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【2025】BIMの使い方とは?CADとの違い・図面作成手順を初心者向けに解説

建設業(土木・建築)の設計業務を効率化するため、新たにBIMソフトを導入しようと考えていないでしょうか。しかし、初めての導入であるため、BIMソフトの使い方に不安を感じている方も多いはずです。

そこでこの記事では、BIMソフトの使い方について、初心者向けにわかりやすくまとめました。
またCADとの違いや図面作成の手順も解説しているので、基本知識を身につける参考にしてください。

BIMとは?初心者向けに簡単に解説

BIMとは、以下に示す建設業務のサイクルをすべて3次元モデルとして作成・管理できるワークフローのことです。

  • 調査(測量・地盤情報など)
  • 設計(3Dモデルや属性情報、数量など)
  • 施工(施工計画の情報、数量など)
  • 維持管理(調査~施工の全情報、点検情報など)

上記の機能がまとまったものをBIMソフトと言い、3Dモデルをベースとしながら、材料や性能といった属性情報を付与しつつ、すべての業務で連携しながら利活用できる仕組みをつくり出せます。

従来の設計業務で起きていた「各業務プロセスで情報が縦割り化していた状況」から脱却できる便利な仕組みということもあり、2019年からスタートした働き方改革、建設DXなどを皮切りに、多くの建設企業でBIMソフトの導入が加速している状況です。

またBIMの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

【2025】BIMとは?CADとの違い・BIMのソフト6種類をわかりやすく解説

建築BIM・土木BIM/CIMの関係

BIMソフトはよく建設(建築・土木)業界で活用されていますが、次のようにそれぞれの呼び方が異なります。

業種 一般的な呼び方 2025年時点での主な呼び方
建築 建築BIM
(もしくはBIM)
建築BIM
土木 土木BIM/CIM
(もしくはCIM or BIM/CIM)
BIM/CIM

「BIM」「CIM」は、どちらもほとんど変わらないワークフローであることから、単純に業種の違いに分けてB(ビルディング)なのか、C(コンストラクション)という頭文字で呼ばれていました。

ですが近年では、海外でBIM・CIMの両方を統一してBIMと呼ばれている状況に合わせて日本でも、建築・土木を問わずにBIMという名称に統一しようという流れができています。

BIMとCADの違い

BIM・CADの違い

従来、建設業務では2D・3Dモデルを取り扱う「CADソフト」を使いながら図面作成に着手していました。対してBIMソフトは、いくつかCADソフトとの違いがあります。

業種 BIM CAD
目的 建築物・構造物の3D情報を一元管理して連携・効率化する 図面を2Dまたは3Dで設計・作図する
使い方 3Dモデル & 属性情報を組み合わせる 図面作成に特化
利便性 モデル内で立体的にシミュレーション・解析ができるほか、ビジュアライゼーション(レンダリング)も可能 CADソフトとは別のソフトを使ってシミュレーション・レンダリング等に対応する必要がある

簡単に説明すると、CADソフトに情報追加や機能の複合といった付加価値をつけくわえられたのがBIMソフトです。バラバラに管理されがちだったソフトを一元集約し、業務効率を高めやすいのが主な違いだと言えます。

BIMの使い方・基本操作(Revitで解説)

BIMの使い方は、従来のCADの使い方とさまざまな点が異なります。
参考として以下より、Autodesk社が提供しているBIMソフト「Revit」を参考に、BIMの使い方を整理しました。

3Dモデルを作成する

BIMで3Dモデルを構築する

BIMソフトでは、上画像のように作図コマンドを使いながら3Dモデルを構築していきます。

各コマンドには数値情報を入力しながら、部材や建材のサイズを設定できるほか、オリジナルの3Dモデルを準備し、好きな場所に挿入できるのが特徴です。

またBIMでは、縮尺1:1の実物大のモデルを構築していくのが一般的な使い方であることから、リアリティを感じながら作図できます。

CADのように専門知識がなければ構築しづらかった問題がなくなり、まるでレゴブロックのように図面作成を進められるのが魅力です。

属性情報を付与する

BIMモデルに属性情報を付与する

BIMソフトに挿入していく3Dモデルの部材や建材には、ひとつずつ次のような「属性情報」を付与できます。

  • サイズなどの数値情報
  • 構造計算などに使う強度情報や材料の種類
  • 利用するメーカーの名称や製品番号

属性情報は使い方も簡単で、そのままBIMソフトに搭載されている分析ソフトに自動反映されるほか、設計から施工へと移る際に、どの材料を使っているのかの確認などに利用できます。

属性情報を可視化することで、わざわざ1から検討しなおす必要がなくなるのが魅力です。

数量等の情報を自動算出する

数量の自動算出をBIMで実施

BIMソフトでは、上画像のように属性情報などから自動で数量表を作成することが可能です。

従来、人力で作成しなければならなかった数量計算書を瞬時に用意できるシンプルな使い方が特徴であり、モデルの形状を変えた際には、その変更に合わせて数量情報も書き換わります。

図面作成・数量算出を効率化できるため、設計担当者の負担を大幅に削減できるのが魅力です。

BIMソフトのおすすめ一覧(無料利用も可能)

BIMソフトは、提供しているメーカーなどによって少しずつ機能や使い方が異なるため、事前に無料体験版などを利用しながら使い方を確認したうえで導入することが欠かせません。

参考として以下に、無料体験版のあるおすすめBIMソフトを整理しました。

ソフトの名称 提供元 無料体験版 主な業種 使い方の難易度
Revit Autodesk あり
(30日間無料)
土木・建築・電気設備 使い方は比較的簡単
Archicad GRAPHISOFT あり
(30日間無料)
建築 直感的な使い方にも対応
GLOOBE 福井コンピュータホールディングス あり
(30日間無料)
土木・建築 やや難しい使い方の機能も多い
Vectorworks
Vectorworks あり
(30日間無料)
建築・デザイン・照明・ランドスケープ 使い方は比較的簡単

また、無料体験版でチェックしなければならないのが「使い方」「処理スピード(PCとの相性)」「必要な機能の充実度」です。

30日間すべての機能を自由に使えるため、ぜひ使い方の確認をしたうえで製品を検討しましょう。

またおすすめのBIMソフトを詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

【2025】BIMにフリーソフトはある?おすすめBIMソフトウェアを比較!

BIMソフトの選び方

BIMソフトの選び方

複数あるBIMソフトから1つに絞り込めないとお悩みではないでしょうか。
参考として、BIMソフトを選ぶ際に重要視したいポイントをまとめました。

価格を比較する

BIMソフトを選ぶとき、特に重要なのが価格です。
たとえ使い方に優れていたソフトだとしても、予算オーバーになるBIMソフトだと、費用対効果を生み出せなくなります。

製品ごとに「月額料金がいくらなのか」「サブスクリプション契約なのか、買い切り契約なのか」といった点が異なるため、気になるソフトを見つけたら料金プランについてみておきましょう。

またBIMソフトによっては割引キャンペーンがあるものも見つかります。
なかには、通常だと高額なソフトでも、特定の期間に契約すれば大きく割引される製品もあるので、さまざまな視点から料金情報を比較しておくと安心です。

サポートの充実度を比較する

初めてBIMソフトを導入する企業がチェックしておきたいのが、サポートの充実度です。

BIMソフトの契約によっては導入サポートや使い方の指導などを受けられるケースもあり、特に代理店経由で購入できる製品などは、充実したサポートを受けやすくなります。

「エラーが起きたときの解決方法を自分で調べられない」「使い方がわからないときに相談したい」といった要望をお持ちなら、ぜひサポートが充実した製品を選ぶようにしましょう。

BIMの使い方を学ぶ方法

BIMソフトは、導入した先のことまで検討したうえで選ぶことが重要です。
参考として、導入後に使い方を学んでいく方法をまとめました。

独学で学習したい人向け

Revitのオンラインヘルプ
出典:Autodesk公式サイト

BIMソフトの使い方を、独学していきたい人は次の方法を検討してみてください。

  • BIMソフトのチュートリアル・マニュアル(PDF)を入手する
  • 特定のBIMソフトの参考書・学習本を購入する
  • 学習サイトの情報を見ながら使い方を学ぶ
  • 動画配信サイトのコンテンツを見ながら使い方を学ぶ

たとえば、BIMソフトのRevitの場合、Autodesk公式から、建築向けのコンテンツライブラリとしてPDFデータなどが配布されています。また上画像のように、ソフト内にオンラインヘルプへのリンクが準備されているものもあるので、無料から使い方の学習をスタートできます。

複数の方法で使い方を独学できるため、初学者が基礎知識を身につける際に役立ててみてください。

独学に挫折した人・効率よく学びたい人向け

BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習

前述した独学に挫折したという方、また短期間で効率よくBIMソフトの使い方を学びたいという人におすすめなのが、セミナー講習に参加して学ぶ方法です。

BIMソフト系のセミナー講習は豊富に開催されており、プロの講師から基本操作や実践的な使い方までを詳しく学べます。要点を抑えた使い方の学習ができるため、無駄なく短期間でBIMソフトをマスターできるのが魅力です。

もしBIMソフトのなかでもAutodesk社のRevitに興味をおもちなら「実践的に学べるBIM・Revitセミナー講習」に参加してみるのがおすすめです。基本的な使い方から応用的な使い方まで、必要な基礎知識をすべて学べます。

セミナー名BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習
運営元GETT Proskill(ゲット プロスキル)
価格(税込)41,800円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

BIMソフトについてまとめ

BIMソフトは、製品ごとの少しずつ使い方が異なるため、導入する際には事前に無料体験版などを利用しながら使い方の確認をすることが重要です。

公共工事などでもBIMを活用した業務が増えだしているため、この機会に業務効率化を目指してBIMソフトの導入や使い方の学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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