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【2025】初めての方でも分かるAutodesk Fusion CAM(製造作業スペース)の使い方

Autodesk Fusionは、製品設計から製造までをシームレスに行える統合型CAD/CAMソフトウェアです。近年、その直感的な操作性と豊富な機能から、プロのエンジニアだけでなく、DIY愛好家や学生など、幅広い層に利用されています。

特に、CAM(Computer Aided Manufacturing)機能は、3Dモデルから実際の製品を製造するためのNCプログラムを生成する上で非常に強力なツールです。しかし、「CAM」と聞くと、複雑な設定や専門知識が必要なイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Autodesk FusionのCAM機能を初めて利用する方に向けて、基本的な操作方法から具体的な手順まで、わかりやすく解説していきます。

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Autodesk Fusion CAMとは

Autodesk Fusion CAM

Autodesk Fusion CAMとは、製品設計から製造までの一連のプロセスをサポートする統合型CAD/CAMソフトウェアです。その中でも、CAM(Computer Aided Manufacturing)機能は、3Dモデルから実際の製品を製造するためのNCプログラムを生成する上で、非常に強力なツールとして注目されています。

Autodesk Fusion CAMは、高度なシミュレーション機能と直感的な操作性を兼ね備え、設計から製造までのワークフローを効率化します。CADで作成した3Dモデルを基に、ツールパスと呼ばれる加工経路を自動生成し、NCプログラムを作成することで、さまざまな工作機械で加工を実行することができます。

Autodesk Fusion CAMの魅力は以下の通りです。

  • 統合性:
    CAD機能とCAM機能がシームレスで設計から製造までの一貫した作業が可能
  • 高機能性:
    2軸から5軸までの加工・旋盤加工・穴加工に対応
  • 操作性:
    直感的なユーザーインターフェースにより初心者でも簡単に操作可能
  • シミュレーション:
    加工シミュレーション機能により加工結果を事前に確認し加工ミスを防ぐことが可能
  • クラウドベース:
    クラウド上で動作するためいつでもどこからでもアクセス可能

Autodesk Fusion CAM ライセンスの種類

Autodesk Fusion CAMには商用ライセンスの他に、学生やスタートアップ企業向けに無料ライセンスがあります。
無料試用版ライセンスは、商用ライセンスと比べ機能に制限があります。

商用ライセンス 1年間ライセンス:96,800円
無料ライセンス 無料ライセンスを利用する場合は、以下の条件があります。
スタートアップ企業向け

  • 従業員数 10 名以下、年間総収益 10 万ドル未満の企業 親会社を含む
  • Autodesk Fusionコミュニティでストーリーを共有できる企業
  • 1年契約。更新には承認が必要

個人利用向け

  • 個人による非商用目的のデザインプロジェクト、または自宅での非商用目的の製造

スタートアップ企業向け

  • 学生、教育者、教育機関

Autodesk Fusion CAMの使い方を画像付きで解説

CAMの流れ

Autodesk Fusionで作成した3Dモデルは、「製造」作業スペース(CAM)を利用することで、ツールパスを作成しNCデータ(Gコード)に変換することができます。

今回は、3DモデルからNCデータ変換までの流れを説明していきたいと思います。3DモデルがないとCAMに移行できないため、3Dモデルの準備から始めていきたいと思います。

「製造」作業スペースからNCデータ変換までの流れは以下の通りです。

  1. 3Dモデルを準備する
  2. 3DモデルをCAMに移行する
  3. 原点を認識させる
  4. 工具を設定する
  5. 加工シュミレーションの設定方法
  6. NCデータを作成する

ステップ①3Dモデルを準備する

CAMを始める前に、3Dモデルを準備しないとCAMに移行できません。まずは、3Dモデルの準備から始めていきたいと思います。

  1. Autodesk Fusionを起動する。
    Fusion360を起動する
  2. 名前を付けて保存する。ここでは「座付き穴」と名前を付けて保存します。
    Fusion360名前を付けて保存
  3. スケッチを選択する。
    Fusion360スケッチを選択
  4. 長方形を選択する。
    Fusion360スケッチ作成
  5. スケッチで描く。
    Fusion360スケッチ
  6. 押し出しを選択する。
    Fusion360押し出し
  7. 厚みを指定する。
    Fusion360厚みを指定
  8. 座付き穴を描くための補助線を描く設定。
    Fusion360補助線
  9. 座付き穴を描くための補助線を描くためスケッチを選択。
    Fusion360補助線設定
  10. 座付き穴を描くための補助線を長方形で描く。
    Fusion360補助線
  11. 座付き穴を設定する。
    Fusion360座付き穴設定
  12. 残りの座付き穴を設定する。
    Fusion360座付き穴
  13. 座付き穴モデルが完成。
    Fusion360座付き穴モデル完成

ステップ②3DモデルをCAMに移行する

3Dデータ(3Dモデル)が準備できましたのでCAM(製造)に移行します。3DモデルからCAMにシームレスに移行できるのが、Autodesk Fusionの良い点です。

Fusion360CAMに移行

3DモデルからCAM(製造)に移行するには以下の手順となり非常にシンプルです。上記の画像を参考にしてください。

  1. 「デザイン」を選択する。
  2. 「製造」を選択する。

ステップ③原点を認識させる

CAMでの原点設定は、超重要なので設定手順を覚えてください。CAM上の原点は、「機械のワーク原点」に必ず合わせるようにする。そうしないと機械が動かいないので設定手順を覚えてください。自社の「機械のワーク原点」を確認してください。

  1. 原点を設定する。設定から必ず入ります。(原点は自社の機械のワーク原点を確認)Fusion360 cam原点設定
  2. ストック設定をする。

Fusion360 ストック設定

ステップ④工具を設定する

工具の登録方法を説明していきます。ここでは、3つの工具の登録方法と使い方を説明していきます。

使用する工具は以下の通りです。

  • センタードリルφ6.0㎜
  • ドリルφ6.5㎜
  • フラットエンドミルφ6.0㎜

となります。

センタードリルを登録する方法

センタードリルの登録方法を説明します。センタードリルとは、ドリルは横の力が弱いため曲がるので、曲がらないために始点となる穴をあける目的があります。

  1. 工具を選択する。Fusion360工具を選択
  2. フォルダを作成する。Fusin360フォルダ作成
  3. 新規工具を選択する。Fusion360新規工具を選択
  4. センタードリルを選択する。Fusion360センタードリル
  5. センタードリルを承認し登録する。Fusion360センタードリル登録
  6. 切削条件を入力するFusin360切削条件
  7. センタードリルを選択する。Fusin360センタードリル選択
  8. センタードリル加工箇所を選択する。Fusin360センタードリル箇所を選択
  9. 高さ設定Fusion360高さ設定

ドリルを登録する方法

ドリルを登録する方法を説明していきます。登録方法は、センタードリルと同じ方法で進めていきます。ドリルは、横に刃は付いておらず穴あけに特化した工具です。

  1. ドリルを選択する。Fusion360ドリルを選択
  2. ドリル径を入力する。Fusion360ドリル径を入力
  3. 切削条件を入力する。Fusion360切削条件登録
  4. ドリルを選択する。Fusion360ドリルを選択
  5. ドリルの加工箇所を設定する。Fusion360ドリル加工設定
  6. 高さ設定をする。Fusion360高さ設定
  7. サイクル設定をする。Fusion360サイクル設定

座付き穴の設定方法

座付き穴を加工するためのエンドミルの工具設定の説明を進めていきます。座付き穴径がφ11.0㎜なので、約半分のφ6.0㎜のフラットエンドミルを登録して加工していきます。工具の登録方法は、センタードリル、ドリルと同じです。

座付き穴、ボルトの頭がはみ出ねないようにする目的があります。

  1. 座付き穴加工設定をする。Fusin360ボア設定
  2. 工具設定をする。Fusion360工具設定
  3. フラッドエンドミルを選択する。Fusin360フラッドエンドミルを選択
  4. 工具径を入力する。Fusion360工具径を入力
  5. 切削条件を入力する。Fusin360切削条件
  6. フラッドエンドミルを選択する。Fusin360フラッドエンドミルを選択
  7. 加工箇所を選択する。Fusion360加工箇所を選択
  8. パスを設定する。Fusion360パスを設定
  9. パスの説明Fusion360パスの説明
  10. リンク設定をする。Fusion360リンク設定

ステップ⑤加工シュミレーションの設定方法

加工シミュレーションとは、実際に加工を行う前に、コンピュータ上で仮想的に加工の様子を再現することです。まるで映画のように、加工工具がどのように動き、ワーク(加工物)がどのように削られていくのかを視覚的に確認できる機能です。

  1. 加工シュミレーション対象の工具を選択する。Fusin360シュミレーション対象工具選択
  2. シュミレーションを設定する。Fusion360シュミレーション設定
  3. シュミレーションを終了する。Fusion360シュミレーション終了

ステップ⑥NCデータを作成する

NCデータを作成するには、ポストプロセッサを理解し、ポスト処理をしなければなりません。

ポスト処理とは、ポストプロセッサのことで、CAMデータを各工作機械に合わせたNCデータに変換するソフトです。ポスト処理の方法を説明していきます。

  1. 加工ツールパスを選択する。
    Fusion360加工ツールパス選択
  2. ポスト処理の設定方法。
    Fusion360ポスト処理設定ポスト選択では、自社の機械に合わせて選択してください。テキストエディタ「Visual Studio Code」のインストール手順を参考にしてください。
  3. NCデータが作成される。
    Fusion360NCデータ作成

Autodesk Fusion CAMの重要機能切削条件とは

Autodesk Fusion CAMの解説

Autodesk FusionのCAM機能で、効率的かつ高品質な加工を実現するためには、切削条件の設定が非常に重要です。切削条件とは、切削速度、送り速度、回転数など、加工に影響を与える値です。適切な切削条件を設定することで、加工時間を短縮し、工具寿命を延ばし、製品品質を向上させることができます。

切削条件は以下の通りです。

項目 内容
切削速度m/min 切削速度は、工具が回転する速度です。
送り速度㎜/min 送り速度は、工具が移動する速度です。
回転数rpm 工具が、1分間に回転する回転数です。

切削条件の数式とは

切削条件の数式とは、切削速度、送り速度、回転数などの値を、材料、工具、機械といった要素と関連付け、最適な加工条件を算出するための数式です。これらの数式は、加工の効率化、製品品質の向上、工具寿命の延長に役立ちます。

切削条件の数式は以下の通りです。

Autodesk Fusion切削条件

Autodesk Fusionが学べるお勧めセミナー

Autodesk Fusionセミナー講習
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  • サーフェスを適切に利用した高度なモデリング
  • 応力解析の条件の設定と設計変更
  • 複数のソリッドボディを利用したモデリング・アセンブリ内のモデリング
  • 部品の組上げ・干渉チェック
  • 組図・分解図・部品表の作成・編集

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  • 3軸の仕上げ加工ツールパスを作成
  • 切削加工機(SRM-20)の使用準備
  • 2Dデータからのモデリング(課題)
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Autodesk Fusionは、製品設計から製造までの一連のプロセスをサポートする統合型CAD/CAMソフトウェアです。その中でも、CAM(Computer Aided Manufacturing)機能は、3Dモデルから実際の製品を製造するためのNCプログラムを生成する上で、非常に強力なツールとして注目されています。

Autodesk FusionのCAM機能は以下の通りです。

  • 設計から製造までの一貫性: 設計と製造の連携がスムーズに行える
  • 直感的な操作性: 複雑な設定は不要で直感的な操作で加工プログラムを作成可能
  • 豊富な機能: 2軸から5軸までの加工・旋盤加工など対応可能
  • シミュレーション機能: 作成した加工プログラムをシミュレーションすることで加工結果を事前に確認
  • クラウドベース: いつでもどこからでもアクセスできチームでの共同作業も可能

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Autodesk Fusion CAMの使い方まとめ

Autodesk FusionのCAM機能は、3DモデルからNCプログラムを生成し、実際の加工に繋げるための強力なツールです。この記事では、Autodesk Fusion CAMの基本的な使い方を説明してきました。

Autodesk Fusion CAMは、設計から製造までの一連のプロセスを効率化する強力なツールです。適切な設定を行うことで、高品質な製品を短時間で製造することができます。この記事を参考にCAMを学んでください。

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