やモデリング支援 |
| BricsCAD | 図形認識、ブロック化 | 類似図形の自動検出、ブロック整理 |
| SOLIDWORKS | 設計支援 | スケッチ・アセンブリ作成を補助 |
| Solid Edge | コマンド提案 | 操作履歴から次の操作を提案 |
比較したなかでも、図面作成や修正作業を効率化したい場合は、AutoCADが特に優れています。
AI機能を比較したうえでAutoCADを導入する予定なら、以下のセミナーで基本的な使い方をマスターするのがおすすめです。実務で使える操作スキルを短期間で習得できます。独学することに不安を感じている人にも向いています。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
生成設計AIを比較

生成設計AIは、強度や重量、材料、寸法などの条件を入力すると、AIが複数の設計案を自動生成するCADの機能です。従来は設計者が試行錯誤しながら形状を検討していましたが、AIが条件に応じた候補を提案することで、設計期間の短縮や新たなアイデアの創出につながります。
特に機械設計や製品開発、軽量化が求められる自動車・航空業界などで活用されており、設計品質の向上にも役立っています。以下に、利用できるCADソフトを比較ポイント付きで整理しました。
| CADソフト比較 | 主なAI機能 | できること |
|---|---|---|
| Autodesk Fusion | ジェネレーティブデザイン | 条件に応じた複数の設計案を自動生成 |
| SOLIDWORKS | 生成設計支援 | 設計条件に合わせた形状の検討を支援 |
| Creo | 生成設計 | 軽量化や高強度を考慮した設計案を生成 |
比較したなかでも、設計条件から複数の形状を自動生成したい場合は、Autodesk Fusionが特に優れています。また、導入して基本操作から学びたい方は、以下のセミナーがおすすめです。AIの前に基本操作を理解することで効率よくAI活用をスタートできます。
| セミナー名 | Autodesk Fusionセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
解析・最適化AIを比較

解析・最適化AIは、設計したモデルをもとに強度や重量、応力などを解析し、より効率的な設計へ改善するCADのAI機能です。試作品を作成する前に問題点を把握しやすくなるため、開発期間の短縮やコスト削減にもつながります。
特に機械設計や製造業では、軽量化や耐久性の向上を目的として導入されることが多く、シミュレーションを繰り返す業務の効率化にも役立っています。以下に、利用できるCADソフトを比較ポイント付きで整理しました。
| CADソフト比較 | 主なAI機能 | できること |
|---|---|---|
| Autodesk Fusion | 解析・最適化 | 荷重解析や軽量化を支援 |
| BricsCAD | 解析支援 | 一部の解析機能を利用可能 |
| SOLIDWORKS | Simulation | 強度・応力・変形の解析 |
| Solid Edge | 設計解析 | 基本的な構造解析や性能評価 |
| Creo | トポロジー最適化 | 材料使用量や形状を最適化 |
比較したなかでも、強度解析や設計の最適化を重視する場合は、SOLIDWORKSが特に優れています。SOLIDWORKSを導入したい初心者の方は、最初の一歩として基本操作や実践的な使い方をマスターするのがおすすめです。以下のセミナーでは、短期集中で操作を習得できます。
| セミナー名 | SOLIDWORKSセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
AIアシスタント・自動化機能を比較

操作・業務支援AIは、図面そのものを自動作成するのではなく、CAD操作や日常業務をサポートするAI機能です。AIチャットによる操作案内やコマンド提案、翻訳、文章作成、定型作業の自動化などに対応しており、CADの作業時間の短縮や学習コストの削減につながります。
特にCAD初心者への教育や、複数人で設計業務を行う企業では、操作ミスの防止や業務の標準化を目的として活用されています。以下に、利用できるCADソフトを比較ポイント付きで整理しました。
| CADソフト比較 | 主なAI機能 | できること |
|---|---|---|
| AutoCAD | マイインサイト | 操作履歴をもとに作業をサポート |
| Autodesk Fusion | AIアシスタント | 設計作業やモデリングをサポート |
| BricsCAD | 設計意図推定 | 次の操作や設計意図を提案 |
| ARES | AIチャット、図面自動化 | 操作案内、翻訳、要約、定型作業の自動化 |
| SOLIDWORKS | 設計支援AI、操作支援 | 設計候補の提案や操作の効率化 |
比較したなかでも、CAD操作のサポートや日常業務の効率化を重視する場合は、ARESが特に優れています。
また、AI搭載のCADソフトの製品概要を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
CADのAI機能を比較するときの選び方
AI機能を搭載したCADソフトは年々増えていますが、搭載されているAI機能が多いからといって、自社の業務に最適とは限りません。CADソフトを比較する際は、AI機能の数ではなく、「どのAI機能が業務に役立つか」という視点で比較し、CADを選ぶことが重要です。
ここでは、比較する際に確認したいポイントを紹介します。
業務内容に合わせてAI機能を比較する
CADのAI機能を比較する際は、まず自社の業務内容に合っているかを確認しましょう。
たとえば、図面作成や修正が中心であれば作図支援AI、製品設計なら生成設計AI、強度解析を行うなら解析・最適化AIが適しています。
CADソフトごとのAI機能を比較し、目的に合ったものを選ぶことが重要です。
対応ファイル形式や互換性を比較する
CADソフトのAI機能を比較する際は、対応ファイル形式や他CADとの互換性も確認しましょう。
AI機能が充実していても、DWGやSTEPなど普段利用するデータ形式に対応していなければ、変換作業が増え、かえって業務効率が低下する可能性があります。
AI機能の使いやすさや学習コストを比較する
CADソフトを比較する際は、AI機能の性能だけでなく、使いやすさや学習コストも重要な比較ポイントです。AIチャットや操作ガイドなどが充実していれば、初心者でも短期間で操作を習得しやすく、社内教育や導入後の定着もスムーズになります。
導入コストやライセンスを比較する
CADソフトを比較する際は、AI機能だけでなく、導入コストやライセンス体系も確認しましょう。ソフトによってはAI機能が上位プラン限定の場合や、クラウドサービスとの契約が必要な場合があります。導入前にCADの利用条件まで比較しておくことが大切です。
CADと組み合わせて使いたい生成AIの機能を比較

AI機能は、CADソフトに搭載されているものだけではなく、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを組み合わせることで、設計業務をさらに効率化できる方法もあります。以下に、代表的な生成AIサービスをまとめて比較しました。
| 生成AI比較 | 主なAI機能 | CADで活用できること |
|---|---|---|
| ChatGPT | 文章生成・プログラム作成・情報整理 | 設計仕様書の作成/AutoLISP・マクロ作成/アイデア出し |
| Gemini | Google情報検索・文章生成・Google連携 | 設計調査/関連法規の確認/Google Workspaceとの連携 |
| Microsoft Copilot | Microsoft 365連携・文章作成 | Excelで部品表作成/設計資料作成/会議資料作成 |
| Claude | 長文生成・要約・分析 | 設計資料の要約/仕様書の整理/技術文書の作成 |
| Perplexity | AI検索・情報収集 | 最新規格や技術情報の調査/比較検討 |
CADソフトのAIは図面作成や設計支援を目的としている一方、生成AIは設計業務全体をサポートする役割を担います。そのため、CADソフトだけで完結させるのではなく、生成AIを組み合わせることで、情報収集から設計、資料作成まで一連の業務を効率化できます。
特に比較に登場したChatGPTやGemini、Microsoft Copilotは実務でも活用しやすく、CAD業務の生産性向上につながります。使い方を基礎から学びたい方は、以下のセミナーに参加してみてください。実務で活用できる知識やノウハウを短期間で習得できます。
| セミナー名 | 生成AIセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
また、生成AIをCADと組み合わせる方法については、以下の記事で解説しています。
CADのAI機能比較についてよくある質問
CADのAI機能を比較する方のよくある質問をFAQ形式でまとめました。
CADのAI機能の比較についてまとめ
CADのAI機能は、作図支援AI、生成設計AI、解析・最適化AI、AIアシスタント・自動化機能など、それぞれ役割が異なります。そのため、「AIを搭載しているか」だけで判断するのではなく、自社の業務内容や設計フローに適したAI機能が備わっているかを比較することが重要です。
また比較する際には、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを組み合わせることで、設計業務全体の効率化も期待できます。この記事で紹介したCADの比較ポイントなどを参考に、目的や業種に合ったCADソフトとAI機能を比較し、最適な製品を選定してみてください。