Autodesk Fusionは、3Dモデリングからシミュレーションまで、製品開発プロセス全体をサポートする強力なソフトウェアです。初心者の方でも直感的な操作で複雑な形状を設計でき、プロのデザイナーやエンジニアも愛用しています。
しかし、Autodesk Fusionで作成した大切なデータをどのように保存すれば良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。クラウド上に保存するメリットは大きいですが、データの保存先をローカルに保存する方法を初心者の方にも分かりやすく解説します。
Autodesk Fusionとは
Autodesk Fusionは、オートデスク社が提供する、設計、シミュレーション、製造準備など、製品開発のあらゆる工程を統合したクラウド型のソフトウェアです。
従来の高価なCADソフトとは異なり、スタートアップ企業や個人ユーザー向けの無料プランが用意されており、手軽に始められることが特徴です。クラウドベースであるため、場所を選ばずに作業でき、チームでの共同作業もスムーズに行えます。
また、3Dモデリングだけでなく、シミュレーションや製造データの作成なども行えるため、幅広い用途に対応可能です。無料ながら高機能なため、CADスキルを習得したい方や、個人で製品開発を行いたい方におすすめです。
Autodesk Fusionの保存先をローカルにするとは?
Autodesk Fusionは、基本的にクラウド上に設計データを保存するクラウドベースのCADソフトウェアです。しかし、エクスポートという機能を使うことで、自分のパソコンの中に設計データを直接保存することができます。
なぜローカル保存が必要なの?
Autodesk Fusionで作成したデータを、自分のパソコンへのローカル保存は、データの完全管理、オフライン作業、大容量データの処理といったメリットがあります。クラウドに依存せず、いつでもどこでも自分のデータにアクセスできるため、安心して設計作業を進めることができます。
ローカル保存の必要性は以下の通りです。
- クラウドに依存せずローカルにアクセスし管理可能
- インターネット環境が不安定な場所でも保存済みのデータを使って作業可能
ローカル保存のメリットとデメリット
Fusion 360は、クラウドベースのCADソフトウェアとして知られていますが、ローカルでの保存も可能です。ローカル保存には、クラウド保存とは異なるメリットとデメリットがあります。
ローカル保存のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
データへの完全なアクセス | バックアップを怠るとデータ消失のリスク |
オフライン作業が可能 | ストレージの容量の制限 |
Autodesk Fusionの保存先をローカルにする方法
Autodesk FusionはクラウドベースのCADソフトウェアですが、保存先をローカル(自分のパソコン)にデータを保存することも可能です。ローカル保存は、オフラインでの作業に便利です。Autodesk Fusionで作成したデータをローカルに保存する方法を説明していきます。
- Autodesk Fusionを起動する。
- ローカル保存するデータを表示する。
- メニューからエクスポート(ローカル保存)を選択する。
- ローカル保存するファイル形式を選択する。
- エクスポート(ローカル保存)が完了される。
Autodesk Fusionの保存先をローカルにした際の管理方法
Autodesk Fusionで作成したデータをローカルに保存する際、効率的な管理が不可欠です。プロジェクトごとのフォルダ分けや、ファイル名の命名規則を設けることで、データの探しやすさが向上します。また、定期的なバックアップは、データ消失を防ぐために必須です。
Autodesk Fusionをインストールされていない方はこちらの記事でも解説しています。
クラウド保存とローカル保存の比較メリット
Autodesk FusionのようなクラウドベースのCADソフトウェアでは、クラウド保存とローカル保存の両方が可能です。それぞれに特徴があり、使い分けることでより効率的なデータ管理を実現できます。
クラウド保存とローカル保存の比較メリットは以下の通りです。
特徴 | クラウド保存 | ローカル保存 |
保存場所 | クラウド上サーバー | ローカルのストレージ |
アクセス方法 | インターネット環境が必要 | インターネット環境がなくてもアクセス可能 |
共有 | チームと共有が簡単 | 共有設定が必要 |
バックアップ | クラウド側で自動バックアップされる | 手動のバックアップが必要 |
クラウド保存とローカル保存の比較デメリット
ローカル保存は、データの完全な管理やオフラインでの作業など、多くのメリットがありますが、データ消失のリスクや容量制限、バックアップの手間など、デメリットも存在します。
クラウド保存は、データの共有や自動バックアップが容易ですが、インターネット環境への依存など、別の課題があります。
クラウド保存とローカル保存の比較デメリットは以下の通りです。
特徴 | クラウド保存 | ローカル保存 |
デメリット | インターネット環境が必要 | バックアップが手動 |
保存先をローカルにする際のファイル形式の種類と特徴
Autodesk Fusionでは、クラウド上でのファイル管理に加え、自身のPCのローカル上にもファイルを保存できます。エクスポートする際は、任意の名前を入力し、タイプから以下の5形式を選択できます。IGESファイル(.igs, iges), SATファイル(.sat), SMTファイル(.smt), STEPファイル(*.stp, *.step), アーカイブファイル (*f3d)。
ローカルコンピューターに保存する際は、チェックを入れてディレクトリを指定し、クリックします。ファイル形式について説明していきます。
Autodesk Fusionでの3Dモデル作成方法はこちらの記事でも解説しています。
ファイル形式アーカイブファイル (*f3d)
f3dファイルは、Fusion 360で設計したプロジェクトをまるごと保存するための、非常に便利なファイル形式です。Autodesk Fusionで設計を行う際には、積極的に.f3dファイルを利用することをおすすめします。
f3dファイルと他のファイル形式との違いは以下の通りです。
- f3dは、Autodesk Fusion専用のファイル形式でAutodesk Fusionでしか開けない
- dwg, .step, .stlなどのファイル形式は3Dモデルの形状データのみを保存
- f3dファイルはプロジェクト全体の情報を含む
ファイル形式IGESファイル(.igs, iges)
IGES(Initial Graphics Exchange Specification)ファイルは、異なるCADソフトウェア間で3Dモデルデータを交換するために広く利用されている標準的なファイル形式です。Autodesk Fusionでも、このIGES形式でデータをインポート・エクスポートすることができます。
IGESファイルの特徴は以下の通りです。
- 異なるCADシステム間でのデータ連携可能
- 3Dモデルの形状に関する情報を主に保存
- ファイルサイズが小さくデータ転送が高速に行える
- 異なるCADソフトウェアでIGESファイルを開くと表示が若干異なる場合がある
- Autodesk Fusionで作成した詳細な情報はIGESファイルに全て保存されるとは限らない
ファイル形式SATファイル(.sat)
SATファイルは、ACISベースのCADソフトウェア間でのデータ交換に最適なファイル形式です。Autodesk Fusionでも、SATファイルのインポート・エクスポートがサポートされており、高精度な3Dモデルデータを扱うことができます。ただし、ソフトウェア間の解釈の違いや、詳細情報の損失に注意する必要があります。
SATファイルの特徴は以下の通りです。
- 3Dモデルの形状・構造・寸法などを非常に詳細に表現できる
- 異なるCADシステム間でのデータ連携可能
- 異なるCADソフトウェアでIGESファイルを開くと表示が若干異なる場合がある
- Autodesk Fusionで作成した詳細な情報はSATファイルに全て保存されるとは限らない
ファイル形式STEPファイル(*.stp, *.step)
STEPファイルは、Autodesk Fusionと他のCADソフトウェア間で、高精度な3Dモデルデータを交換するための最も一般的なファイル形式の一つです。様々な情報を保存でき、汎用性が高い点が特徴です。ただし、ソフトウェア間の解釈の違いや、詳細情報の損失に注意する必要があります。
STEPファイルの特徴は以下の通りです。
- 異なるCADシステム間でのデータ連携可能
- 異なるCADソフトウェアでSTEPファイルを開くと表示が若干異なる場合がある
- Autodesk Fusionで作成した詳細な情報はSATファイルに全て保存されるとは限らない
Autodesk Fusionが学べるお勧めセミナー
Autodesk Fusionについては記事でも学べますが、理想的な記事を見つけるのは大変です。また、有料のコンテンツも多いためお金を払うのならセミナーを受けるのがおすすめです。
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Autodesk Fusionセミナー講習ではどんなことが学べるのかというと、
- Autodesk Fusionでモデリング方法と設計変更
- 3Dモデルからの図面化と寸法や注記を追加
- スケッチの寸法と幾何拘束
- データの保存・共有方法・ファイルのインポート・エクスポート
- サーフェスを適切に利用した高度なモデリング
- 応力解析の条件の設定と設計変更
- 複数のソリッドボディを利用したモデリング・アセンブリ内のモデリング
- 部品の組上げ・干渉チェック
- 組図・分解図・部品表の作成・編集
このような基本操作から実際のモデリング・応用解析まで学ぶことができます。
誰でも参加しやすいセミナーなので、Autodesk Fusionをプロから学びたいと思う人はぜひこの機会に参加してみてください。
Autodesk Fusionの保存先をローカルにする方法まとめ
今回はAutodesk Fusionで3Dモデルや図面をローカルに保存する方法を手順に沿って詳しく解説しました。
Autodesk Fusionでのローカルに保存する方法は一見難しそうですが、手順を踏んで行えば初心者でも十分行うことができます。
ただ、ローカルに保存することは、バックアップをする上でも重要なので、Autodesk Fusionの使い方で、つまずいたらセミナーでプロに教わるのがおすすめです。
ぜひこの機会にAutodesk Fusionでデータ管理を学び、設計の世界に突入してみてください。
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